- 1 -主文 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求,,。 原告が被告に対し労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する 被告は,原告に対し,金223万3508円及び平成15年12月から毎月10日限り金38万1902円を,並びに平成15年12月10日限り金69万8208円及び平成16年6月30日限り金65万6588円を支払え。 第2事案の概要本件は,被告国に雇用されアメリカ合衆国軍隊の我が国における駐留軍の下,,で労務に従事していた原告が自宅待機を命じられた末に解雇されたことから当該解雇の無効を主張して労働契約上の地位の確認並びに自宅待機期間中の未払給与分及び解雇後の給料(得べかりし賞与と将来請求分を含む)の支払を請求した事案である。 これに対し,被告は,原告が報道編集専門職として登用された経緯に照らした業務不適格性を主張するほか,原告と被告との労働契約関係を規律する基本労務契約の条項に基づく救済援助プログラムを実施した上で適正に解雇したものであり,自宅待機を命じた上での休業手当支給処分及び解雇はいずれも有効であるとして原告の請求を争っている。 前提事実(争いのない事実以外は証拠を末尾に掲記した)。 (1)原告は,アメリカ合衆国軍隊駐留軍(以下「在日米軍」という)の労。 ,。 働者であり被告が平成元年4月3日以降に原告を雇用しているものである在日米軍は,被告とアメリカ合衆国(以下「米国政府」という)との間。 において締結された「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保」,。 ,障条約6条により日本国内の施設及び区域の使用を許されているまた- 2 -その任務を遂行するために必要な労働力については「日本国とアメリカ合, 衆国との間の相互協力及び安全保」,。 ,障条約6条により日本国内の施設及び区域の使用を許されているまた- 2 -その任務を遂行するために必要な労働力については「日本国とアメリカ合,衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに」(「」。)日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定以下地位協定という12条4項により「現地の労務に対する合衆国軍隊及び第15条に定める,諸機関の需要は,日本国の当局の援助を得て充足される」旨規定されてい。 る(乙1)。 被告は同規定に基づいて在日米軍及び地位協定15条に定める諸機関米,(国政府の歳出予算の適用を受けずに独立採算性によって運営され,在日米軍が公認し,かつ,規制するPX,食堂,社交クラブ,劇場,新聞その他の機関で,在日米軍の構成員及び軍属並びにそれらの家族の利用に供するため,。 「」在日米軍が使用している施設及び区域に設置されているもの以下諸機関という)が必要とする労務の円滑な充足と労働者の権利,利益の擁護を図。 る観点から,被告において労働者(以下「駐留軍等労働者」という)を雇。 用し,その労務を在日米軍及び諸機関に提供している(いわゆる「間接雇用方式。 」)被告は,間接雇用方式による労務提供を実施するため,米国政府との間で3つの労務提供契約,すなわち基本労務契約(MasterLaborContract,以下「MLC」という,船員契約(Mariner'sContract,「MC)及び諸機。)」(「」。),関労務協約IndirectHireAgreement,以下IHAというを締結しその労務管理について,同労務提供契約に基づき,日米両国政府が分担して行ういわゆる日米共同管理方式を採用している。 本 IndirectHireAgreement,以下IHAというを締結しその労務管理について,同労務提供契約に基づき,日米両国政府が分担して行ういわゆる日米共同管理方式を採用している。 本件で締結されているMLCは,米国政府の歳出予算で運営される在日米軍の司令部や部隊の機関において,事務職,技能職,警備,消防等の業務に従事する陸上勤務者を対象とするものである。 駐留軍等労働者の身分については「日本国との平和条約の効力の発生及,び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基づく行政協定の- 3 -」,実施等に伴い国家公務員法等の一部を改正する等の法律8条1項において「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき駐留するアメリカ合衆国軍隊,日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第15条第1項(a)に規定する諸機関,日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定に基づき本邦内にある国際連合の軍隊又は日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定第7条の規定に基づくアメリカ合衆国政府の責務を本邦において遂行する同国政府の職員のために労務に服する者で国が雇用するものは,国家公務員でない」と規定され,原。 則として労働基準法,労働組合法,労働安全衛生法等の我が国の労働法令が適用される(乙3)。 (2)MLCに基づく駐留軍等労働者は,MLC主文第3条「役務の範囲」a「従業員の提供」において「B側(日本国政府)は,アメリカ合衆国軍隊,が日本国内において使用するため,A側(アメリカ合衆国政府)が随時要求する場合に,地位協定第1条に定義されている合衆国軍隊の構成員,軍属又,(。),はそれらの家族以外の者で通常 国軍隊,が日本国内において使用するため,A側(アメリカ合衆国政府)が随時要求する場合に,地位協定第1条に定義されている合衆国軍隊の構成員,軍属又,(。),はそれらの家族以外の者で通常日本国に居住するもの船員を除くをこの契約に定める規定及び条件に従って提供するものとする」と規定され。 ている(乙2)。 ,「,」「」雇用形態としてMLC第1章募集選択及び配置A節雇用の種類1から9(3,7及び8は削除)による,日雇従業員,限定期間従業員,試用期間従業員,特殊期間従業員,常用従業員及び高齢従業員とがある(甲。 16,乙2)(3)原告は,昭和▲年▲月東京都生まれの女性である。 原告は,都立α高校を卒業した後,β学院に進学し,平成元年3月に同校を卒業し,同年4月に被告にMLCに基づく常用従業員(当初6か月間は試用期間従業員)として雇用され,同日からγ空軍基地米空軍太平洋放送局の- 4 -エンジニアリング/メンテナンスで「クラークタイピスト職(職種番号4」5,基本給表1の3等級,職位としての語学手当級別第2級)に従事した。 (甲1,乙4の1,2)原告は,同年10月2日までの試用期間を経て本採用となり,その後も昇給した。平成4年1月1日,原告は上記放送局の管理部門で「管理専門職」(職種番号9,基本給表1の4等級,語学手当級別第2級)に昇格される人事措置を受け,その間語学試験を受けて平成2年7月1日から語学の「資格」,「」()給1級を付されて昇給もしAdministrationSection人事総務部門に配属された(甲2,乙5の1,2,6の1,2 。原告は,語学試験を受けて,),「」,()。 平成6年8月1日語学の資格給2級を付され昇給した乙7の1,2原告は,平成▲年 部門に配属された(甲2,乙5の1,2,6の1,2 。原告は,語学試験を受けて,),「」,()。 平成6年8月1日語学の資格給2級を付され昇給した乙7の1,2原告は,平成▲年▲月▲日の長男出産の後である同年8月22日から平成9年5月14日まで育児休業を取り,平成9年5月15日,原告は,γ空軍基地の374thSupplySquadron(第374補給中隊)に転任する人事措置を受け復職した(甲3,乙8の1,2 。平成10年12月15日,原告は「H),QUSFJPublicAffairs (在日米軍司令部広報渉外部門)に転任し「報道」,編集専門職(職種番号95,基本給表1の6等級,職位としての語学手当」),,「」級別第4級に昇格される人事措置を受け昇給し東京都港区にあるδにおいて広報渉外関係の仕事に就いた(甲4,乙9の1,2 。 )その後も原告は昇給措置を受け平成13年1月1日γ基地内のH,,,,「QUSFORCESJAPAN (在日米軍司令部)に転任する人事措置を受けるなど」して引き続き「報道編集専門職」という同職種が割り当てられている職位に配置された(甲5,乙10の1,2 。 )(4)原告は平成13年5月10日付で上司であるP1米海兵隊一等軍曹(以,,下「P1」という(米国人女性)から「救済援助プログラム(以下「H。)」AP」ともいう)と題する英文の書面を交付された。この書面には,原告。 の労働能力が不足であるとし,同年8月10日までの間に一定の業務を遂行- 5 -することを求め,遂行しない場合配置転換等がありうる旨の記載がなされていた(乙13)。 ,(「」。)同年6月ころ原告の上司はP1からP2一等軍曹以下P2という( 務を遂行- 5 -することを求め,遂行しない場合配置転換等がありうる旨の記載がなされていた(乙13)。 ,(「」。)同年6月ころ原告の上司はP1からP2一等軍曹以下P2という(米国人女性)に代わり,原告は担当業務を継続した。 原告は,同年10月には定期昇給の措置も受けた。 (5)原告は,P2から「在日米軍人事課」平成14年6月25日付発信の英文のFAX文書を見せられた。その文書には,原告に対して来週から勤務に就かなくてよい旨通告する内容が記載されていた(乙14)。 原告は,被告の出先機関であって原告との労働契約を主管している東京防衛施設局γ防衛施設事務所(以下「γ防衛施設事務所」という)に電話を。 して問い合わせた。 同月28日,γ防衛施設事務所の職員が原告の職場まで来た(同人らの応対・説明内容には当事者間で争いがある。 。)(6)その後,被告は,自宅待機を命じた原告に対し,それまでの賃金月額の60パーセントに相当する額を休業手当として支給した。 当該自宅待機は,その後1年以上続いた。 (7)平成15年7月17日,γ防衛施設事務所職員2名が,原告と面談し,「MLC解雇予定通知書」と題する書面を原告に交付しようとしたが,原告が受領を拒んだため上記職員はその書面を持ち帰った。 (8)被告は,平成15年8月7日付で,東京防衛施設局長名義で原告に対して,不適格解雇により雇用を終了させるという人事措置通知を郵送し,同年9月15日付で効力が発効したとされた(以下「本件解雇」という。 。)(9)被告は,原告に対し,別表1「原告P3給料現実支給一覧表」のとおり,休業手当を支払った(不明欄は乙18のとおり)。 (10)被告における給与は,月末締めの翌月10日払いである。 ,,,,,,(11)原告の給与の費 給料現実支給一覧表」のとおり,休業手当を支払った(不明欄は乙18のとおり)。 (10)被告における給与は,月末締めの翌月10日払いである。 ,,,,,,(11)原告の給与の費目は基本給格差給語学手当調整手当住居手当- 6 -通勤手当からなる。 平成14年2月分から同年6月分までの原告の基本給は,別表2のとおり28万0300円であり,格差給・調整手当等は別表2のとおりであり,この時期には本来支払われるべき給与が支払われているので未払はない。 (12)被告は,別表2の現実に支給された給料の欄のとおり各月の給与を支払った(不明欄は乙19のとおり)。 争点及びこれに対する当事者の主張不適格解雇及び当該解雇に先立つ休職処分等の有効性【原告の主張】(1)原告には不適格解雇事由はない。 被告の不適格事由は解雇予定通知書(乙15)に記載されているところ,これらは,結局のところ原告の英語力不足の問題に収斂する。しかし,原告には解雇されるほどの英語力不足はない。原告は,資格としての語学手当級別が2級で「平均的能力を要するもの」であるところ,全体のMLC労働,者の英語力上位4分の1に入るものであり「平均的能力ゆえに解雇」とい,う主張は奇異というほかない。 当時2級の原告を2級と知って登用したのは被告であり,わずか90日間のHAP期間に4級の「特段の能力」に満たないとして解雇するというのは無理を強いるものである。 被告は,準備書面(1)14頁で①から⑤までの事由あるいは準備書面(3)第2の1の(2)にある窓口業務以外の事務処理における不適切な対応を指摘主張するが,原告は,上記①から④の事象において落ち度がないし,能力不足も,。 なくこのような救済援助プログラムの実施自体が相当性を欠くものであるまた,被告指摘の 務処理における不適切な対応を指摘主張するが,原告は,上記①から④の事象において落ち度がないし,能力不足も,。 なくこのような救済援助プログラムの実施自体が相当性を欠くものであるまた,被告指摘の⑤(同僚の自殺未遂事件)でMLC違反行為(乙12)の嫌疑書の発出があったことは認めるが,非違行為の存在は否認する。 (2)被告が不適格解雇を原告に対して有効にするためには,人事異動の試み- 7 -をすべきである。 不適格事由があった場合に,不適格解雇手続を進行するためには,MLC上,次のような手続要件が必要とされている。 4a常用従業員が最小限度の職務上の要求を満たさないため不適格であると認められる場合には,A側(米国政府を指す。以下同様)は,その不十分な点について,その従業員に忠告し,その者の成績を向上させるため援助を与える計画をたてるものとする。 ,,この計画を実行した後なおその者が十分に職務を遂行できない場合にはA側は,その者の能力に相応する職務が得られるか否かを確認するものとする。 その職務が得られる場合には,その者の同意を得た上,その者をその職務に配置するものとする。 従業員が十分にその職務を遂行することができず,かつ,その能力に相応した職務が得られない場合又はその者が能力に相応した職務につくことに同意しない場合には,その事情に関する報告書を契約担当官代理者に提出するものとする。 上記「その者の成績を向上させるための援助を与える計画」がHAP(救済援助プログラム)である。HAPを行っても,十分に職務を遂行できない場合,次に,人事異動の試みが必要となることは,MLC条文上明らかである。 被告は,配置転換等の人事措置は,従業員自ら希望する職位に応募し,選考されなければ採られないことを原告は十分理解していたのに,原告が応募の努力を 試みが必要となることは,MLC条文上明らかである。 被告は,配置転換等の人事措置は,従業員自ら希望する職位に応募し,選考されなければ採られないことを原告は十分理解していたのに,原告が応募の努力をしなかったから配置転換命令を出さなかったという。 ところが,他方で,別件の沖縄裁判では,人事異動を命じられて拒否した労働者が制裁解雇されて訴訟となっている。ここでは国側は人事異動命令に- 8 -労働者の同意は不要と主張していることに反する。本件不適格解雇手続開始後であっても,原告に対して被告は解雇回避のために配置転換のための人事異動を命じるべきであった。 このような対応をしないで被告がした本件解雇は解雇権濫用により無効である。 (3)被告の原告に対する休業手当支給身分とする文書の発出に関する主張については,不知ないし争う。 平成14年6月25日付休業手当通知書(乙14)は,原告に対して交付されていない。原告は,同月28日,P2から当該通知書を見せられ,その後,職場から強制的に追い出されたものである。 (4)その他,被告の主張に対比して本件争点として原告が主張するところの要旨は別紙の争点等及び双方の主張を整理した表のとおりである。 【被告の主張】(1)不適格解雇事由について原告は,在日米軍広報部の報道編集専門職(職種番号95,基本給表1の6等級,職位としての語学手当級別第4級)の職位に応募し,試験及び面接の後,平成10年12月15日に当該職位に選抜された。この報道編集専門職の職務内容はMLCにおいて規定されている。そのうち,報道機関の窓口としての業務における不適切な対応が原告に多数見られたこと,窓口以外の基礎的な事務処理についても指示に従わず問題点が原告に度々指摘されるなどしていたことといったことから,原告は基本的な職務を満足にこなすこと 業務における不適切な対応が原告に多数見られたこと,窓口以外の基礎的な事務処理についても指示に従わず問題点が原告に度々指摘されるなどしていたことといったことから,原告は基本的な職務を満足にこなすことができなかった(救済援助プログラムの交付に至る経緯。 )原告の直属の上司であり監督者であるP1は,原告に報道編集専門職に従事する者としての状況判断能力や事務処理能力に欠けていると判断し,その原因の一つには原告の語学力の不足もあるとの結論に達した。これを受けて契約担当官代理者は,平成13年5月10日付で救済援助プログラムを適用- 9 -することとし,即日発行した。このような救済援助プログラムの内容は,原告の職位の日常業務を通常に遂行すれば当然に満たすことのできる妥当なものであった。 しかるに,原告は救済援助プログラムが適用された意味を理解しようとせず,監督者,副部長及び広報部長に対して救済援助プログラムのレターに記載されている職務の意味を説明するように求めて数週間を過ごし,救済援助プログラムの実行をしなかった。原告は救済援助プログラム以前の平成13年2月9日とそれ以降の同年9月28日の2回にわたり,語学手当級別試験を受験したが,語学力の向上を証明することができず,語学力の向上に向けた努力や意欲もなかったことを示唆するものであったことからすると,原告に対する救済援助プログラムが適正に行われたにもかかわらず合格できなかったことは明らかである。 原告の職務遂行能力上問題があると認められたのは,具体的には,①原告の就いている職位に求められている語学能力が語学手当級別第4級であるにもかかわらず,原告は資格として語学手当級別第2級にとどまったまま語学能力向上の努力をせず,そのため,電話対応を効果的に行うことができず,新しいコンピュータプログラムを修 語学手当級別第4級であるにもかかわらず,原告は資格として語学手当級別第2級にとどまったまま語学能力向上の努力をせず,そのため,電話対応を効果的に行うことができず,新しいコンピュータプログラムを修得することもできないことから,基礎的な事務処理について指示に従うことができないこと②原告は,基本給表1の6等級という高い職務遂行能力を求められている職務に2年以上就いていたにもかかわらず,監督者の明確な指示がなければ職務を遂行できないこと,,,③報道機関からの問い合わせに対し不完全不正確な情報を提供したり期限に間に合わなかったりするなど,基礎的な技能及び判断力を欠いており,その結果,軍からも報道機関からも苦情を受けることがあったこと④平成12年11月に,メディア連絡事務所の人事異動に関する情報を在日米軍がプレスリリースする前に,原告が報道機関にこれを明らかにして- 10 -しまったことにより,非公式警告書(乙11)の発出を受けたこと⑤原告が,平成13年,同僚の自殺未遂事件について,指示命令系統に従わず,同僚の直接の上司に報告しなかったことで職場の混乱を招いたとしてMLC違反行為の嫌疑書(乙12)の発出を受けたことなどであった。 ,,原告は同人が資格として2級の語学手当等級であることを承知しながら職位として4級の語学手当等級が必要とされるポストに採用した被告が,原告が資格として4級を取得しないといって解雇できるのはおかしい旨指摘する。しかしながら,被告は,原告が資格として4級を取得しないとして解雇したものではなく,救済援助プログラムにおいても,原告に4級の取得は要求していない。被告は,原告が自らの英語力を高めるべく努力改善した事実すら認められないことを解雇の理由の1つにしたものである。 (2)駐留軍等労働者の雇用は,職 ラムにおいても,原告に4級の取得は要求していない。被告は,原告が自らの英語力を高めるべく努力改善した事実すら認められないことを解雇の理由の1つにしたものである。 (2)駐留軍等労働者の雇用は,職務を限定して雇用する制度で,通常,職種番号及び職種名,適用基本給表,給与,勤務場所,雇用の種類等の雇用条件の職位に配置され,その者の雇用が終了するまで,同一の職位で勤務することとなっている。 原告は,駐留軍等労働者が職務を限定しての雇用ということを理解した上で,原告自らの意思で上位等級の職位の募集に応募し,昇格していったもので,原告自身,配置転換等の人事措置は,自ら希望する職位に応募し,選考されなければ採られないことを十分理解しているはずである。 MLCに基づき雇用される従業員の人事措置の手続については,MLC第2章2b及び2cの規定により,在日米軍が発議し,被告が要求された人事措置を行うこととなっている。MLC第2章1は,他の職位への移動を伴う人事措置については「昇格「低い等級への変更「配置転換「異なる,」,」,」,基本給表への変更(同dないしg)があり,職場の変更を伴う人事措置に」ついては「転任」の措置がある旨規定する(同i 。MLC第10章4項a,)- 11 -によれば,常用従業員が不適格であると認められる場合には,在日米軍は,不適格解雇対象者の能力に相応する職務が得られるか否かを確認し,得られる場合には,本人の同意を得た上で配置するとされているところ,かかる配,,,置は本人の同意が条件となっていることから明らかなように在日米軍は配置転換あるいは転任の措置を一方的に「命令」することはできない。 在日米軍は,原告に対し他の職位を見つける最大限の努力を行うと共に,他の職位の模索を行っていた。在日米軍は,原告の能力に に在日米軍は配置転換あるいは転任の措置を一方的に「命令」することはできない。 在日米軍は,原告に対し他の職位を見つける最大限の努力を行うと共に,他の職位の模索を行っていた。在日米軍は,原告の能力に相応した職務が得られるかどうかの確認を長期間にわたって行ったが,得ることはできなかった。 被告である日本国政府も,在日米軍の協力を受け,原告と面談を重ね,数々の職位を提供し,また,海軍のみならず空軍や陸軍にも協力を申し入れ,原告が応募してきた場合便宜を図ってもらうようにとの申し入れを行った。 しかしながら,原告は,結局,自身が主張する通勤可能なεの募集に応募したのみで,ζ,η,γについては希望せず,更に,4等級以下の職種や,IHAの職種にも応募する気はないとし,他の空席の職位に応募しようとはしなかった。 原告は,配置先について通勤可能であればどこでもよい旨被告に述べたとし,ζやηについても電車で十分通勤可能であることを根拠とするようである。しかしながら,原告がそのような発言をしたとは到底認められないし,ζ,ηについて,在日米軍の勤務時間帯は早いことからすれば,P4証人が尋問において述べたように(P4尋問調書9ないし10頁,原告は被告と)の面談において,電車で通勤することを念頭に希望を述べたとは到底考えられない。 原告は,被告である日本国政府に職位を提供して配置転換を命じる権限があり,義務があった旨主張する。しかしながら,MLC第1章B節「雇用手続」をみれば「5面接及び採用」の最終的な決定者は,あくまで在日米,- 12 -軍側にある旨が明記されているのであって,日本国政府が単独で職位を提供して配置転換を命じることができないことは明らかである。 被告としては,在日米軍による不適格解雇手続が適正になされたかどうか確認した上,これに同意するか ているのであって,日本国政府が単独で職位を提供して配置転換を命じることができないことは明らかである。 被告としては,在日米軍による不適格解雇手続が適正になされたかどうか確認した上,これに同意するか否かを決めるにとどまり,本件不適格解雇が適正であった以上,被告が配置転換を命じる義務があったとはいえない。 (3)MLC第5章11では「従業員が在日合衆国軍の都合により正規の所,定勤務時間中に勤務することを許されない場合には,正規に勤務した場合に支給すべき給与の60パーセントを支給するものとする」と規定されてい。 る。この「従業員が在日合衆国軍の都合により正規の所定勤務時間中に勤務することを許されない場合」に休業を命じるのは在日米軍側が行うこととなる。 在日米軍は,MLC解雇予定通知書の原告への交付が留保され,原告が解雇されるまでに相当の時間を要する状況であったことから,その間「広報,」,部における使命と生産性に思わしくない影響を与えること等を理由として平成14年7月1日から休業手当支給身分とする同年6月25日付休業手当通知書(乙14)を原告に発出した。 第3当裁判所の判断 証拠等によって認定できる事実証拠(甲15,18,乙50,53,54,56,証人P5,同P1,同P4及び原告本人尋問の結果のほか各認定事実の末尾に掲記したもの)及び弁論の全趣旨を総合すると以下の事実を認定することができる。 (1)原告は,地位協定12条4項の規定により,労働力を提供するため,被告とアメリカ合衆国との間で締結された基本労務契約(MLC)に基づく常用従業員として雇用されていた。 上記基本労務契約は,従業員である原告と雇用主である被告間の労働契約の内容を構成しており,MLCの解雇手続,援助計画及び同期間中の人事異- 13 -動に関する各条項は原被 員として雇用されていた。 上記基本労務契約は,従業員である原告と雇用主である被告間の労働契約の内容を構成しており,MLCの解雇手続,援助計画及び同期間中の人事異- 13 -動に関する各条項は原被告間の労働契約の中身を構成している(乙2,5。 1,52)(2)語学手当等級は,無級から4級まで五段階あり,そのクラス分けは次のとおりである(甲12,乙2)。 無級1級初歩的能力を要するもの2級平均的能力を要するもの3級流暢な能力を要するもの4級特段の能力を要するもの原告はHAP実施当時及び本件解雇当時にはいずれも資格として2級であった。 (3)報道編集専門職への応募からHAP発令まで原告は,第374補給中隊に管理専門職として勤務している間,報道編集専門職の求人情報を見て応募し,採用面接を経て平成10年12月15日,在日米軍司令部広報渉外部門に転任し,広報部長がP6空軍大佐(以下「P6」という,副部長がP7空軍中佐,直属の上司がメディア連絡事務所。)長のP1であるδ内に勤務するようになった。 そこには,前任者としてP8という女性が勤務していたが,高齢で退職することになり同人の職務を原告が引き継ぐこととなり,同僚にはP9という男性が勤務していた。 原告は,上記転任により,それまでの基本給表1の4等級管理専門職6号俸から,基本給表1の6等級の報道編集専門職3号俸の職位に格付された。 。(,報道編集専門官の仕事は職位として語学手当等級が4級とされるただし採用に当たっては資格として語学手当等級が厳格に4級であることは要求されてはいなかった(甲4,乙9の1,2)。)報道編集専門職の仕事の概要は,基本労務契約の附表1「職務定義書」に- 14 -よると次のとおりである(乙29)。 通訳又は翻訳者として助言し,かつ,行動 いなかった(甲4,乙9の1,2)。)報道編集専門職の仕事の概要は,基本労務契約の附表1「職務定義書」に- 14 -よると次のとおりである(乙29)。 通訳又は翻訳者として助言し,かつ,行動することにより,並びにニュース事件及び時事問題を取扱って資料の公表その他の発表を便たらしめるために,新聞,ラジオ,その他の公報機関の代表者等と友好関係を確立することにより,協議を行い,又は協議において監督者を補佐する。選択,時期,発表物,特殊記事,写真,ラジオ,テレビジョン番組,その他の報道題材について監督者に助言する。毎日,日本の新聞,週刊誌,その他の出版物を閲覧し,評価し,監督者に提出するために概略の整理をする。善良な社会関係問題に関する記事を翻訳する。原稿,発表物,パンフレット,視覚資料その他の刊行又は配布用資料を書き,改作し,編集し,翻訳する。米軍施設に勤務する日本人従業員のための日本語新聞の準備に関与する。日本人従業員に適する報道価値のある項目を集め,正しい文法的構成,読みやすさ,排列,綴り,均整形態に対して責任をもって日本語で刊行するために,項目と解説を準備し,監督者の同意を得たのちに出版する必要な措置をとる。割り当てられた他の関連的又は附随的職務を行う。 また,タスクリストによると次のとおりである(乙34)。 1.回答を受領,翻訳,作成及び調整し,在日米軍に関する報道機関の問い合わせを委託もしくはそれに回答する。 2.電子ファイル及び文書ファイルで,認可された日本及び国際報道機関の資料を保持する。担当者情報を常時更新する。 3.在日米軍もしくは安全保障問題に関する報道機関からの質問,在日米軍の回答,出版もしくは放映された記事/プログラムをデータベースで保持する。報道範囲と傾向を評価する。 4.米軍関連資料の発表及び出版に資するた もしくは安全保障問題に関する報道機関からの質問,在日米軍の回答,出版もしくは放映された記事/プログラムをデータベースで保持する。報道範囲と傾向を評価する。 4.米軍関連資料の発表及び出版に資するため,報道機関及びその他の防衛関連広報職員(防衛庁,外務省)と関係を築く。 5.報道機関連絡業務に関する専門用語を使用して,英語を話し,読み,書- 15 -く。例:機密演習,講習会への参加,必要に応じて広報関連ガイダンスを出す。 6.日本の報道機関との会議において,必要に応じてJ021及び在日米軍職員のため通訳をする。 7.メディア連絡事務所職員の事務管理を行ない(例:タイムカード,休暇申請,備品,コンピューター,ソフトウェアもしくは訓練の必要性を管)理する。 8.メディア連絡事務所長不在時は,メディア連絡事務所職員により行われる仕事の責任を負う。 9.必要に応じて他の付随的および/もしくは関連業務を行う。 P1メディア連絡事務所長は,週のうち2~3日程度,原告が勤務するθホテルに来るが,それ以外はγ空軍基地内で執務していたところ,原告が勤務をはじめてから数ヶ月後には原告の勤務状態,とりわけ報道機関関係者への口の利き方,電話の応対態度や依頼事項への対応の即応性等について同人への苦情を耳にし,その仕事振りに不満を感じるようになった。また,その後においても原告の勤務中の服装・言動であるとか提出期限付セキュリティークリアランス書類の作成,タイムカードの提出等についてもP1は上司の。(,,目から見て問題があると考えていた乙35ないし4042ないし44証人P1【5,6,11頁)】その間,δ内の広報事務がγ空軍基地内の在日米軍司令部に集約されることとなり,原告は平成13年1月1日付で同一職位による転任の人事措置を受けたが,業務内容は従前と同 証人P1【5,6,11頁)】その間,δ内の広報事務がγ空軍基地内の在日米軍司令部に集約されることとなり,原告は平成13年1月1日付で同一職位による転任の人事措置を受けたが,業務内容は従前と同様のものが要求されていた(乙10の1,2)。 原告は,平成12年11月17日,広報部長のP6大佐からメディア連絡事務所の人事異動に関する情報をメディアに話したということで非公式警告書を渡された(乙11)。 原告の上司であるP1は,平成12年12月20日付の在日米軍様式32- 16 -9で,原告の報道編集専門職としての職務遂行能力について,判断力不足と管理責任の欠如を示したと表明している。これによると,原告が同年12月11日,同僚のP9の急病を彼の直上監督者もしくは広報部指揮命令系統にある誰にも報告しなかったこと,同月14日,原告が在日米軍に電話をし,話題がP9の健康に関するものだったにも関わらず,広報部長のP6大佐以外の者と話すことを拒否したことなどが記されている(乙34)。 これを受けて民間人人事部従業員管理関係調整職のP10は基本労務契約(MLC)違反行為報告書を取り纏めて,結論としては,原告の不当な行為は事務所内で騒動,混乱,秩序の乱れを引き起こし,職場の運営を混乱させたため,勧告された「4時間の減給」の制裁措置は妥当と思われる旨の意見を付している(乙34)。 そして,原告は,平成13年4月13日付で,同僚職員であるP9の病状について上司であるP1への伝達を怠り,P9の自殺行為の件をP1メディア連絡事務所長ではなく広報部長のP6大佐に報告するなど指示伝達系統に従わないで職場を混乱させたということで,基本労務契約第8章3項0“秩”。 序を乱す行為に関するMLC違反行為の嫌疑で4時間の減給処分を受けた(乙12,34)なお,原告の するなど指示伝達系統に従わないで職場を混乱させたということで,基本労務契約第8章3項0“秩”。 序を乱す行為に関するMLC違反行為の嫌疑で4時間の減給処分を受けた(乙12,34)なお,原告の使用者である在日米軍側の374業務支援中隊民間人人事部労務課の契約担当官代理者P11は,同日付で原告の雇用主である日本国政府側の防衛施設事務所長宛てに上記P10作成の調査報告書を添付してこのことを報告している(乙34)。 この他にも,原告については,平成13年4月16日付でP1から契約担当官代理者宛てに平成13年1月から2月にかけての原告の判断力の欠如,それに対する忠告をしたこと,原告の改善努力がないこと,原告に関する顧客からの数件の苦情,メディアレセプションにおけるアメリカ大使館職員への不適切な言動,警備部長の面前で上司であるP1へ敵対的でけんか腰の行- 17 -動をとったことなどがMLC違反報告書で報告されている(乙41)。 上記のような経緯のもとに,P1は,平成13年5月10日付で,原告に宛てて救済援助プログラムを発した(P1の証言によれば,同人のドラフトに基づいて在日米軍当局の契約担当官代理者が乙第15号証の書面を作成したという。 。)同プログラムは,平成13年5月10日から発効し,3か月間有効となる,,,こと同年8月10日現在で原告が無事に本プログラムを完了しなければ不適格解雇の勧告が人事部へ提出されることを警告しており,要求される内容の概要は次のとおりである(乙15)。 a1労働日ごとに,少なくとも2つの報道機関の評価を完了することb原告が報道機関の問い合わせを割り当てる第一の責任者となり,監督者の承諾なしに原告は職務を他に委任しないことc毎週,日本の新聞又は雑誌からの,安全保障又は基地に関する短い記事を少 了することb原告が報道機関の問い合わせを割り当てる第一の責任者となり,監督者の承諾なしに原告は職務を他に委任しないことc毎週,日本の新聞又は雑誌からの,安全保障又は基地に関する短い記事を少なくとも2つ翻訳することd勤務時間中に開かれる英語強化クラスへ出席し,英語力の向上を証明するために再試験を受けることeHAPを無事完了するかどうかは,原告が職務リストで要求されていることを十分に満たすことができるかにかかっている。特に,割り当てられた報道機関の問い合わせを制限時間内に完了し,語学手当級別4の英語熟達レベルに達することまた,同プログラムの通知書には,次のような記載もある。 aあなたは,任務の遂行において要求される水準まで向上すれば,現在の職務にとどめ置かれるかもしれません。 bあなたの任務遂行が受け入れられる水準まで向上しなければ,次の措置,,,がとられるかもしれません:空席があれば配置転換低い等級への変更又は,不適格解雇- 18 -救済援助プログラムが渡されたときの状況は,原告のところへ374業務支援中隊民間人人事部労務課のP10と上司のP1が来て,同文書を読み上げる形でなされたが,その際に原告は,上記書面への署名・受け取りを拒否し,HAPの提示のあった平成13年5月10日当日付で原告はHAPに関する書類を受け取れない理由を書いた書面を在日米軍に宛てて出した。同書面の内容によると,自己の勤務内容が不適切であることへの反論及び指摘事項が理解できない旨の文面であり,救済援助プログラムを課されることへの不満と抗議の姿勢が表現されている(乙21)。 P1は,上記救済援助プログラムを原告へ渡すのに先立ち,平成13年4月24日,374業務支援中隊民間人人事部労務課のP11シビリアン契約担当官代理者宛てに救済援助案を 表現されている(乙21)。 P1は,上記救済援助プログラムを原告へ渡すのに先立ち,平成13年4月24日,374業務支援中隊民間人人事部労務課のP11シビリアン契約担当官代理者宛てに救済援助案をメールで送り,助言を請うている(乙。 32)(4)HAP評価による休職処分まで上記HAP書面には要求事項の詳細を指示した書面が添付されており,P1は,平成13年5月10日以降,原告につき救済援助プログラムに則った職務遂行状況の観察に入った。 原告は,同年5月中旬以降に足の怪我により三週間ほど病欠したこともあり,救済援助プログラムは9月まで延長された。 その間に原告の上司がP1からP2に代わった。 また,原告は,HAPレターをもらったときの状況からはじまる日本語で綴った長文の書面を在日米軍側へ提出している。その文面内容によると,HAPが出されるに至った自己の仕事の評価に対する不満の意,反論,疑問,HAPにより要求されたタスク内容についての疑問等が記されており,在日米軍側との対決の姿勢が当該文面自体から明らかであり,HAPには従わない旨の意向が強く表明されている(乙22)。 平成13年7月11日には,P6(広報部長,P1(メディア連絡事務)- 19 -所長,P10(374業務支援中隊民間人人事部労務課職員)が原告を交)えて原告のHAPに関する会合を持ち,P6は原告の前記乙第21号証による質問に答えようとしたが,原告が自己の主張を強くするあまりに遮られ,対立は深まるばかりでその目的を遂げることができなかった状況が会議の覚書に記されている。このときに,P10は原告に対して,HAPは既に始まっていることを告知している(乙45)。 その後の在日米軍側の原告のHAPに関するマネージメントの観察/評価。 が上記(3)の要求した内容の項目aないしe に,P10は原告に対して,HAPは既に始まっていることを告知している(乙45)。 その後の在日米軍側の原告のHAPに関するマネージメントの観察/評価。 が上記(3)の要求した内容の項目aないしeごとに原告に対して示されているこれによると,いずれも使用者側で満足の行くものではないこと,原告において向上の意欲が示されなかったこと,HAPの対象となったことの重大さを原告が理解しなかったことなどが記されている(乙13)。 HAP実施当初の原告に関する在日米軍側の契約担当官代理者はP11であったところ,その後,P5が在日米海軍司令部契約担当官代理者として原告の措置に関わるようになった(証人P5【1頁)。 】P5は,平成14年6月25日付で原告に対してMLC第5章第11項による「休業手当の通知」を発し,同月27日ころにP2を通じて同通知を原告へ交付し,同年7月1日から休業手当支給(月額給与の40パーセントの減額)の身分とし,職場への訪問,連絡を許可なく認めないこととした。同書面によると,措置の理由としているところは,原告がHAPを拒否し続けた結果によるものであること,適した職位を努力して見つけるための(援助計画への)参加を拒否しているためであること,そのため広報部における使。(,,命と生産性に思わしくない影響を与えることが記されている乙2 46)原告は,当該休業手当の通知への受取の署名も拒否している(乙46)。 (5)HAP後の解雇回避努力と原告の対応P5は,HAP実施後の観察/評価その他前任者からの引継情報を踏まえ- 20 -て,MLC解雇予定通知書に平成14年1月30日付で署名し,日本国政府側である東京防衛施設局担当官に宛てて発した。これに対して,東京防衛施設局総務部労務対策官で,在日米軍施設に勤務する駐留軍等労働者 て,MLC解雇予定通知書に平成14年1月30日付で署名し,日本国政府側である東京防衛施設局担当官に宛てて発した。これに対して,東京防衛施設局総務部労務対策官で,在日米軍施設に勤務する駐留軍等労働者の労務管理事務に従事するP4は,使用者である在日米軍側の原告に対する不適格解雇の提案がMLC規定に則っているかどうかの精査に入った(乙15,証。 人P5【5頁,乙50【4頁,証人P4【37頁)】】】P5から提案された解雇処置の理由には,HAP評価と確認のほかに,マネージメントはMLC第10章パラグラフ4aに従って原告に適する別の職位への配置転換を模索したが,原告は他の空席となっている職位に応募する意思がないと述べたとあるものの,MLC解雇予定通知書に添付された記録のための覚書(労使関係専門職のP10が平成13年4月9日に作成したもの)で平成13年4月4日にP10が原告のために職位を提供して本邦米軍基地内の他の職に応募して配置転換を勧める意図のもとに求人広告リストを渡したが原告が応募しなかったとあるものの,P4はその日付がHAP実施前のものであることから,解雇手続の前提として配置転換の試みが不十分であると考えた(乙50【4頁,証人P4【36,37頁)。 】】ところで,HAP期間中あるいはHAP後の対象従業員の配置転換は当該従業員の同意のもとに行われなければならないことになっていた(乙2,。 証人P4【37,38頁)】まず,解雇予定通知書を出す平成14年1月30日までの間にP5契約担当官代理者は,MLC上の手続からHAPの一部と意識して原告のために本邦米軍基地の空位を探索し,原告に対して空席情報も提供した。また,解雇予定通知書を日本国政府宛に発出した後も,日本国政府側から別の職位を探すよう何度も要請があり,空席情報があると日本国 告のために本邦米軍基地の空位を探索し,原告に対して空席情報も提供した。また,解雇予定通知書を日本国政府宛に発出した後も,日本国政府側から別の職位を探すよう何度も要請があり,空席情報があると日本国政府に提供して同政府を通じて原告に打診したが,同人からの応募が見られず,原告からは同意が得られなかったという(乙50添付資料[提供した職位,証人P5【5ない。 ]- 21 -し7,24,26頁)】また,P4は,雇用主としての日本国政府として,原告に対して,平成1()5年の5月P12首席労務対策調査専門官ともう1人の労務関係の専門官と6月(γ防衛施設事務所長自らも同行して)にそれぞれ1回ずつ,原告に会い,同人の他の職への応募の意思などについて確認した。これによると,原告は,職種の希望として基本給表1の事務系統の職種を希望し,基本給表2の技能系を希望しないこと,IHAも考えていないこと,1の4等級以下であると手当も下がるので不可であり5等級か現行の6等級よりグレードを下げるつもりはないこと,通勤する場所の希望としてζ,ηは通えないので希望はγ空軍基地,ε,ι,δといったところで,在日米軍側は原告がいたγへの配転に難色を示しており,P4が確認したところでは原告からもその後γも自分の悪いうわさがあるので行きたくないといったことを述べていたという。しかし,原告の希望だけでは,本邦米軍基地内の空位職種の応募の,,範囲が狭くて原告に見合う配置転換の職場が見つからない懸念があるのでP4あるいはその前任者P13は,平成14年10月29日,平成15年5,,月28日同年7月3日の3回にわたり本邦米軍基地内の職位を提供したが原告はεの職位に1回応募したのみで他に応募しようとはしなかった乙,。(50添付資料[交渉経過,証人P4【2,7ない ,,月28日同年7月3日の3回にわたり本邦米軍基地内の職位を提供したが原告はεの職位に1回応募したのみで他に応募しようとはしなかった乙,。(50添付資料[交渉経過,証人P4【2,7ないし10,12,23頁)]】(6)原告に対する解雇上記のような状況を踏まえて,在日米海軍司令部契約担当官代理者のP5は,平成15年6月25日,γ防衛施設事務所長に宛てて,MLC第10章4a項に従い在日米軍側は原告に度々,同人の職務上不十分な点について忠告し,成績を向上させるため援助を与える計画(HAP)をたてたこと,原告がHAPを満足に終えることができなかったこと,原告がなお十分に職務を遂行できないことを指摘し,在日米軍側は,また,原告の能力に相応した職務が得られるかどうかの確認を長期間に亘って行ってきたが得られないこ- 22 -とを確認したことから,在日米軍側は日本国政府がMLCに基づいて残りの必要な措置を取り,遅くとも平成15年7月1日発効で原告の不適格解雇を実施するよう要請した(乙26)。 これを受けて,被告から平成15年7月16日付でMLC解雇予定通知書が原告に交付された。これには先に実施されたHAPについての原告の観察/評価及び提案された解雇処置の理由も添付されていた(乙15)。 その後,平成15年8月7日付で東京防衛施設局長名義で原告に対して人事措置通知書と題する書面をもって同人を不適格解雇により同年9月15日で雇用を終了させる旨の通知がなされた(乙16の1,2)。 争点(不適格解雇及び当該解雇に先立つ休職処分等の有効性)について(1)まず,原告と被告との間の労働契約は,前記認定事実(1)のとおりMLCの基本労務契約でもって規律されているから,被告の原告に対する本件解雇も契約の基本をなすMLCの条項に照らして検討 ついて(1)まず,原告と被告との間の労働契約は,前記認定事実(1)のとおりMLCの基本労務契約でもって規律されているから,被告の原告に対する本件解雇も契約の基本をなすMLCの条項に照らして検討するべきである。 証拠(乙2)によれば,不適格解雇の手続は次のように規定されている。 a予備措置常用従業員が最小限度の職務上の要求を満たさないため不適格であると認められる場合には,A側(アメリカ合衆国政府-本件では在日米軍司令部,以下同様)は,その不十分な点について,その従業員に忠告し,その者の成績を向上させるため援助を与える計画をたてるものとする。 この計画を実行した後,なおその者が十分に職務を遂行できない場合には,A側は,その者の能力に相応する職務が得られるか否かを確認するものとする。 その職務が得られる場合には,その者の同意を得た上,その者をその職務に配置するものとする。 従業員が十分にその職務を遂行することができず,かつ,その能力に相応した職務が得られない場合又はその者が能力に相応した職務につくこと- 23 -に同意しない場合には,その事情に関する報告書を契約担当官代理者に提出するものとする。 (以下略)b解雇予定通知契約担当官代理者は,事案を審査し,必要な非公式の調査を行わせるものとする。契約担当官代理者が,解雇措置手続を開始すべきであると決定した場合には,調査報告書の写し1部及び「MLC解雇予定通知書」の様式による解雇予定措置の通知書2部をB側(日本国政府-本件では東京防衛施設局,以下同様)の地方機関の長に送付するものとし,B側の地方機関の長は,従業員にその通知書の原本を交付するものとする。この場合,通知書には,次の事項を記載するものとする。(1)ないし(4)省略c調整契約担当官代理者は,その事案について意見を求めるた 方機関の長は,従業員にその通知書の原本を交付するものとする。この場合,通知書には,次の事項を記載するものとする。(1)ないし(4)省略c調整契約担当官代理者は,その事案について意見を求めるため,B側の地方機関の長と協議するものとする。B側の地方機関の長は,協議のため,文書により契約担当官代理者が指定した日の7日以内に,意見を提出するものとする。契約担当官代理者は,7日の期間の満了の際又は相互に合意した場合にはそれ以前に,当初の報告,調査報告,従業員の記録,従業員の回答があるときはその回答及びB側の地方機関の長の意見を十分に考慮した後,必要な人事措置の要求書をB側の地方機関の長に送付するものとする。防衛施設局長は,その協議を満足すべき結論に導くため,適当なA側関係官と交渉することができるものとする。防衛施設局長の要求があった場合には,その協議期間は,相互の合意により,更に5日間延長することができるものとする。 d解雇要求書解雇要求書は「MLC人事措置要求書」の様式によりB側の地方機関,の長に送付されるものとする。解雇の措置は,B側の地方機関の長が行う- 24 -ものとする。 e意見の不一致B側の地方機関の長が,とられる措置について同意しない場合には,人事措置要求書を受領した後,直ちに,文書により契約担当官代理者にその旨を通知するものとする。この場合,意見の不一致事案は,第2章に定めるところに従いA側の代理者及びB側の地方機関の長により防衛施設長官又は契約担当官に付託されるものとする。この段階における措置は,第2章3bに定めるところによるものとし,また,従業員の身分及び最終決定は,第2章3cに定めるところによるものとする。 (2)そこで,まず,原告が求めている不適格解雇までの未払賃金の関係で,HAP評価等による休職処 ところによるものとし,また,従業員の身分及び最終決定は,第2章3cに定めるところによるものとする。 (2)そこで,まず,原告が求めている不適格解雇までの未払賃金の関係で,HAP評価等による休職処分により基本給の40パーセントが減額された処分の相当性について検討する。 前記認定事実(3)及び証拠(乙13,32,35ないし44,56)によれば,原告の直属の上司であったP1から見て原告の報道編集専門官としての勤務振りに少なからぬ不満があったところへ,報道機関関係者,アメリカ大使館職員,職場の人間等複数の者らから原告の言動について苦情があり,しかもP6広報部長から非公式警告を受け,さらにP9の件で同人や原告の直属の上司であるP1メディア連絡所長の頭越しにP6へ事情を報告するなどしたことによりMLC違反行為の嫌疑書が出されるなどしたことから,原告へはその勤務態度を改めてもらう必要があると考えて,P1は予め契約担当官代理者に助言を求めた上でHAPを原告に対して実施することを提案している。 しかも,同認定事実によれば,HAPで原告に要求した内容自体は,原告の職位に関する記述書に照らすと当該職位で求められている業務処理内容のうちの基本的なところであることが窺え,原告に特に無理難題を課したものとは評価できない。 - 25 -原告は,このようなHAPを原告に課すこと自体が相当性を欠く旨主張しつつ,あわせてHAPの要求にも対応していると主張するものの,当時の原告には,上司の自己に対する勤務評価に不満を持ち,忠告を受けた側としては納得のできないものであったとして,前記認定事実(4)からはこれに抗議して,HAPによる要求に従わない強い意思の表明が認められる。 また,証拠(乙41)からは,HAPが出される以前から既に原告は上司であるP1に対して例えば平成13 ,前記認定事実(4)からはこれに抗議して,HAPによる要求に従わない強い意思の表明が認められる。 また,証拠(乙41)からは,HAPが出される以前から既に原告は上司であるP1に対して例えば平成13年2月1日に敵対的でけんか腰になるほどの険悪な状況が認められる。 このような事実関係からすると,HAPを通じて使用者(在日米軍)は原告に勤務態度の是正を強く要求する必要があったものと推測され,HAPが原告に対して課されたこと自体には一定の合理性があるものというべきである。 これに対して,原告は,HAPそのものが原告の解雇を意図した不当なものである旨供述するが,そのような不当な意図を認定することのできる証拠はない。 そして,原告において,使用者の自己の勤務に対する評価が誤解あるいは偏見に基づくものであるというのであれば,HAPの要求事項を通じてその修正を図ることも不可能ではないはずであるところ,前記認定事実(3),(4)からはかえって原告は上司らへの猜疑心等により使用者側との対立の溝を深めHAPへの拒否的姿勢を貫く対応を示している。 そのため,前記認定事実(4)にあるように,使用者である在日米軍司令部は,374業務支援中隊民間人人事部労務課職員で労使関係専門官であるP10とともに平成13年7月11日に原告と会合をしているが,証拠(乙45)からは原告の対決・反抗の姿勢は変わらず,HAPが既に始まっていることの告知をP10から受けた後にも原告の対応・姿勢に大きな変化は見られない。そこで,同認定事実のとおり,契約担当官代理者であるP5は,こ- 26 -のままHAPを拒否し続けている原告を職場に出勤させておくことは職場である広報部の使命と生産性に思わしくない影響を与えることを理由に平成14年6月25日付で原告を休職処分にしているが,このような使用者の まHAPを拒否し続けている原告を職場に出勤させておくことは職場である広報部の使命と生産性に思わしくない影響を与えることを理由に平成14年6月25日付で原告を休職処分にしているが,このような使用者の対応が権限の濫用で無効であるとか不当な意図に基づくもので違法無効であるといった事情は見受けられない。 原告は,HAPを不相当なものあるいは単に英語力の不足の問題であると過小評価して自己の立場の正当性を強調するが,事務職部門である広報部門であっても原告の上司らは大佐,軍曹等,軍人の肩書きを有する者であり,,,規律を重んずる米軍基地内の職場において原告のような態度を示すことは重大な職務違反と捉えられても仕方がないものというべきであり,休職処分さらには休業手当による減給が違法,不当であると認めるに足りる証拠はない。 それゆえ,原告の被告に対する本件解雇時までの未払給与分の請求には理由がない。 ,,(),(3)次に不適格解雇事由の有無についてみるに 証拠 乙15によれば解雇予定通知書にその理由が添付されているところ,中心的な理由は,HAPを実施したにもかかわらず,原告がこれに従わず,被告が求めている職務遂行能力に関する業務の改善や職に対する前向きな意欲を示さず,また発揮しようとしなかったこと,MLC第10章パラグラフ4aに従って配置転換を模索しても原告が職位に対する応募の意思を示さなかったことにある。 そして,前記認定事実(3),(4)からは,非公式警告を受けるような自己の職務についての理解不足,MLC違反行為の嫌疑で制裁措置がとられたP9の行為をめぐる原告の判断力不足と管理責任の欠如,その他上司のP1がMLC違反報告書で報告している内容等に照らした職場における報道編集専門職としての職務遂行能力について,HAPの適用を受けるに至っ の行為をめぐる原告の判断力不足と管理責任の欠如,その他上司のP1がMLC違反報告書で報告している内容等に照らした職場における報道編集専門職としての職務遂行能力について,HAPの適用を受けるに至った原告についての事情,HAPを不服として原告がこれに従わなかった経緯,むしろ,- 27 -HAPを通告されてから在日米軍側と対立する姿勢を示してHAPの最終評価として在日米軍側の満足できる結果が得られなかったこと,その後の原告の態度も変わらず,英語力の向上姿勢も過去2年間のアプローチ状況及びHAPの前後のテスト結果(乙31の1,2)並びにその後の原告の対応振りからは多くは望めず,他の職位への応募意欲が窺われないことをも勘案すると上記HAPの適用を受けるに至った原因が原告において依然として解決・改善されていないことなどが認められ,上記解雇予定通知書に添付された解雇理由に符合する事情が見受けられる。 原告は,被告主張の不適格事由に詳細な反論を試みているが,不適格事由のうちHAPを出すに至った経過に関する事情については監督者からの視点とは異なる従業員の立場・視点に固定された言い分であり,被告のこの点に関する言い分が全部正しいともいえないが,原告の言い分にも全面的に与することはできず,HAPを出すに至った使用者側の判断を否定することにどれだけの意味があるのか疑問である。その余の不適格事由についても前記認定事実(3),(4)及び上記に認定判断したところに照らせば,原告の職場における報道編集専門官としての指示命令違反,不適切な対応,向上意欲なり職務への適応意欲を示さないことによる雇用そのものへの不適格性が認められ,これに反する原告の主張は前記認定事実及び引用証拠に整合しないものとして採用できない。 (4)さらに,当事者間の争点は,解雇の前提として解 欲を示さないことによる雇用そのものへの不適格性が認められ,これに反する原告の主張は前記認定事実及び引用証拠に整合しないものとして採用できない。 (4)さらに,当事者間の争点は,解雇の前提として解雇を回避して他の取りうる合理的な手段が雇用主である被告ないし使用者側の在日米軍で取れなかったかどうかという点にあり,それは前記(1)で記したように当事者間の労働契約関係はMLCの基本労務契約により規律されていることから,MLCの不適格解雇手続を遵守しているかどうかによって判断されるべきである。 「」「」「」MLC第10章雇用の終了の4不適格解雇の手続のa予備措置として規定されているところによれば,前記(1)のようにHAPのような援- 28 -助計画を実行した後,なおその者が職務を十分に遂行できない場合には,在日米軍側は,その者の能力に相応する職務が得られるか否かを確認するものとし,その職務が得られる場合には,その者の同意を得た上,その者をその職務に配置するものとするのであるから,日本国政府側が協議を必要と考える場合のほかは,在日米軍側の判断を尊重することになる。 ところで,前記認定事実(3),(4)から明らかなように,原告は広報部においてはもはや上司がP1からP2に変わったとはいえ広報部長のP6との対立まで生じている状況からすると他の部署への配置転換を考えるのが合理的であると思われるところ,上記MLCの規定によれば,HAPのような援助計画実施後には本人の同意を得て職務に配置するものとされており,しかも使用者側である在日米軍との原告の対立・対決姿勢の中同認定事実(5) (6),,によれば,原告は米軍基地内の職場のうちでも職種,等級及び勤務地域について限定した希望を述べており,当時は希望に添える職位の職場が空席情報とし 告の対立・対決姿勢の中同認定事実(5) (6),,によれば,原告は米軍基地内の職場のうちでも職種,等級及び勤務地域について限定した希望を述べており,当時は希望に添える職位の職場が空席情報として見当たらなかったこと,原告自身がMLCの上記規定に則った配置転換に応じたり参加する姿勢が見受けられない状況下において,使用者である在日米軍の契約担当官代理者(P5)からの米軍基地内の職種募集情報の提供なり空席職位の検索方法の示唆及びそれを受けた雇用主である防衛施設局の人間のフォローあるいは日本国政府側からの在日米軍内の他の部署・職位への応募の示唆にとどまらざるを得なかったものと思われることからすると,在日米軍側の取った対応はMLCの不適格解雇手続における解雇を回避するための一定の合理的な対応の範囲内にあるものというべきである。 原告は,本人尋問等において配置転換先の職場についてζやηを含めた地域,職位においても特に現行の職位にこだわらない旨供述するが,在日米軍側が不適格解雇に先立ち原告に配置転換先の職位・職場を提供しようとした平成13年9月以降平成15年7月ころまでの間の当時の原告の姿勢・言動に反するものであり信用できない。 - 29 -また,原告は,解雇に先立ち使用者ないし雇用主は解雇回避のための最大限の努力をすべきであるから,原告の同意を要せずして配転命令を出すべきであったと主張するが,原被告間の労働契約を規律するMLCの規定に従って,前記のように援助計画実行後,なおその者が十分に職務が遂行できないと在日米軍側は考え,原告の能力に相応する職務が得られるか否かを確認しようとした際に,既に原告が広報部の上司らだけではなく,証拠(証人P5【3,7,26,32,33頁)によれば,在日米軍側の契約担当官代理者にも会い】たくないとする対決姿勢に 得られるか否かを確認しようとした際に,既に原告が広報部の上司らだけではなく,証拠(証人P5【3,7,26,32,33頁)によれば,在日米軍側の契約担当官代理者にも会い】たくないとする対決姿勢にあり,他の職に応募する姿勢が見受けられなかったこと,しかも証拠(証人P4【7ないし10頁)によれば,仮に転任する】としても地域を限定し,職位のグレードも下がらないようにといった自己主張による強い態度を示していることからすると,原告の同意のもとに同人の能力に相応する職務がもはや得られないと考えたとしてもおかしくはなく,在日米軍側で一方的に配転命令を出さなかったことが不当であるとか解雇回避努力として不十分であったとはいえないものというべきである。前記認定事実(5)及び証拠(乙15,50(添付資料[提供した職位]を含む,5)3)によれば,原告は現に米軍基地内の様々な職に関する情報あるいはインターネットによる検索方法の示唆を受けたにもかかわらず,εの管理専門職のポストに1回応募したきりであることからすると,転任の意思がなかったかあるいはことさら低かったものと見ざるを得ない。前記認定事実(5),(6)及び証拠(乙50及び証人P4)からすると,P5が平成14年1月30日にMLC解雇予定通知書に署名して以降,このような従業員である原告の態度・対応に応じて期間をかけて当該態度の変更の兆しや緩和の有無を被告の担当官は約1年半にわたって観察しながら配置転換の余地が在日米軍を通じてあるのかどうかを探った上で平成15年7月16日付で原告へのMLC解雇予定通知書の発出に同意し,最終的にはやむを得ず同年8月7日付の不適格解雇に至っているものと考えられる。 - 30 -それゆえ,使用者の在日米軍においては原告に対する不適格解雇手続がMLCに則って行われており,雇用 同意し,最終的にはやむを得ず同年8月7日付の不適格解雇に至っているものと考えられる。 - 30 -それゆえ,使用者の在日米軍においては原告に対する不適格解雇手続がMLCに則って行われており,雇用主の被告においてもそのことを確認した上で原告を不適格解雇したものと認められるから,解雇回避努力をすることなく,あるいはそのような努力が不十分なままに本件解雇がなされたものとはいえない。 (5)このような事実関係を踏まえた被告の不適格解雇はMLCの解雇の実体的要件及び手続に関する各条項を踏まえたものと認められる。 その他,本件証拠上,被告による原告に対する本件解雇が解雇権の濫用に当たるものと評価できるような事情は見当たらない。 以上によれば,原告の請求にはいずれも理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第36部裁判官福島政幸
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