令和7年5月15日判決言渡同日原本交付裁判所書記官令和4年(行ウ)第41号公費返還請求事件口頭弁論終結日令和7年2月14日判決 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は、Aに対し、21万7470円及びこれに対する令和4年10月19日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員の支払を請求せよ。 2 被告は、Bに対し、22万2850円及びこれに対する令和4年10月14日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員の支払を請求せよ。 第2 事案の概要 1 本件は、北海道の住民である原告らが、亡C元首相の国葬儀(以下「本件国葬儀」という。)の実施は、憲法13条、14条、19条、20条2項、3項、89条、21条及び41条に反し違憲かつ違法であり、北海道知事であるA及び北海道議会議長であったBが本件国葬儀に参列したことも違憲かつ違法であるとして、A及びBの本件国葬儀への参列に係る公金の支出は違法な財務会計行為である旨主張し、地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき、被告に対し、A及びBに対する支払請求をするよう求める事案である。 2 前提事実(争いのない事実及び後記括弧内に掲記の証拠によって容易に認定できる事実)⑴ 当事者等原告らは、北海道の住民である。 被告は、北海道知事である。また、Bは、令和4年9月当時、北海道議会議 長の職にあった者である。 ⑵ 本件国葬儀の実施に係る経緯ア内閣は、令和4年7月22日、次のとおり本件国葬儀を行う旨の閣議決定を行った(乙1)。 (ア) 葬儀は、国において行い、故C国葬儀と称する。 ⑵ 本件国葬儀の実施に係る経緯ア内閣は、令和4年7月22日、次のとおり本件国葬儀を行う旨の閣議決定を行った(乙1)。 (ア) 葬儀は、国において行い、故C国葬儀と称する。 (イ) 葬儀に関する事務をつかさどらせるため、葬儀委員長、同副委員長及び同委員を置く。 葬儀委員長は内閣総理大臣とし、同副委員長及び同委員は内閣総理大臣が委嘱する。 (ウ) 本件国葬儀は、令和4年9月27日、日本武道館において行う。 (エ) 本件国葬儀のため必要な経費は、国費で支弁する。 イ葬儀委員長のD首相は、同年7月22日、本件国葬儀の執行に関する細部の事務を処理するため、葬儀実行幹事会(以下「本件幹事会」という。)を設置した(乙3)。 ウ本件幹事会は、同年8月31日、本件国葬儀の実施について次のとおり決定した(乙4)。 (ア) 同年9月27日午後2時開式、場所は日本武道館とすること。 (イ) 参列者は、三権の長(現職及び元職)、国会議員(現職及び元職)、海外の要人、立法・行政・司法関係者、地方公共団体代表、各界の代表など、最大で約6000人程度とすること。 (ウ) 同日午前10時から午後4時までの間、日本武道館外に設ける献花台において、一般献花を実施すること。 エ同日、日本武道館で本件国葬儀が行われ、217の国及び地域並びに国際機関等からの734名を含む4183名が参列した(乙6の1・2)。本件国葬儀の次第は次のとおりであった(乙7)。 (ア) 御遺骨式場到着 (イ) 開式の辞(ウ) 国歌演奏(エ) 黙とう(オ) 生前のお姿の映写(カ) 追悼の辞(キ) 勅使・皇后宮使御拝礼(ク) 上皇使・上皇后宮使御拝礼(ケ) 御供花(コ) 献花 ) 開式の辞(ウ) 国歌演奏(エ) 黙とう(オ) 生前のお姿の映写(カ) 追悼の辞(キ) 勅使・皇后宮使御拝礼(ク) 上皇使・上皇后宮使御拝礼(ケ) 御供花(コ) 献花(サ) 御遺骨お見送り⑶ A及びBの本件国葬儀への参列北海道は、令和4年9月9日、葬儀委員長のD元首相から、全国知事会を通じてA宛ての本件国葬儀の案内状を受理するとともに、全国都道府県議会議長会を通じてB宛ての本件国葬儀の案内状を受理した(乙8、17)。 北海道総合政策部総務課企画担当課長は、同月14日、全国知事会総務部長に対して、Aが本件国葬儀に参列する旨回答するとともに、北海道議会事務局長は、同日、全国都道府県議会議長会総務部長に対して、Bが本件国葬儀に参列する旨回答した(乙9、18)。 A及びBは、同月26日及び27日、東京都へ出張して本件国葬儀に参列した。なお、A及びBの出張には、それぞれ北海道職員が1名ずつ随行した。 ⑷ 旅費等の支出Aの本件国葬儀への参列に係る支出は、Aの旅費9万3730円、随行職員の旅費8万6480円、タクシー及びハイヤーの利用料金3万7260円である。 Bの本件国葬儀への参列に係る支出は、Bの費用弁償9万8630円、随行職員の旅費9万1380円、タクシー及びハイヤーの利用料金3万2840円 である。 ⑸ 監査請求原告らは、令和4年8月19日付け及び同月30日付けで、A及びBの本件国葬儀への参列に係る支出は違法である旨主張して、住民監査請求を行ったところ、同年10月20日付けでこれを棄却する旨の決定を受けた(甲1)。 第3 争点及びこれに対する当事者の主張 1 争点⑴ 被告がBに対し9万8630円を超える金員及びこれに対する令和4年10月14日から 0日付けでこれを棄却する旨の決定を受けた(甲1)。 第3 争点及びこれに対する当事者の主張 1 争点⑴ 被告がBに対し9万8630円を超える金員及びこれに対する令和4年10月14日から支払済みまで年3%の割合による金員の支払を請求するよう求める訴え(以下、随行職員の旅費9万1380円に係る部分の訴えを「本件訴え①」、タクシー及びハイヤーの利用料金3万2840円に係る部分の訴えを「本件訴え②」という。)の適法性(本案前の争点。争点⑴)⑵ A及びBの本件国葬儀への参列に係る支出の適法性(本案の争点。争点⑵) 2 争点に対する当事者の主張⑴ 争点⑴(本件訴え①及び②の適法性)について(被告の主張)法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」とは、住民訴訟においてその適否が問題とされている財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するものとされている者及びこれらの者から権限の委任を受けるなどして当該権限を有するに至った者である。そして、北海道議会議長は、本件訴え①及び②に係る支出について権限を有しているわけではないから、Bは、同号に規定する「当該職員」に該当しない。 また、同号に規定する「相手方」は、公金の支出が問題となっている場合には支出の相手方となる者をいうと解されるところ、本件訴え①に係る支出の相手方は随行職員であり、本件訴え②に係る支出の相手方はサービスを提供した運送会社であるから、Bは、同号に規定する「相手方」にも該当しない。 したがって、Bは、同号に規定する「当該職員」にも「相手方」にも該当しないから、本件訴え①及び②は不適法である。 (原告らの主張)争う。 公金の支出が問題となっている事案において、法242条の2第1項4号に規定する「相手方」は、当該支出 しないから、本件訴え①及び②は不適法である。 (原告らの主張)争う。 公金の支出が問題となっている事案において、法242条の2第1項4号に規定する「相手方」は、当該支出によって実質的に利益を得た者と解すべきである。そして、本件訴え①及び②に係る支出によって実質的に利益を得たのはBであるから、Bは、同号に規定する「相手方」に該当する。 したがって、本件訴え①及び②は適法である。 ⑵ 争点⑵(A及びBの本件国葬儀への参列に係る支出の適法性)について(原告らの主張)ア前提となる事実関係(ア) 本件国葬儀の際の対応北海道内では、道本庁、各振興局庁舎、帯広畜産大学、札幌市、釧路市、小樽市、室蘭市、岩見沢市、滝川市、名寄市、士別市等で、本件国葬儀当日、半旗掲揚が行われた。 (イ) 亡C元首相の家族葬の際の対応帯広市では、教育委員会が、令和4年7月12日の亡C元首相の家族葬に合わせて学校での半旗掲揚を要請し、実際に半旗掲揚を行った。 イ本件国葬儀の実施が違憲かつ違法であること(ア) 本件国葬儀の実施が憲法13条前段及び14条に反し違憲であること 憲法13条は、「すべて国民は、個人として尊重される。」と規定し、憲法14条は、法の下の平等という側面から、個人の尊重原理を述べている。 これらは、「治者と被治者、支配者と被支配者の同一性」を本質とする民主主義社会を構築する上で極めて重要な原理である。 現行憲法の下で、法の下の平等に関する唯一の例外は、日本国の象徴である天皇である。本件国葬儀は、亡C元首相という特定の現職政治家を国の儀式という形で国家を挙げて追悼するというものであり、本件国葬儀の実施は、C元首相に 下の平等に関する唯一の例外は、日本国の象徴である天皇である。本件国葬儀は、亡C元首相という特定の現職政治家を国の儀式という形で国家を挙げて追悼するというものであり、本件国葬儀の実施は、C元首相に対して一般の国民とは異なる特別の地位を付与するものであるから、憲法13条前段及び14条に反し違憲である。 (イ) 本件国葬儀の実施が憲法19条に反し違憲であること思想及び良心という内心の作用又は営みには、他の精神作用には還元できない固有の働きがある。つまり、思想及び良心は、国家にとって放置しておくことが危険である一方、動員できれば内心世界に国民統合の共通意識を醸成することが可能となり、むしろ国家統治にとって好都合なものとなる。実際、旧体制における歴史的沿革は、思想や良心が国家の規制衝動、操作衝動を強く挑発する精神作用であったことを例証しているといってよい。 日本国憲法において思想及び良心の自由が新規に導入されたのは、そのような固有性が認識されるに至ったと同時に、旧体制下において外面的精神活動の自由が抑圧され総崩れ状態であったからこそ、単にそれらの条項を再掲するだけでなく、戦後日本において外面的な精神活動の自由の保障規定が期待どおりに現実化されるためにこそ、憲法典上にそもそもの原理原則から説き起こし、内面的な精神活動の自由の保障規定を独立しておくことが必要であると考えられたと解される。 そして、本件においては、本件国葬儀が実施されるのを受けて、北海道庁本庁舎及び各振興局庁舎では、令和4年9月27日、弔意を示す半旗が掲揚され、これらの建物内で勤務していた公務員及びこれらの建物に来訪した者らは、弔意を示す半旗が掲揚された建物内にいることにより、弔意を表明することを強制された。この他にも、本件国葬儀 を示す半旗が掲揚され、これらの建物内で勤務していた公務員及びこれらの建物に来訪した者らは、弔意を示す半旗が掲揚された建物内にいることにより、弔意を表明することを強制された。この他にも、本件国葬儀が実施されるのを受けて、各地方公共団体や教育委員会が学校に対して弔意を示すための半 旗掲揚を行うよう求める通知を出すなどしており、半旗が掲揚された建物内にいる人々は、弔意を表明することを強制された。 したがって、本件国葬儀の実施は、弔意の表明を強制するものであるから、憲法19条に反し違憲である。 (ウ) 本件国葬儀の実施が憲法20条2項、3項及び89条に反し違憲であること 日本で行われる「葬儀」は、ほぼ全ての場合宗教的な意味を持つものであり、本件国葬儀も例外ではない。「葬儀」とは、「死者を葬る儀式」であり、「死者を葬る」とは「死体や遺骨を墓所などにおさめる。埋葬する」ことである。 これは、「死」というものが、人知の及ばない不安とおそれを抱かせるもので、「死」とりわけ「近親者の死」によって心を大きく揺さぶられるがゆえに、その死を何らかの形で意味付け、位置付けた上で、これを克服して乗り越え、心の平安を回復するための作業が人間にとって不可欠であることを示している。そして、その作業は、「死が人々に与える精神的衝撃の回復行為」という性格上、おのずと、神仏に祈るなど超自然的なものに思いを致す行為を介在することになる。葬儀を行い、又は参列するという行為は、心の平安を取り戻す行為、精神的活動であり、まさに宗教行為なのである。 そして、本件国葬儀は、国として亡C元首相を追悼して弔意を示す儀式であり、宗教的意味を有するものであるから、本件国葬儀の実施は、憲法20条3項及び89条に反し違憲である。 。 そして、本件国葬儀は、国として亡C元首相を追悼して弔意を示す儀式であり、宗教的意味を有するものであるから、本件国葬儀の実施は、憲法20条3項及び89条に反し違憲である。 また、国民は、本件国葬儀という宗教的行事の主催者となることを強制されており、本件国葬儀の実施は、憲法20条2項に反し違憲である。 (エ) 本件国葬儀の実施が憲法21条に反し違憲であること本件国葬儀の実施は、亡C元首相が銃撃されたという非業の死を想起さ せ、亡C元首相への追悼を誘発するものであった。 もとより政府は、様々な資源において私人に比べて優位な立場にあるだけでなく、民主主義の下での正統性という私人にはない固有の優位性も有しているところ、本件国葬儀の実施は、政府が自身に都合の良い言論を思想の自由市場に投入し、市場を操作しようとするものであって、憲法21条に反し違憲である。 (オ) 本件国葬儀の実施は法的根拠がなく憲法41条に反することから違憲かつ違法であること a 本件国葬儀の実施には法律上の根拠が必要であること全ての行政活動については作用法上の根拠が必要であると解すべきであり、本件国葬儀の実施についても同様である。なお、国民一般に喪に服することを強制するような取扱いをしない場合には法的根拠は不要であるとする見解もあるが、そのような見解は、憲法41条及び行政法の解釈に反するものである。 また、憲法14条3項の「栄典」は、「名誉を表彰する趣旨で認められた法律上の特殊地位の総称」であり、特定人の国家に対する功労や栄誉を表彰するために与えられる位階や勲章等の特定の待遇(特別の地位、栄誉又は褒章)を意味するところ、亡C元首相の死を追悼する本件国葬儀は「栄典」に該当するものである。そ 特定人の国家に対する功労や栄誉を表彰するために与えられる位階や勲章等の特定の待遇(特別の地位、栄誉又は褒章)を意味するところ、亡C元首相の死を追悼する本件国葬儀は「栄典」に該当するものである。そして、政府が栄典を授与する場合には少なくとも法律上の根拠が必要であるから、本件国葬儀の実施についても法律上の根拠が必要であると解すべきである。 以上のとおり、本件国葬儀の実施には作用法上の根拠が必要である。 b 本件国葬儀の実施には法的根拠がないこと戦前の国葬令は天皇が定める「勅令」により制定され、3条では「国家ニ偉勲アル者」に対し天皇の「特旨」をもって国葬を行うことが定められ、政治家や軍人の葬儀が国葬として行われてきた。しかし、国葬令 は、日本国憲法の施行に伴い、「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律第72号」に規定する要件を具備した法律が制定されなかったことから、昭和22年12月31日をもって失効した。 また、内閣府設置法4条3項33号が、内閣府が所管する事務として国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関することを挙げているが、同号はあくまでも行政組織法であり、行政機関の権限行使の根拠及び基準を定める行政作用法ではないから、本件国葬儀の根拠規定とはならない。 以上によれば、本件国葬儀の実施は法的根拠を欠くものであった。 c したがって、本件国葬儀の実施は憲法41条に反するものであり、違憲かつ違法である。 ウ A及びBが本件国葬儀に参列することが違法であること(ア) A及びBが本件国葬儀に参列したことは、本件国葬儀の実施の違憲性を助長するものであり、違法であること前記イのとおり、本件国葬儀の実施は違憲かつ違 儀に参列することが違法であること(ア) A及びBが本件国葬儀に参列したことは、本件国葬儀の実施の違憲性を助長するものであり、違法であること前記イのとおり、本件国葬儀の実施は違憲かつ違法であるから、A及びBが本件国葬儀に参列したことは、本件国葬儀の実施の違憲性を助長するものであるから違法である。 (イ) Aの本件国葬儀への参列は法2条2項に規定する「地域における事務」に該当せず違法であり、Bの本件国葬儀への参列も手続的に違法であることaAの本件国葬儀への参列が法2条2項に規定する「地域における事務」に該当せず違法であること法2条2項に規定する「地域における事務」に該当するためには、①住民の福祉の増進を図るための住民に身近な行政として住民から信託されたと解することができること、②国から独立して地方公共団体が自 主的に地域における事務として行うことを決定したこと、③地方公共団体において民主的に地域における事務として行うことを決定したこと、という要件を充足する必要があると解すべきである。 これを本件国葬儀へのAの参列についてみると、元内閣総理大臣の葬儀は、住民の権利利益の実現又は確保とは何ら関連性がないものであるから、①の要件を充足しない。また、Aの参列は、葬儀委員長のD元首相の案内を受け、当該参列が住民の福祉の増進のために必要な住民に身近な行政であるかについての十分な検討を経ないまま決定されたものであるから、②の要件も充足しない。さらに、法89条2項では、「普通地方公共団体の議会は、この法律の定めるところにより当該普通地方公共団体の重要な意思決定に関する事件を議決し」と規定されており、本件国葬儀への参列は「重要な意思決定に関する事件」に該当し、議会の議決が必要であるところ、本件ではそのよ るところにより当該普通地方公共団体の重要な意思決定に関する事件を議決し」と規定されており、本件国葬儀への参列は「重要な意思決定に関する事件」に該当し、議会の議決が必要であるところ、本件ではそのような民主的な手続で決定されたとはいえないから③の要件も充足しない。 したがって、Aの本件国葬儀への参列は、法2条2項に規定する「地域における事務」には該当しない。 また、本件国葬儀の実施は、学校等における半旗掲揚を伴うものであり、実際、亡C元首相の家族葬の際の半旗掲揚や本件国葬儀の際の半旗掲揚の要請が行われる(前記ア)中で、A及びBの本件国葬儀への参列は、北海道における学校での半旗掲揚の実施の有無等を検討せず行われたものであるから、教育行政における地方自治の観点からも、法2条2項に規定する「地域における事務」には該当しない。 したがって、Aの本件国葬儀への参列は、法2条2項に規定する「地域における事務」には該当しないから、当該参列は同項に反し違法である。 bBの本件国葬儀への参列が手続的に違法であること 「地域における事務及びその他の事務」を権限とする知事とは異なり、北海道議会の議長であったBの職務は、「議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理」することに限定され、議長として議会を代表するものの、自治体を代表するものではない。そして、Bの本件国葬儀への参列は、議会を代表して参列する手続を経ていないことから個人参加であり、同参列のための費用の支出は、議員費用弁償条例3条2項に規定する「公務のための旅行」に該当しないから、Bの本件国葬儀への参列は手続的に違法である。 エ前記ウのとおり、A及びBの本件国葬儀への参列は違法であるから、同参列に係る支出も違法である。 (被告の主張) 」に該当しないから、Bの本件国葬儀への参列は手続的に違法である。 エ前記ウのとおり、A及びBの本件国葬儀への参列は違法であるから、同参列に係る支出も違法である。 (被告の主張)ア本件国葬儀の実施が違憲又は違法なものとはいえないこと(ア) 原告らの憲法13条前段及び14条違反に係る主張についてD元首相が、本件国葬儀の実施に当たって、国民に対して敬意や弔意を表明することは求めていない旨発言していることから、本件国葬儀の実施は憲法13条前段に反するものではない。 また、亡C元首相が内閣総理大臣として顕著な功績を挙げたことをもって国葬儀の対象とすることには、特別扱いの合理性があるから、本件国葬儀の実施は憲法14条に反するものではない。 (イ) 原告らの憲法19条違反に係る主張について本件国葬儀の実施は、国民に対して弔意の表明を強制するものでもないし、事実上強制するものでもないから、本件国葬儀の実施は憲法19条に反するものではない。 (ウ) 原告らの憲法20条2項、3項及び89条違反に係る主張について本件国葬儀が特定の宗教の形式を採用しているわけではないこと等を踏まえれば、本件国葬儀の実施は憲法20条3項及び89条に反するもの ではない。 (エ) 原告らの憲法21条違反に係る主張について本件国葬儀の実施は、国民に対して弔意の表明を強制するものでもないし、事実上強制するものでもないから、本件国葬儀の実施が憲法21条に反するものではない。 (オ) 本件国葬儀の実施は法的根拠がなく憲法41条に反することから違憲かつ違法である旨の原告らの主張について内閣府設置法4条3項33号が、内閣府が所 反するものではない。 (オ) 本件国葬儀の実施は法的根拠がなく憲法41条に反することから違憲かつ違法である旨の原告らの主張について内閣府設置法4条3項33号が、内閣府が所管する事務として国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関することを挙げていることを踏まえれば、本件国葬儀の実施は、行政権の作用に含まれる。 そして、国民の権利を制限し又は義務を課すものについては根拠法が必要であると解されるところ、本件国葬儀の実施は国民の権利を制限し又は義務を課すものということができないから、内閣府設置法4条3項33号の他に根拠法は不要である。 また、旧憲法下における国葬令に代わる法令が制定されていないとしても、国民一般に喪に服することが強制されるような取扱いをしない場合には、法的根拠を与えるための立法行為は不要である。 イ A及びBが本件国葬儀に参列することが違法とはいえないこと(ア) 前記アのとおり、本件国葬儀の実施が違憲又は違法なものとはいえないから、A及びBが本件国葬儀に参列したことが本件国葬儀の実施の違憲性を助長するものとして違法であるということもできない。 (イ) 法2条2項に規定する「地域における事務」は、現に地方公共団体において処理されている事務のほとんど全てを含み得る広い概念として構成されているから、住民を含む当該地域との合理的な関連性が認められれば「地域における事務」に該当すると解すべきである。そして、地方公共団体の長又はその他の執行機関のする交際については、普通地方公共団 体の役割を果たすため相手方との友好、信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的に見ることができ、かつ、社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り、当該普通公共団体の事務に含 、普通地方公共団 体の役割を果たすため相手方との友好、信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的に見ることができ、かつ、社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り、当該普通公共団体の事務に含まれるものとして許容されると解される。 これを本件国葬儀へのAの参列について見ると、本件国葬儀への参列は、客観的に見て、国との友好、信頼関係の維持増進を図る目的のものと考えられる。また、本件国葬儀への参列に係る公金支出は必要最小限の額であり適正手続により執行されていること、本件国葬儀には国や地方の公職者の多くが参列し、Aはそのうちの一人にすぎないことも踏まえれば、Aの本件国葬儀への参列は、法2条2項に規定する「地域における事務」に該当する。 なお、本件国葬儀における北海道内の学校での半旗掲揚等の事実は、本件国葬儀への参列が法2条2項に規定する「地域における事務」に該当するか否かとは無関係である。 また、Bは、北海道議会の事務を統理し、北海道議会を代表する立場にあるところ、本件国葬儀への参列は、その経緯や態様等に照らし、国との信頼関係を維持増進する。 したがって、A及びBの本件国葬儀への参列は適法である。 ウ前記イのとおり、A及びBの本件国葬儀への参列は適法であるから、同参列に係る支出も適法である。 第4 当裁判所の判断 1 認定事実以下の事実は、当事者間に争いがないか、後掲括弧記載の各証拠及び弁論の全趣旨により認められる。 ⑴ 関係法令の定めア法の定め 法149条2号は、普通地方公共団体の長が担任する事務として予算の執行を定める。 法153条1項は、普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその補助機関である職員に委任することができる旨定める。 法170 体の長が担任する事務として予算の執行を定める。 法153条1項は、普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部をその補助機関である職員に委任することができる旨定める。 法170条1項及び2項は、会計管理者が、原則として、普通地方公共団体の現金の出納保管等の会計事務をつかさどる旨定める。 イ北海道財務規則(昭和45年4月1日規則第30号。以下、単に「北海道財務規則」という。)の定め(乙10〔10~12頁〕)北海道財務規則12条1項柱書き本文は、知事は、原則として、部局長に対し、その所掌に属する事務に係る次の各号に掲げる事項の執行を委任する旨規定し、同項(3)は支出負担行為を行うこと、同項(4)は支出を命令することを定める。 同条2項柱書きは、前項本文の規定にかかわらず、知事は、次に掲げる事項については、その執行を委任しない旨規定し、同項(1)は、総合振興局長等の所掌に属する事務(一部を除く。)に掲げる事項のうち、会計事務に係る集中処理事項(総務部人事局職員事務課又は出納局会計管理室において集中処理を行うものとして知事が定めるものをいう。以下同じ。)と定める。 北海道財務規則13条の2(2)は、出納局長は、会計事務に係る集中処理事項のうち出納局長の職務に係るもの(前条1項各号(7号を除く。)に掲げる事項に係る部分に限る。)を専決することができる旨定める。 ウ北海道事務決裁規程(昭和41年4月1日訓令第3号。以下「北海道事務決裁規程」という。)の定め(乙10〔13~14頁〕)北海道事務決裁規程2条(6)は、部長は、この訓令において、本庁の部長、出納局長及び労働委員会事務局長をいう旨規定し、同条(15)は、課長補佐は、この訓令において、本庁の課長補佐及び主幹並 北海道事務決裁規程2条(6)は、部長は、この訓令において、本庁の部長、出納局長及び労働委員会事務局長をいう旨規定し、同条(15)は、課長補佐は、この訓令において、本庁の課長補佐及び主幹並びに水産振興課及び森林活用課の総括普及指導員をいう旨定める。 北海道事務決裁規程4条1項は、部長は、原則として、当該部、出納局又は労働委員会事務局の分掌事務に係る事項を専決することができる旨定める。 北海道事務決裁規程5条1項は、課長は、4条1項の規定により部長が専決することができる事項(当該課長の職務に係るものに限る。)のうち、あらかじめ当該部長の指定するものを専決することができる旨定める。 エ会計事務に関する集中処理取扱要領(平成23年5月31日局会第351号出納局長通知。以下「本件要領」という。)の定め(乙10〔15~17頁〕)本件要領第1の1~3は、会計事務に係る集中処理事項は、総務部人事局職員事務課、出納局会計管理室審査第一課(以下「審査第一課」という。)、同室審査第二課(以下「審査第二課」という。)及び同室調達課がそれぞれ所管するものとする旨定める。 本件要領第3の6柱書き本文は、会計事務に係る集中処理事項の範囲は次の各号に掲げるもの(一部を除く。)とする旨定め、(1)ア及びイにおいて、審査第一課長及び審査第二課長の所管する事務として、旅費の支出に関し支出負担行為を行うこと(一部を除く。)及び支出負担行為の行われた同旅費の支出を命令することと定める。 ⑵ 本件国葬儀の実施に関する説明ア D元首相は、令和4年9月8日、衆議院の議院運営委員会において、亡C元首相が憲政史上最長の8年8か月にわたり内閣総理大臣の重責を担い、その在任中に日本経済の再生や国際秩序 施に関する説明ア D元首相は、令和4年9月8日、衆議院の議院運営委員会において、亡C元首相が憲政史上最長の8年8か月にわたり内閣総理大臣の重責を担い、その在任中に日本経済の再生や国際秩序の形成、東日本大震災からの復興など様々な分野で大きな功績を残したこと、これに対して国内外から様々な弔意が寄せられていたこと、選挙期間中の非業の死であったこと等を考慮すると、故人に対する敬意と弔意を表す儀式を催し、これを国の公式行事として開催し、海外からの参列者の出席を得る形で葬儀を行うことが適切であると考え、本件国葬儀を行う旨の閣議決定を行った旨答弁した(乙5〔4~5頁〕)。 イ D元首相は、令和4年9月8日、参議院の議院運営委員会において、本件国葬儀が国民一人一人に弔意を強制するものではない旨、及び本件国葬儀の実施に当たっては、国民一人一人に弔意の表明を強制するものであるという誤解を招くことがないよう、弔意表明を行う閣議了解や、地方自治体や教育委員会等の関係機関に対する弔意表明の協力方の要望を行わないこととした旨述べた(乙27〔158、160頁〕)。 ウ E元内閣官房長官は、令和4年7月22日の閣議において、本件国葬儀は無宗教形式で、かつ、簡素、厳粛に行うことを説明した(乙2〔3頁〕)。 ⑶ 本件国葬儀の実施に際しての意見聴取本件国葬儀の事務局は、令和4年10月中旬から同年12月までの間、本件国葬儀の実施に当たっての法的根拠の必要性、本件国葬儀の実施と憲法14条(法の下の平等)、19条(思想及び良心の自由)、20条3項(政教分離)との関係等について、憲法、行政法、政治学、外交等の分野の学識経験者及びマスコミ各社の論説委員等から意見を聴取した(乙26)。 ⑷ 国葬に関する定め(甲49の2〔24~25頁〕) 政教分離)との関係等について、憲法、行政法、政治学、外交等の分野の学識経験者及びマスコミ各社の論説委員等から意見を聴取した(乙26)。 ⑷ 国葬に関する定め(甲49の2〔24~25頁〕)大日本帝国憲法の下では、天皇の大権である「爵位勲章及其ノ他ノ栄典ヲ授与」する行為(15条)について、国葬令(大正15年勅令第324号)が定められていた。そして、国葬令は、国家に偉勲のある者が死亡したときは、特旨により国葬を行う旨定める(3条)とともに、皇族以外の者の国葬については、当日、廃朝し(天皇が公務を行わないことを指す。)、国民は喪に服する旨定めていた(4条)。 日本国憲法の下では、日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律1条が、日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定で、法律をもって規定すべき事項を規定するものは、昭和22年12月31日まで法律と同一の効力を有するものとする旨規定していたところ、国葬令については同条に規定する要件を充足する法律が制定されなかったことから、同日の経 過により失効した。 2 争点⑴(本件訴え①及び本件訴え②の適法性)について本件訴え①及び本件訴え②は、いずれも法242条の2第1項4号に基づき、被告に対し、Bに対する支払請求をするよう求める訴えであるところ、被告は、これらの訴えにつき、Bが同号に規定する「当該職員」にも「相手方」にも該当しないから不適法である旨主張する。そこで、本件訴え①及び本件訴え②につき、Bが同号に規定する「当該職員」又は「相手方」に該当するか否か検討する。 ⑴ 本件訴え①の適法性ア Bが法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」に該当するかについて法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」は、住民訴訟制度が同項 か否か検討する。 ⑴ 本件訴え①の適法性ア Bが法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」に該当するかについて法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」は、住民訴訟制度が同項所定の違法な財務会計上の行為又は怠る事実を予防又は是正しもって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的とするものと解されることからすると、当該訴訟においてその適否が問題とされている財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するとされている者及びこれらの者から権限の委任を受けるなどして同権限を有するに至った者を広く意味し、その反面およそこのような権限を有する地位ないし職にあると認められない者はこれに該当しないと解するのが相当である(最高裁昭和55年(行ツ)第157号同62年4月10日第二小法廷判決・民集41巻3号239頁参照)。 これを本件についてみると、法においては、普通地方公共団体の議会の議長は、議会の事務の統理権(法104条)及び議会に関する事務に関する事務局長等の指揮監督権(法138条7項)を有するものの、予算の執行権は普通地方公共団体の長に専属し(法149条2号)、また、現金の出納保管等の会計事務は原則として会計管理者の権限とされている(法170条1項、2項)から、一般に普通地方公共団体の議会の議長の統理に関する事務には 予算の執行に関する事務及び現金の出納保管等の会計事務は含まれておらず、普通地方公共団体の議会の議長はかかる事務を行う権限を有しないものというほかない。また、普通地方公共団体の長はその権限に属する事務の一部をその補助機関である職員に委任することができる(法153条1項)が、普通地方公共団体の議会の議長は、その地位に鑑みると、普通地方公共団体の長においてかかる権限の委任を行い得る相手方としては予定されてい の補助機関である職員に委任することができる(法153条1項)が、普通地方公共団体の議会の議長は、その地位に鑑みると、普通地方公共団体の長においてかかる権限の委任を行い得る相手方としては予定されていないというべきである。 関係法令に照らしても、本件訴え①に係る支出は、Bの本件国葬儀への参列に随行する職員の旅費9万1380円である(前提事実⑷)ところ、このような旅費の支出に関する支出負担行為及び支出命令については、会計事務に係る集中処理事項として、知事がその執行を委任しないこととされ(北海道財務規則12条2項(1)、本件要領第3の6(1)ア、イ)、出納局長及び審査第一課長が専決することができる等とされているにとどまる(北海道財務規則13条の2(2)、北海道事務決裁規程5条1項、本件要領第3の6(1)ア、イ)。したがって、北海道財務規則等の関係法令に照らしても、北海道議会の議長が本件訴え①に係る支出に関し、支出命令等何らかの財務会計上の行為を行う権限を有していたと解すべき根拠は見当たらない。 以上によれば、北海道議会の議長であったBは、本件訴え①に係る支出に関し、財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するものとされている者又はこれらの者から権限の委任を受けるなどして右権限を有するに至った者であるということはできないから、法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」には当たらない。 イ Bが法242条の2第1項4号に規定する「相手方」に該当するかについて法242条の2第1項4号に規定する「相手方」は、原告により訴訟の目的である地方公共団体が有する実体法上の請求権を履行する義務があると 主張されている者であると解するのが相当である(最高裁昭和52年(行ツ)第84号同53年6月23日・集民124号145頁参照)。 ある地方公共団体が有する実体法上の請求権を履行する義務があると 主張されている者であると解するのが相当である(最高裁昭和52年(行ツ)第84号同53年6月23日・集民124号145頁参照)。 本件では、原告らにおいて、本件訴え①に係る支出について支払義務があると主張する者はBであるから、Bが法242条の2第1項4号に規定する「相手方」に該当する。 ウ以上によれば、本件訴え①は適法である。 ⑵ 本件訴え②の適法性ア Bが法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」に該当するかについて前記⑴アのとおり、法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」は、当該訴訟においてその適否が問題とされている財務会計上の行為を行う権限を本来的に有するとされている者及びこれらの者から権限の委任を受けるなどして権限を有するに至った者を広く意味し、その反面およそこのような権限を有する地位ないし職にあると認められない者はこれに該当しないと解するのが相当である。 そして、法においては、普通地方公共団体の議会の議長は、予算の執行に関する事務及び現金の出納保管等の会計事務を行う権限を有しておらず、また、普通地方公共団体の長において法153条1項に基づく権限の委任を行い得る相手方として予定されていないことも前記⑴アのとおりである。 また、本件訴え②に係る支出は、Bの本件国葬儀への参列に係るタクシー及びハイヤーの利用料金3万2840円である(前提事実⑷)ところ、北海道財務規則等の関係法令に照らしてみても、北海道議会の議長が本件訴え②に係る支出に関し、支出命令等何らかの財務会計上の行為を行う権限を有していたと解すべき根拠は見当たらない。 以上によれば、北海道議会の議長であったBは、本件 、北海道議会の議長が本件訴え②に係る支出に関し、支出命令等何らかの財務会計上の行為を行う権限を有していたと解すべき根拠は見当たらない。 以上によれば、北海道議会の議長であったBは、本件訴え②に係る支出に関し、財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するものとされてい る者又はこれらの者から権限の委任を受けるなどして右権限を有するに至った者であるということはできないから、法242条の2第1項4号に規定する「当該職員」には当たらない。 イ Bが法242の2第1項4号に規定する「相手方」に該当するかについて前記⑴イのとおり、法242条の2第1項4号に規定する「相手方」は、原告により訴訟の目的である地方公共団体が有する実体法上の請求権を履行する義務があると主張されている者であると解するのが相当であるところ、本件では、原告らにおいて、本件訴え①に係る支出について支払義務があると主張する者はBであるから、Bが法242条の2第1項4号に規定する「相手方」に該当する。 ウ以上によれば、本件訴え②は適法である。 2 争点⑵(A及びBの本件国葬儀への参列に係る支出の適法性)について⑴ 本件国葬儀の実施が違憲かつ違法である旨の原告らの主張についてア本件国葬儀の実施が憲法19条に反し違憲である旨の原告らの主張について原告らは、本件国葬儀の実施は、国民に弔意の表明を強制するものであるから、憲法19条に反し違憲である旨主張する。 しかし、葬儀委員長であるD元首相は、本件国葬儀が国民一人一人に弔意を強制するものではない旨、及び国民一人一人に弔意の表明を強制するものであるという誤解を招くことがないよう、弔意表明を行う閣議了解を行わないこととした旨説明している(認定事実⑵イ)のであって、 弔意を強制するものではない旨、及び国民一人一人に弔意の表明を強制するものであるという誤解を招くことがないよう、弔意表明を行う閣議了解を行わないこととした旨説明している(認定事実⑵イ)のであって、本件国葬儀の実施が、原告らに対して、弔意を持つことを強制したり、弔意を持たないことを禁止したりするものではなく、弔意の有無について告白することを強要するものということもできない。また、本件全証拠によっても、本件国葬儀の実施によって、原告らが弔意の表明の要素を含む行為を求められたとも認められない。 したがって、本件国葬儀の実施が、原告らの思想及び信条の自由を直接的又は間接的に制約するものであるということはできないというべきである。 なお、原告らは、本件国葬儀の実施を受けて、本件国葬儀の実施日と同日の令和4年9月27日に北海道本庁舎等で弔意を示す半旗が掲揚され、それによって、これらの建物内で勤務していた者等が、弔意を示す半旗が掲揚された建物内にいることにより弔意を表明することを強制されたとして、本件国葬儀の実施が憲法19条に反し違憲である旨主張する。しかし、葬儀委員長であるD元首相は、地方自治体や教育委員会等の関係機関に対する弔意表明の協力方の要望を行わない旨説明しているのであって(認定事実⑵イ)、そもそも、本件国葬儀の実施によって直ちに地方公共団体において弔意を示す半旗掲揚が行われるという関係にはない。また、仮に原告らが半旗掲揚の行われた建物内にいたとしても、そのこと自体で弔意の表明の要素を含む行為を強制されたということはできないから、原告らの主張は上記判断を左右するものではない。 以上によれば、本件国葬儀の実施が憲法19条に反し違憲である旨の原告らの主張は採用することができない。 イ本件国葬儀の実 きないから、原告らの主張は上記判断を左右するものではない。 以上によれば、本件国葬儀の実施が憲法19条に反し違憲である旨の原告らの主張は採用することができない。 イ本件国葬儀の実施が憲法13条前段に反し違憲である旨の原告らの主張について原告らは、本件国葬儀の実施は憲法13条前段に反し違憲である旨主張する。 憲法13条前段は、「すべて国民は、個人として尊重される。」と規定するところ、この規定は、個人の尊厳と人格の尊重を宣言したものである(最高裁昭和22年(れ)第201号同23年3月24日大法廷判決・集刑1号535頁)から、個人の尊厳を毀損するような取扱いがされた場合等は、同条前段違反の問題が生じ得る(最高裁昭和51年(行ツ)第30号同57年7月7日大法廷判決・民集36巻7号1235頁参照)。しかし、前記アのとお り、本件国葬儀の実施が、原告らの思想及び信条の自由を直接的にも間接的にも制約するものではないこと等を踏まえれば、本件国葬儀の実施によって原告らの尊厳が毀損されたなどということはできないから、本件国葬儀の実施が憲法13条前段に反し違憲であるということはできない。 したがって、本件国葬儀の実施が憲法13条前段に反し違憲である旨の原告らの主張は採用することができない。 ウ本件国葬儀の実施が憲法14条に反し違憲である旨の原告らの主張について原告らは、本件国葬儀は、亡C元首相という特定の現職政治家を国の儀式という形で国家を挙げて追悼するというものであり、本件国葬儀の実施は、亡C元首相に対して一般の国民とは異なる特別の地位を付与するものであるから、憲法14条に反し違憲である旨主張する。 しかし、認定事実⑵アによれば、本件国葬儀は、亡C元首相が8年8 実施は、亡C元首相に対して一般の国民とは異なる特別の地位を付与するものであるから、憲法14条に反し違憲である旨主張する。 しかし、認定事実⑵アによれば、本件国葬儀は、亡C元首相が8年8か月にわたり内閣総理大臣の職責を担ってきたこと等を踏まえて実施されていること、前記アのとおり、本件国葬儀の実施が原告らの思想及び信条の自由を直接的にも間接的にも制約するものではないこと等を踏まえれば、本件国葬儀の実施が合理的な理由に基づかない取扱いであるということはできず、本件国葬儀の実施が憲法14条に反するということはできない。 したがって、本件国葬儀の実施が憲法14条に反し違憲である旨の原告らの主張は採用することができない。 エ本件国葬儀の実施が憲法20条3項及び89条に反し違憲である旨の原告らの主張について(ア) 原告らは、本件国葬儀の実施が憲法20条3項及び89条に反し違憲である旨主張する。 (イ) 憲法は、明治維新以降、国家と神道が密接に結び付き種々の弊害を生じたことに鑑み、新たに信教の自由を無条件に保障することとし、さら にその保障を一層確実なものとするため、20条1項後段、3項、89条において、いわゆる政教分離の原則に基づく諸規定(以下「政教分離規定」という。)を設けた。政教分離規定は、いわゆる制度的保障の規定であって、信教の自由そのものを直接保障するものではなく、国家と宗教との分離を制度として保障することにより、間接的に信教の自由の保障を確保しようとするものである。そして、憲法の政教分離規定の基礎となり、その解釈の指導原理となる政教分離原則は、国家が宗教的に中立であることを要求するものではあるが、国家が宗教とのかかわり合いを持つことを全く許さないとするものではなく、宗教とのかか 規定の基礎となり、その解釈の指導原理となる政教分離原則は、国家が宗教的に中立であることを要求するものではあるが、国家が宗教とのかかわり合いを持つことを全く許さないとするものではなく、宗教とのかかわり合いをもたらす行為の目的及び効果に鑑み、そのかかわり合いが、我が国の社会的、文化的諸条件に照らし、信教の自由の保障の確保という制度の根本目的との関係で相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さないとするものであると解すべきである。 このような政教分離原則の意義に照らすと、憲法20条3項にいう宗教的活動とは、およそ国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いを持つ全ての行為を指すものではなく、そのかかわり合いが上記にいう相当とされる限度を超えるものに限られるというべきであって、当該行為の目的が宗教的意義を持ち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為をいうものと解すべきである。そして、ある行為が上記にいう宗教的活動に該当するかどうかを検討するに当たっては、当該行為の外形的側面のみにとらわれることなく、当該行為の行われる場所、当該行為に対する一般人の宗教的評価、当該行為者が当該行為を行うについての意図、目的及び宗教的意識の有無、程度、当該行為の一般人に与える効果、影響等、諸般の事情を考慮し、社会通念に従って、客観的に判断しなければならない(最高裁昭和46年(行ツ)第69号同52年7月13日大法廷判決・民集31巻4号533頁、最高裁平成4年(行ツ)第1 56号同9年4月2日大法廷判決・民集51巻4号1673頁、最高裁平成11年(行ツ)第93号同14年7月11日第一小法廷判決・民集56巻6号1204頁等)。 憲法89条が禁止している公金その他の公の財産を宗教上の組織又は団体の使用 673頁、最高裁平成11年(行ツ)第93号同14年7月11日第一小法廷判決・民集56巻6号1204頁等)。 憲法89条が禁止している公金その他の公の財産を宗教上の組織又は団体の使用、便益又は維持のために支出すること又はその利用に供することというのも、前記の政教分離原則の意義に照らして、公金支出行為等における国家と宗教とのかかわり合いが前記の相当とされる限度を超えるものをいうものと解すべきであり、これに該当するかどうかを検討するに当たっては、前記と同様の基準によって判断しなければならない(最高裁平成4年(行ツ)第156号同9年4月2日大法廷判決・民集51巻4号1673頁)。 (ウ) これを本件について見ると、本件国葬儀は、亡C元首相が8年8か月にわたり内閣総理大臣の職責を担ってきたこと等に鑑みて故人に対する敬意と弔意を表す儀式を催し、これを国の公式行事として開催することが適切であるという考えの下実施されているのであって(認定事実⑵ア)、本件国葬儀の実施の目的の重点が宗教的儀式を実施することにあったということはできない。このことは、本件国葬儀が、本件国葬儀の実施と憲法20条3項との関係等について憲法の学識経験者等から意見を聴取した上で実施されていること(認定事実⑶)、本件国葬儀は無宗教形式で実施することとされ(認定事実⑵ウ)、実際の本件国葬儀の次第(前提事実⑵エ)を見ても特定の宗教の方式に則ったものということはできないこと、本件国葬儀の実施場所が日本武道館という宗教的な施設ではない場所であること(前提事実⑵ウ(ア))からも明らかである。 また、葬儀は、通常何らかの宗教の方式に則って行われることは多いものの、現代においては、葬儀が特定の宗教の方式で行われても、その宗教的活動を行うこと自体を目的としてではなく、単 らも明らかである。 また、葬儀は、通常何らかの宗教の方式に則って行われることは多いものの、現代においては、葬儀が特定の宗教の方式で行われても、その宗教的活動を行うこと自体を目的としてではなく、単に一般の習俗又は慣習に 従い宗教の方式を採るにすぎない場合も少なくなく、これに対する一般人の宗教的評価又は宗教的関心は希薄化してきている。このような現代の状況に加え、そもそも本件国葬儀については、無宗教形式で実施することとされ、実際の本件国葬儀の次第を見ても特定の宗教の方式に則ったものということはできないのであるから、本件国葬儀の実施が、宗教に関する布教、教化、宣伝に寄与する目的、性格を有するものとはいえず、また、本件国葬儀の実施によって参列者及び一般人の宗教的関心又は宗教的意識が特に高められることになるものとも考えられない。 以上によれば、本件国葬儀の実施の目的が宗教的意義を持つものとも、本件国葬儀の実施の効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるともいうことはできないから、本件国葬儀の実施が憲法20条3項及び89条に反するものということはできず、この点に関する原告らの主張は採用することができない。 オ本件国葬儀の実施が憲法20条2項に反し違憲である旨の原告らの主張について原告らは、国民が本件国葬儀という宗教的行事の主催者となることを強制されていることから、本件国葬儀の実施は憲法20条2項に反し違憲である旨主張するが、前記アのとおり、本件国葬儀の実施が、原告らを含む国民に対して弔意を持つことを強制する等するものではないのに加え、本件国葬儀の実施によって、原告らが弔意の表明の要素を含む行為を求められたとも認められないことに照らすと、原告らが本件国葬儀という宗教的行事の主催者となること を強制する等するものではないのに加え、本件国葬儀の実施によって、原告らが弔意の表明の要素を含む行為を求められたとも認められないことに照らすと、原告らが本件国葬儀という宗教的行事の主催者となることを強制されたということはできないから、本件国葬儀の実施が憲法20条2項に反し違憲である旨の原告らの主張は採用することができない。 カ本件国葬儀の実施が憲法21条に反し違憲である旨の原告らの主張について 原告らは、本件国葬儀の実施は、政府が亡C元首相への追悼を誘発するために自身に都合の良い言論を思想の自由市場に投入し、市場を操作しようとするものであって、憲法21条に反し違憲である旨主張する。 しかし、本件国葬儀が、亡C元首相が8年8か月にわたり内閣総理大臣の職責を担ってきたこと等に鑑みて故人に対する敬意と弔意を表す儀式を催し、これを国の公式行事として開催することが適切であるという考えの下実施されていることは前記エ(ウ)のとおりであるところ、このような考え方を採ることの当不当については、基本的には内閣の政治的な責任を通じて判断されるべきものであるのに加え、本件国葬儀の実施が憲法14条、20条3項及び89条に反するということはできないこと(前記ウ、エ)等も考慮すると、本件国葬儀の実施が憲法21条に反するということはできないから、この点に関する原告らの主張は採用することができない。 キ本件国葬儀の実施は法的根拠がなく憲法41条に反することから違憲かつ違法である旨の原告らの主張について原告らは、本件国葬儀の実施には作用法上の根拠が必要であるのに、そのような法的根拠がないまま本件国葬儀が実施されたことは憲法41条に反するもので、違憲かつ違法である旨主張する。 内閣府設置法4条3項3 国葬儀の実施には作用法上の根拠が必要であるのに、そのような法的根拠がないまま本件国葬儀が実施されたことは憲法41条に反するもので、違憲かつ違法である旨主張する。 内閣府設置法4条3項33号が、内閣府が所管する事務として国の儀式並びに内閣の行う儀式及び行事に関する事務に関することを挙げていることを踏まえれば、内閣が令和4年7月22日に行った本件国葬儀を実施する旨の閣議決定は同号に基づくものと解される。他方、本件国葬儀の実施の法的根拠については、大日本帝国憲法の下においては、国葬令が定められており、国葬令が、国家に偉勲のある者が死亡したときは、特旨により国葬を行う旨規定していたのに対し、日本国憲法の下においては、国葬令は昭和22年12月31日の経過により失効しており(認定事実⑷)、その他国葬の実施に関する法令は制定されていない。しかし、国葬令に規定する国葬は、国民が 当日喪に服するものとされていた(認定事実⑷)のに対し、本件国葬儀については、国民に対して、弔意を持つことを強制したり、弔意を持たないことを禁止したりするものではなく、弔意の有無について告白することを強制するものでもないこと(前記ア)等を踏まえれば、本件国葬儀は国葬令において規定されていた国葬とはその性質を異にするのであって、国民の思想及び信条の自由を制約するものではない。したがって、内閣府設置法のほかに本件国葬儀の実施の法律の根拠は要しないと解するのが相当であるから、この点に関する原告らの主張は採用することができない。 ク以上によれば、本件国葬儀の実施が違憲かつ違法である旨の原告らの主張は、いずれも採用することができない。 ⑵ A及びBが本件国葬儀に参列することが違法である旨の原告らの主張についてア A及びBが本件国葬儀に参列したこ 憲かつ違法である旨の原告らの主張は、いずれも採用することができない。 ⑵ A及びBが本件国葬儀に参列することが違法である旨の原告らの主張についてア A及びBが本件国葬儀に参列したことは、本件国葬儀の実施の違憲性を助長するものであり違法である旨の原告らの主張について原告らは、本件国葬儀の実施は違憲かつ違法であるから、A及びBが本件国葬儀に参列したことは、本件国葬儀の実施の違憲性を助長するもので違法である旨主張する。しかし、前記⑴のとおり、本件国葬儀の実施が違憲又は違法であるということはできないから、原告らの主張は、その前提を欠き採用することができない。 イ Aの本件国葬儀への参列は法2条2項に規定する「地域における事務」に該当せず違法であり、Bの本件国葬儀への参列も手続的に違法である旨の原告らの主張について(ア) Aの本件国葬儀への参列が法2条2項に規定する「地域における事務」に該当せず違法である旨の原告らの主張についてa 原告らは、Aの本件国葬儀への参列は、法2条2項に規定する「地域における事務」に該当しないから違法である旨主張する。 b 普通地方公共団体も社会的実体を有するものとして活動している以上、当該普通地方公共団体の事務を遂行し対外的折衝等を行う過程において、長又はその他の執行機関が各種団体等の主催する会合に列席するとともにその際に祝金を主催者に交付するなどの交際をすることは、社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り、上記事務に随伴するものとして許容されるというべきである(最高裁昭和38年(オ)第49号同39年7月14日第三小法廷判決・民集18巻6号1133頁、最高裁昭和61年(行ツ)第144号平成元年9月5日第三小法廷判決・集民157号419頁、最高裁平成14 (最高裁昭和38年(オ)第49号同39年7月14日第三小法廷判決・民集18巻6号1133頁、最高裁昭和61年(行ツ)第144号平成元年9月5日第三小法廷判決・集民157号419頁、最高裁平成14年(行ヒ)第46号同15年3月27日第一小法廷判決・集民209号335頁参照)。そして、普通地方公共団体が住民の福祉の増進を図ることを基本として地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとされていること(法1条の2第1項)などを考慮すると、その交際が特定の事務を遂行し対外的折衝等を行う過程において具体的な目的をもってされるものではなく、一般的な友好、信頼関係の維持増進自体を目的としてされるものであったからといって、直ちに許されないこととなるものではなく、それが、普通地方公共団体の上記の役割を果たすため相手方との友好、信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的に見ることができ、かつ、社会通念上儀礼の範囲にとどまる限り、当該普通地方公共団体の事務に含まれるものとして許容されると解するのが相当である。しかしながら、長又はその他の執行機関のする交際は、それが公的存在である普通地方公共団体により行われるものであることに鑑みると、それが、上記のことを目的とすると客観的に見ることができず、又は社会通念上儀礼の範囲を逸脱したものである場合には、当該普通地方公共団体の事務に含まれるとはいえず、その費用を支出することは許されないものというべきである(最高裁平成15年(行ヒ)第74号、同15年(行ヒ)第75 号同18年12月1日第二小法廷判決・民集60巻10号3847頁)。 そして、長又はその他の執行機関が、普通地方公共団体の上記の役割を果たすため、国との間の一般的な友好、信頼関係の維持増進を目的として交際を行うこともある以上、 廷判決・民集60巻10号3847頁)。 そして、長又はその他の執行機関が、普通地方公共団体の上記の役割を果たすため、国との間の一般的な友好、信頼関係の維持増進を目的として交際を行うこともある以上、上記の内容は、相手方が国であっても異なるところはないというべきである。 c これを本件について見ると、Aが本件国葬儀に参列したのは、葬儀委員長であるD元首相から本件国葬儀の案内状を受理した(前提事実⑶)のを受け、亡C元首相が8年8か月にわたり内閣総理大臣の職責を担ってきたこと等を踏まえ、亡C元首相に弔意を表すためであると考えられ、このような行為は、国との友好、信頼関係の維持増進を図ることを目的とすると客観的に見ることができる。また、本件国葬儀の参列者は4183名であり(前提事実⑵エ)、Aはその中の一人にとどまること、Aの本件国葬儀への参列に係る支出はAの旅費、随行職員の旅費並びにタクシー及びハイヤーの利用料金のみであり(前提事実⑷)、弔慰金等の支出はないこと、Aの本件国葬儀への参列に係る支出の金額も不相当に高額であるとはいえないこと等を踏まえれば、Aの本件国葬儀への参列は社会通念上儀礼の範囲にとどまるものということができる。 d 以上によれば、Aの本件国葬儀への参列は法2条2項に規定する「地域における事務」に該当するということができるから、この点に関する原告らの主張は採用することができない。 (イ) Bの本件国葬儀への参列が手続的に違法である旨の原告らの主張についてa 原告らは、北海道議会の議長であったBは、普通地方公共団体の長又はその他の執行機関ではないから、Bの本件国葬儀への参列は公務に該当せず、手続的に違法である旨主張する。 b 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の議 は、普通地方公共団体の長又はその他の執行機関ではないから、Bの本件国葬儀への参列は公務に該当せず、手続的に違法である旨主張する。 b 普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の議決機関として、 その機能を適切に果たすために必要な限度で広範な権能を有し、合理的な必要があるときは、その裁量により、外部に対して祝意、弔意等の一定の意思を表明したり、公式の行事等に代表者を派遣したりすることができると解される(最高裁昭和58年(行ツ)第149号同63年3月10日第一小法廷判決・集民153号491頁参照)。 c これを本件について見ると、Bが本件国葬儀に参列したのは、葬儀委員長であるD元首相から本件国葬儀の案内状を受理した(前提事実⑶)のを受け、亡C元首相が8年8か月にわたり内閣総理大臣の職責を担ってきたこと等を踏まえ、亡C元首相に弔意を表すためであると考えられる。また、本件国葬儀の参列者は4183名であり(前提事実⑵エ)、Bはその中の一人にとどまること、Bの本件国葬儀への参列に係る支出はBの費用弁償、随行職員の旅費並びにタクシー及びハイヤーの利用料金のみであり(前提事実⑷)、弔慰金等の支出はないこと、Bの本件国葬儀への参列に係る支出の金額も不相当に高額であるとはいえないこと等を踏まえれば、Bの本件国葬儀への参列は、合理的な理由がある公務として適法であるということができる。 d よって、Bの本件国葬儀への参列が手続的に違法である旨の原告らの主張は採用することができない。 ウ以上によれば、A及びBが本件国葬儀に参列することが違法である旨の原告らの主張は、いずれも採用することができない。 第4 結論よって、原告らの請求は理由がないからこれらをいずれも棄却することとして、主文のとおり 本件国葬儀に参列することが違法である旨の原告らの主張は、いずれも採用することができない。 第4 結論よって、原告らの請求は理由がないからこれらをいずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。 札幌地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官小野瀬昭 裁判官木下颯 裁判官新海寿加子は転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官小野瀬昭
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