昭和27(オ)9 動産及び不動産引渡等請求

裁判年月日・裁判所
昭和29年6月11日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 仙台高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人らの負担とする。          理    由  上告代理人田中徳一の上告理由は別紙上告理由書記載のとおりである。  第一点、

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判決文本文1,479 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人らの負担とする。 理由 上告代理人田中徳一の上告理由は別紙上告理由書記載のとおりである。 第一点、第二点、第三点について。 記録によれば、被上告人は、相手方Dの訴求した、家屋の所有権移転登記とその引渡、電話加入名義の変更申請手続、動産の引渡等をなすべき旨の第一審判決を受け、右判決に対し控訴したものであつて、右控訴を取下げれば前記敗訴判決が確定し、その執行を受ける関係にあつたことが明らかである。そして、この事実と甲第二号証(戸籍謄本)、原審が中間判決において引用した証拠等によれば、もし右判決が執行せられるときは、被上告人が姉E夫婦によつて経営していたF旅館の経営に支障を来し、被上告人の生活の根拠が脅かされる結果となることは明らかであるに拘らず、被上告人は本件控訴取下の当時、すでに成年を過ぎ、且未だ準禁治産宣告を受けてもいなかつたけれども、生来、医学上いわゆる精神薄弱者に属する軽症痴愚者であつて、その家政、資産の内容を知らず、治産に関する社会的知識を欠き、思慮分別判断の能力が不良で、その精神能力は十二、三才の児童に比せられる程度にすぎず、しかも、その控訴取下は姉E夫婦や訴訟代理人に相談せずなされたこと、そのため被上告人は、控訴取下によつて前記の如き重大な訴訟上並に事実上の結果を招来する事実を十分理解することができず、控訴取下の書面を以て、漠然相手方に対する紛争の詑状の程度に考え、本件控訴取下をなしたものであること、以上の如き事実が認められるから、被上告人のなした本件控訴取下は、ひつきよう意思無能力者のなした訴訟行為にあたり、その効力を生じないものと解すべきである。これに反して、控訴の提起自体は、単に一審判決に対する不服の申立たるに過ぎず、- 告人のなした本件控訴取下は、ひつきよう意思無能力者のなした訴訟行為にあたり、その効力を生じないものと解すべきである。これに反して、控訴の提起自体は、単に一審判決に対する不服の申立たるに過ぎず、- 1 -かつ敗訴判決による不利益を除去するための、自己に利益な行為である関係上、被上告人においても、その趣旨を容易に理解し得たものと認められるから、本件控訴の提起はこれを有効な行為と解するを妨げないのであり、従つて原審が、被上告人の控訴取下を無効と判断するとともに、被上告人の控訴に基き、本案の審理判決をしたのは正当であつて、論旨は理由がない。 同第六点、第七点について。 原判決は本件物件の譲渡は単純な売買によるものでなく、債権担保のためにする信託的な譲渡であるから、被上告人の債務不履行を理由に担保権実行のため係争物件の引渡を求めるのなら格別、被担保債権の履行を求めこともなく、いきなり単純売買を主張して係争物件の引渡を求めるがごときは、判示信託契約の趣旨にも反するものであつて、信義にもとるところであると判断したものであつて、右原審の判断は正当である。論旨は、原審の認定しない事実に基き、もしくは原判示に副わない事実によつて、原審の判断を非難するもので採るに足らない。 その余の論旨は最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律にいう「法令の解釈に関する重要な主張」を含むものとは認められない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官 霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎- 2 -

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