昭和36(ネ)617 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
昭和36年7月5日 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原判決中控訴人の請求を棄却した部分を左のとおり変更する。      被控訴人は控訴人に対し、更に金十万円及びこれに対する昭和三十三年 九月十七日以降完済まで年五分の割合による金

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判決文本文1,781 文字)

主文 原判決中控訴人の請求を棄却した部分を左のとおり変更する。 被控訴人は控訴人に対し、更に金十万円及びこれに対する昭和三十三年九月十七日以降完済まで年五分の割合による金員を支払うべし。 控訴人その余の請求を棄却する。 訴訟費用は第一、二審を通じてこれを五分し、その一を控訴人、その余を被控訴人の負担とする。 ○事実控訴代理人は「原判決中控訴人に関する部分を次のとおり変更する。 被控訴人は控訴人に対し原審認容の金額と併せ金十五万円及びこれに対する昭和三十三年九月十七日以降完済まで年五分の割合による金員を支払うべし。 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決並に仮執行の宣言を求め、被控訴代理人は控訴棄却の判決を求めた。 当事者双方の事実上の供述並に証拠の関係は、原判決事実摘示と同一につき、これを引用する。 理由 本件自動車事故によつて轢死したAは昭和三十年十二月四日控訴人とその妻B(昭和三十一年一月十一日控訴人と婚姻届出)との間に生れた子であつて、出生時父母が内縁関係にあつたため、Bの子として出生届がなされたまま、遂に認知を経なかつたものであるけれども、控訴人はAの生後これを自己の子として手許に置いて養育し、専ら控訴人の収入によつて親子三人の生活を営んで来たこと、及びAの死亡は、被控訴市の経営するバス事業に自動車運転手として雇われている訴外Cの業務上の過失に基く自動車接触事故によるものと認むべきことは、原判決説示のとおりであり、被控訴人が右Cの選任監督上相当の注意を尽したものとは認め難く、また、控訴人が被控訴人と和解し損害賠償請求権を放棄したとの被控訴人の抗弁を容れ得ないとする原審の判断も相当である。よつて原判決理由の説明を引用 が右Cの選任監督上相当の注意を尽したものとは認め難く、また、控訴人が被控訴人と和解し損害賠償請求権を放棄したとの被控訴人の抗弁を容れ得ないとする原審の判断も相当である。よつて原判決理由の説明を引用する。 <要旨>以上のように、Aは控訴人との間に親子の血の繋りがあつて認知されれば準正嫡出子となるべきものであ</要旨>りながら、認知前に死亡したため、法律上の親子関係を持つに至らなかつたけれども、社会の実態からすればいわゆる日蔭の子の類でなく、両親の膝下にあつて事実上嫡出の子同然の家族的生活を送つていたのであり、また不慮の事故により右Aの死を迎えた控訴人の痛恨は、正に愛児を奪われた世の常の父親の悲しみであつて、それは認知手続の有無に拘りないのであるから、このような特別事情の下においては、控訴人とAとは民法第七百十一条の損害賠償の特則に関する限り、父子に準ずる地位にあるものと解すべく、従つて控訴人は本件事故につき損害賠償の責を負う被控訴人に対し慰籍料の請求をもなしうるものというべきである。 ところで、控訴人は電工としそ一ケ月二万円程度の収入を得て親子三人の生活を支えていたが格別の資産を有しないことは、原判決認定のとおりであり、これとAの母Bが別に金二十万円の慰籍料請求を認められたこと及び原判決に説示する事故の状況等諸般の事情を御酌し、控訴人の蒙つた精神上の苦痛を慰籍するには、金十万円を以て相当と認むべく、被控訴人の過失相殺の抗弁は原判決説示の理由によりこれを排斥する。 然らば被控訴人は、控訴人に対しA死亡による損害賠償として原審認容の葬式費用三万円の外に慰籍料金十万円及びこれに対する訴状送達の翌日たる昭和三十三年九月十七日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務があるので、本訴慰籍料の請求部分はこの限度において認容し、その 円の外に慰籍料金十万円及びこれに対する訴状送達の翌日たる昭和三十三年九月十七日以降完済まで年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務があるので、本訴慰籍料の請求部分はこの限度において認容し、その余を棄却すべきところ、原審が右と異る見解の下にその全部を排斥したのは不当につき、原判決中控訴人敗訴部分を変更し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条第九十二条第九十六条を適用してその負担を定むべく、なお、事案に鑑み、仮執行の宣言は付さないこととして、主文のとおり判決する。 (裁判長裁判官二宮節二郎裁判官奥野利一裁判官渡辺一雄)

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