【DRY-RUN】主 文 原判決を破棄する。 被告人を懲役壱年六月に処する。 但し本裁判確定の日より四年間右刑の執行を猶予する。 訴訟費用は全部被告人の負担とする。
主文 原判決を破棄する。 被告人を懲役壱年六月に処する。 但し本裁判確定の日より四年間右刑の執行を猶予する。 訴訟費用は全部被告人の負担とする。 理由 本件控訴の趣意は弁護人沢荘一作成の控訴趣意書記載の通りであるからこれを引用し、これに対し当裁判所は次のように判断する。 論旨第一点の第二について。 昭和二十七年六月二十六日に開かれた原審第一回公判期日における被告人の召喚及び弁護人に対する公判期日の通知が何時如何なる方法によつてなされたか記録上明らかでないことは所論の通りであるが、原審第一回公判調書によると同公判期日に被告人及び弁護人が出頭して公判が開かれ何等異議なく公判手続がなされたことが明らかであるから、被告人及び弁護人は書面又は口頭のいずれかによつて召喚又は通知を受け右公判期日を了知して出頭したものと認むべきである。惟うに刑事訴訟法第二百七十三条において「公判期日には、被告人を召喚しなければならない。 公判期日は、これを検察官、弁護人及び補佐人に通知しなければならない。」と規定した趣旨は公判期日に出頭すべき裁判所の命令を被告人その他の訴訟関係人に了知せしめるためであつて、これらの手続の確実を期するため、送達吏員は書面を作り送達に関する事項を記載してこれを裁判所に提出することを要し(民事訴訟法第百十七条)また訴訟関係人その他の者に対し通知をした場合には、これを記<要旨第一>録上明らかにしておかなければならない(刑事訴訟規則第二百九十八条第三項)のである。然るに本件記録を</要旨第一>精査するも前記公判期日における被告人の召喚及び弁護人に対する公判期日の通知が、何時如何なる方法によつてなされたかを知る資料が全く存在しないから原審の右措置は刑事訴訟規則第二百九十八条第 /要旨第一>精査するも前記公判期日における被告人の召喚及び弁護人に対する公判期日の通知が、何時如何なる方法によつてなされたかを知る資料が全く存在しないから原審の右措置は刑事訴訟規則第二百九十八条第三項に違反するものというべきである。しかし冒頭説述の如く被告人及び弁護人は如何なる方法によつたかは別として右公判期日に出頭すべき裁判所の命令を予め了知しその公判期日に出頭して何等異議なく公判手続がなされておるのであるから右訴訟手続の違背は結局判決に影響を及ぼさなかつたものと認むべきである。次に本件追起訴状(昭和二十七年六月二十五日附)の謄本が原審第一回公判期日の前日たる昭和二十七年六月二十五日に被告人の在監する代用拘置所秩父地区警察署長に送達せられたことは記録に徴し明らかである。而して刑事訴訟法第二百七十五条刑事訴訟規則第百七十九条によれば第一回の公判期日の召喚は起訴状の謄本を被告人に送達すると同時又はその以後になすことを要し、又第一回の公判期日と被告人に対する召喚状の送達との間には地方裁判所においては少くとも五日の猶予期間を置かなければならないから、起訴状謄本の送達と第一回公判期日<要旨第二>との間にもまた少くとも五日の猶予期間を置かなければならないこと勿論である。しかし原審第一回公判調書</要旨第二>によると被告人及び弁護人は右公判期日に出頭し右猶予期間の不存置につき何等異議を述べた形跡が認められないからこの点に関する瑕疵は被告人の責問権の抛棄により治癒せられたものと解すべきである。 論旨はいずれも理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事小中公毅判事渡辺辰吉判事河原徳治) 裁判長 判事小中公毅 判事渡辺辰吉 判事河原徳治
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