令和2(行ウ)5 退職手当返納命令取消請求事件、退職手当返納請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年4月12日 大分地方裁判所
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判決文本文44,775 文字)

判決 主文 1 原告は、被告に対し、1973万4213円及びこれに対する令和元年10月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原告の請求を棄却する。 3 訴訟費用は、第1、2事件を通じて原告の負担とする。 4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 第1事件中津市長が、令和元年8月19日に原告に対してなした退職手当返納命令処分を取り消す。 2 第2事件主文第1項同旨 第2 事案の概要等 1 事案の概要普通地方公共団体である被告は、スポーツ教室等を実施するスポーツクラブ及び放課後子ども教室を実施する実行委員会に対して、独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「JSC」という。)、大分県及び国から支出される 補助金をその原資に含む被告の補助事業予算から補助金を概算払していたところ、被告の職員であった原告において、スポーツ教室等や放課後子ども教室の実績について水増しした領収書等を作成提出することで、概算払された補助金の精算の際に、被告をしてJSC、大分県及び国への補助金の返還を免れさせたことを理由として、中津市職員の退職手当に関する条例(昭和28年12月 23日中津市条例第35号。以下「本件条例」という。)15条1項3号に基 づき、退職手当全額の返納を命ずる処分(以下「本件返納命令」という。)をした。 第1事件は、原告が、本件返納命令には裁量権の範囲からの逸脱又は濫用があるとして本件返納命令の取消しを求めた事案であり、第2事件は、被告が、本件返納命令に基づき、退職手当全額の返納を求めた事案である。 2 関係法令等の定め別紙関係法令のとおり 3 前提事実( して本件返納命令の取消しを求めた事案であり、第2事件は、被告が、本件返納命令に基づき、退職手当全額の返納を求めた事案である。 2 関係法令等の定め別紙関係法令のとおり 3 前提事実(証拠によって認定した事実は、各項末尾の括弧内に認定に供した証拠を摘示し、その記載のない事実は、当事者間に争いがないか、当裁判所に顕著である。) ⑴ 当事者ア被告被告は普通地方公共団体であり、同代表者市長が本件返納命令の処分行政庁である。 イ原告 原告は、昭和57年7月1日に、市町村合併前のr町に、G保育園調理員として採用された者である。 その後、平成10年7月1日付けで住民課付けとなり、平成11年4月1日に教育委員会主査として教育委員会に配属され、平成17年3月1日の市町村合併により中津市事務吏員となったが、引き続き教育委員会r教 育センター生涯学習係への出向を命じられ、以降、平成21年4月1日に同教育センター教育係、平成25年4月1日にr支所住民課福祉保健係、平成26年4月1日にr支所住民課福祉税務係の勤務を経て、平成28年3月31日に、被告職員の定年等に関する条例第2条の規定により、定年により職を免ぜられた(乙60)。 ⑵ 各事業概要及び組織 ア放課後子ども事業(Hクラブ)文部科学省は、補助事業者である都道府県を通じ、間接補助事業者である市町村に対し、「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」の一環として、「地域協育力向上支援事業費等補助金」を交付し、地域住民等の参画による地域の実情に応じた様々な取組を有機的に組み合わせて、 種々な教育支援活動を行い(乙10の1)、地域住民が講師として参画して行った学習補助等の教育支援活動費用(補助対象費用)について、国、県及び市が各3 に応じた様々な取組を有機的に組み合わせて、 種々な教育支援活動を行い(乙10の1)、地域住民が講師として参画して行った学習補助等の教育支援活動費用(補助対象費用)について、国、県及び市が各3分の1に当たる金額を補助するものとされている。 補助事業の実施に当たって、市町村は、域内の教育支援活動等の運営方法等を検討する運営委員会(実行委員会)を設置し、地域の協力者の 確保、登録、配置及び地域の実情に応じた定期的かつ継続的な活動プログラムの企画等を行うコーディネーターを配置する。 Iクラブ及びJクラブ被告は、平成20年6月に、「中津市地域協育振興プラン実行委員会」(以下「プラン実行委員会」という。乙11。)を設置し、平成23年 から、中津市地域協育振興プラン推進事業として「地域協育力向上支援事業補助金」で運営される「中津市放課後子ども教室」を開催している。 r地域には、小学校区に対応して、「Iクラブ」及び「Jクラブ」という放課後子ども教室がある。 プラン実行委員会及びコーディネーター プラン実行委員会の委員は、社会教育法15条の規定により委嘱する民間の有識者である社会民生委員からなる(乙100)。 他方で、プラン実行委員会の事務局は被告教育委員会生涯学習課とされ、平成23年度及び平成24年度は被告教育委員会生涯学習課長が、平成25年度及び平成26年度は被告教育委員会社会教育課長が、平成 27年度は被告教育委員会社会教育課生涯学習推進室長が事務局長を務 め、事務局員・出納員はこれらの課及び室の職員が務めていた(乙58)。 プラン実行委員会は、事業実施のため学校支援活動、放課後支援活動の計画、運営などを行う者として、小学校区毎に地域の実情をよく知る民間人のコーディネーターを配置する(乙100 めていた(乙58)。 プラン実行委員会は、事業実施のため学校支援活動、放課後支援活動の計画、運営などを行う者として、小学校区毎に地域の実情をよく知る民間人のコーディネーターを配置する(乙100)。コーディネーター は、謝金の支払や消耗品等その他必要経費の会計事務を担っていた。 なお、コーディネーターの行う事務は教育委員会の職務ではない。 イスポーツ事業(Kクラブ)総合型地域スポーツクラブ活動助成JSCは、平成15年に、独立行政法人日本スポーツ振興センター業 務方法書(平成15年度規則第1号)13条に基づき、スポーツ振興投票に係る収益をもって、地方公共団体又はスポーツ団体が行うスポーツ振興に係る事業に対する必要な資金の支給を適正に行うため、スポーツ振興くじ助成金の交付を開始した。 助成対象は、①大規模スポーツ施設整備助成、②地域スポーツ施設整 備助成、③総合型地域スポーツクラブ活動助成、④地方公共団体スポーツ活動助成、⑤将来性を有する競技者の発掘及び育成活動助成、⑥スポーツ団体スポーツ活動助成、⑦国際競技大会開催助成の7事業である(乙16の1、乙16の2)。 本件助成事業では、事業費10分の9が、「総合型地域スポーツクラ ブ活動助成」として、JSCから被告に交付され、残りの10分の1は、被告から「総合型地域スポーツクラブ自立支援事業補助金」が加算されて、補助金としてKクラブに交付される(乙6、乙16の1)。 活動助成対象は、a 総合型地域スポーツクラブ創設支援事業、b 総合型地域スポーツクラブ創設事業、c 総合型地域スポーツクラブ自立支援 事業、d 総合型地域スポーツクラブ活動基盤強化事業、e 総合型地域ス ポーツクラブマネジャー設置支援事業、f 総合型地域スポーツクラブマネジ 、c 総合型地域スポーツクラブ自立支援 事業、d 総合型地域スポーツクラブ活動基盤強化事業、e 総合型地域ス ポーツクラブマネジャー設置支援事業、f 総合型地域スポーツクラブマネジャー設置事業、g クラブアドバイザー配置事業の7事業である(乙16の1、2)。 KクラブKクラブは、平成22年3月に総合型地域スポーツクラブとして立ち 上げられ、平成26年12月11日にNPO 法人として大分県知事の認定を受けた、r地域に所在する総合型地域スポーツクラブである(乙17)。 Kクラブは、平成20年、21年の設立準備期間を経て、平成22年度から平成26年度の5年間にわたり、前記JSCの行う総合型地域ス ポーツクラブ自立支援事業の助成(前記c)を受けていた。会長は訴外Lである。 ⑶ 本件退職金の支払原告は、平成28年3月31日、本件条例第2条の規定により定年により職を免ぜられ、本件条例に基づき退職手当1973万4213円の支払を受 けた。 ⑷ 補助金の精算の仕組みと原告の関与ア Hクラブ補助金の交付(概算払)の流れIクラブ及びJクラブは、プラン実行委員会に対し、事業計画書、予 算書等を提出し、これをもとにプラン実行委員会は、被告に対し、実施年度の中津市地域協育振興プラン推進事業補助金交付申請書の提出により交付申請を行い、被告は、プラン実行委員会に対し、中津市地域協育振興プラン推進事業補助金交付決定通知書を交付する。 プラン実行委員会は、被告に対し、中津市地域協育振興プラン推進事 業補助金交付請求書を提出し交付請求を行い、これを受けて、被告は、 プラン実行委員会に対し、概算払で補助金を交付し、プラン実行委員会は、各放課後子ども教室に対し、概算払で補助金を交付する 業補助金交付請求書を提出し交付請求を行い、これを受けて、被告は、 プラン実行委員会に対し、概算払で補助金を交付し、プラン実行委員会は、各放課後子ども教室に対し、概算払で補助金を交付する。 その後、被告からの大分県に対する交付申請、大分県からの被告に対する交付決定、被告からの大分県に対する交付請求を経て、大分県から被告に対して負担割合(大分県の負担割合3分の1)に従った補助金が 概算払される。 さらに同様の過程を経て国から大分県へ負担割合(国の負担割合3分の1)に従った補助金が概算払される。 (以上、乙58、乙63の1ないし乙63の10、乙65の1ないし乙65の10、乙64の1ないし乙64の10、乙66の1ないし乙66 の10、乙67の1ないし乙67の5、乙68の1ないし乙68の5、乙69の1ないし乙69の5、乙70の1ないし乙70の5、乙71の1ないし乙71の5、乙72の1ないし乙72の5、乙73の1ないし乙73の5、乙74の1ないし乙74の5、乙75の1ないし乙75の5) 精算手続上記のとおり交付された補助金は概算払であるので、年度末に精算する必要がある(乙9の1、乙10の1)。 Iクラブ及びJクラブは、事業実施後に決算を行い、実際に支出した費用を確定し、実施年度の運営費決算書等をプラン実行委員会に提出し て、概算払された補助金と実際に使用した補助金の差額を、プラン実行委員会に対し返還する。 プラン実行委員会は、Iクラブ及びJクラブを含む各放課後子ども教室から提出された運営費決算書等をとりまとめて、被告に対し、実施年度の中津市地域協育振興プラン推進事業補助金実績報告書を提出し実績 報告を行う。 これを受けて、被告は、プラン実行委員会に対し、実施年度の中津市 等をとりまとめて、被告に対し、実施年度の中津市地域協育振興プラン推進事業補助金実績報告書を提出し実績 報告を行う。 これを受けて、被告は、プラン実行委員会に対し、実施年度の中津市地域協育振興プラン推進事業補助金交付確定通知書を交付し、補助金の確定額を通知する。 プラン実行委員会は、概算払で交付された補助金の額と確定通知書記載の補助金の確定額の差額を被告に戻入する。 被告は、大分県に対し、実施年度の地域協育力向上支援事業費等補助事業変更承認申請書を提出し補助金変更承認申請を行い、大分県はこれに対し、地域協育力向上支援事業費等補助事業変更交付決定通知書を交付して補助金の交付決定額を変更する旨の決定をする。 これを受けて被告は、大分県に対して、実施年度の地域協育力向上支 援事業費等補助事業実績報告書を提出し、地域協育力向上支援事業の実績額、国及び大分県の補助金の額、被告の補助金の額を通知する。 被告は、大分県に対し、概算払された地域協育力向上支援事業費等補助事業に係る補助金の額と実績額の差額を戻入する。 大分県は、被告に対して、実施年度の地域協育力向上支援事業費等補 助金の額の確定通知書を交付し、地域協育力向上支援事業費等補助金の確定額を通知する。 大分県も同様に、負担割合に応じて国へと戻入して、補助金額が確定する。 (以上、乙58、乙76の1ないし乙76の10、乙78の1ないし乙 78の10、乙77の1ないし乙77の10、乙79の1ないし乙79の10、乙80の1ないし乙80の5、乙81の1ないし乙81の5、乙82の1ないし乙82の5、乙83の1及び乙83の2、乙84の1及び乙84の2、乙85の1ないし乙85の5、乙86の1ないし乙86の5、乙87の1ないし乙87の5) 原 し乙81の5、乙82の1ないし乙82の5、乙83の1及び乙83の2、乙84の1及び乙84の2、乙85の1ないし乙85の5、乙86の1ないし乙86の5、乙87の1ないし乙87の5) 原告のHクラブへの関与 原告は、平成17年3月1日、r町教育委員会r教育センター生涯学習係勤務を命ぜられ、r教育センターで「Iクラブ」「Jクラブ」との連絡調整等を行っていた(乙60)。 平成19年頃、訴外M(以下「訴外M」という。)がIクラブ及びJクラブのコーディネーターに就任したが、原告は、コーディネーターで ある訴外Mに代わって、Iクラブ及びJクラブの決算書類作成等の会計事務(前記)を行っていた。なお、原告は前記会計事務を公務外の私人の立場として行っていた。(乙58、乙59、乙101ないし乙103、弁論の全趣旨)原告は、平成23年度から平成27年度までのIクラブ及びJクラブ の活動費に係る領収書の一部を改竄した。 イ Kクラブ補助金の交付(概算払)の流れKクラブは、被告に対し、予算収支の一件記録を提出し、これをもとに被告は、JSCに対し、実施年度のスポーツ振興くじ助成金交付申請 書の提出により交付申請を行い、JSCは、被告に対し、実施年度のスポーツ振興くじ助成金交付決定通知書を交付する。 Kクラブは、被告に対し、実施年度の総合型地域スポーツクラブ自立支援事業補助金交付申請書を提出して交付請求を行い、被告は、Kクラブに対し、実施年度の総合型地域スポーツクラブ自立支援事業補助金交 付決定書を交付する。 これをうけて、Kクラブは、被告に対して、実施年度の総合型地域スポーツクラブ自立支援事業補助金交付請求書の提出により交付請求を行い、被告は、Kクラブに対し、概算払で補助金を交付する。 (以 る。 これをうけて、Kクラブは、被告に対して、実施年度の総合型地域スポーツクラブ自立支援事業補助金交付請求書の提出により交付請求を行い、被告は、Kクラブに対し、概算払で補助金を交付する。 (以上、乙58、乙89の1ないし乙89の5、乙90の1ないし乙9 0の5、乙91の1ないし乙91の6、乙92の1ないし乙92の6、 乙93の1ないし乙93の6、乙94の1ないし乙94の6)精算手続交付された補助金は概算払であるので、以下の手続により精算する。 Kクラブは、被告に対し、実績報告書提出用の資料を提出する。 被告は、JSCに対し、実施年度のスポーツ振興くじ助成金に係る助 成事業実績報告書を提出し、実績報告を行う。 Kクラブは、被告に対し、実施年度の総合型地域スポーツクラブ自立支援事業補助金実績報告書を提出する。 被告は、Kクラブに対し、実施年度の総合型地域スポーツクラブ自立支援事業補助金(Kクラブ)交付確定通知書を交付する。 JSCは、被告に対し、実施年度のスポーツ振興くじ助成金交付額確定通知書を交付する。 JSCは、被告に対し、実施年度のスポーツ振興くじ助成金交付額確定通知書記載の助成金を交付する。 (以上、乙58、乙40の1から乙40の5まで、乙95の1から乙9 5の5まで、乙96の1から乙96の5まで、乙97の1から乙97の5まで、乙98の1から乙98の5まで)原告の関与原告は、Kクラブの理事及び事務局長を兼務しており、会計事務を行っていた(乙58、乙18)。なお、原告は前記会計事務を公務外の私 人の立場として行っていた。 また、原告は、平成22年3月から平成25年3月まで、中津市教育委員会職員として、Kクラブに対する指導及び育成の事務も行っていた(甲1、乙58 務を公務外の私 人の立場として行っていた。 また、原告は、平成22年3月から平成25年3月まで、中津市教育委員会職員として、Kクラブに対する指導及び育成の事務も行っていた(甲1、乙58、乙60)。 原告は、平成22年度から平成27年度までのKクラブの予算収支の 一件記録に係る領収書の一部を改竄した。 ⑸ 被告から大分県への補助金等の返還前記⑷アの原告の関与の下での補助金の受給に不正があることが発覚したとして、大分県は、平成31年2月1日付け「地域『協育力』向上支援事業費等補助金返還命令書」(乙12の1、乙12の2、乙12の3)をもって、被告に対し、既に支払った補助金のうち平成25年度分として66万7 000円、平成26年度分として94万8000円、平成27年度分として78万8000円の支給決定を一部取り消してその返還を求めたので、被告は、平成31年2月12日、大分県に対し、合計240万3000円を支払った(乙13)。 また、大分県は、同月12日付け「地域『協育力』向上支援事業費等補助 金の一部取消による返還金に掛かる加算金の納付について」(乙14)をもって、被告に対し、平成25年度分として35万8179円、平成26年度分として41万1242円、平成27年度分として26万4058円の加算金の納入を求めたので、被告は、平成31年2月27日、大分県に対し、合計103万3479円を支払った(乙15)。 ⑹ 本件返納命令処分行政庁である被告代表者市長は、令和元年8月19日、原告に対して退職手当返納命令処分をした(甲36)。返納命令書に記載された処分理由は以下のとおりである。 ア懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めた理由 現在、中津市が訴えを提起している補助金不正受 手当返納命令処分をした(甲36)。返納命令書に記載された処分理由は以下のとおりである。 ア懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めた理由 現在、中津市が訴えを提起している補助金不正受給事件において、貴殿は今回の事件においていずれも、実施日を偽る方法、講師を偽る方法、教室を偽る方法(つまり、実施していない教室が実施されたかのように偽って)内容虚偽の領収書を作成する手法で、団体に補助金(助成金)の返還を免れさせた。 また、貴殿は、それぞれ目的外使用は認めるものの、その金額の私的な 着服はないと主張しているが、補助金(助成金)の一部返還命令を受けるに至った本事件は、公務の運営に重大な支障を与え、また、市民等に重大な損害を与えた。 領収書等の偽造という不適正な事務処理を故意に行い、補助金を不正に受給し、一部返還を命じられる事態となった事実は、全体の奉仕者たる公 務員にあるまじき非違行為であり、信用失墜行為の禁止に抵触し、地方公務員法第29条第1項第3号の規定により、懲戒免職処分とすることが相当であると認めた。 イ中津市職員の退職手当に関する条例第12条第1項で定める事情のほか、この処分を受ける者の生計の状況に関し勘案した内容についての説明 本処分に係る聴聞において、当該不利益処分の原因となる事実(中津市が貴殿を懲戒免職処分に相当すると認定した根拠)に対する反論はなく、「公務の運営に重大な支障を与え、また、市民等に重大な損害を与えた」こと、「全体の奉仕者たる公務員にあるまじき非違行為であり、信用失墜行為の禁止に抵触」することには影響を及ぼさない。 また、聴聞において、代理人は「裁判で母親の非が確定されれば、求められている金額は支払うつもりである。」と述べた。 退職手当返納 失墜行為の禁止に抵触」することには影響を及ぼさない。 また、聴聞において、代理人は「裁判で母親の非が確定されれば、求められている金額は支払うつもりである。」と述べた。 退職手当返納手続に対する不満(「現在裁判で争っていることでもあり、手続きを凍結してほしい」「母親一人が悪いわけではない」といった旨)の申立てはあったが、生計状況を理由とする不満ではなかった。 ⑺ 審査請求原告は、令和元年11月18日、原告の息子であるf を代理人として、被告に対して同月15日付け審査請求書を提出し、本件返納命令の取消しを求めて審査請求をした。 被告は、令和2年3月31日に上記審査請求を棄却しており、その裁決書 は、令和2年4月2日に原告に配達されている(甲37、甲43の49頁の 20行目から21行目にかけて)。 ⑻ 訴えの提起被告は、令和2年7月16日、本件返納命令に基づいて原告に対して退職金全額の返納を求めて大分地方裁判所中津支部に訴訟提起した(第2事件。 その後、同年10月27日に大分地方裁判所に回付され、第1事件に併合さ れている。)。 原告は、令和2年10月1日、本件返納命令の取消しを求めて大分地方裁判所に訴訟提起した(第1事件)。 4 争点⑴ 故意に領収書等を偽造するなどして不適正な事務処理を行ったことが、懲 戒免職等処分を受けるべき行為に当たるか⑵ 本件返納命令に行政庁の裁量権の範囲からの逸脱又は濫用があるといえるか⑶ 処分理由の差替えに当たるか 5 争点に関する当事者の主張 ⑴ 争点⑴(故意に領収書等を偽造するなどして不適正な事務処理を行ったことが、懲戒免職等処分を受けるべき行為に当たるか)について(被告の主張)原告は、次のアからウまでのとおり、故意 ⑴ 争点⑴(故意に領収書等を偽造するなどして不適正な事務処理を行ったことが、懲戒免職等処分を受けるべき行為に当たるか)について(被告の主張)原告は、次のアからウまでのとおり、故意に別紙1及び別紙2(以下「別紙一覧表」という。)記載の不適正な事務処理を行った。不適正な事務処理 の方法は別紙一覧表中被告主張改竄区分に記載したとおりである。すなわち、地域「協育力」向上支援事業については、a実際は教室の開催がないにもかかわらず教室の開催があったかのように見せかけて領収書を作成した場合を「教室」、b開催されたことのある教室について実際は支払われていない講師謝金に係る領収書を作成した場合を「日付」、c実際は講師でないものに 対する講師謝金に係る領収書を作成した場合を「講師」と区分し、総合型地 域スポーツクラブ自立支援事業については、d実施した教室・事業での講師の水増しによる改ざんを「架空講師」、eKクラブにおける教室の開催がされていないにもかかわらず教室の開催があったかのように見せかけて領収書を作成した場合を「架空教室」、f中津市に対して支払いがあったかのように見せかけるため公印を用いて領収書を作成した場合を「公印」、g領収書 の書き換えを行った場合を「領収書」、h講師謝金の単価に齟齬がある場合を「杜撰経理」と区分した。 ア学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業に係る不正受給原告は、被告に在職中の平成23年度から平成27年度の間、「中津市Iクラブ」及び「中津市Jクラブ」の会計処理者として、国(文部科学省) の「放課後子ども教室」に係る国庫補助事業(以下「国庫補助事業」という。)において、補助金の概算支給を受け、一部実体がないにもかかわらず、事業が実施されたかのように見せかけるとい 部科学省) の「放課後子ども教室」に係る国庫補助事業(以下「国庫補助事業」という。)において、補助金の概算支給を受け、一部実体がないにもかかわらず、事業が実施されたかのように見せかけるという不適正な会計処理を行い、中津市地域協育振興プラン実行委員会(乙11)をして、被告及び大分県を通して、国(文部科学省)に補助金額の確定を行わせ、もって、国 に返還しなければならない補助金の返還を免れさせた。 返還を免れた補助金の総額は548万6541円である。 イ独立行政法人日本スポーツ振興センター総合型地域スポーツクラブ自立支援事業に係る不正受給原告は、被告に在職中の平成22年度から平成26年度までの間、Nク ラブの会計担当者として、JSCのスポーツ振興くじ助成金に係る活動助成事業(以下「JSC助成事業」という。)において、助成金及び補助金の概算支給を受け、一部実体がないにもかかわらず、事業が実施されたかのように見せかけるという不適切な会計処理を行い、Nクラブをして、被告及びJSCに助成金額の確定を行わせ、もって、JSC及び被告に返還 しなければならない助成金及び補助金の返還を免れさせた。 返還を免れた助成金及び補助金の総額は571万7418円である。 ウ中津市補助事業に係る不正受給原告は、JSCとの前記イの助成が終了した後の平成27年度も、被告補助事業について補助金の概算支給を受け、一部、実体がないにもかかわらず、事業が実施されたかのように見せかけるという不適切な会計処理を 行い、Nクラブをして、被告に補助金額の確定を行わせ、もって、被告に返還しなければならない補助金の返還を免れさせた。 返還を免れた補助金の総額は31万1600円である。 (原告の主張)被告主張の各領収書を原告が作成し 告に補助金額の確定を行わせ、もって、被告に返還しなければならない補助金の返還を免れさせた。 返還を免れた補助金の総額は31万1600円である。 (原告の主張)被告主張の各領収書を原告が作成したことは認める。 そのうえで、各領収書のうち原告が改ざんをしたものについては、別紙一覧表記載の原告の主張①で「☑改ざんはある」と記載している。また、領収書の改ざんをしてないものは別紙一覧表記載の原告の主張①で「☑改ざんはない」と記載している。各領収書記載額の使途については、別紙一覧表の原告の主張②記載のとおりである。各領収書ごとに不適正、一部不適正との判 断がなされたことへの反論を、別紙一覧表の原告の主張④記載のとおり主張する。 ⑵ 争点⑵(本件返納命令に行政庁の裁量権の範囲からの逸脱又は濫用があるといえるか)について(原告の主張) ア以下の理由により、被告が、原告が在職中に懲戒免職等処分にあたる行為を行ったものとして本件返納命令を行ったことは、裁量権の範囲を逸脱し、又は濫用したといえる。 被告は原告の行った行為が中津市職員の懲戒処分等に関する指針(乙4。以下「本件指針」という。)第4標準例3⑻「詐欺」に該当する旨 を主張するが、本件指針第4標準例3⑴からの中で、停職以上の重い 処分(停職、免職)のみが量定として示されているのは、「放火」、「殺人」、「横領」、「窃盗」、「強盗」、「詐欺、恐喝」、「常習賭博(ただし、停職しかなく⑻「詐欺、恐喝」よりも軽い)」、「麻薬等の所持等」、「淫行(18歳未満へ)」だけであり、本件指針第4標準例3⑻「詐欺」に該当するには、刑法上の詐欺罪が成立する必要がある ものと解すべきところ、原告の行為は、「人を欺いて財物を交付させた」(刑法246条1項、2項) )」だけであり、本件指針第4標準例3⑻「詐欺」に該当するには、刑法上の詐欺罪が成立する必要がある ものと解すべきところ、原告の行為は、「人を欺いて財物を交付させた」(刑法246条1項、2項)という詐欺罪の構成要件を満たさないから、本件指針第4標準例3⑻「詐欺」には該当しない。 本件指針第4標準例3⑶によれば、刑法上の傷害事件を起こしても、減給か停職で免職までにはならず、暴行のみであれば、減給又は戒告に とどまるのであるから、刑法上の詐欺に該当しない私人の行為に対して、傷害事件よりも遥かに重い処分を科すことは比例原則に明らかに反する。 被告は、原告の行為は本件指針第4標準例1の「法令等違反、不適正な事務処理」に該当する旨を主張するが、本件指針第4標準例1の「法令等違反、不適正な事務処理」は、公務員の立場にある者が公務員 としての職務の遂行に関して、法令違反、不適正な事務処理等をした場合のみを想定していることは文言解釈上、一見して明らかであるところ、原告は私人の立場として本件行為を行っているのであるから、本件指針第4標準例1「法令等違反、不適正な事務処理」には該当しない。 退職手当返納命令という人生を左右するほどの極めて重い処分におい ては、定められた指針を類推解釈するようなことは許されず、その指針から大幅に外れた解釈をした場合には裁量権の範囲の逸脱又は濫用となる(被告は「仮に在職中であれば」という表現を用い、退職手当支給制限処分のケースの話を交えた主張を行っているところ、退職手当返納命令処分と退職手当支給制限とは異なる制度であり、退職手当支給制限処 分のケースの場合であったらというフィクションを交えた解釈が許され るものではない。)。 そして、詐欺罪の構成要件に該当しない行為を類推 限とは異なる制度であり、退職手当支給制限処 分のケースの場合であったらというフィクションを交えた解釈が許され るものではない。)。 そして、詐欺罪の構成要件に該当しない行為を類推解釈により本件指針第4標準例3⑻「詐欺」に含めて量定を考慮することや、公務員としての職務の遂行に関するもの以外の行為も類推解釈により本件指針第4標準例1「法令等違反、不適正な事務処理」に含めて量定を考慮する ことは、本件指針の基準から大幅に外れることになるといえるから、裁量権の範囲を逸脱又は濫用したこととなる。 なお、仮に退職手当返納命令に関して本件指針に規定される標準例の類推解釈自体が許容されるとしても、本件指針第4標準例1には公務員としての職務の遂行に関するものと明記されているのであるから、あ えて除外している公務員としての職務の遂行に関するもの以外にこれを類推適用するようなことは、当該条項の趣旨に反して許されない。 イまた、以下の事情も考慮すれば、1973万4213円の原告の退職手当の全部を返納の対象とした判断は重きに失して社会観念上著しく妥当性を欠くものであるから、その裁量権を逸脱し、又はこれを濫用してなされ たものというべきである。 地位被告が問題としている非違行為は、原告の私人としての行為である。 なお、原告は会計担当ではないうえ、年次有給休暇を取らされてまで住民課の仕事とは関係のないr教育センターの業務の会計等もさせられて いた。 本件非違行為が行われた経緯及び動機(補助金の流用)公金である補助金(助成金)の管理等をしていたのは被告である。 補助金を受領するのは私人である原告ではなく被告であり、補助金を流用して別の事業に用いたのも被告自身であって、原告は事務作業を、 有給中、 補助金(助成金)の管理等をしていたのは被告である。 補助金を受領するのは私人である原告ではなく被告であり、補助金を流用して別の事業に用いたのも被告自身であって、原告は事務作業を、 有給中、時間外などにさせられていたにすぎない。 原告は、別紙3の別紙流用先一覧表のとおり、補助金の下りなかった被告の事業に対して上司の指示・確認のもとで業務命令により補助金を流用(目的外使用)し、被告の事業を行うために本件非違行為を行ったものである。原告が金銭を私的に着服した事実はないし、原告が被告の支出を免れさせて被告の各事業を実行するような動機も全くない。また、 原告が、私人としての立場で、予算化されていない(一部しか予算化されていないものも含む。)被告の各事業を実行することなどあり得ない。 以下の事実から、このような本件非違行為の経緯及び動機が認められるというべきである。 aAEDの購入について AEDの購入に関しては、KクラブというNPO法人に関して、原告が同NPO法人の代表者であるL氏、r支所長の訴外O氏、r教育センター長の訴外P氏から指示・説明を受けて補助金を流用した。 AEDの購入の経緯について説明する。r教育センターの社会体育施設であるo ふれあい広場、o スポーツセンターの2箇所にAEDが 未設置であった。AEDの設置に関しては、r支所所長の訴外Oの要望もあったので予算請求をしたが予算が付かなかった。O支所長・Pセンター長・L会長・原告の協議の結果、KクラブでAED2台を購入(合計50万円)し、それをo ふれあい広場、o スポーツセンターの2箇所に設置し、設置の対価は被告の方で名目を変えて補填するこ とになった。設置の対価は補助金にて補填されることになる。 補助金による補填の一つと をo ふれあい広場、o スポーツセンターの2箇所に設置し、設置の対価は被告の方で名目を変えて補填するこ とになった。設置の対価は補助金にて補填されることになる。 補助金による補填の一つとして、少年野球のグラウンドの使用料の件があった。 Kクラブは、野球チームであるQのグラウンド使用料(支払先は被告)を、補助金を用いて補助していた。Kクラブは、Qが被告の所有 するグラウンドの使用した対価である使用料9万600円を被告に支 払わなかった(AEDを代わりに購入して貰っていた被告もそのことは分かっていた。)。すなわち、補助金9万600円はAED購入の対価に充てられた。 このAEDの購入の対価に充てられたグラウンド使用料9万600円は、未払金の精算に充てられた。Qは会員数が少なく資金難であっ たため監督の訴外Rが上記9万600円以外にも、それ以前の8万円分のグラウンド使用料を立替払いしていた。そこで、Kクラブは、Qの訴外Rに8万円を渡し、もってQの未払金(訴外Rの立替払い分)の精算をした。残りの1万600円の使途は、ヨガ教室の世話をしていた訴外Sがヨガ教室を開いていたp 公民館のエアコン(100円投 下方式)の使用料を立て替えていたため、1万600円で、訴外Sの上記立替払いを精算した。 この点、別紙2の31頁平成23年度No.163~166(借料及び損料)の特記事項欄を見ると、「H24.4.1 使用料補助金としてNクラブからQへ18、000 円の支払いを確認。実績に添付された資料 のコピーに「24 年度AED 購入しo ふれあい広場へ設置するので使用料は少年野球グラウンド使用料へ移す O支所長・Pセンター長・L・m にて承」のメモ書き有 ※本来であれば市からの請求額90、 600 円を市に納入 度AED 購入しo ふれあい広場へ設置するので使用料は少年野球グラウンド使用料へ移す O支所長・Pセンター長・L・m にて承」のメモ書き有 ※本来であれば市からの請求額90、 600 円を市に納入するはずだが、市には納入せずQとSさんに渡したこととなっている。」と書かれていることからもこの事実が認められ る。なお、「m」とは原告の旧姓である。 b toto の領収書についてまずQの方で被告へ使用料を支払い、被告から領収書を貰った。その際、被告が領収書の宛名をQとしていた。 その後、Kクラブは、Qが先に支払った使用料分の補助金等を受領 するために、toto 宛の実績報告書を提出し、当初は報告書に上記領収 書を添付していた。すると、toto は、Kクラブに対して、領収書の宛名がQだと、Kクラブが被告に使用料を支払った証明にはならないと指摘した。 宛名を変更して領収書の再発行を受けようとしたが、別名義宛の領収書を再発行すると、二重発行になるという問題が生じる。原告は、 r教育センターのセンター長に相談をしたところ、被告教育委員会r教育センター名義で新しく領収書を作成して公印を押す承諾を得た。 こうしてできた領収書が、実績報告書に添付された。 このように、補助金申請の際に、領収書の宛名の名義が問題となり、新たな領収書が作成された。そして、後で作成したKクラブ宛の領収 書が偽造ということになった。 別紙2の31頁平成23年度No.167(借料及び損料)の特記事項欄に、「Qへの支払いはあるようだが、Qの領収書ではなく、被告の領収書を偽造し、toto(スポーツ振興センター)への報告書に添付している。H23.7.17 使用料補助金としてNクラブからQへ支払い を確認"」との記載があることからもこの事 はなく、被告の領収書を偽造し、toto(スポーツ振興センター)への報告書に添付している。H23.7.17 使用料補助金としてNクラブからQへ支払い を確認"」との記載があることからもこの事実が認められる。 c グリーンカーテンについて被告の青少年事業の中で、ゴーヤ等のつる植物を絡ませて建物のカーテンのように仕立てる、グリーンカーテンについての取組をしていた。 被告から予算の付かなかった1万3750円(内訳:お茶代750円(150円を5本)、ジュース代3000円(150円を20本)、種・土・ポット代5000円等)は、補助金の流用で賄われている。 平成23年度のグリーンカーテンへの取組では、多数の種・土・ポットが写真に写っている(甲1の写真1)。また、甲1の写真3には、 購入した土を子供たちがUらの指導の下でポットに写している様子が 写っており、土が市販品であること、被告の事業に用いられていることなどが分かる。この、種・土・ポット等は、他の事業の名目で領収書を偽造し、その補助金を流用して購入した(甲39には講師代のみで、種・土・ポットの購入代金等は含まれていない。)。 グリーンカーテンは、植物を育てて、建物を覆ってカーテンにする 取組であり、種・土・ポット等を購入せずに、講師代のみで行える事業でないことは一見して明白である。それなのに、被告が予算を付けなかったのは、他の事業の補助金を流用していたからである。つまり、被告の予算を用いずに、他の事業の補助金を用いて被告はその分の費用の支出を免れた。 甲1号証の4のとおり、この取組には教育委員会の者も参加しており、事業において予算のついていない種・土・ポット等が購入されていたことは被告も把握していた。このグリーンカーテンは、被告の 甲1号証の4のとおり、この取組には教育委員会の者も参加しており、事業において予算のついていない種・土・ポット等が購入されていたことは被告も把握していた。このグリーンカーテンは、被告の環境(エコ)に関する取組であり、平成23年度は被告の所有する施設であるt 風物館に、グリーンカーテンがなされた。平成24年度には 被告の所有する施設であるr共同調理場にグリーンカーテンがなされた(乙8の1の写真を参照)。本来であれば、被告が環境(エコ)への取組として、自らお金を出して植物等を購入し(あるいは苗から育て)、グリーンカーテンとすべきものであるにもかかわらず、補助金の流用という手段を用いてグリーンカーテンの取組を行った。 事業の過程で講師代のみで、種・土・ポット等の植物購入費用なくしてグリーンカーテンができないことを誰も気が付かないなどあり得ない。被告が原告に補助金の流用を指示・説明していたからこそ、予算にない購入物が存在することになったのである。 d l でのサマーキャンプについて l でのサマーキャンプには30名超が参加し、多くの指導員、ボラ ンティアの参加費用も捻出しなければならなかった(ボランティアは食事代・宿泊費等の負担がなかったことについては甲35を参照)。 しかし、平成23年度に実施されたr青少年事業で行われたサマーキャンプl では、運転業務委託料2万1000円(甲40)、それも港(甲40のn 港)とrを往復したバスの運転業務代だけしか予算が つかなかった。 しかし、甲3号証の1から3には、平成23年度に多数の子どもや指導者らが参加している様子が写っており、甲41号証は平成24年度のものであるが参加者は31名となっている。l でのサマーキャンプが、バスの運転業務代2万10 ら3には、平成23年度に多数の子どもや指導者らが参加している様子が写っており、甲41号証は平成24年度のものであるが参加者は31名となっている。l でのサマーキャンプが、バスの運転業務代2万1000円で行える事業ではないことは 一見して明白である。わずか2万1000円の予算だけで同キャンプが実行されたのは他の事業の補助金の流用があったからである。原告には、私人としての行為により被告の支出を免れさせて被告の事業である同キャンプを実行するような動機は全くない。 e その余の流用先について その余の原告の記憶に基づく流用先は、別紙流用先一覧表(別紙3)のとおりであり、これらを証する証拠である甲1号証から甲34号証の2は別紙流用先一覧表(別紙3)記載のイベント等に関する写真である。 f 原告の異動後にも流用が続いていたこと 原告が補助金に係る事務作業に関係のない住民課に移った後も補助金の流用が続いていたことからも、流用の主体が被告であったことが裏付けられている。 勤続の功原告は、昭和57年7月1日に市町村合併前のr町にG保育園調理員 として採用されてから、平成28年3月31日に定年退職するまで職員 として永年勤続しており、功績が大きい。 損害の多寡被告は、自らの予算で行うべき事業に補助金を流用し、その分の支出を免れていた。補助金の流用が発覚したことにより、支出を免れていた分を戻したことで本来の状態に戻っただけであるから、被告に損害は生 じていない。 (被告の主張)ア本件返納命令は、後記及びの事実を理由に行われたものである。 本件指針において、処分の量定を考慮するにあたり「故意性」「他の職員及び社会に与える影響、公務内外に及ぼす影響の大きさ」「非違行為の 結果 は、後記及びの事実を理由に行われたものである。 本件指針において、処分の量定を考慮するにあたり「故意性」「他の職員及び社会に与える影響、公務内外に及ぼす影響の大きさ」「非違行為の 結果の大きさ」「処分の対象となり得る複数の異なる非違行為」などを考慮してより重い処分とすることもできるところ、領収書等を偽造するという故意の不適正な事務処理を長期にわたって繰り返し行うことで補助金(助成金)の返還を不正に免れさせ、これにより被告をして多額の補助金(助成金)の返還を命じられる事態に陥らせた行為は、本件指針に照らせ ば、全体の奉仕者たる公務員にあるまじき非違行為であり、信用失墜行為の禁止に抵触するものとして、地方公務員法第29条第1項第3号の規定により、懲戒免職処分とすることが相当である。 具体的には、本件指針第4標準例3⑻「詐欺」又は同1「法令等違反、不適正な事務処理等」にあたり、これらにあたらないとしても本件指針の 基本事項に掲げる考慮要素に照らせば、原告は「在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をした」といえる。 したがって、仮に在職中であれば「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」(地方公務員法29条1項3号)にあたる行為であって、原告は「在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をした」とい える。 原告は、Iクラブ及びJクラブ(放課後子ども教室事業)の会計担当として、Iクラブ及びJクラブの実績及び補助金の使途について、被告地域協育振興プラン実行委員会に対し、正確に実績報告をする義務を負っていたにもかかわらず、別紙1記載のとおり、偽造した領収書等を作成するなどの方法により、実行委員会に対し、真実に反する実績報告を 行い、もって実行委員会をして本来であれば返還される る義務を負っていたにもかかわらず、別紙1記載のとおり、偽造した領収書等を作成するなどの方法により、実行委員会に対し、真実に反する実績報告を 行い、もって実行委員会をして本来であれば返還されるべきであった補助金548万6541円の返還を不正に免れさせ、被告に、①不正に受給した補助金240万3000円の大分県への返還及び加算金103万3479円を支払わせ、②被告独自の「被告地域協育振興プラン推進事業」に係る補助金182万9541円を支払わせ、計526万6020 円の損害を生じさせた。 原告は、Kクラブ(総合型地域スポーツクラブ事業)の会計担当として、クラブの実績及び補助金の使途について、被告に対し、正確に実績報告をする義務を負っていたにもかかわらず、別紙2記載のとおり、偽造した領収書等を作成するなどの不適正な会計処理を行う方法により、被告に対し、 真実に反する実績報告を行い、もってKクラブをして、補助金602万9018円の返還を不正に免れさせ、被告に、③不正に受給した補助金385万5000円のJSCに対する返還及び加算金234万3969円を支払わせ、④被告独自の補助金217万4018円を支払わせ、計837万2987円の損害を生じさせた。 イ以下のとおり、退職手当全額の返納を命じた本件返納命令には裁量権の逸脱や濫用はなく、適法である。 本件条例12条、15条は、退職手当等の全部又は一部の返納を命ずる処分をするに当たっては、当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任、当該退職をした者の勤務の状況、当該退職をした者が行った非違の内 容及び程度、当該非違に至った経緯、当該非違後における当該退職をした 者の言動、当該非違が公務の遂行に及ぼす支障の程度並びに当該非違が公務に対する信頼に及ぼす影 者が行った非違の内 容及び程度、当該非違に至った経緯、当該非違後における当該退職をした 者の言動、当該非違が公務の遂行に及ぼす支障の程度並びに当該非違が公務に対する信頼に及ぼす影響のほか、当該退職をした者の生計の状況を勘案すべき旨を規定している。 上記処分をするに当たっては、このような広汎な事情について総合的な検討を要するのであるから、退職手当返納命令処分の当否や返納を命ずる 額を判断するに当たっては、平素から組織内の事情に通じて職員の指揮監督の衝に当たる者の裁量に任せるのでなければ、適切な結果を期待することができないといわなければならず、その判断は退職手当管理機関の裁量に任されている。 そうすると、退職手当管理機関が上記の裁量権の行使としてした処分は、 それが社会観念上著しく妥当性を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合でない限り、その裁量の範囲内にあるものとして、違法とならない。 これを本件に当てはめると、原告の非違行為の内容及び程度は重大で、原告には反省の態度も見られず、公務の遂行に及ぼす支障の程度及び公務 に対する信頼に及ぼす影響も重大であるから、退職手当の全部を不支給とすることは相当である。 ⑶ 争点⑶(処分理由の差替えにあたるか)(原告の主張)被告は本件返納命令の処分理由を「詐欺」と構成して主張しており、退職 手当返納命令書に付記された理由を詐欺と評価しているものと解されるので、理由の差替えにおける基本的な事実の同一性の有無を判断するにあたっては、詐欺と評価される事実との間で同一性が認められるか否かが重要な判断要素となる。 ア本件指針第4標準例1「法令等違反、不適正な事務処理」に該当する 旨の主張について 被告 、詐欺と評価される事実との間で同一性が認められるか否かが重要な判断要素となる。 ア本件指針第4標準例1「法令等違反、不適正な事務処理」に該当する 旨の主張について 被告の本件指針第4標準例1「法令等違反、不適正な事務処理」に該当する旨の主張は、原告が「職員」としての公務ではなく、私人としての立場で不適正な事務処理をしたという主張である。 これは、本件指針第4標準例3⑻「詐欺」とは異なり犯罪行為ではなく、かつ、文言に直接該当しないものを独自の主張により「比肩」するとし、 条文の拡大解釈をしようとするものである。訴訟の段階において、上記拡大解釈までして処分の理由とすることは、最早、当初の処分理由とは全く異なる別の処分理由であると評価できる。 また、条文の拡大解釈を訴訟の段階にて新たに示すことは、処分の名宛人の防御権行使を保障するために聴聞等の手続が設けられた趣旨を没却す るものといえる。 よって、本件指針第4標準例1「法令等違反、不適正な事務処理」に該当する旨の主張は、本件返納命令の当初の処分理由との間で基本的な事実の同一性を欠くものであり、このような理由の差替えは許されない。 イ本件指針第4標準例3⑻「詐欺」又は同1⒅「法令等違反、不適正な事 務処理等」にあたらないとしても本件指針の基本事項に掲げる考慮要素に照らせば、原告は「在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をした」といえる旨の主張について被告の主張は、具体的な標準例に基づくものではない。 具体的な標準例に基づくものではない基準を訴訟段階で解釈を伴って追 加することは、被告が訴訟段階で新たな基準を定立してそれにより処分を下すものと評価できるものであり、このように当初の処分理由とは全く異なる別の処分理由を持ち出すこ を訴訟段階で解釈を伴って追 加することは、被告が訴訟段階で新たな基準を定立してそれにより処分を下すものと評価できるものであり、このように当初の処分理由とは全く異なる別の処分理由を持ち出すことを許せば、処分の名宛人の防御権行使を保障するために聴聞等の手続が設けられた趣旨も没却されることになる。 よって、本件指針第4標準例3⑻「詐欺」又は同1⒅「法令等違反、不 適正な事務処理等」にあたらないとしても本件指針の基本事項に掲げる考 慮要素に照らせば「在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をした」といえる旨の被告の主張は、本件返納命令の当初の処分理由との間で基本的な事実の同一性を欠くものであり、このような理由の差替えは許されない。 (被告の主張) ア処分庁が取消訴訟において処分理由の差替えを行うことは原則として許容されている。 イ 「理由の差替え」に該当するかどうかは、「処分時の処分理由」を基礎として判断される。 処分理由は「処分の適法性を支える事実」と「それに対する法の適用」 から構成されるところ、まず「処分の適法性を支える事実」は、原告が、実施日を偽る等して作成された内容虚偽の領収書を添付して実績報告書を作成し、これを被告に提出した事実、これにより放課後こども教室及びKクラブをして、補助金(助成金)の返還を不正に免れさせ、被告をして、県、JSC等に対し、補助金(助成金)の一部返還を行わざるを得なくさ せて合計1363万9007円の損害を与えたという事実である。 次に「それに対する法の適用」は、原告の行為は全体の奉仕者たる公務員にあるまじき非違行為であり、信用失墜行為の禁止に抵触するものとして、地方公務員法第29条第1項第3号の規定により、懲戒免職処分とすることを相当と認めたというも 、原告の行為は全体の奉仕者たる公務員にあるまじき非違行為であり、信用失墜行為の禁止に抵触するものとして、地方公務員法第29条第1項第3号の規定により、懲戒免職処分とすることを相当と認めたというものである。 本訴訟において被告が主張している事実も同様である。 第3 争点に関する当裁判所の判断 1 争点⑴(故意に領収書等を偽造するなどして不適正な事務処理を行ったことが、懲戒免職等処分を受けるべき行為に当たるか)について⑴ 原告が不適正な会計処理を行ったものといえるか ア別紙一覧表について 別紙一覧表は、被告が不適正な事務処理があったと主張する費用について、原告の主張及び被告の主張をまとめ、当該事務処理が不適正な会計処理であったと認められるか否かについて裁判所の判断を付したものである(なお、原告が別紙一覧表記載の諸謝金に係る各領収書を作成したことについて争いはない。不適正な事務処理が故意に行われたと認めることがで きるか否かについては、後記⑶において述べる。)。被告の主張欄には、左から、実績報告に使用された領収書に記載された額のうち適正とされた額及び不適正とされた額の別、領収書記載の金銭の支払先、支払先とされた者への確認状況、支払先とされた者以外への聴取り内容及び特記事項、行政庁が不適正な会計処理が行われたと認めた理由及び判断方法(乙88、 乙99参照)、改竄区分、不適正な会計処理が行われたことを判断するために参照すべき紐づけ資料及びその説明が記載されている。 原告の主張欄には、①「改竄の有無」欄は被告主張欄記載の改竄区分による改ざんに対する認否を、②「領収書記載額の使途」欄は領収書記載の費用の使途を、③「不適正との判断が不合理である理由(中略)」欄及 び④「不適正な支出と 無」欄は被告主張欄記載の改竄区分による改ざんに対する認否を、②「領収書記載額の使途」欄は領収書記載の費用の使途を、③「不適正との判断が不合理である理由(中略)」欄及 び④「不適正な支出とされた項目への被告の反論」欄は、不適正な会計処理が行われたとの被告主張に対する原告の反論が記載されている。 当裁判所の判断欄において、不適正な会計処理が行われたか否かに対する当裁判所の認定及び不適正と認めた類型を記載した。 イ当裁判所の判断欄記載の判断類型 各項目について、掲記の証拠から不適正な会計処理であると認めたものについては、下記のAないしFの類型に応じ、「理由」欄にその旨を記載し、類型に該当しないものは「理由」欄に個別の理由を記載した。 A 領収書記載の教室開催日の全てについて教室開催の事実がないにもかかわらず、教室が開催されていることを前提として領収書の作成を 行った B 領収書記載の教室開催日の一部について教室開催の事実がないにもかかわらず、領収書記載の教室開催日全てが開催されていることを前提として領収書の作成を行ったC 領収書記載の教室開催日の全て又は一部について、作成名義人が講師として参加した事実がないにもかかわらず、作成名義人が教室開催 日に講師として参加したことを前提として領収書の作成を行ったD 明細の記載のない領収書を用いて会計処理を行ったE 領収書記載の使途の費用を要しなかったにもかかわらず、領収書記載の使途の費用を要したとして領収書の作成を行ったF 実体と異なる謝金単価を記載した領収書の作成を行った 各類型の説明aA(領収書記載の教室開催日の全てについて教室開催の事実がないにもかかわらず、教室が開催されていることを前提として領収書の作成を行った を記載した領収書の作成を行った 各類型の説明aA(領収書記載の教室開催日の全てについて教室開催の事実がないにもかかわらず、教室が開催されていることを前提として領収書の作成を行った)の類型について使用記録簿、教室案内、教室関係者からの聴取内容等から判断を行った。 別紙1の2頁平成24年度領収証No.65を例にすると、10月1日、8日、15日、22日、29日、11月5日、12日、19日、26日、12月3日、10日、17日、24日に開催されたJクラブの算数教室の講師謝金としてV が2万6000円を受領した旨の記載がある(乙38の3・264頁、乙25の5・9頁)。 もっとも、前記日時において、Jクラブ算数教室のためにJクラブ算数教室の開催場所であるq公民館の使用されたことが使用記録簿上確認できない(乙25の1・51頁ないし52頁及び56頁、乙27の4、乙38の3・265頁から267頁)ことからすれば、同領収書No.65記載の教室開催日の全てについて教室開催の事実がない にもかかわらず、教室が開催されていることを前提として領収書の作 成を行ったものと認められる。 これは、実体のないものに対して対価を支払った形にして虚偽の内容の領収書を作成して会計処理するものであり、不適正なものであることは明らかである。別紙一覧表では、同じように判断されるものにつき、裁判所の「理由」欄に、Aと記載している。 bB(領収書記載の教室開催日の一部について教室開催の事実がないにもかかわらず、領収書記載の教室開催日全てが開催されていることを前提として領収書の作成を行った)の類型について使用記録簿等、教室案内、教室関係者からの聴取内容、r公民館の使用申請書等から判断を行った。 催日全てが開催されていることを前提として領収書の作成を行った)の類型について使用記録簿等、教室案内、教室関係者からの聴取内容、r公民館の使用申請書等から判断を行った。 別紙1の1頁平成23年度領収証No.5を例にすると、10月12日、26日、11月9日、30日、12月7日、14日に開催されたJクラブ手芸教室の講師謝金としてW が6000円を受領した旨の記載がある(乙38の1・25頁、乙25の6・5頁)。 この点、Jクラブの手芸教室は隔週水曜日の開催であったと認めら れるところ(乙25の1・4頁ないし5頁、同64頁ないし65頁、同84頁ないし85頁)、開催されたとされる12月7日の手芸教室は前回の手芸教室開催日である11月30日の1週間後の水曜日である。また、前記日時のうち11月9日及び12月14日を除いてJクラブ手芸教室の開催場所であるs小学校の使用は記録上確認できない (乙25の1・4頁ないし5頁、同64頁ないし65頁、同84頁ないし85頁、乙27の5、乙38の1・26頁から31頁)。したがって、原告は、同領収証No.5記載の教室開催日のうち、12月7日について教室開催の事実がないにもかかわらず、領収書記載の教室開催日全てが開催されていることを前提として領収書の作成を行った ものと認められる。 これは、Aと同様、実体のないものに対して対価を支払った形にして虚偽の内容の領収書を作成して会計処理するものであり、不適正なものであることは明らかである。別紙一覧表では、同じように判断されるものにつき、裁判所の「理由」欄に、Bと記載している。 cC(領収書記載の教室開催日の全て又は一部について、作成名義人 が講師として参加した事実がないにもかかわらず、作成名義人が教室 断されるものにつき、裁判所の「理由」欄に、Bと記載している。 cC(領収書記載の教室開催日の全て又は一部について、作成名義人 が講師として参加した事実がないにもかかわらず、作成名義人が教室開催日に講師として参加したことを前提として領収書の作成を行った)の類型について作成名義人とされる者及び教室関係者からの聴取内容等から判断を行った。 別紙1の2頁平成24年度領収証No.66を例にすると、10月2日、9日、16日、23日、11月6日、13日、20日、27日、12月4日、11日、18日、25日に開催されたJクラブ国語教室の講師謝金としてV が2万4000円を受領した旨の記載がある(乙38の1・25頁、乙25の5・10頁)。Jクラブ国語教室は毎週 金曜日にs公民館で開催されていたことが認められるところ(乙38の2・180頁から182頁、乙44の4・203頁、乙25の1・51頁ないし52頁、同56頁)、平成25年度までJクラブの国語教室の講師はX 及びY が行っていたことが認められる(乙25の1・51頁ないし52頁、同56頁)。 この点、V は国語教室に行った旨述べるが、講師として参加していたことを証するに足りる的確な証拠は他に存在せず、V は原告の娘であり原告と密接な利害関係を有する上、V の言によれば長期間継続して国語教室に行っているにもかかわらず、国語教室の内容は覚えていないとも述べており、その供述は不合理で具体性に欠け、国語教室に 行ったと認めることはできない。したがって、原告は、前記領収証N o.66記載の教室開催日全てについて、作成名義人が講師として参加した事実がないにもかかわらず、作成名義人が教室開催日に講師として参加したことを前提として領 がって、原告は、前記領収証N o.66記載の教室開催日全てについて、作成名義人が講師として参加した事実がないにもかかわらず、作成名義人が教室開催日に講師として参加したことを前提として領収書の作成を行ったものと認められる。 これは、Aと同様、実体のないものに対して対価を支払った形にし て虚偽の内容の領収書を作成して会計処理するものであり、不適正なものであることは明らかである。別紙一覧表では、同じように判断されるものにつき、裁判所の「理由」欄に、Ⅽと記載している。 dD(明細の記載のない領収書を用いて会計処理を行った)の類型について 別紙1の20頁平成24年度領収証No.563を例にすると、平成24年度にZ 教室が開催されていたこと及びトライアルa 店が領収書を発行したことは認められるが、ただし書きの記載及び購入物品の明細がなく、何を購入したかが判別できない(乙25の1・27頁ないし28頁、同35頁ないし36頁、同80頁、乙44の4・170 頁、乙37の4)。 一般に明細の記載のない領収書による会計処理は、支払の対象が何かが具体的に判別できず、補助金によって賄われるべき費用であるかの判断がつかないことから、帳票を欠く費用として扱わざるを得ず、不適正な会計処理であると認められる。別紙一覧表では、同じように 判断されるものにつき、裁判所の「理由」欄に、Dと記載している。 eE(領収書記載の使途の費用を要しなかったにもかかわらず、領収書記載の使途の費用を要したとして領収書の作成を行った)の類型について別紙1の20頁平成24年度領収証No.581を例にすると、同 領収書には、b 商店を作成名義人として、Iクラブ学びの教室(国語 教室及び算数教室) 成を行った)の類型について別紙1の20頁平成24年度領収証No.581を例にすると、同 領収書には、b 商店を作成名義人として、Iクラブ学びの教室(国語 教室及び算数教室)から2Lのお茶10本の購入代金3000円を受け取った旨記載されている(乙44の4・167頁)。同費用は会議費として計上される(乙10の2)。 平成24年度にIクラブにおいて学びの教室(国語教室及び算数教室)が開催されているところ(乙25の1・45頁から56頁まで、 同15頁から16頁まで、同18頁から22頁まで)、同年度に学びの教室についての会議が開催されたことを証するに足りる帳票は存在しない。したがって、前記領収書記載の使途の費用を要しなかったにもかかわらず、領収書記載の使途の費用を要したとして領収書の作成を行ったものと認められる。 これは、Aと同様、実体のないものに対して対価を支払った形にして虚偽の内容の領収書を作成して会計処理するものであり、不適正なものであることは明らかである。別紙一覧表では、同じように判断されるものにつき、裁判所の「理由」欄に、Eと記載している。 fF(実体と異なる謝金単価を記載した領収書の作成を行った)の類 型についてKクラブの各年度の謝金単価資料から判断した。 別紙2の12頁平成25年度領収書No.36を例にすると、同領収書にはc がKクラブから、r公民館及びd スタジオで4月4日、11日、18日、25日、5月2日、9日、16日、23日、6月6日、 13日、20日、27日に開催されたスポーツダンス教室の講師謝金として6万円の支払を受け、所得税6126円を引いた5万3874円を受け取った旨の記載がある(乙46の3・50頁)。Kクラブでは毎週木曜日19時から21時にc 及びe スポーツダンス教室の講師謝金として6万円の支払を受け、所得税6126円を引いた5万3874円を受け取った旨の記載がある(乙46の3・50頁)。Kクラブでは毎週木曜日19時から21時にc 及びe を講師としてスポーツダンス教室を開催しており、前記領収書No.36記載の開催日において c を講師としてスポーツダンス教室が開催されていた(乙31・73 頁から76頁まで、乙32の3、乙39の2・13頁、乙48、乙52の2)。もっとも、Kクラブで定められた1教室2時間の種目別指導者の謝金単価は2000円であるため、前記領収書記載の開催日(全12日)にかかるc の講師謝金は2万4000円である。 したがって、誤った謝金単価を記載した領収書の作成を行ったもの と認められ、不適正な会計処理が行われたものであることは明らかである。 ウ原告の主要な反論について「きちんと支払いをしているのに不正と判断されている」との反論(全額支払済み) 前記イのとおり、本件においては、原告の領収書記載の金額の全部又は一部の支払を行うべき実体がないにもかかわらず領収書の作成を行った行為又は補助金によって賄われるべき経費と判断するに足りる帳票によらずに会計処理を行った行為を不適正(不正)な会計処理と認定しているものであって、支払が行われたか否かによって前記認定が左右され るものではないため、その反論は前提において採用し難い。 「補助金を流用した主体は原告ではなく、原告は被告等が補助金を流用した際に事務処理を行った者に過ぎない」との反論原告の反論は、原告が被告又は被告職員の指示によって事務処理を行ったにすぎず自己の利益を図るために行為を行ったものではない旨の非 違行為の動機又は経緯に係るもの に過ぎない」との反論原告の反論は、原告が被告又は被告職員の指示によって事務処理を行ったにすぎず自己の利益を図るために行為を行ったものではない旨の非 違行為の動機又は経緯に係るものであると理解され、これらは、懲戒処分の量定に関する事情ないしは本件返納命令に係る裁量権の範囲からの逸脱又は濫用に関する事情であり、前記認定を左右するものではない。 後記2⑶において検討を行う。 「講師の証言があるにも関わらず、原告の親類縁者ということで第三 者の証言がないとして不正と推認して判断がなされてしまっている」と の反論本件においては、前記認定に当たり、原告の親類縁者ではない第三者の証言がないことのみをもって、不適正な認定をするものではなく、親類縁者の証言それ自体の信用性や裏付けの有無などを踏まえて、その旨の判断をするものであり、その指摘は当を得ないものというべきである。 以下に述べる。 a VV は原告の娘であり、その証言の信用性については慎重に検討する必要がある。そして、V は、Hクラブ又はKクラブから講師の依頼を受けた旨を証言するところ、同証言の裏付けとなる証拠ないし事情は 存在しない。さらに、前記イcのとおりに、V から聴取した内容(乙25の1・21頁ないし22頁、乙31・24頁)も、一定期間継続して講師として関与したと述べるにもかかわらず、他の講師、教室の内容、教室が行われた場所について覚えていない等曖昧な内容を述べるなどもしており、全体としてその信用性に疑念を差し挟む余地 がある。 したがって、V の証言をもって、原告の会計処理が不適正でなかったと断ずることは困難である。 b ff は原告の息子であり、その証言の信用性については慎重に検討す る必要がある。 。 したがって、V の証言をもって、原告の会計処理が不適正でなかったと断ずることは困難である。 b ff は原告の息子であり、その証言の信用性については慎重に検討す る必要がある。そして、f は、Hクラブ又はKクラブから講師の依頼を受けた旨を証言するところ、同証言の裏付けとなる証拠ないし事情は存在しない。さらに、f から聴取した内容(乙25の1・125頁ないし126頁、乙31・25頁ないし29頁)も、他のスタッフ、領収書記載の教室又は大会が行われた場所について覚えていない、そ の他のことは覚えていない、講師ではなく見ていただけだが謝礼は受 け取った等曖昧な内容を述べており、全体としてその信用性に疑念を差し挟む余地がある。 したがって、f の証言をもって、原告の会計処理が不適正でなかったと断ずることは困難である。 c g g は原告の元夫であり、その証言の信用性については慎重に検討する必要がある。そして、g は、Kクラブから講師の依頼を受けた旨を証言するところ、同証言の裏付けとなる証拠ないし事情は存在しない。 さらに、g から聴取した内容(乙31・117頁)のうち、カヌー教室にかかる内容は、毎回参加しておりカヌー教室の講師であるh と共 に指導を行っていた旨を述べるものの、カヌー教室で講師をしていたh はg を知らないと述べており(乙31・45頁)、その証言の信用性に疑念を差し挟む余地がある。 したがって、g の証言をもって、原告の会計処理が不適正でなかったと断ずることは困難である。 d ii は、原告の息子f の配偶者であり、その証言の信用性については慎重に検討する必要がある。そして、i は、Hクラブから講師の依頼を受け又はKクラブの大会スタッフとして参加した旨を d ii は、原告の息子f の配偶者であり、その証言の信用性については慎重に検討する必要がある。そして、i は、Hクラブから講師の依頼を受け又はKクラブの大会スタッフとして参加した旨を証言するところ、同証言の裏付けとなる証拠ないし事情は存在しない。さらに、i から聴取した内容(乙25の1・24頁ないし25頁、乙31・17頁)のうちHクラブの教室講師としての参加について、一定期間継続して関与したと述べるにもかかわらず(なお、講師としての関与をいうものかははっきりしない。)、他の講師、教室の内容、教室が行われた場所について覚えていない等曖昧な内容を述べるなどもしている などしており、その証言の信用性に疑念を差し挟む余地がある。 したがって、i の証言をもって、原告の会計処理が不適正でなかったと断ずることは困難である。 「本人に聞き取りができない、第三者からの証言を得られないなどの理由をもって不適切な支出であると判断すること自体が不合理であり、不適切な支出であることへの十分な立証を被告は行っていない」との反 論原告の反論は、別紙一覧表記載の「実績報告上の使途」の項目のうち、以下の①ないし⑤のものである。 ① 別紙1の平成25年度領収証No.551以下にある「保険料」② 別紙1の平成24年度領収証No.563以下にある「消耗品費」 ③ 別紙1の平成24年度領収証No.581以下にある「会議費」④ 別紙2の平成22年度領収書No.36記載のj を作成名義人とする「諸謝金」⑤ 別紙2の平成25年度領収書No.56記載のk を作成名義人とする「諸謝金」 消耗品費については、前記イdのとおり、明細の記載のない領収書を用いて会計処理を行ったことを根拠として不適正な会計処 の平成25年度領収書No.56記載のk を作成名義人とする「諸謝金」 消耗品費については、前記イdのとおり、明細の記載のない領収書を用いて会計処理を行ったことを根拠として不適正な会計処理が行われたものと認定しているものであるから、原告の反論は当たらない。 また、その他の項目についても、本人に聴取できないことを理由に認定したものではなく、別紙一覧表掲記の証拠によって認定したものであ るから、原告の反論は当たらない。 エ以上のとおり、別紙一覧表記載の費用について不適正な会計処理が行われていることが認められる(別紙一覧表)。 ⑵ 原告が行った不適切な会計処理について原告の故意(原告が領収書記載の費用として実体のないことを認識していたこと) ア原告は、別紙一覧表のうち、別紙1の24頁から40頁まで及び別紙2 の28頁から40頁までの領収書について被告主張の改竄区分にかかる各領収書の改竄を行った事実を認めており、同領収書(計469万1958円分)については、その全部又は一部の実体がないにもかかわらず会計処理を行っていたことを認識していたものと認められる(別紙一覧表)。 イまた、別紙2の3頁平成22年度No.132、同No.134、同N o.136及び同8頁平成23年度No158については、原告が、平成22年度の旅費合計5万7420円(内訳:6月17日r~u6600円、11月24日r~u6600円、12月17日r~u6600円、2月6日r~u6600円、2月26日及び同27日r~v3万1020円)をKクラブから受け取った旨及び平成23年度の旅費合計4万5520円 (内訳:6月10日r~u6600円、9月4日r~u6600円、11月13日r~v1万9440円、11月21日r~u6600円、3 ラブから受け取った旨及び平成23年度の旅費合計4万5520円 (内訳:6月10日r~u6600円、9月4日r~u6600円、11月13日r~v1万9440円、11月21日r~u6600円、3月2日r~u6280円)をKクラブから受け取った旨が記載されている領収書等が存在する(乙46の6・254頁から255頁まで、同257頁、乙46の5・278頁、同281頁から同282頁まで)。もっとも、原 告は、前記各領収書等記載の日程のうち、平成22年度6月17日、12月17日、2月26日、同27日及び平成23年度11月13日において、公用車を使用して目的地に移動している(乙53・1頁から5頁まで、同8頁から11頁まで)。そうだとすれば、原告は、公用車を用いることによって旅費(ただし、宿泊費を除いた額)の支出がないにもかかわらず、 これを要したものとして領収書の作成を行っていたことになるから、前記各領収書記載の金額(計10万2940円)のうち公用車を使用した日程分の交通費の支出(計5万5160円。乙46の6・254頁から261頁、乙46の5・282頁参照)については、実体のない不適切な会計処理を行っていたことを認識していたものと認められる。 この点について、原告は上司らとの話合いによって旅費支出を行うこと にした旨主張するが、これを裏付けるに足りる的確な証拠はないから、原告の主張は採用し難い。 ウさらに、別紙一覧表(別紙一覧表中赤色部分)のとおり、原告は自らの親族らに対して講師謝金として129万1000円分(なお、うち122万4000円分について講師としての関与の実体がないにもかかわらず支払いが 行われている。)の領収書を発行しており、これらは不適正な会計処理であることが認められるところ、これら なお、うち122万4000円分について講師としての関与の実体がないにもかかわらず支払いが 行われている。)の領収書を発行しており、これらは不適正な会計処理であることが認められるところ、これらの不適正な会計処理の手法は、前記アにおける改ざん方法と同様の手法によるものであり、偶然に原告の親族複数名らが原告に知られることなく原告の行った改ざん方法と同じ手法によって原告に支払を行わせたと考えるのは極めて不自然であり、原告と共同して行わ れたものと推認するのが自然である。したがって、原告において、これらの領収書の作成について、実体のない会計処理を行っていることを認識していたものと認められる。 エ以上によれば、原告は、少なくとも608万5898円分(469万1958円分+10万2940円分+129万1000円分)の領収書について、 同領収書記載の費用が全部又は一部実体のないことを認識して作成したものと認められるから、故意に領収書を偽造する等して不適正な会計処理を行ったもの(以下「本件非違行為」という。)と認められる。 ⑶ 以上を前提に、原告が在職期間中に「懲戒免職等処分を受けるべき行為」(本件条例15条1項3号、同13条)を行ったといえるかにつき、検討す る。 ア被告は、主位的に、本件非違行為が、本件指針第4標準例3⑻「詐欺」に該当する旨を主張する。 この点、「詐欺」は、人を欺いて財物を交付させたというものであり、同種の標準例3の公務外非行関係の例に照らすと、いずれも刑法犯として のものを想定していると解されるところ、本件非違行為は、被告の主張を 前提にしても、偽造した領収書等を作成して真実に反する実績報告を行い、もって、放課後教室やスポーツクラブをして、補助金の返還を不正に免れさせたというもの ろ、本件非違行為は、被告の主張を 前提にしても、偽造した領収書等を作成して真実に反する実績報告を行い、もって、放課後教室やスポーツクラブをして、補助金の返還を不正に免れさせたというものであり、人を欺いて財物を交付させた、ないし、財産上不法の利益を得たとは直ちには評価し難いものであるから、本件指針第4標準例3⑻の「詐欺」に該当しないものといわざるを得ない。 イ他方、前記⑵のとおり本件非違行為は、原告が実体に反するものであることを知りながら、実施日を偽る方法、講師を偽る方法、教室を偽る方法、すなわち、実施されていない教室等が実施されたかのように偽って内容虚偽の領収書を作成する手法で、多数回にわたり、放課後教室や地域スポーツクラブをして補助金の返還を免れさせたというものであり、故意に偽造 的手法で不適正な会計処理を行ったものと評価できるものである。 補助金の流用は、地方自治法第220条第2項、中津市予算規則第17条により、予算の執行上必要がある場合に限るほか、原則としてできず、これを必要とするときは、決裁を得なければならないとされているが、原告が本件非違行為として行っているのは、このような補助金の流用ではな く、当初予定された事業とは異なる事業に対し、所定の手続を経ないで流用し得ない経費を充てるものであって、違法なものといわざるを得ないものである。 本件非違行為は、平成23年から平成27年の間に、故意に正確でない費用の支出の報告を行い、被告をして助成金の返還を免れさせたものであ るところ、これは約4年間という長期にわたって本来厳格に管理されるべき公金を不透明に流出させるとともに、被告がこれに係る補助金の返還を命じられることになった場合には公金の流出による損失を被告に負わせる結果を招くものである。 いう長期にわたって本来厳格に管理されるべき公金を不透明に流出させるとともに、被告がこれに係る補助金の返還を命じられることになった場合には公金の流出による損失を被告に負わせる結果を招くものである。このような行為が許容されることになれば、納税者全体の損失を招来するばかりか、公金の管理の主体である国又は公共団 体及びこれらの職員への住民の信頼を著しく毀損するといえ、強い非難に さらされるべきものとして許容されざるものと指摘するほかない。 しかも、本件については、報道がなされており地域住民へ少なくない公務に対する不信感を現実に生じさせたと容易に推認されること、本件の発覚は地域住民からの支払調書に関する問合せがきっかけとなっていること、本件非違行為が地域住民の名義を勝手に使用し領収書を発行したという態 様に係るものであること、税金を原資とする補助金の不正な使用に関するものであることを踏まえると、地域住民からの租税徴収に支障を現に生じさせたといえる。また、被告は、本件非違行為の調査のため、長期間にわたり、人員を投じることを余儀なくされたものであった。これらを踏まえれば、本件非違行為は被告の公務に対する信頼やその遂行に重大な影響や 支障を及ぼすものであったと評価されても致し方ない(なお、前記⑵によれば、原告は608万5898円分に係る領収書について故意に不適正な事務処理を行っているところ、このうち支出された金員の一部は、上記金額のうちの約21%程度(122万4000円+5万5160円/608万5898円)とはいえ、講師としての関与の実体や交通費の支出がない にもかかわらず原告自身及び原告の親族に支出されており、このような態様による支出は、恣に私的な利益を得るために行ったものと評価されても致し方なく、原告が私人と 関与の実体や交通費の支出がない にもかかわらず原告自身及び原告の親族に支出されており、このような態様による支出は、恣に私的な利益を得るために行ったものと評価されても致し方なく、原告が私人として公務外に行った行為ではあるものの、被告の補助事業の事務局であるr教育センターの生涯学習課に所属しながら行ったものであることも踏まえると、地域住民及び社会一般からの市職員に 対する信用を大きく損なうものであるといえ、その一事のみを取り上げても非難の程度は相当に強いといわざるを得ない。)。 原告は、本件非違行為に関し、使途については私的に流用していない、上司から指示されたなどと主張している。もっとも、前記の認定によれば、使途に関し、一部には、自ら又はその親族が利益を得る形で支出されたも のが存すること、上司から指示がある旨を述べるものの(甲50、原告本 人)、その指示をめぐる経緯については、必ずしも具体的とはいい難く、かつ、一貫しないものがあるといわざるを得ず、その主張は直ちには採用し難い(後記2⑶に詳細を述べる。)。 そうすると、原告の補助金の目的外使用は、故意に内容虚偽の領収書等を作成するという極めて悪質な態様でされたものであることに加え、前記 の使途に関する状況や上司からの指示に基づくとの主張が採用し難いものであることに鑑みれば、その動機には酌むべきものはないといわざるを得ない。 そして、本件非違行為は、本務外の私人としての立場に基づくものであった(前記前提事実⑷ア、同⑷イ)とはいえ、被告の職員としての立 場を利用したものと評価せざるを得ない。 本件行為の発覚後、被告は受給済みの補助金の一部返還を余儀なくされるなど(前提事実⑸)、市政に及ぼす影響は甚大なものがあったといわざるを得ない。 した 場を利用したものと評価せざるを得ない。 本件行為の発覚後、被告は受給済みの補助金の一部返還を余儀なくされるなど(前提事実⑸)、市政に及ぼす影響は甚大なものがあったといわざるを得ない。 したがって、本件行為は、市職員の職の信用を傷つける職全体の不名誉 となる信用失墜行為(地方公務員法29条1項1号、33条)といえ、また全体の奉仕者たるにふさわしくない非行(同法29条1項)に当たるものといえ、本件指針の第4標準例1の法令等違反、不適正な事務処理等、すなわち、職務の遂行に関して法令等に違反し、又は不適正な事務処理等を行うことにより、公務の運営に重大な支障を与えたものに照らして、免 職等の処分の対象となるものであった。 以上を踏まえれば、原告は、在職中に、「懲戒免職等処分を受けるべき行為」を行ったと認められる。 2 争点⑵(本件返納命令に行政庁の裁量権の範囲からの逸脱又は濫用があるといえるか)について ⑴ 原告は、原告に係る退職金の全額の返納を命じた本件返納命令に裁量権の 範囲からの逸脱又は濫用があった旨を主張するので、検討する。 ア本件条例15条1項3号は、退職手当等の支払を受けた者に対し、その者が退職に係る退職手当在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をした場合に、当該退職に係る退職手当管理機関は、当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任、当該退職をした者の勤務の状況、当該退職を した者が行った非違の内容及び程度、当該非違に至った経緯、当該非違後における当該退職をした者の言動、当該非違が公務の遂行に及ぼす支障の程度並びに当該非違が公務に対する信頼に及ぼす影響(本件条例12条1項柱書)のほか、当該退職をした者の生計の状況を勘案して、退職手当の全部又は一部の返納を命ずる処分を行うこと 務の遂行に及ぼす支障の程度並びに当該非違が公務に対する信頼に及ぼす影響(本件条例12条1項柱書)のほか、当該退職をした者の生計の状況を勘案して、退職手当の全部又は一部の返納を命ずる処分を行うことができる旨規定している。本 件条例の規定により支給される一般の退職手当等は、勤続報償的な性格を中心としつつ、給与の後払的な性格や生活保障的な性格も有するものと解される。そして、本件規定は、個々の事案ごとに、退職者の功績の度合いや非違行為の内容及び程度等に関する諸般の事情を総合的に勘案し、給与の後払的な性格や生活保障的な性格を踏まえても、在職中に当該退職者の 勤続の功を抹消し又は減殺するに足りる事情があったと評価することができる場合に、退職手当返納命令処分をすることができる旨を規定したものと解される。このような退職手当返納命令処分に係る判断については、平素から職員の職務等の実情に精通している者の裁量に委ねるのでなければ、適切な結果を期待することができない。そうすると、本件規定は、退職手 当等の支払を受けた者に対し、その者が退職に係る退職手当在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をした場合に、退職金の返納を命ずる処分をするか否か、これをするとした場合にどの程度返納を命ずるかの判断を、退職手当管理機関の裁量に委ねているものと解すべきである。したがって、裁判所が退職手当返納命令処分の適否を審査するに当たっては、退 職手当管理機関と同一の立場に立って、処分をすべきであったかどうか又 はどの程度支給しないこととすべきであったかについて判断し、その結果と実際にされた処分とを比較してその軽重を論ずべきではなく、退職手当返納命令処分が退職手当管理機関の裁量権の行使としてされたことを前提としたうえで、当該処分に係る判断が たかについて判断し、その結果と実際にされた処分とを比較してその軽重を論ずべきではなく、退職手当返納命令処分が退職手当管理機関の裁量権の行使としてされたことを前提としたうえで、当該処分に係る判断が社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に違法であると 判断すべきである(最高裁昭和47年(行ツ)第63号同52年12月20日第三小法廷判決・民集31巻7号1225頁、最高裁令和4年(行ヒ)第274号同5年6月27日第三小法廷判決・民集77巻5号1049頁参照)。 イ前記1⑶のとおり、本件非違行為は、懲戒免職処分を受けるべき行為で あったといえるところ、①原告が実体がないことを知りながら、内容虚偽の領収書を作成する偽造的手法で、長期間及び多数回にわたり、補助金を目的外に使用し、その返還を免れさせたというものであり、故意による不適正かつ違法な会計処理(事務処理)との評価を免れないものであって、その総額も500万円以上に及び、その中には私的流用に関するものも含 まれていて、その動機に酌むべきものはないこと、②本件非違行為は、不透明な公金の流出による損失を被告に負わせる結果を招く行為であり、納税者全体の損失を招来するばかりか、公金の管理の主体である国又は公共団体及びこれらの職員への住民の信頼を著しく毀損するものであり、強い非難にさらされるべきものであること、③本件非違行為は、地域住民へ少 なくない公務に対する不信感を生じさせたと容易に推認され、地域住民からの租税徴収上の不都合を生じさせるおそれをも生じさせたといえること、④被告は本件非違行為の調査のため長期間人員を投じ調査することを余儀なくされたものであり、被告の公務に対する信頼やその遂行に重大な影響や支障を及ぼすものであった るおそれをも生じさせたといえること、④被告は本件非違行為の調査のため長期間人員を投じ調査することを余儀なくされたものであり、被告の公務に対する信頼やその遂行に重大な影響や支障を及ぼすものであったこと、⑤本件非違行為の発覚後、中津市は受 給済みの補助金の一部返還を余儀なくされるなど(前提事実⑸)、市政に 及ぼす影響は甚大なものであったことを踏まえると、その非違の内容及び程度は著しく重いものがあると指摘せざるを得ない。そうすると、原告が昭和57年から平成28年3月に退職するまでの長きにわたり被告において勤続してきたこと、この間本件以外に非違行為で処分を受けた事実がないことなどを最大限勘案したとしても、本件非違行為に係る非違の内容及 び程度を踏まえるならば、被告の退職手当管理機関の裁量権の行使としてされた本件返納命令に係る判断が社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認めることはできないというべきである。 ⑵ 原告は、要旨、①原告の行為は被告主張の標準例に該当しない旨、②本件 指針の基準から大幅に外れた場合には裁量権の範囲からの逸脱又は濫用となるところ、該当しないものについてその基準にあたるとして量定を定めることや、裁量基準に照らさず総合考慮により量定を定めることは裁量権の逸脱又は濫用にあたる旨、③刑法上の傷害事件を起こしても、減給か停職で免職までにはならないにもかかわらず、刑法犯とはいえない行為についてこれよ り重く量定を考慮することは比例原則違反である旨を主張する。 地方公務員の懲戒処分については、地方公務員法29条1項が、所定の懲戒事由がある場合に、懲戒処分をすることができる旨規定するところ、懲戒処分をすべきかどうか、また、懲戒処分をするときにいかなる処分を選択すべ の懲戒処分については、地方公務員法29条1項が、所定の懲戒事由がある場合に、懲戒処分をすることができる旨規定するところ、懲戒処分をすべきかどうか、また、懲戒処分をするときにいかなる処分を選択すべきかについては、公正でなければならないこと(同法27条1項)、平等に 取り扱われなければならないこと(同法13条)等、一般的な規定を設けるのみで具体的な基準を設けていない。この点、被告においては、同法に基づく懲戒処分等を行う際の指針として本件指針が定められ、本件指針は当該懲戒処分を厳正かつ公平に行うため、その処分量定の基準その他必要な事項を定めるとともに、より厳正な綱紀の保持と質の高い公務の推進に資すること を目的とするところ、本件指針第2基本事項において具体的な量定の考慮を 行うに当たり、総合的に考慮する事項を掲げるほか、個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる処分の種類以外の処分とすることもあり得るとし、標準例に掲げる処分の種類よりも重いものとすることが考えられる場合を掲げており、標準例に該当しない事例が直ちに「懲戒免職等処分を受けるべき行為」に当たらないと評価されるものでないことは明らかであり、これを前 提とする原告の前記①の主張は採用の限りではない。 また、原告は本件指針の基準から大幅に外れた場合には裁量権の範囲からの逸脱又は濫用になるとも主張する。しかしながら、前記のとおり、本件非違行為の受けるべき非難の程度や公務に対する信頼を害する程度を踏まえれば、本件指針第2基本事項に照らしても、懲戒免職処分に値するとの評価を 受けたとしても致し方ないものといえるのだから、原告の前記②の主張には理由がない。 さらに、原告は比例原則にも言及する。しかしながら、比例原則は、処分等の必要性が認められるとしても 価を 受けたとしても致し方ないものといえるのだから、原告の前記②の主張には理由がない。 さらに、原告は比例原則にも言及する。しかしながら、比例原則は、処分等の必要性が認められるとしてもその目的と手段が相応していなければならないとする原則であり、公務員に対する懲戒処分においては、公務員の規律 及び公務員に対する国民の信頼等を保持する必要性と、被処分者が処分により受ける不利益の内容との権衡の観点から、ある懲戒処分を選択することの相当性を基礎づける具体的な事情が認められるものであるべきという法原理を意味するものであり、特定の標準例との比較のみを考慮要素とするものではない。したがって、特定の標準例との不均衡のみを理由として本件返納命 令が比例原則に違反する旨をいうかのような原告の前記③の主張は、比例原則の意義を正解しないものであり、前記判断に消長をきたさない。なお、本件返納命令が比例原則に照らしても相当であることは、前記⑴イ記載のとおりである。 ⑶ この点、原告は、流用先一覧表(別紙3)のとおり、補助金の下りなかっ た被告の事業に対して、上司の指示・確認のもとで業務命令により補助金を 流用(目的外使用)し被告の事業を行うべく事務処理を担っていただけであって、その動機に私的なものはなく、このような流用は被告も承知していたのであるから、この点を考慮せずに行われた本件返納命令には裁量権の逸脱又は濫用がある旨主張し、このような主張を基礎づける事実として、原告は、①AED 購入に係る事情、②totoの領収書の偽造に係る事情、③l サマー キャンプに係る事情、④グリーンカーテン事業に係る事情を指摘する。 ①につき、確かに、Kクラブの平成23年度のNo.163ないし166(借料及び損料)の特記事項欄には、「 る事情、③l サマー キャンプに係る事情、④グリーンカーテン事業に係る事情を指摘する。 ①につき、確かに、Kクラブの平成23年度のNo.163ないし166(借料及び損料)の特記事項欄には、「H24.4.1 使用料補助金としてNクラブからQへ18、000 円の支払いを確認。実績に添付された資料のコピーに「24 年度AED 購入しo ふれあい広場へ設置するので使用料は少年野球グラ ウンド使用料へ移す O支所長・Pセンター長・L・m にて承」のメモ書き有 ※本来であれば市からの請求額90、600 円を市に納入するはずだが、市には納入せずQとSさんに渡したこととなっている。」との記載があり(乙54、甲44、別紙2の31頁)、「24 年度AED 購入しo ふれあい広場へ設置するので使用料は少年野球グラウンド使用料へ移す O支所長・P センター長・L・m にて承」のメモ書きのあること(乙2の1)が認められるものの、当該メモ書きの作成経緯について原告主張のような関係者間でのやり取りが行われたことを証するに足りる的確な証拠はなく、また、仮にメモ書きの記載の内容についてのやり取りがされたものだとしても、原告主張のAED 購入費用を他の補助金を流用することで賄う旨の具体的指示があっ たということが直ちに明らかにされるものではなく、原告の主張は採用し難い。また、②についても、原告の主張する経緯のあったことを認めるに足りる的確な証拠はなく、③及び④についても、補助金によって事業の実施に係る経費の全額を賄うことができないとしても、それが補助金の流用によって賄う旨の具体的指示のあったことを認めるに足りる的確な証拠はないのだか ら、結局において、前記②ないし④の原告主張の経緯を認定するに足りる証 拠はないといわざるを得ない 流用によって賄う旨の具体的指示のあったことを認めるに足りる的確な証拠はないのだか ら、結局において、前記②ないし④の原告主張の経緯を認定するに足りる証 拠はないといわざるを得ない。 仮に原告の主張するように、補助金の下りなかった被告の事業に対して上司の指示・確認のもとで業務命令により補助金が流用(目的外使用)されていたとしても、本件非違行為の態様及び性質において非難の程度が強く悪質であることに変わりはなく(その上司が懲戒されるべきか否かという点とは 別問題である。)、かつ、前記1のとおり、一部において原告は本件非違行為により自己の利益をも得ていることが認められるのであるから、このような事情の有無によって本件返納命令を行うことが不合理となるものではなく、その余の原告の主張を考慮しても、前記判断を左右しない。 ⑷ 以上によれば、本件返納命令に裁量権の範囲からの逸脱又は濫用があると はいえない。 3 争点⑶(処分理由の差替えにあたるか)について原告は、要旨、処分理由となる事実について、被告は本件指針第4標準例3⑻「詐欺」と評して本件返納命令を行ったのであるから、訴訟において本件指針第4標準例3⑻詐欺に該当する旨以外の理由を主張することは、基本的な事 実の同一性を欠くため、その主張は制限されると主張する。 もっとも、前記前提事実⑹のとおり、本件の処分の理由は、原告が領収書等の偽造という不適正な事務処理を故意に行ったというものであるところ、本訴訟において被告の主張する原告の処分の理由となる事実について変更はなく、原告の主張は採用し難い。 4 小括したがって、本件返納命令には裁量権の範囲からの逸脱又は濫用はなく、適法である。 第4 結論以上によれば、本件返納命令が違法であるとして本 なく、原告の主張は採用し難い。 4 小括したがって、本件返納命令には裁量権の範囲からの逸脱又は濫用はなく、適法である。 第4 結論以上によれば、本件返納命令が違法であるとして本件返納命令の取消しを求 める原告の請求には理由がないからこれを棄却し、本件返納命令に基づき退職 金の返納を求める被告の請求には理由があるからこれを認容することとして、主文のとおり判決する。 大分地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官 裁判官 裁判官 別紙関係法令等第1 地方公務員法13条すべて国民は、この法律の適用について、平等に取り扱われなければならず、 人種、信条、性別、社会的身分若しくは門地によつて、又は第16条第5号に規定する場合を除く外、政治的意見若しくは政治的所属関係によつて差別されてはならない。 27条1項 すべて職員の分限及び懲戒については、公正でなければならない。 2項職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、若しくは免職されず、この法律又は条例で定める事由による場合でなければ、その意に反して、休職されず、又、条例で定める事由による場 合でなければ、その意に反して降給されることがない。 3項職員は、この法律で定める事由による場合でなければ、懲戒処分を受けることがない。 29条 1項職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。 1号この法律若しくは第57条に規定する特例を 29条 1項職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。 1号この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程 に違反した場合 2号職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合3号全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合2項省略3項 職員が、第28条の4第1項又は第28条の5第1項の規定により採用された場合において、定年退職者等となつた日までの引き続く職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)又はこれらの規定によりかつて採用されて職員として在職していた期間中に第一項各号の一に該当したときは、これに対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。 4項職員の懲戒の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。 33条職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行 為をしてはならない。 第2 中津市職員の退職手当に関する条例(昭和28年12月23日中津市条例第35号)11条この条から第17条までにおいて、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各 号に定めるところによる。 ⑴ 懲戒免職等処分地方公務員法29条の規定による懲戒免職処分その他の職員としての身分を当該職員の非違を理由として失わせる処分をいう。 ⑵ 退職手当管理機関 地方公務員法その他の法令の規定により職員の退職(この条例その他の条 例の規定により、この条例の規定による退職手当を支給しないこととしている退職を除く。以下第17条 当管理機関 地方公務員法その他の法令の規定により職員の退職(この条例その他の条 例の規定により、この条例の規定による退職手当を支給しないこととしている退職を除く。以下第17条までにおいて同じ。)の日において当該職員に対し懲戒免職等処分を行う権限を有していた機関(当該機関がない場合にあっては、懲戒免職等処分及びこの条から第17条までの規定に基づく処分の性質を考慮して市長が定める機関)をいう。ただし、当該機関が退職後に廃 止された場合における当該職員については、当該職員の占めていた職(当該職が廃止された場合にあっては、当該職に相当する職)を占める職員に対し懲戒免職等処分を行う権限を有する機関(当該機関がない場合にあっては、懲戒免職等処分及びこの条から第17条までの規定に基づく処分の性質を考慮して市長が定める機関)をいう。 12条1項退職をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該退職に係る退職手当管理機関は、当該退職をした者(当該退職をした者が死亡したときは、当該退職に係る一般の退職手当等の額の支払を受ける権利を承継した者)に 対し、当該退職をした者が占めていた職の職務及び責任、当該退職をした者の勤務の状況、当該退職をした者が行った非違の内容及び程度、当該非違に至った経緯、当該非違後における当該退職をした者の言動、当該非違が公務の遂行に及ぼす支障の程度並びに当該非違が公務に対する信頼に及ぼす影響を勘案して、当該一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする 処分を行うことができる。 ⑴ 懲戒免職等処分を受けて退職をした者⑵ 地方公務員法第28条第4項の規定による失職又はこれに準ずる退職をした者(以下、省略) 13条 1項省略2項 。 ⑴ 懲戒免職等処分を受けて退職をした者⑵ 地方公務員法第28条第4項の規定による失職又はこれに準ずる退職をした者(以下、省略) 13条 1項省略2項退職をした者に対しまだ当該退職に係る一般の退職手当等の額が支払われていない場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該退職に係る退職手当管理機関は、当該退職をした者に対し、当該一般の退職手当等 の額の支払を差し止める処分を行うことができる。 ⑴ 省略⑵ 当該退職手当管理機関が、当該退職をした者について、当該一般の退職手当等の額の算定の基礎となる職員としての引き続いた在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為(在職期間中の職員の非違に当たる行為であ って、その非違の内容及び程度に照らして懲戒免職等処分に値することが明らかなものをいう。以下同じ。)をしたことを疑うに足りる相当な理由があると思料するに至ったとき。 15条1項 退職をした者に対し当該退職に係る一般の退職手当等の額が支払われた後において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該退職に係る退職手当管理機関は、当該退職をした者に対し、第12条第1項に規定する事情のほか、当該退職をした者の生計の状況を勘案して、当該一般の退職手当等の額(当該退職をした者が当該一般の退職手当等の支給を受けていなければ第1 0条第3項、第6項又は第8項の規定による退職手当の支給を受けることができた者(次条及び第17条において「失業手当受給可能者」という。)であった場合には、これらの規定により算出される金額(次条及び第17条において「失業者退職手当額」という。)を除く。)の全部又は一部の返納を命ずる処分を行うことができる。 ⑴ 当該退職をした者が基礎在職期 、これらの規定により算出される金額(次条及び第17条において「失業者退職手当額」という。)を除く。)の全部又は一部の返納を命ずる処分を行うことができる。 ⑴ 当該退職をした者が基礎在職期間中の行為に係る刑事事件に関し禁錮以 上の刑に処せられたとき。 ⑵ 当該退職をした者が当該一般の退職手当等の額の算定の基礎となる職員としての引き続いた在職期間中の行為に関し定年前再任用短時間勤務職員に対する免職処分を受けたとき。 ⑶ 当該退職手当管理機関が、当該退職をした者(定年前再任用短時間勤務 職員に対する免職処分の対象となる職員を除く。)について、当該一般の退職手当等の額の算定の基礎となる職員としての引き続いた在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたと認めたとき。 第3 中津市予算規則(乙105)17条 1項各部等の長は、予算に定める歳出予算の各項の流用又は配当された歳出予算の目及び節間の流用を必要とする場合は、歳出予算流用申請書を総務部長に提出しなければならない。 2項 総務部長は、前項に規定により歳出予算の流用が決裁されたとき直ちに各部等の長及び会計管理者に通知しなければならない。 3項省略第4 中津市職員の懲戒処分等に関する指針(乙4)第1 目的 本指針は、職員の懲戒処分(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第29条に規定する懲戒処分をいう。以下同じ。)について、当該懲戒処分を厳正かつ公平に行うため、その処分量定の基準その他必要な事項を定めるとともに、より厳正な綱紀の保持と質の高い公務の推進に資することを目的とする。 第2 基本事項 本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な処分の種類を掲 げたものである。 具体的な 綱紀の保持と質の高い公務の推進に資することを目的とする。 第2 基本事項 本指針は、代表的な事例を選び、それぞれにおける標準的な処分の種類を掲 げたものである。 具体的な量定の決定にあたっては、① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであったか② 故意又は過失の度合いはどの程度であったか③ 非違行為を行った職員の職責はどのようなものであったか、その職責は非 違行為との関係でどのように評価すべきか④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか⑤ 過去に非違行為を行っているか等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等を含め総合的に考慮の上判断するものとする。 個別の事案の内容によっては、標準例に掲げる処分の種類以外の処分とすることもあり得るところである。例えば、標準例に掲げる処分の種類よりも重いものとすることが考えられる場合として、① 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき又は非違行為の結果が極めて重大であるとき ② 非違行為を行った職員が管理又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき③ 非違行為の公務内外に与える影響が特に大きいとき④ 過去に類似の非違行為を行ったことを理由として懲戒処分を受けたことがあるとき ⑤ 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行っていたときがある。また、例えば標準例に掲げる処分の種類よりも軽いものとすることが考えられる場合として、① 職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき② 非違行為を行うに至った経緯その他情状に特に酌量すべきものがあると認 められるとき がある。 なお、標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得 ② 非違行為を行うに至った経緯その他情状に特に酌量すべきものがあると認 められるとき がある。 なお、標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分の対象となり得るものであり、これらについては標準例に掲げる取扱いを参考としつつ判断する。 第3 懲戒処分の種類 懲戒処分の種類は、次のとおりとする。 ⑴ 免職職員の身分を意に反して失わせる行為⑵ 以下省略第4 標準例 1 一般服務関係 法令等違反、不適正な事務処理等職務の遂行に関して法令等に違反し、又は不適正な事務処理等を行うことにより、公務の運営に重大な支障を与え、又は市民等に重大な損害を与えた職員は、免職、停職、減給又は戒告とする。 2 公金又は市の財産の取扱い関係 ⑴ 横領等公金又は市の財産を横領し、窃取し、又は詐取した職員は免職とする。 3 公務外非行⑶ 傷害人の身体を傷害した職員は、停職又は減給とする。 ⑻ 詐欺、恐喝人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させた職員は、免職又は停職とする。 以上

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