昭和32(う)1858 道路交通取締法施行令違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和33年4月22日 東京高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件控訴を棄却する。      当審における訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  本件控訴の趣旨は末尾に添附した弁護人名越鉄夫の差し出した控訴趣意書

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判決文本文1,396 文字)

主    文      本件控訴を棄却する。      当審における訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  本件控訴の趣旨は末尾に添附した弁護人名越鉄夫の差し出した控訴趣意書並びに 追加控訴趣意書と題する各書面記載のとおりである。  名越弁護人の控訴趣意について  被告人が昭和三十年十月二十八日午前七時三十分頃大型貨物自動車(GmC十輪 車)を運転し、所謂a往還を北行、同往還の韮崎市b町cd番地甲巡査駐在所先の 曲角で、且つ、山梨県公安委員会の「学校あり」の道路標識がある道路を通過進行 したことは争ないところである。しかして、原審及び当審の現場検証の結果によれ ば、その曲角は乙駅方面から見て約百二十度の角度を以て右折しておりこれが道路 交通取締法施行令第二十九条第一項にいう曲角に該ることは明らかである。  論旨は被告人は当該個所を進行するに際しては時速約十二、三粁に減速して通行 し、同条のいう徐行をしたものであると主張するのでこの点について考える。  同条にいう徐行については、単に減速すれば足りるというものでないことは勿論 であるが、それを如何なる程度に減速すれば徐行したことになるかは法は全く規定 するところがない。法が一定の場所について徐行を要求する所以のものは、その場 所が一般に交通の危険の予想される地点であり、かかる地点では、予め減速し、い わゆる急停車その他の緊急措置をなるべく有効ならしめ、停車する距離を可及的に 短縮せしめ、以て<要旨>交通の危険を防止しようとするにあるのであるから、この 法意から見て、徐行とは、その交通危険の状況に</要旨>応じ、危険発生を未然に防 止するに十分な程度に速度を減じ、敏速に停車の措置をとり得るような速度で進行 することを指すものというべく、その程度はその道路の広狭、見通しの難易、その 他の地形、並びに当該交 応じ、危険発生を未然に防 止するに十分な程度に速度を減じ、敏速に停車の措置をとり得るような速度で進行 することを指すものというべく、その程度はその道路の広狭、見通しの難易、その 他の地形、並びに当該交通機関の種類型状積載量その他諸般の状況を参酌して具体 的に認定するより外はない。  前記検証の結果並びに原審並びに当審証人丙の供述によれば、本件の地点は、い わゆるa往還で、交通幅員は曲角近くで約五、五米から六米、曲角の地点で八米乃 至十米、路面は平坦で未舗装であり、道路は右方(e方面から見て)に約百二十度 の角度で屈曲し、その曲角に添うて右側に生垣があるため曲角手前から先方への見 透は極めて困難であり、かような、状況の下において、前記のとおり大型貨物車G mC(但し積載荷物は殆んどない)を運転すれば、敏速に停車の措置をとり得る速 度は動くも時速十粁以下であると認められる。  然らば、弁護人の主張するとおり被告人の当時運行した速度が時速約十二、三粁 としても、法にいう徐行にあたらないことは明白であるから論旨は理由がない。  よつて本件控訴は理由がないから刑事訴訟法第三百九十六条によりこれを棄却 し、当審における訴訟費用は同法第百八十一条第一項本文により被告人に全部これ を負担させるべきものとし主文のとおり判決する。  (裁判長判事 加納駿平 判事 山岸薫一 判事 鈴木重光)

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