昭和29(う)127 爆発物取締罰則違反

裁判年月日・裁判所
昭和30年9月27日 名古屋高等裁判所 金沢支部 破棄自判
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      被告人を懲役弐年に処する。      但し此の判決確定の日より参年間右刑の執行を猶予する。      押収に係る証第二号(ラムネ瓶一個及その内容物

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判決文本文8,026 文字)

主文原判決を破棄する。 被告人を懲役弐年に処する。 但し此の判決確定の日より参年間右刑の執行を猶予する。 押収に係る証第二号(ラムネ瓶一個及その内容物)はこれを没収する。 訴訟費用中原審証人A、同B、原審鑑定人B、同Cに支給した分は、被告人の負担とする。 本件公訴事実中、公務執行妨害の点につき、被告人は無罪。 理由検察官金沢地方検察庁検事正岡本吾市の控訴趣意は昭和二十九年五月二十日付控訴趣意書記載の通りであるから、此処にこれを引用する。 論旨第一点について。 記録に依れば、本件公訴第一の事実は、「被告人は昭和二十七年七月八円午後七時五十分頃金沢市a町b番地D大学医学部附属病院構内本館正門より東方約三十米の防火用水槽附近で治安を妨げ又は人の身体財産を害せんとする目的で、水を加えるに因りその数秒後に爆発する性能を有する、爆発物取締罰則に所謂爆発物であるカーバイト約四十瓦入りラムネ弾一本を、日本手拭に包んで、自己の着用するズボン左ポケット内に携帯して所持したものである。」と言うにあるところ、原判決は、被告人が前記日時場所に於て、叙上の如きカーバイト入りのラムネ瓶一本を日本手拭に包んで着衣ポケット内に携帯所持していえ事実は、明白であるとしながら、他方、爆発物取締罰則第一条に所謂爆発物とは、理化学上の爆発現象を惹起するような不安定な平衡状態に於て、薬品其の他の資料が結合せる物体であつて、その破壊力が公共の平和を撹乱し、又は人の身体財産を傷害するに当り、甚大な危害を与える可能性の極めて大なるものを指称すると解し、先づ被告人の所持せるラムネ瓶は、カーバイトを包蔵するのみで、これに水の配合がなく、該装置の一部に、水を保持、流出するような設備を持つて居ないから を与える可能性の極めて大なるものを指称すると解し、先づ被告人の所持せるラムネ瓶は、カーバイトを包蔵するのみで、これに水の配合がなく、該装置の一部に、水を保持、流出するような設備を持つて居ないから、この点に於て前述の如き、不安定な平衡状態に於ける資料の結合体とは認め難いと言い、次いで、その破壊力は、三十糎以内に於て、人の身体の被服せる部分、五六十糎以内に於て、人の身体の薄着又は露出せる部分に、それぞれ傷害を与える程度に止まるから、公共の平和を撹乱し、又は、人の身体財産を傷害損壊するにあたり、甚大な危害を与える可能性が極めて大なるものと言うことが出来ないとし、右見解を拠点とし、結局被告人の前記の所為をもつて罪とならないものと断じていることを認め得る。よつて、以下その当否を判断するのであるが、爆発物取締罰則第一条に所謂爆発物なる用語は、該用語の理化学的な意義を基礎とし、その上に形成された一種の法的概念であるから、従つてその法律上の意義を明確ならしめる為には、先ずもつて、該用語の理化学的な意味を探求するの要あることは言う迄もなく、そこで、鑑定人B作成の昭和二十七年十一月二十五日付鑑定報告書と題する書面の記載、鑑定人C作成昭和二十八年七月一日付鑑定書の記載、B作成昭和二十八年十一月二十一日付鑑定報告書謄本の記載、原審第十五回公判調書証人Cの供述記載、同第十八回公判調書中証人Bの供述記載等を綜合すれば、理化学上、爆発なる概念には広狭二義存し、広義に於ては「或る物体系の体積が急激に増大する現象」を、狭義に於ては「或物質の分解又は化合が急速に行われ、一時に熱とガスとを発生し、その体積が急激に増大する現象を、それぞれ指称するものであること、並に爆発物とは、斯る爆発現象を惹起し得るよう、調合装置されたものを汎称するものであることを知ることが出来るので 熱とガスとを発生し、その体積が急激に増大する現象を、それぞれ指称するものであること、並に爆発物とは、斯る爆発現象を惹起し得るよう、調合装置されたものを汎称するものであることを知ることが出来るのである。しからば法概念としての爆発物の意義如何と言うに、爆発物取締罰則第一条は「治安ヲ妨ケ又ハ人ノ身体財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用シタル者及ヒ人ヲシテ之ヲ使用セシメタル者ハヽヽヽヽヽニ処ス」と定めているところより判断すれば、同罰則に所謂爆発物とは、広義に於ける理化学上の爆発現象を発生せしめ得るよう調合装置された物の内、爆発作用それ自体の破壊力に依つて、「治安を妨げ又は人の身体財産を害するに足るもの」として、通常畏怖される程度の性能を有するものを言うと解すべきである。何となれば、治安を妨げ又は人の身体財産を害するに足る爆発現象である限り、それが分質の分解又は化合に依るものであると否とを問うべきでないから、従つて、爆発の意義を定めるに当つては理化学上広義の概念を採用すべ旨であり、さらに、理化学上の爆発物中、マッチ、玩具の花火等のように、爆発作用が極めて微弱であつて、その破壊力それ自体より、治安を妨げ、又は人の身体財産等を害するものとして、通常畏怖される程度の性能を具有して居ないものは、此の際これを問題とする必要がなく、法に所謂爆発物の概念より、これ等のものを除外すべきであるからである。(なお、爆発物の定義中に「通常畏怖される程度の性能」なる用語を使用した所以は、例えば不発た終つた御弾の如く、具体的な場合に於て爆発の危険かなかつたものであつても、その性質上一般に爆発の虞れありとして畏怖されるに足る装置を持つものである以上、なお、これを爆発物と解すべきであり、これに反して例えば玩具の花火中、偶々人を傷害するに足る爆発力を有するものがあつた その性質上一般に爆発の虞れありとして畏怖されるに足る装置を持つものである以上、なお、これを爆発物と解すべきであり、これに反して例えば玩具の花火中、偶々人を傷害するに足る爆発力を有するものがあつたとしても、これをもつて爆発物と認めない趣旨を表現するものである。)ところで、原判決は「所謂ラムネ弾の如きラムネ瓶にヵーバイトを入れただけで、起爆に必要な資料である水をその中に保有して居ないものは、爆発物それ自体の中に爆発を苦心起すべき装置を持つて居らず、従つて、これを目して爆発物であると為すを得ない。」旨判示しているので、まず、この点より検討を開始するに、大審院大正七年五月二十四日の判決は「爆発物取締罰則ノ所謂爆発物クルニハ自然ニ爆発作用ヲ起スト他ノ物トノ衝突摩擦ニヨリテ爆発スルトヲ問ハズ爆発物中ニ爆発ヲ惹起スヘキ装置ノ存在スルコトヲ要スルモノトス」と判示して居り、これに従うならば、例えばラムネ弾の如く、起爆に必要な材料である水を其の中に保有して居ないものは、恰も前記罰則に所謂爆発物に該当しないものの如く思料し得ないではないけれども、しかしながら、叙上諸鑑定の結果に徴するときは、ラムネ弾とは、ラムネ瓶中にカーバイトを包蔵せしめたものであり、その中に水分を添加するときは、カーバイトよりアセチレン瓦斯を急速に放出し口栓によつて瓶内部の気圧が高まり、七、五乃至八気圧に上昇するに及んで爆発破壊し、これによつて人の身体ま<要旨第一(1)>たは財産を傷害損壊するものであることか認められるところ、およそラムネ瓶に水分を添加する動作の如き</要旨第一(1)>は、これを社会的に観察するときは、恰もマッチをもつて火縄に点火し、又は導線に電流を通すると同様、一挙手一投足の労に過ぎず、水分の添加によつて前記の如くたちまちラムネ弾は爆発するものであり、しかも前記諸鑑定 を社会的に観察するときは、恰もマッチをもつて火縄に点火し、又は導線に電流を通すると同様、一挙手一投足の労に過ぎず、水分の添加によつて前記の如くたちまちラムネ弾は爆発するものであり、しかも前記諸鑑定の結果によつて認め得るが如く、その爆発力は、三十糎以内で炸裂する時は、よく人に対して致命的な傷害を与え得べく、五、六十糎位の距離で爆裂する時に於ても、薄着又は露出せる部分に対しては傷害を与えるに十分であり、その傷害たるやラムネ瓶の破片により頸動脈の切断による致死、眼球の破壊による失明等の結果を惹起する可能性を有するものであつて、その治安を妨げ又は人の身体財産を害するおそれのあること<要旨第一(2)>に於て、火薬其の他の爆発物に比し、その危険性の程度に於て何等の逕庭あるを見ないと言わねばならぬ。本</要旨第一(2)>件ラムネ弾が、それ自体の中に水を保有して居らないことは、まことに原判決の説示する通りであるけれども、水を除外すれば、爆発を惹起するに必要な一切の装置を備え、水分を吸収しさえずれば、数秒後に炸裂するよう、当初よりその目的で調製されたものであること、鑑定其の他諸般の証拠上、一点疑を容れる余地なく、従つて、これが爆発の危険性を社会的見地より判断するときは、所謂ラムネ弾は、起爆に必要な装置をそれ自体の中に完備したものであるとし、これをもつて爆発物取締罰則に所謂爆発物であると解するのが吾人の常識と適合し、最も穏当な解釈であると考えられるのである。この解釈は必ずしも前記大審院判例の趣旨と牴触するものでない。また、最高裁判所昭和二十八年十一月十三日第二小法廷判決は、「爆発物取締罰則にいわゆる爆発物とは、理化学上のいわゆる爆発現象を惹起するような不安定な平衡状態において薬品その他の資料が結合せる物体であつて、その爆発作用そのものによつて公共の安全 法廷判決は、「爆発物取締罰則にいわゆる爆発物とは、理化学上のいわゆる爆発現象を惹起するような不安定な平衡状態において薬品その他の資料が結合せる物体であつて、その爆発作用そのものによつて公共の安全を撹乱し、人の身体財産を傷害損壊するに足る破壊力を有するものをいう。」旨判示して居り、これに従うときは、例えばラムネ弾の如く起爆に必要な材料である水を其の中に保有して居ないものは、恰も前記判示に所謂「不安定ね平衡状態に於て薬品その他の資料か結合した物」と言うを得ないかの如く解され得ないではないけれとも、しかしながら、前記判旨に所謂「爆発現象を惹起するような不安定な平衡状態」とは、「或物体系か急激に其の体積カ増大する現象を惹起するおそれのある不安定な状態そのもの」を意味し「薬品その他の資料の結合体」とは、「薬品と容器其の他の<要旨第二>物資か結付いて一個の物体を構成するに至つたもの」と解するに於ては、ラムネ瓶の如く、これに一定圧力を</要旨第二>加えることに依り、容易に爆発現象を惹起し得べき容器中に、カーバイトの如く、大気中の湿気其の他水分を吸収することに依り、急激に体積を増大するおそれのある不安定な物質を容在せしめたるものは、差当り起爆に必要な水分をその中に保有して居ないとしても、なお、或物体系が急激にその体積を増大する現象を惹起するおそれのある不安定な状態にあるものとして、前記判示に所謂「爆発現象を惹起するような不安定な平衡状態に於て薬品その他の資料が結合せる物体」に該当すると言うを得べく、その爆発作用そのものによつて公共の安定を撹乱し、人の身体財産を傷害損壊するに足る破壊力を有することは、既に述べたところによつて明白であるから、当審の叙上の見解ね最高裁判所判決の趣旨と必ずしも牴触するものでない。叙上大審院並に最高裁判所の各判決は、爆発物取 産を傷害損壊するに足る破壊力を有することは、既に述べたところによつて明白であるから、当審の叙上の見解ね最高裁判所判決の趣旨と必ずしも牴触するものでない。叙上大審院並に最高裁判所の各判決は、爆発物取締罰則に所謂爆発物たるには、「その爆発作用それ自体により、公共の安全を撹乱し、人の身体財産を傷害損壊するに足る破壊力を有すること」を要件としている点に於て、両者共の趣旨を同じうするにも拘らず、その理化学的定義に関する部分に於て前者は「爆発物中に爆発作用を惹起すべき装置の存在することを要す」と言い、後者は「爆発現象を惹起するような不安定な平衡状態において、薬品其の他の資料か結合せる物体であることを要する」旨判示し、前者の所謂「爆発作用を若起すべき装置」、後者の所謂「不安定な平衡状態」なる用語の意義か必ずしも明確でない結果、此処に若干の疑義の発生するを否み得ないけれども、前顕鑑定人B作成の鑑定書の記載、B作成鑑定報告書と題する書面の記載により認定し得るか如く、理化学上爆発物の意義を爆発性化合物(例えばTNT)、爆発性混合物(例えば黒色火薬)の如き所謂爆発性物質に局限せず、広く爆発性物体又は爆発性物品(例えばガスボンベ)を総称するものと解するに於ては、判示冒頭に於て説明したる如く爆発物とは「或物体系の体積か急激に増大する現象を惹起し得るよう調合装置されたもの」を汎称すると解するを得べく、この見解は既に説明したるが如く前記二判例の趣旨と必ずしも牴触するものでないのみならず、斯の如く定義するに於ては、空気、瓦斯、真空等を利用した一切の爆発性物品をその中に包摂することか出来る。従つて当審は爆発物の定義を定めるにあたり、右の見解を採用したものである。これを要するに本判決はラムネ瓶に水分を、添加する動作をもつて、恰もダイナマイトに点火する作用の如き、一種の ることか出来る。従つて当審は爆発物の定義を定めるにあたり、右の見解を採用したものである。これを要するに本判決はラムネ瓶に水分を、添加する動作をもつて、恰もダイナマイトに点火する作用の如き、一種の起爆工作に過さないと解し、水分をもつて、爆発物を構成する一資料として必ずしも観察しない立場をとるものであり、爆発物の意義を主としてその社会的危険性の面より判断したものである。 さらに原判決は、「爆発物取締罰則に所謂爆発物たるには、その爆発性能か極めて高度であるか或は不特定多数人の身体財産に対し、甚大な被害を与えるに足るものたることを要す。」る旨判示しているので、進んでこの点について案ずるに、同罰則第一条は「治安ヲ妨ケ又ハ人ノ身体財産ヲ害セントスルノ目的ヲ以テ爆発物ヲ使用ソタル者及ヒ人ヲノテ之ヲ使用セシメクル者」と定めるのみであり、原判示の如き、(一)爆発性能が極めて高度であること、(二)不特定多数人の身体財産に対し、被害を与えること、及び(三)その被害は甚大であること等の諸点を、犯罪構成要件として、法文中に挙示して居ないから、法文の文理より原判示の如き結論を引出すに由なく、しかるに斯る制限的な解釈論が出現するに至つた所以は、原判決も論及するが如く、爆発物取締罰則の法定刑が、刑法所定類似犯罪の法定刑に比し、幾分重いように感せられると言う、唯一点を論拠とするものであるが、本来構成要件を異にする別個の犯罪の法定刑について、各所為に対する刑罰の相対的関係を離れ、もつぱら刑の軽重のみを比較論評するが如きは、殆ど血意義に近い行為であり、さればと言つて、所為に対する刑罰の相対性を承認すれば、刑の軽重を評価すべき客観的基準を見失うに至ることは、敢て此処に説明する迄もなく、従つて、人若し斯の如き、構成要件を異にする犯罪の刑につき、その軽重を論評するに於ては、 る刑罰の相対性を承認すれば、刑の軽重を評価すべき客観的基準を見失うに至ることは、敢て此処に説明する迄もなく、従つて、人若し斯の如き、構成要件を異にする犯罪の刑につき、その軽重を論評するに於ては、これより生じ来るその判断なるものは、行為を離れた単純なる刑罰比較論でなければ、多分に判断する者の主観によつて左右された一種の量刑論に外ならず、安定性を尊ぶ法律の解釈に斯る方法を用いることは、決して妥当であると言うを得ない。いわんや、刑法総則には刑の減軽、執行猶予等に関する幾多の規定があり、爆発物取締罰則違反の罪に対して相当寛大な処分を為し得るに於てをやである。爆発物取締罰則第一条に所謂爆発物の意義に関する原審の法解釈は、ひとり法文の文理と牴触するのみならず、相当の根拠溶くして、法定の犯罪構成要件に不当な制限を加えカ解釈を施し、有責違法の行為に対し、誤つて罪とならざる旨の判定を下したものであると言うべきである。以上により明かとなつたように、原判決は結局法令の解釈適用を誤つたものであり、その誤りは判決に影響すること勿論であるから論旨は理由があり原判決は破棄を免れない。 よつて、刑事訴訟法第三百九十七条第三百八十条て従い原判決を破棄した上、同法第四百条但書に依り、次の通り判決する。 被告人は昭和二十七午七月八日午後七時五十分頃金沢市c町b番地D大学医学部附属病院梼内本館正門より東方約三十米の防火用水槽附近で、治安を妨げ又は人の身体財産を害せんとする目的の下に、水を加えさえすれば、数秒後に爆発する性能を有する、爆発物取締罰則に所謂爆発物であるカーバイト約四十瓦入りラムネ弾一本(証第二号)を日本手拭に包んで、自己の着用するズボン左ポケツト内こ携帯して所持して居たものである。 右事実は、一、原審第二同公判調書中証人E、同F、同Gの各供述記載一 瓦入りラムネ弾一本(証第二号)を日本手拭に包んで、自己の着用するズボン左ポケツト内こ携帯して所持して居たものである。 右事実は、一、原審第二同公判調書中証人E、同F、同Gの各供述記載一、当審証人尋問調書中証人E、同F、同H〇各供述記載一、鑑定人B作成の昭和二十七年十一月二十五日付鑑定報告書と題する書面、同C作成昭和二十八年七月一日付鑑定書、B作成昭和二十八年十一月二十一日付鑑定報告書謄本の各記載一、原審第十五回公判調書中証人Cの供述記載一、原審第十八回公判調書中証人Bの供述記載一、原審第二回公判調書中証人Aの供述記載一、押収に係る証第二号(ラムネ瓶一個及その内容物)の存在を綜合してこれを認定する。 法律に照すに、被告人の判示所為は、爆発物取締罰則第一条に定める目的をもつて爆発物を所持したものとして、同法第三条に該当するので、所定刑中懲役刑を選択し、犯罪の情状に憫諒すべきものがあると認め、刑法第六十六条第七十一条第六十八条第三号に則り、酌量減軽した刑期範囲内に於て、被告人を懲役弐年に処すべく、なお諸般の状況に鑑み、刑の執行を猶予すべき事由ありと認め、同法第二十五条第一項を適用し、此の判決確定の日より参年間、右刑の執行を猶予すべく、押収こ係る証第二号(ラムネ瓶一個及其の内容物)は本件犯罪行為を組成した物件であり、犯人以外の者に属しないから同法第十九条第一項第一号第二項こよりこれを没収すべく、訴訟費用の負担こついては刑事訴訟法第百八十一条第一項本文により主文掲記の如く被告人をして共の負担を為さしむべきものとする。 本件公訴事実中「被告人は昭和二十七年七月八日午後七時五十分頃金沢市aD大学附属病院構内本館正門より東方約三十米の防火用水槽附近に於て、警邏中の金沢市警察署刑事巡査Eより挙動不審者として職務質 。 本件公訴事実中「被告人は昭和二十七年七月八日午後七時五十分頃金沢市aD大学附属病院構内本館正門より東方約三十米の防火用水槽附近に於て、警邏中の金沢市警察署刑事巡査Eより挙動不審者として職務質問を受け、更にポケツト内の所持品こついて質問されるや、矢庭に前記Eの左足向脛を靴穿の儘、蹴飛して暴行を加え、以て同巡査の職務執行を妨害したものである。」との点については、論旨に対する判断の部分に於て説明した通り、犯罪の証明がないから、刑事訴訟法第四百四条第三百三十六条に従い無罪の言渡しを為すべきものとする。 よつて主文の通り判決する。 (裁判長判事水上尚信判事成智寿朗判事沢田哲夫)

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