(主文)被告人Aを懲役1年10月に,被告人Bを懲役1年6月に,それぞれ処する。 未決勾留日数中,被告人Aに対しては90日を,被告人Bに対しては15日を,それぞれその刑に算入する。 被告人両名に対し,この裁判が確定した日から各3年間,それぞれその刑の執行を猶予する。 (犯罪事実)被告人Aは,土木建築工事業等を営む有限会社A1の代表取締役であり,青森県上北郡a村内に本店を有する土木建築工事等請負業者で構成する建友会の会長であったもの,被告人Bは,土木一式工事及び建築一式工事業を営む株式会社B1の取締役であり,前記建友会の会員で後に副会長となったものであるが,被告人両名は,第1 同村村長であったD,同村議会議員であったE及び平成11年4月1日から平成12年3月31日までの間,同村の建設課長として,同村発注に係る工事の計画の樹立及び実施並びに指名審査会に関する事務等を総括運営する業務を担当していたFの3名と共謀のうえ,平成11年7月15日に同村が施行する村道b線道路改良工事(第1工区)の指名競争入札に関し,同工事を前記株式会社B1に落札させることを企て,同月11日ころ,同村大字c字de番地f所在の同村役場敷地内において,Fが被告人Aに対して同工事の設計価格(1218万8000円)が約1210万円である旨教示し,被告人Aにおいて,同日ころ,同村大字c字gh番地所在のE方において,同人に対して同価格を告げたうえ,同月12日ころ,同村大字c字ij番地k所在の前記株式会社B1資材置場小屋において,Eが,被告人Bに対して同価格を教示し,同月15日,同村役場において実施された前記入札に際し,同人が同価格で入札して同社に落札させ,もって,偽計を用いて公の入札の公正を害すべき行為をし,第2 いずれも前記建友会の会員であった,G1株式会社の取締役G, 役場において実施された前記入札に際し,同人が同価格で入札して同社に落札させ,もって,偽計を用いて公の入札の公正を害すべき行為をし,第2 いずれも前記建友会の会員であった,G1株式会社の取締役G,株式会社H1の代表取締H,株式会社I1の取締役I,有限会社J1の代表取締役J,K1株式会社の取締役K,有限会社L1の代表取締役L,株式会社M1の代表取締役M,有限会社N1の代表取締役N,O1有限会社の代表取締役O,株式会社Q1の代表取締役Q,有限会社R1の代表取締役Rの11名と共謀のうえ,平成12年12月1日,同県同郡l町字mn番地o所在のS信用組合T支店において,a村長として,同村職員を指揮監督し,同村が発注する各種公共工事に関し,指名競争入札における参加者の指名,請負契約の締結等の職務を統括管理していたDに対し,同村発注に係る工事につき,前記13社がそれぞれ指名競争入札参加業者に指名されるなど有利便宜な取計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取計らいを受けたいとの趣旨のもとに,同支店長代理Uを介して,現金2000万円を供与し,もって,前記Dの前記職務に関して賄賂を供与し,第3 I,J,G,Q,M,O,Kの7名と共謀のうえ,株式会社B1,株式会社I1,有限会社J1,G1株式会社,株式会社Q1,株式会社M1,O1有限会社,K1株式会社の8社が,平成13年1月12日にa村が施行するZ地区農業集落排水事業第12号工事の指名競争入札の参加業者として指名され,その入札に参加するに際し,公正な価格を害する目的で,同月10日ころ,同県同郡a村大字q字rs番地t所在の株式会社I1事務所において,Iが同所から被告人B,J,G,Q,M,O,Kに電話を架け,株式会社I1を前記入札における落札予定業者とし,他の入札参加業者は,株式会社I1の入札価格を上回 s番地t所在の株式会社I1事務所において,Iが同所から被告人B,J,G,Q,M,O,Kに電話を架け,株式会社I1を前記入札における落札予定業者とし,他の入札参加業者は,株式会社I1の入札価格を上回る価格で入札することによって,前記工事を同社に落札させる旨の協定をし,もって,談合したものである。 (量刑の理由) 1 本件は,a村内の土木建設業者で構成する建友会の会長の地位にあった被告人A及び同会の会員で後に副会長となった被告人Bが,本来業者間の自由かつ公平な競争により受注されるべき同村発注の公共工事について,同村村長D,同村議会議員及び同村建設課長ら3名と共謀のうえ,予め同工事の設計価格に近似する金額の内報を受け,同価格で落札させることにより,公の入札の公正を阻害し(判示第1の犯行),建友会会員11名と共謀のうえ,入札参加業者の指名等において有利便宜な取計らいを受けたことの謝礼と,今後も同様の有利便宜な取計らいを受けたいとの趣旨のもと,同村長に対し,その要求に応じて,2000万円の現金を贈与し(判示第2の犯行),その後,建友会会員7名と共謀のうえ,同村長から工事の割振りと工事価格の内報を受けて,談合を行った(判示第3の犯行)事案である。 2 建友会は,D村長に協力し支援する見返りとして,同村長からa村の発注する工事の割振りと工事価格の内報を受け,会員間で談合することにより,同工事を確実かつ高額で落札するために設けられた団体であり,被告人両名は,建友会の幹部として,上記方式により繰り返し工事を落札し,同会会員の中でも多額の利益を得ていたところ,今後も同様に工事を落札して利益を得ようとして,D村長に対し2000万円もの極めて多額の賄賂を供与したもので,a村政に対する村民らの信頼を失墜させたこと甚だしい。本件各競売入札妨害行為は,いずれも同会を も同様に工事を落札して利益を得ようとして,D村長に対し2000万円もの極めて多額の賄賂を供与したもので,a村政に対する村民らの信頼を失墜させたこと甚だしい。本件各競売入札妨害行為は,いずれも同会を通じて組織的に行われたものであり,特定の業者との癒着を排し,公正な公共工事の発注を旨とする競争入札制度の趣旨を没却し,a村の財政に多大の損害を与えたもので,甚だ悪質である。 被告人両名は,いずれも,企業努力を怠り,安易に利益を貪るため,主導的に本件各犯行を敢行したもので,企業人としての規範意識が欠如していると言わざるを得ず,厳しく非難されなければならない。 殊に,被告人Aにあっては,自ら同村役場職員らから工事価格の内報を受け,これを建友会の各会員に伝達し,あるいは,D村長の要求に応じて,本件贈賄を同会の各会員に働きかけ,その説得に奔走し,集金するなど,本件各犯行において果たした役割は極めて大きいうえ,本件贈賄が発覚するや,同村長の意向を受けて,賄賂金の返還や領収書の作成等の罪証隠滅工作を行っており,犯情極めて悪質である。 3 他方,本件各犯行は,いずれもD村長の意向を受けてなされたもので,被告人両名は従属的に行動していたとも言えること,本件談合の露見後,当然のこととはいえ,被告人両名の経営していた各会社とも,青森県及びa村から競争入札参加への指名停止処分を受けており,業務の多くを公共工事に頼っていた各会社とも厳しい経営状況に陥っていること,被告人両名はいずれも経営者としての地位を退いていること,被告人両名とも前科前歴が全くないこと,被告人Aについてはその姉が,被告人Bについてはその妻が,今後再犯に及ばないように監督して行く旨当公判廷で述べていることなど,被告人両名のために酌むべき事情も認められる。 4 そこで,これらの諸事情を総合考慮して, はその姉が,被告人Bについてはその妻が,今後再犯に及ばないように監督して行く旨当公判廷で述べていることなど,被告人両名のために酌むべき事情も認められる。 4 そこで,これらの諸事情を総合考慮して,被告人両名に対し,主文掲記の各刑を科したうえ,今回は,いずれもその刑の執行を猶予し,社会内で自力更生する機会を与えることとする。 よって,主文のとおり判決する。 (求刑被告人Aに対し懲役2年,被告人Bに対し懲役1年6月)裁判長裁判官山内昭善裁判官結城剛行裁判官吉田静香
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