【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 本件を京都簡易裁判所に差し戻す。 理 由 弁護人黒川新作の控訴趣意は末尾につけた控訴趣意書のとおりである。 まず職権で
主文 原判決を破棄する。 本件を京都簡易裁判所に差し戻す。 理由 弁護人黒川新作の控訴趣意は末尾につけた控訴趣意書のとおりである。 まず職権で調査すると、原判決は犯罪事実として、被告人はAと共謀のうえ、昭和二八年四月二四日施行の参議院議員選挙に際し全国区から立候補したBのためその選挙運動の期間中である同月三日法定の禁止を免れる行為として右候補者の氏名及びその選挙演説会に来聴を求める旨記載した文書二十三枚を京都市内等で二十三名の居宅に郵送して頒布したと認定し、法令の適用として、公職選挙法第一四六条第一項第二四三条第五号を挙げている。そして、右に「法定の禁止を免れる行為として」とあるのは、同法第一四二条(文書図画の頒布)の禁止を免れる行為としての意味であると解せられる。 <要旨第一>そこで、同法第一四二条と第一四六条との関係をみるに、前者は選挙運動のために使用する文書図画に関す</要旨第一>る規定であり、後者は外形上は右のように選挙運動用ではないがその実選挙運動のために使用する文書図画に関する規定であると解すべきである。いいかえれば、本来選挙運動用の文書図画については第一四二条の適用<要旨第二>はあつても第一四六条の適用を見る余地は全然ない次第である。ひるがえつて、原判決においては、候補者の</要旨第二>氏名およびその選挙演説会に来聴を求める旨を記載した文書を頒布したというのであるから、それはまさに第一四二条にいわゆる選挙運動のために使用する文書に外ならず、これを頒布したとすれば、同条違反の罪が成立するは格別、同条の禁止を免れる行為ということはあり得ない筋合である。 <要旨第三>されば、原判決が、前記のように選挙運動のために使用する文書と解すべきものを頒布したと認定しなが</要旨第三 が成立するは格別、同条の禁止を免れる行為ということはあり得ない筋合である。 <要旨第三>されば、原判決が、前記のように選挙運動のために使用する文書と解すべきものを頒布したと認定しなが</要旨第三>ら、それは法定の禁止を免れる行為としてこれをしたと判示し第二四三条第五号で処断しているのは、それ自体論理の矛盾であつて、刑事訴訟法第三七八条第四号後段に当る違法がある。 よつて、弁護人の控訴趣意に対する判断をするまでもなく同法第三九七条第一項により原判決を破棄し同法第四〇〇条に従つて本件を原裁判所に差し戻すべきものとし主文のとおり判決をする。 (裁判長判事荻野益三郎判事梶田幸治判事西尾貢一)
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