主文 原判決を破棄し、第一審判決を取消す。本件訴えを却下する。訴訟費用は第一、二、三審とも被上告人の負担とする。理由 上告人は、原判決を破棄し、さらに相当の裁判を求める旨申立て、別紙の通り上告理由を陳述し、被上告代理人は「本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする」との判決を求め、上告理由第二点について「被上告代理人が弁護士法に違反した事実は全くない。その余の上告人主張の事実は知らない」と述べた。証拠(省略)上告理由第二点について本件記録によれば、被上告代理人であるAは被上告人の支配人の資格でその訴訟代理人として本件訴えを提起し、第一審から当審に至るまで終始本件訴訟の追行に当つてきたことが認められ、成立に争のない乙第一、二、三号証、甲第二、三、四号証によると、次の事実を認めることができ、右認定に反する証拠はない。Aは(一)昭和四三年九月から被上告人の依頼で債権の請求、これに関する重要書類の作成およびその代理人として法廷に出頭すること等を担当し、被上告人から一か月五万円の報酬を得ていたが、昭和四四年二月その支配人に就任し、被上告人と合意の上、訴訟費用、交通費、日当等は同人の負担とし、被上告人は同人に対し同人の働きにより得た金員について歩合金を報酬として支給することと定め、(二)昭和四五年七月二七日、債権の請求、代理人として法廷に出頭すること、その他これに関する重要な用件を担当し、固定給の支給は受けず、交通費と日当一、〇〇〇円とを支給され、役員会の規定により賞与を受ける条件で、訴外株式会社三洋通信社の支配人に就任し、(三)同年六月から訴外広報ことBから依頼され、債権の請求のため、用紙代の支給を受けて六件について訴状を作成し、交通費および日当五〇〇円を支給 受ける条件で、訴外株式会社三洋通信社の支配人に就任し、(三)同年六月から訴外広報ことBから依頼され、債権の請求のため、用紙代の支給を受けて六件について訴状を作成し、交通費および日当五〇〇円を支給されて出張していた。 で、訴外株式会社三洋通信社の支配人に就任し、(三)同年六月から訴外広報ことBから依頼され、債権の請求のため、用紙代の支給を受けて六件について訴状を作成し、交通費および日当五〇〇円を支給 受ける条件で、訴外株式会社三洋通信社の支配人に就任し、(三)同年六月から訴外広報ことBから依頼され、債権の請求のため、用紙代の支給を受けて六件について訴状を作成し、交通費および日当五〇〇円を支給されて出張していた。右事実によれば、Aは、弁護士でないのに、報酬をうる目的で訴訟事件その他の法律事務を取扱うことを業としていたものであり、その業務の一部として本件訴えを提起したことが認められる。<要旨>ところが、弁護士法第一、二、三条、第七二条によれば、法律事務は基本的人権の擁護、社会正義の実現に</要旨>直接つながるところから、一般の法律事務の取扱はもつぱら職責の根本基準として高度のものを要求される弁護士の職務とされ、非弁護士が業としてこれをすることは禁じられており、同法第七二条は高度の公益的規定と解されるから、これに違反する訴訟行為は無効であつて、追完を許さないものと解するのが相当である。従つて、本件訴えは不適法であり、その欠缺は補正することができないものといわざるを得ない。よつて、上告理由第一点に対する判断を省略し、原判決を破棄し、第一審判決を取消し、本件訴えを却下することとし、民事訴訟法第三九六条、第三八六条、第九六条、第八九条に従い主文のように判決する。(裁判長裁判官近藤完爾裁判官田嶋重徳裁判官吉江清景)
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