昭和23(れ)1631 窃盗

裁判年月日・裁判所
昭和24年3月29日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人三宅正太郎同小林直人の上告趣意第一点について。  刑事裁判において有罪の言渡をする場合に適用される法令は、刑法その

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判決文本文1,966 文字)

主文本件上告を棄却する。 理由弁護人三宅正太郎同小林直人の上告趣意第一点について。 刑事裁判において有罪の言渡をする場合に適用される法令は、刑法その他の実体的法規だけではなく、憲法の基本法はもとより刑事訴訟法等の手続的法規もあるのであるが、旧刑事訴訟法第三六〇条において有罪判決に示さなければならないものとして規定している「法令ノ適用」というのは、これらすべての法規の適用をさしているのではなく、「罪ト為ルベキ事実」に適用されて被告人の刑事責任を生するに直接関係ある法令の正条の適用を意味しているのである。されば、所論の昭和二二年法律第一二四号附則第四項のような手続的法規の適用は有罪判決に示す必要がないのである。また仮りに右の規定が有罪判決に示さなければならない実体的規定であるとしても、「刑法の一部を改正する法律」の施行後において、その施行前の行為につき刑法第五五条を適用すれば、おのずから所論の規定の適用されたことも推知されるものであることは当裁判所の判例(昭和二三年(れ)第一一二号同年七月一四日言渡大法廷判決)とするところである。それ故、原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。 同第二点について。 原判決に示した(四)の被告人等が共謀の上三回にわたり「A外二個所において同人外二名所有のモーター合計二台及び窓ガラス七十三枚を窃取した」という記載は、所論のように被告人等の窃取した財物がA外二名の共同所有にかかることを判示したものではない。むしろ、連続犯の判示方法として従来一般に行われてきた裁判上の慣例によれば、かかる判示は被害者各自の単独所有であることを示したものと解すべきである。されば、右の判示事実は、所論被害者提出の届出書と一致する- 1 -ものであるから、原判決には所論の 裁判上の慣例によれば、かかる判示は被害者各自の単独所有であることを示したものと解すべきである。されば、右の判示事実は、所論被害者提出の届出書と一致する- 1 -ものであるから、原判決には所論のように証拠によらないで事実を認定した違法はなく、論旨は理由がない。 同第三点について。 刑事訴訟における被告人の訊問は、「一面において当事者としての被告人に公訴事実について陳述の機会を与えるものであるとともに、他面において証拠方法としての被告人の証拠調でもあるのである。一般に、被告人の訊問と被告人以外の証拠の取調とは一応別々の段階において行われるのが通常ではあるが、証拠調の段階において被告人の訊問がなされてももとより違法ではない。されば、被告人訊問の趣旨が書証の証拠調によつて補われることは少しも差つかえないことである。それ故、原審の公判において、たとえ裁判長が所論のように第一審判決書の記載に基いて被告人を訊問し、また所論のような証拠調をしたとしても、これらの手続の全体によつて犯罪事実は具体的に明かにされるのであつて、原審の証拠調の手続には違法はなく、論旨は理由がない。 同第四点について。 所論の各被害届並びに各被害始末書は、本件捜査手続の段階において、各被害者が被害の顛末を報告する書面として作成して捜査官憲に提出したものを本件記録に編綴したものであり、これらの書面の成立については、その後の審判手続においても別段に争われた形跡のないことは記録上明かである。されば、右の書面は、刑事事件の手続について作成されたものであるから、旧刑事訴訟法にいわゆる証拠書類に当るものである。それ故、右書面の証拠調は、同法第三四〇条に従つてなさるべきものであり、原審の裁判長が所論のように右書面の要旨を被告人に告げて証拠調をしたことは正当であつて、原判決には所論の 書類に当るものである。それ故、右書面の証拠調は、同法第三四〇条に従つてなさるべきものであり、原審の裁判長が所論のように右書面の要旨を被告人に告げて証拠調をしたことは正当であつて、原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。 同第五点について。 - 2 -所論判示事実の(一)ベルト四巻は所論被害始末書の革ベルト二巻及び紙ベルト二巻に当り(ニ)ゴムベルト二巻は同始末書のゴムベルト三巻中の二巻に当ることは、原判決の判示事実と各被害始末書の記載とを対照すれば一見して明かであるから、原判決には所論のょうな違法はなく、論旨は理由がない。 弁護人久保田由五郎は、法定の期間内に上告趣意書を差出さない。 よつて、刑事訴訟法施行法第二条旧刑事訴訟法第四四六条に従い主文のとおり判決する。 以上は、裁判官全員の一致した意見である。 検察官長谷川瀏関与昭和二四年三月二九日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官長谷川太一郎裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官穂積重遠- 3 -

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