- 1 -主文 本件訴え及び本件共同訴訟参加の申立てをいずれも却下する。 共同訴訟参加によって生じた費用は参加人らの負担とし,その余の訴訟費用は原告ら(99号,100号)の負担とする。 事実及び理由 第1請求 請求の趣旨(1)被告市長は,連合会に対し,182億7740万7160円を大阪市に支払うよう請求せよ(99号。 )(2)被告市長は,職員互助組合に対し,182億7740万7160円を大阪市に支払うよう請求せよ(99号。 )(3)被告交通局長は,交通局互助組合に対し,182億7740万7160円を大阪市に支払うよう請求せよ(99号。 )(4)被告水道局長は,水道局互助組合に対し,182億7740万7160円を大阪市に支払うよう請求せよ(99号。 )(5)被告市長は,教職員互助組合に対し,188億4908万4608円を大阪市に支払うよう請求せよ(100号。 ),,(,(6)被告市長はAに対し1億円を大阪市に支払うよう請求せよ99号100号。 ),,(,(7)被告市長はBに対し1億円を大阪市に支払うよう請求せよ99号100号。 )(8)被告市長は,大阪市労働組合連合会(以下「市労連」という)に対し,。 ()。 181億7123万0524円を大阪市に支払うよう請求せよ215号(9)被告交通局長は,市労連に対し,181億7123万0524円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 )(10)被告水道局長は,市労連に対し,181億7123万0524円を大阪- 2 -市に支払うよう請求せよ(215号。 )(11)被告市長は,C,D,E,Fに対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 )(12)被告市長は,G,H,Iに対し,各自5000万円を大 うよう請求せよ(215号。 )(11)被告市長は,C,D,E,Fに対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 )(12)被告市長は,G,H,Iに対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 )(13)被告市長は,J,K,L,Mに対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 )(14)被告市長は,N,O,Pに対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 )(15)被告交通局長は,N,O,Pに対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 )(16)被告市長は,Q,R,Sに対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 )(17)被告水道局長は,Q,R,Sに対し,各自5000万円を大阪市に支払うよう請求せよ(215号。 ) 本案前の答弁(全事件)主文同旨 本案の答弁(99号,100号)原告ら(99号,100号)の請求をいずれも棄却する。 第2事案の概要本件は,職員互助組合(本件で問題とされている平成5年度から同11年度当時は財団法人大阪市職員互助組合,交通局互助組合,水道局互助組合,教職員)互助組合(以下「4互助組合」という)が,大阪市から補給金の支出を受けた。 上で,連合会を経由して各組合員(大阪市職員)のための保険料に充てたことにつき,大阪市の住民である原告ら(99号,100号)が,主位的には4互助組合らによる補給金の流用が違法であり,予備的に大阪市からの補給金の支出が違- 3 -法であるとして,被告らに対し,4互助組合,連合会及び上記各支出を行った市長個人(A及びB)に対して損害賠償請求(対4互助組合,連合会,A及びB)ないし不当利得返還請求(対4互助組合及び連合会)をするよう求めた事件(9 らに対し,4互助組合,連合会及び上記各支出を行った市長個人(A及びB)に対して損害賠償請求(対4互助組合,連合会,A及びB)ないし不当利得返還請求(対4互助組合及び連合会)をするよう求めた事件(99号,100号)及び,参加人らが,被告らに対し,上記各支出に関与した連合会理事個人及び同人らを理事とする市労連に対する損害賠償請求をするよう求めて共同訴訟参加を申し立てた事件(215号)である。 前提事実(争いのない事実並びに証拠(証拠番号は特記しない限り枝番を含む)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実(全事件)(1)当事者(全事件)ア原告ら(全事件)はいずれも大阪市の住民である(争いがない。 )イ被告市長は大阪市の執行機関,被告交通局長は大阪市の経営する高速鉄道事業,自動車運送事業及び中量軌道事業の管理者(甲8,被告水道局)長は大阪市の経営する水道事業及び工業用水道事業の管理者(甲9)である(弁論の全趣旨。 )ウAは,平成7年12月19日から平成15年12月18日まで大阪市長の職にあった者であり,Bは,平成15年12月19日から大阪市長の職にある者である(争いがない。 )エ職員互助組合,交通局互助組合及び水道局互助組合は,職員互助組合条例(昭和30年大阪市条例第3号。ただし,平成19年大阪市条例第40号による改正前のもの。丙16,19,20)により設置された互助組合である(ただし,交通局互助組合及び水道局互助組合は権利能力なき社団である。教職員互助組合は,教職員互助組合条例(昭和24年大阪市。)条例第11号)により設置された互助組合である(争いがない。 )連合会は,平成4年3月28日に締結された大阪市職員互助組合連合会設立協定書に基づいて組織された権利能力なき社団である(丙4。 )連合会は,これを構成する互 置された互助組合である(争いがない。 )連合会は,平成4年3月28日に締結された大阪市職員互助組合連合会設立協定書に基づいて組織された権利能力なき社団である(丙4。 )連合会は,これを構成する互助組合である4互助組合の合意により,平- 4 -成18年3月31日をもって廃止された(丙1。 )交通局互助組合,水道局互助組合,教職員互助組合は,平成19年3月31日をもって廃止され同年4月1日から職員互助組合に統合された丙,(17,18,弁論の全趣旨。 )オ大阪市職員労働組合,大阪市従業員労働組合,大阪交通労働組合及び大阪市水道労働組合は大阪市職員及び企業職員から構成される労働組合法,(人)である。大阪市立大学教職員組合,大阪市立学校教職員組合及び大阪市学校給食調理員労働組合は,それぞれ,大阪市立大学教職員,大阪市立学校教職員及び大阪市学校給食調理員から構成される労働組合(権利能力なき社団)である(以下まとめて「本件各労働組合」という(弁論の。)全趣旨。 )市労連は,本件各労働組合から構成される連合組合である(弁論の全趣旨。 ),,,,カCは平成5年度Dは平成67年度Eは平成8年から10年度までFは平成11年度の職員互助組合理事長であって,連合会の理事であった(弁論の全趣旨。 )キGは平成5年から7年度まで,Hは平成8年度から10年度まで,Iは平成11年度の教職員互助組合理事長であって連合会の理事であった弁,(論の全趣旨。 ),,,,クJは平成5年度Kは平成67年度Lは平成8年から10年度までMは平成11年度の市労連執行委員長であって連合会の理事であった弁,(論の全趣旨。 )ケNは平成5,6年度,Oは平成7年度,Pは平成8年から11年度までの交通局互助組合理事長であって 度までMは平成11年度の市労連執行委員長であって連合会の理事であった弁,(論の全趣旨。 )ケNは平成5,6年度,Oは平成7年度,Pは平成8年から11年度までの交通局互助組合理事長であって,連合会の理事であった(弁論の全趣旨。 )コQは平成5年から7年度まで,Rは平成8,9年度,Sは平成10,1- 5 -1年度の水道局互助組合理事長であって,連合会の理事であった(以下,カ~コに記載した者をまとめて「本件連合会理事ら」という(弁論の。)全趣旨。 )(2)退職時給付金事業の創設及びその遂行としての公金支出(全事件)ア自治省(当時)は,国家公務員の退職手当制度の改正に伴い,地方公務,,員の退職手当制度についてもこれに応ずる改正を行う必要があるとして昭和60年4月10日付けで,大阪市他の地方公共団体に対し,退職手当の支給については条例で明確に定めること,退職手当の支給率及び最高限度額が国の基準を超えている地方公共団体にあってはこれを是正することなどの通知を行い,退職手当条例の改正を促したが,大阪市に対しては,昭和63年7月14日付けで,努力の跡は見えるものの,依然として支給率が国の基準を上回るなど適正を欠く状況にあるので,速やかに是正措置を講ずるよう強く指導した(甲3。 )イ大阪市と市労連は,平成元年11月,従来の特別退職一時金の制度を廃止し(ただし,平成4年度まで3年間の経過措置を設ける,同経過措。)置期間終了後の平成5年度から,別途,職員の掛金と大阪市からの交付金(. )を原資とする新たな退職時給付金事業退職時給料月額の63月を上限を設けることなどを合意した(以下「11月合意」という(甲3。 。))ウ連合会は,新たな退職時給付金事業として,職員互助組合,交通局互助組合,水道局互助組合の組合員 職時給料月額の63月を上限を設けることなどを合意した(以下「11月合意」という(甲3。 。))ウ連合会は,新たな退職時給付金事業として,職員互助組合,交通局互助組合,水道局互助組合の組合員を被保険者とし,これらの者に対する退職一時金,退職年金等とする趣旨で,平成5年4月1日に安田生命保険相互会社と新企業年金保険契約を締結し(丙2,保険料として,職員から徴)収する掛金の一部(平成5年度から平成9年度までは給料の0.6パーセント,平成10年度以降は同0.75パーセント)を充てるが,これでは賄えない部分については,大阪市から職員互助組合,交通局互助組合,水道局互助組合への交付金(以下「互助連給付金」という)を原資として。 - 6 -充てることとする連合会給付金等事業を創設した(甲3。 )エ教職員互助組合は,平成8年4月1日,従前の退職生業資金制度を廃止し,教職員互助組合の組合員を被保険者とし,これらの者に対する退職年金等とする趣旨で,日本生命保険相互会社と新企業年金保険契約を締結し(丙3,保険料として,職員から徴収する掛金(給料の0.5パーセン)ト)の一部を充てるが,これでは賄えない部分については,大阪市から教職員互助組合への交付金(以下「教員給付金」という)を充てることと。 する生涯福祉事業を創設した(甲3。 )オ大阪市は,平成5年度から平成11年度まで,職員互助組合条例(昭和30年大阪市条例第3号。ただし,平成17年大阪市条例第27号による。 ,),,改正前のもの乙231 52条に基づき互助連給付金として181億7323万0524円を下回らない金額を,職員互助組合,交通局互助組合及び水道局互助組合に支出した(甲3,乙1~30,91~97,104~110,弁論の全趣旨。 )大阪市は,平成8年度か 181億7323万0524円を下回らない金額を,職員互助組合,交通局互助組合及び水道局互助組合に支出した(甲3,乙1~30,91~97,104~110,弁論の全趣旨。 )大阪市は,平成8年度から平成11年度まで,職員互助組合条例(昭和30年大阪市条例第3号。ただし,平成17年大阪市条例第27号による改正前のもの。乙231,232)52条に基づき,教員給付金として,7億3452万3410円を,教職員互助組合に支出した(甲3,乙120~139,弁論の全趣旨。 )カ大阪市から職員互助組合への上記各支出は,被告大阪市長が総務局長に専決させ(大阪市事務専決規程3条32号(乙19~30,弁論の全趣)旨,教職員互助組合への上記各支出は,被告大阪市長が総務局長(同3)条同号(乙128~139,弁論の全趣旨)及び教育委員会事務局給与)課長(同規程25条1項(乙122~127,弁論の全趣旨)に専決さ)せた。大阪市から交通局互助組合に対する上記各支出は,被告交通局長が自ら行い,又は部下職員に専決させた(乙97,弁論の全趣旨。大阪市)- 7 -から水道局互助組合に対する上記各支出は,被告水道局長が自ら行い,又は部下職員に専決させた(乙110,弁論の全趣旨。 )(3)監査請求及び訴えの提起ア99号,100号(ア)原告ら(99号,100号)は,大阪市監査委員に対し,平成17年3月18日,平成5年度以降のすべての互助連給付金の支出及び平成8年度以降のすべての教員給付金の支出が違法な財務会計行為であるとして,4互助組合に受領額の返還を求めるほか,歴代の市長に在職中の支出額を返還させるよう求める監査請求を行った(甲1。 ),,,(イ)大阪市監査委員は平成17年5月16日付けで上記監査請求を4互助組合に支出している互助連給付金 ,歴代の市長に在職中の支出額を返還させるよう求める監査請求を行った(甲1。 ),,,(イ)大阪市監査委員は平成17年5月16日付けで上記監査請求を4互助組合に支出している互助連給付金及び教員給付金が違法な給付に充当されたことにより,これらの一部につき返還請求権の行使を違法に怠っていることについての監査を求める趣旨のものと解した上で,消滅時効(地方自治法236条1項)にかかっていない過去5年間(平成12年度から平成16年度まで)に支払われた保険料のうち互助連給付金及び教員給付金が充てられた部分についての返還を求めるよう勧告し,その余は棄却する監査をし(甲2,そのころ,原告ら(99号,10)0号)にその旨の通知をした(弁論の全趣旨。 )(ウ)原告ら(99号,100号)は,平成17年6月14日,本件訴えを提起した(顕著な事実。 )イ215号(ア)参加人らは,大阪市監査委員に対し,平成17年9月29日,本件連合会理事らが,大阪市の支出権限者と共同で,違法な互助連給付金及び教員給付金の支出をしたとして,これに関与した本件連合会理事ら,大阪市の支出権限者,市労連に対し,大阪市が被った損害を返還ないし賠償させることなどの措置を求める住民監査請求をした(甲5。 )- 8 -(イ)大阪市監査委員は,平成17年10月24日付けで,上記監査請求を同年3月18日付けで原告ら(99号,100号)の同一の財務会計行為又は怠る事実を請求の対象としたものと理解し,同監査請求に対する監査結果をもって同年10月24日付け監査請求に対する監査結果とする旨の監査をし(甲7,そのころ,参加人らにその旨の通知をした)(弁論の全趣旨)(ウ)参加人らは,平成17年11月23日,本件共同訴訟参加の申立てをした(顕著な事実。 )(4)弁済(9 する旨の監査をし(甲7,そのころ,参加人らにその旨の通知をした)(弁論の全趣旨)(ウ)参加人らは,平成17年11月23日,本件共同訴訟参加の申立てをした(顕著な事実。 )(4)弁済(99号,100号)99号,100号に係る監査結果に従い,平成17年8月16日,職員互助組合は102億3153万4843円,交通局互助組合は23億1566万0768円,水道局互助組合は6億5916万1016円,教職員互助組合は7億1459万6810円をそれぞれ大阪市に弁済した(丙5ないし15。 ) 争点及び当事者の主張(1)99号,100号に係る監査請求に期間制限が及ぶか否か(本案前の争点1)(原告ら(99号,100号)の主張)ア原告ら(99号,100号)は,主位的には,4互助組合が,大阪市から支出された互助連給付金及び教員給付金を法の趣旨に反して使用したことが,大阪市に対する不法行為に該当し,かつ,これに相当する額について不当利得返還義務が発生しているにもかかわらず,被告ら(99号,100号)がその損害賠償請求権又は不当利得返還請求権の行使を怠っていると主張している。 この主位的請求は,互助連給付金及び教員給付金の支出が違法であることを前提とするものではないから,主位的請求に係る監査請求は,いわゆ- 9 -る真正怠る事実についての監査を求めるものであって,監査請求期間の制限を受けない。 イ原告ら(99号,100号)は,予備的には,大阪市が,4互助組合に互助連給付金及び教員給付金を支出したことが,給与条例主義に反して違法であるから,大阪市が4互助組合に対し,不法行為に基づく損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権を有しているにもかかわらず,被告らがその行使を怠っていると主張している。 また,原告ら(99号,100号)は,A及びBが 市が4互助組合に対し,不法行為に基づく損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権を有しているにもかかわらず,被告らがその行使を怠っていると主張している。 また,原告ら(99号,100号)は,A及びBが,互助連給付金及び教員給付金の違法な支出を行ったので,大阪市はA及びBに対して不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求権を有しているにもかかわらず,被告市長はその行使を怠っていると主張している。 ウそもそも,実体法上の請求権の行使を怠る事実を対象としてされた住民監査請求において,監査委員が当該怠る事実の監査を遂げるために,特定の財務会計行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にはない場合には,いわゆる真正怠る事実として,監査請求期間の制限は及ばない。 そして,給与条例主義は,人事管理の根本基準としての性質を有するのであって,財務会計法規ではない。また,互助連給付金及び教員給付金の根拠たる職員互助組合条例52条(平成17年大阪市条例第27号による改正前のもの)は,その役割を終えており,4互助組合はこれに基づいて何らの請求権も取得し得ないから,互助連給付金及び教員給付金はまさに法律上の原因がないものであり,このような判断を行うには,財務会計行為上の違法を論ずる必要がない。 したがって,原告ら(99号,100号)の予備的請求も,財務会計行為の違法を前提としない請求であって,いわゆる真正怠る事実として,監査請求期間の制限を受けない。 - 10 -エ地方自治法上,監査請求期間に制限が設けられているのは,財務会計行為がたとえ違法,不当なものであっても,いつまでも監査請求をすることができるとすることは,法的安定性を損ない好ましくないという理由によるものである。 しかし,仮に給与条例主義に違反した財務会計行為があった とえ違法,不当なものであっても,いつまでも監査請求をすることができるとすることは,法的安定性を損ない好ましくないという理由によるものである。 しかし,仮に給与条例主義に違反した財務会計行為があったとしても,その是正はあくまで地方公共団体内部の処理だけで終了するのであり,法的安定性を確保する必要性が疑問であるし,給与条例主義が人事管理の根本基準であることにかんがみれば,法的安定性を犠牲にしてまでも,その遵守が求められるものである。また,給与条例主義違反行為は外部からは容易に判明しないし,現に,互助連給付金や教員給付金はヤミに潜る形で,,,支出された悪質なものであるから期間制限の趣旨現状にかんがみてもこれに対して監査請求期間の制限が及ぶと解することは不当である。 (被告らの主張)ア原告ら(99号,100号)は,主位的請求はいわゆる真正怠る事実に係るものとして監査請求期間の制限を受けないと主張するが,本件は,まさに大阪市が4互助組合ないし連合会に対して,保険料の財源とするために支出した互助連給付金及び教員給付金の支出が違法であるか否かが出発点なのであり,いわゆる不真正怠る事実に係るものとして監査請求期間の制限を受けることは明らかである。 イまた,原告ら(99号,100号)の予備的請求に係る監査請求も,互助連給付金及び教員給付金の支出が給与条例主義その他の財務会計法規に違反したものであるか否か判断を避けて通れないから,いわゆる不真正怠る事実として監査請求期間の制限に服するというべきである。 ウ原告ら(99号,100号)は,給与条例主義が財務会計法規ではないと主張するが,給与条例主義とは,給与という公金を支出する場合の準拠法であるから,これが財務会計法規であることは明らかである。 - 11 -また,原告ら(99号,100号)は,財 務会計法規ではないと主張するが,給与条例主義とは,給与という公金を支出する場合の準拠法であるから,これが財務会計法規であることは明らかである。 - 11 -また,原告ら(99号,100号)は,財務会計上の違法を論ずるまでもなく,互助連給付金及び教員給付金に法律上の原因がないことを判断できるとも主張するが,仮に互助連給付金及び教員給付金の支出に法律上の原因がないのであれば,地方公務員法や給与条例等に根拠のない支出として,当然に財務会計法規違反の行為となるから,やはり財務会計上の違法であるか否かの判断は不可避である。 (2)99号,100号に係る提訴期間の遵守の有無(本案前の争点2)(原告ら(99号,100号)の主張)ア原告ら(99号,100号)は,訴状において,互助連給付金及び教員給付金の違法な支出により,大阪市は支出相当額の損害を被ったので,4互助組合等に損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権を有すると主張し(予備的請求,平成17年10月11日に提出した準備書面(1)(20)05年10月13日付け)において,4互助組合が,受給した互助連給付金及び教員給付金を法の趣旨に反して使用したことが違法であるとして,被告らが4互助組合等に損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権を有すると主張した(主位的請求。 )イ主位的請求に係る原告ら(99号,100号)準備書面(1)を提出した段階では,既に同事件に係る監査結果の通知を受けた日から30日以上を経過しているが,怠る事実の対象さえ同じであれば,違法事由の追加は可能であるし,その結果,仮に真正怠る事実であるか不真正怠る事実である,。 かに変動が生じたとしても訴えの変更には当たらないというべきであるしたがって,主位的請求についても提訴期間を遵守している。 (被告らの主張)争う。 (3) 事実であるか不真正怠る事実である,。 かに変動が生じたとしても訴えの変更には当たらないというべきであるしたがって,主位的請求についても提訴期間を遵守している。 (被告らの主張)争う。 (3)99号,100号に係る監査請求の適法性(本案前の争点3)(被告らの主張)- 12 -ア原告ら(99号,100号)が問題としている互助連給付金及び教員給付金の支出が最後にされたのは平成11年度であるから,99号,100号に係る監査請求は,監査請求期間を経過した後にされたものである。 イ互助連給付金及び教員給付金の支出については,平成16年12月19日から新聞報道がされており(乙229,230,監査請求は約3か月)経過した後にされものであるから,監査請求期間を経過したことについての正当な理由もない。 (原告ら(99号,100号)の主張)争う。 (4)215号の申立てに係る監査請求の適法性(本案前の争点4)(参加人らの主張)参加人らが,互助連給付金及び教員給付金の支出に,市労連等が関与していると知ったのは,平成17年8月26日付け及び同年9月22日付けで報告書(甲3,4)が提出されてからであった。したがって,その時点から1か月程度で行った監査請求には,監査請求期間を経過したことについての正当な理由がある。 (被告らの主張)参加人らが問題としている互助連給付金及び教員給付金の支出がされたのは,平成11年度であるから,参加人らの共同訴訟参加の申立ては,それから1年以上経過した後にされたものである。 また,互助連給付金及び教員給付金の支出については,平成16年12月19日から新聞報道されており(乙229,230,監査請求は10か月)以上経過した後にされたものであるから,監査請求期間を経過したことについての正当な理由もない。 (5) 平成16年12月19日から新聞報道されており(乙229,230,監査請求は10か月)以上経過した後にされたものであるから,監査請求期間を経過したことについての正当な理由もない。 (5)215号の申立ての適法性(本案前の争点5)(参加人らの主張)- 13 -99号,100号では,4互助組合に対する損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権の行使を怠る事実を問題としており,215号では,4互助組合の理事ら(本件連合会理事ら)に対する不法行為損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権の行使を怠る事実を問題としている。このように,法人とその理事とに請求をしている場合には,両者に対する請求に異なる結論を導くことは妥当ではない。 したがって,215号は,99号,100号と合一に確定されるべきものである。 (被告らの主張)共同訴訟参加は,訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合に許される参加形態であるが,共同訴訟参加申立てに係る請求の相手方はいずれも99号,100号で請求の相手方とされる者と全て異なっており,請求の原因となる事実関係も異なっているから,訴訟物は明らかに異なり,合一に確定する必要のないものである。 (6)互助連給付金及び教員給付金の支出及び利用の違法性(全事件(本案)の争点1)(原告ら(全事件)の主張)ア互助連給付金は,4互助組合が締結した保険契約に係る保険料のうち約69.7パーセント(平成15年度)を占め,教員給付金は,大阪市教職員互助組合が締結した保険契約に係る保険料のうち約72パーセントを占めているので,単なる福利厚生費用ではなく,給与であることは明らかである。 したがって,これらの支出は条例に基づかなければならないはずであるが(給与条例主義,地方自治法204条3項,204条の2等,これら ので,単なる福利厚生費用ではなく,給与であることは明らかである。 したがって,これらの支出は条例に基づかなければならないはずであるが(給与条例主義,地方自治法204条3項,204条の2等,これら)の支出の根拠となる条例はないので,互助連給付金及び教員給付金の支出は違法である。 - 14 -イまた,退職時又は退職後に,大阪市からの退職金及び地方公務員等共済組合法で定められている共済組合からの給付以外に,公金を原資とする給付を受けることは,地方公務員等共済組合法の趣旨に反するものであるから,4互助組合及び連合会が,互助連給付金及び教員給付金を,実質的に退職金や退職年金を支給するために締結された保険契約の保険料に充てることは,地方公務員等共済組合法の趣旨に反するものである。 (被告らの主張)ア地方公務員共済組合法は,互助会や互助組合等が既に存続している状態を前提として制定されたものであり,互助会や互助組合が独自の福利厚生給付を行うことを禁止する趣旨の法律ではない。 イまた,給与と福利厚生制度はあくまで別物であるから,連合会給付金等,,。 事業や生涯福祉事業が直ちに給与条例主義に反するものとはいえない(7)損害賠償請求権及び不当利得返還請求権の発生及びその行使を怠る事実(99号,100号(本案の争点2))(原告ら(99号,100号)の4互助組合及び連合会に係る主位的請求)ア上記(6)(原告ら(99号,100号)の主張)イのとおり,4互助組合及び連合会が,法の趣旨に反して互助連給付金及び教員給付金を使用したことは,大阪市に対する不法行為に該当するし,これに相当する額について不当利得返還義務が発生する。 イよって,大阪市は,4互助組合及び連合会に対し,平成5年度から平成11年度までの互助連給付金及び平成8年度から平成11年 法行為に該当するし,これに相当する額について不当利得返還義務が発生する。 イよって,大阪市は,4互助組合及び連合会に対し,平成5年度から平成11年度までの互助連給付金及び平成8年度から平成11年度までの教員給付金のうち保険料に充てたものの中から,既に返還を受けたものを控除した残額及び4互助組合及び連合会が得た利息相当額について,損害賠償請求権(4互助組合)及び不当利得返還請求権(4互助組合及び連合会)を有することになるが,被告らはこれら請求権の行使を怠っている。 (被告らの主張)- 15 -金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は,5年間行使しないことによって消滅するから(地方自治法236条1項,原告ら(99号,1)00号)の主張する請求権は,仮に発生していたとしても時効によって消滅している。 (原告ら(99号,100号)の4互助組合及び連合会に係る予備的請求)ア上記(6)(原告ら(99号,100号)の主張)アのとおり,互助連給付金及び教員給付金の支出はいずれも違法であるから,大阪市は,これに相当する額の損害を被り,4互助組合及び連合会は,これに相当する利得を得た。 イよって,大阪市は,4互助組合及び連合会に対し,平成5年から平成11年度までの互助連給付金に相当する182億7740万7160円の,教職員互助組合に対し,更に,平成8年度から平成11年度までの教員給付金に相当する5億7167万7448円(合計188億4908万4608円)の,各損害賠償請求権(4互助組合)ないし不当利得返還請求権(4互助組合及び連合会)を有するが,被告らはその行使を怠っている。 (被告らの主張)金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は,5年間行使しないことによって消滅するから(地方自治法236条1項,原告ら(99号,1)00号) ,被告らはその行使を怠っている。 (被告らの主張)金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利は,5年間行使しないことによって消滅するから(地方自治法236条1項,原告ら(99号,1)00号)の主張する請求権は,仮に発生していたとしても時効によって消滅している。 (原告ら(99号,100号)のA及びBに係る請求)A及びBは,故意により互助連給付金及び教員給付金の支出をしたのであるから,少なくとも1億円を下らない額について,大阪市に対し,不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償責任を負うが,被告市長は,その損害賠償請求権の行使を怠っている。 (被告らの主張)- 16 -給与と福利厚生制度は別物であるから,連合会給付金等事業及び生涯福祉事業が直ちに給与条例主義に反するとはいえないし,少なくとも,平成5年度ないし平成11年度当時,給与条例主義に反しないと判断したことには過失がない。 (8)損害賠償請求権の発生及びその行使を怠る事実(215号(本案の争)点3)(参加人らの主張)アC,D,E,Fは職員互助組合理事長として,G,H,Iは教職員互助組合理事長として,J,K,L,Mは市労連執行委員長として,N,O,Pは交通局互助組合理事長として,Q,R,Sは水道局互助組合理事長として,いずれも連合会の理事を務め,大阪市の支出権限者と共同で,平成5年度から平成11年度までの互助連給付金,平成8年度から平成11年度までの教員給付金の違法な支出をさせた。 したがって,大阪市は,本件連合会理事ら各自に対し,共同不法行為に,,基づき少なくとも5000万円の損害賠償請求権を有することになるが被告らはその行使を怠っている。 イ連合会の規約では,連合会の副会長には市労連の執行委員長を充てることとされているので,市労連の執行委員長は,その職務として 万円の損害賠償請求権を有することになるが被告らはその行使を怠っている。 イ連合会の規約では,連合会の副会長には市労連の執行委員長を充てることとされているので,市労連の執行委員長は,その職務として連合会の事務を遂行していたというべきである。 したがって,大阪市は,市労連に対し,民法44条の適用ないし類推適用により,平成5年度から平成11年度までに違法に支出された互助連給付金,平成8年度から平成11年度までに違法に支出された教員給付金に相当する181億7123万0524円の損害賠償請求権を有することになるが,被告らはその行使を怠っている。 (被告らの主張)ア給与と福利厚生制度は別物であるから,連合会給付金等事業及び生涯福- 17 -祉事業が直ちに給与条例主義に反するとはいえないし,少なくとも,平成5年度ないし平成11年度当時,給与条例主義に反しないと判断したことには過失がない。 イ本件連合会理事らは,いずれも賠償命令の対象となる者であるから,その責任追及には賠償命令によるべきであるが,これらの者に対する賠償命令は事実の発生した日から3年を経過したときはすることができない平,(成14年法律第4号附則5条,同法による改正前の地方自治法243条の2第3項。そして,原告らが問題とする互助連給付金及び教員給付金が)支出されてから3年以上経過したから,本件連合会理事らに対する責任追及はできない。 第3争点に対する判断 99号,100号に係る提訴期間の遵守の有無(本案前の争点2)について(1)原告ら(99号,100号)は,訴状において,互助連給付金及び教員給付金の違法な支出により,大阪市は支出相当額の損害を被ったので,4互助組合等に不法行為に基づく損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権を有すると主張し(予備的請求,平成17年10 助連給付金及び教員給付金の違法な支出により,大阪市は支出相当額の損害を被ったので,4互助組合等に不法行為に基づく損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権を有すると主張し(予備的請求,平成17年10月11日に提出した準備書面)(1)(2005年10月13日付け)において,4互助組合が,受給した互助連給付金及び教員給付金を法の趣旨に反して使用したことが違法であるとして,被告らが4互助組合等に不法行為に基づく損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権を有すると主張した(主位的請求。 )そこで,原告ら(99号,100号)が,準備書面(1)(2005年10月13日付け)によって,予備的請求に加えて主位的請求を追加して主張したことが,訴えの追加的変更(地方自治法242条の2第11項,行政事件訴訟法43条,19条2項,民事訴訟法143条)に該当するか否かを検討する。 (2)訴えの追加的変更とは,従前の請求に新たな請求を追加するものであっ- 18 -て,その結果として請求の客観的併合を発生させる訴訟行為であるから,99号,100号における従前の請求(予備的請求)と新たな請求(主位的請求)との間に訴訟物の同一性が認められない限り,原告ら(99号,100号)による主位的請求の追加主張は,訴えの追加的変更に該当するというべきである。 そこで,主位的請求と予備的請求の訴訟物の同一性の有無を検討する。 (3)地方自治法242条の2第1項4号前段の請求に係る訴訟物は,執行機関又は職員に対し,当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をするよう義務付ける形成権ないしはそのような請求を求める請求権と解すべきであるが,いずれにせよ,訴訟物は,請求の主体(執行機関等,請求の相手方(当該職員又は当該行為若しくは)怠る事実に係る 請求をするよう義務付ける形成権ないしはそのような請求を求める請求権と解すべきであるが,いずれにせよ,訴訟物は,請求の主体(執行機関等,請求の相手方(当該職員又は当該行為若しくは)怠る事実に係る相手方,請求の内容(損害賠償又は不当利得返還の請求))によって特定されるというべきである。 そして,99号,100号において,被告らに4互助組合及び連合会に対して請求するよう求めている権利は,主位的請求及び予備的請求のいずれにおいても損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権であるから,両請求の訴訟物の同一性は,結局,主位的請求及び予備的請求で行使を求めている損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権の同一性によって判断されるべきである。 (4)そこで,主位的請求及び予備的請求で行使を求めている損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権の同一性について検討するに,主位的請求に係る損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権は,4互助組合が大阪市から支出された互助連給付金及び教員給付金を,連合会を経由した上で,各組合員のための保険料に充てたことが違法な流用であるとして,当該流用額についての不法行為に基づく損害賠償ないし不当利得返還を請求するものであり,予備的請求は,大阪市が4互助組合に互助連給付金及び教員給付金を支出した- 19 -ことが違法であるとして,当該支出額についての不法行為に基づく損害賠償ないし不当利得返還を請求するものである。 損害賠償請求権の同一性は違法行為及び損害の同一性により,不当利得返還請求権の同一性は利得及び損失の同一性により判断されるべきであるが,上記のとおり,違法行為の態様は,予備的請求では公金の支出,主位的請求では支出された公金の流用と異なっているうえ,利得及び損失,損害の内容についても,予備的請求では支出された公金相当額,主位 るが,上記のとおり,違法行為の態様は,予備的請求では公金の支出,主位的請求では支出された公金の流用と異なっているうえ,利得及び損失,損害の内容についても,予備的請求では支出された公金相当額,主位的請求では支出された公金のうち流用された金額と異なっている。 そうすると,主位的請求に係る損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権と,予備的請求に係る損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権では,請求権に同一性は認められず,主位的請求に係る訴訟物と,予備的請求に係る訴訟物とに同一性はないというべきである。 ,(,),したがって原告ら99号100号による主位的請求の追加主張は訴えの追加的変更に該当する。 (5)訴えの追加的変更は,変更後の新請求に関する限り,新たな訴えの提起にほかならないから,変更後の訴えに関する提訴期間が遵守されているか否かは,両者の間に存する関係から,変更後の新請求に係る訴えを当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し,出訴期間の遵守に欠けるところがないと解すべき特段の事情がある場合を除き,訴えの変更の時を基準として,これを決しなければならないと解される。 そこで,本件においてそのような特段の事情があるか否かを検討するに,前記のとおり,主位的請求と予備的請求とでは,違法行為の捉え方,利得及び損失の額が異なるので,請求権の内容も要件事実も異なるから,主位的請求に係る訴えが,訴状において事実上提起されていたと解することはできないし,監査結果(甲2)において,既に主位的請求と同様の法的構成によって,平成12年ないし平成16年に係る互助連給付金及び教員給付金のうち- 20 -保険料に充てられた金員に相当する金額について返還請求をするよう勧告がされていたのであるから,監査結果に目を通しさえすれば,訴え提起の段階で,主 に係る互助連給付金及び教員給付金のうち- 20 -保険料に充てられた金員に相当する金額について返還請求をするよう勧告がされていたのであるから,監査結果に目を通しさえすれば,訴え提起の段階で,主位的請求をすることは十分可能であったというべきであるから,本件において,上記のような特段の事情があったとはいえない。 (6)よって,原告ら(99号,100号)の4互助組合及び連合会に係る主位的請求は,提訴期間を遵守しない不適法な訴えというべきである。 ,() 99号100号に係る監査請求に期間制限が及ぶか否か本案前の争点1について(1)上記のとおり,原告ら(99号,100号)の4互助組合及び連合会に係る主位的請求は,提訴期間を遵守しない不適法なものであるから,ここでは,原告ら(99号,100号)の訴えのうち,4互助組合及び連合会に係る予備的請求(4互助組合及び連合会に対する不法行為損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権の不行使を怠る事実とするもの)に係る訴え及びA及びBに係る請求(A及びBに対する不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求権の不行使を怠る事実とするもの)に係る訴えについて,監査請求期間の制限が及ぶか否かを検討する。 (2)違法に財産(債権)の管理を怠る事実についての監査請求は,違法な公金の支出等の財務会計行為についての監査請求と異なり,当該行為があった日又は終わった日から1年間の期間制限には服しないが(地方自治法242条1項,2項反対解釈,財務会計上の行為が違法,無効であることに基づ)いて発生する実体法上の請求権の不行使をもって怠る事実とする監査請求は,当該怠る事実についての監査を遂げるために,当該財務会計行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にある限り,当該財務会計行為のあ をもって怠る事実とする監査請求は,当該怠る事実についての監査を遂げるために,当該財務会計行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にある限り,当該財務会計行為のあった日又は終わった日を基準として,上記監査請求期間の制限が及ぶ(最高裁昭和62年2月20日第二小法廷判決・民集41巻1号122頁,最高裁平成14年7月2日第三小法廷判決・民集5- 21 -6巻6号1049頁。 )(3)そこで検討するに,原告ら(99号,100号)の4互助組合及び連合会に係る予備的請求は,大阪市が,4互助組合に互助連給付金及び教員給付金を支出したことが,給与条例主義に反して違法であるから,大阪市が4互助組合に不法行為に基づく損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権を有するにもかかわらず,被告らはそれらの行使を怠っていると主張するものであり,原告ら(99号,100号)のA及びBに係る請求は,大阪市が,これらの違法な支出を行ったA及びBに対し不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償請求権を有するにもかかわらず,被告らはそれらの行使を怠っていると主張するものであるから,当該怠る事実の監査を遂げるためには,互助連給付金及び教員給付金の支出が,給与条例主義に反する違法なものであるか否かの判断が不可欠となる。 給与条例主義とは,地方公共団体の職員に対する給与その他の給付は,全て法律及びこれに基づく条例に基づいて支給されなければならないとする原(,,),則であり地方公務員法25条6項地方自治法204条204条の2給与の支出をする上で,財務会計職員が遵守すべき規範であるから,財務会計法規に該当する。 したがって,原告らの予備的請求は,その監査を遂げるためには,怠っていると主張されている損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権の存否 財務会計職員が遵守すべき規範であるから,財務会計法規に該当する。 したがって,原告らの予備的請求は,その監査を遂げるためには,怠っていると主張されている損害賠償請求権ないし不当利得返還請求権の存否を判断するため,互助連給付金及び教員給付金の支出が給与条例主義という財務会計法規に違反するか否かの判断をしなければならないから,いわゆる不真正怠る事実として,監査請求期間の制限が及ぶものというべきである。 (4)原告ら(99号,100号)は,給与条例主義が人事管理の根本基準であって,財務会計法規ではないと主張するが,人事管理の根本基準であることと,財務会計法規であること(給与という公金の支出を行うに当たって遵守すべき規範)とは矛盾しないから,原告ら(99号,100号)の上記主- 22 -張は理由がない。 原告ら(99号,100号)は,互助連給付金及び教員給付金の根拠たる職員互助組合条例52条(平成17年大阪市条例第27号による改正前のもの)は,その役割を終えており,4互助組合はこれに基づいて何らの請求権も取得し得ないから,互助連給付金及び教員給付金はまさに法律上の原因がないものであり,このような判断を行うには,財務会計行為上の違法を論ずる必要がないと主張する。しかし,仮にそうだとすると,今度は,互助連給付金及び教員給付金の支出が,法令に従って支出負担行為をすべき義務(地方自治法232条の3,支出に当たり,これが法令に適合していることを)確認すべき義務(同法232条の4第2項)に反したものか否かが問題となり,監査を遂げるためには,支出負担行為等を担当した財務会計職員が,上記各条項(財務会計法規)に従って支出を行ったか否かについての判断をしなければならないこととなる。したがって,原告ら(99号,100号)の上記主張は,理由がない。 原告ら 担当した財務会計職員が,上記各条項(財務会計法規)に従って支出を行ったか否かについての判断をしなければならないこととなる。したがって,原告ら(99号,100号)の上記主張は,理由がない。 原告ら(99号,100号)は,給与条例主義に反した財務会計行為があったとしても,その是正はあくまで地方公共団体内部の処理だけで終了するものであり,法的安定性を図る必要がないこと,給与条例主義の重要性にかんがみれば,法的安定性よりもその遵守が求められることを主張するが,地方自治法242条2項は,本文において,当該行為に係る監査請求については,その是正の影響が地方公共団体の内部に止まるか否か,違反が重大であるか否かで区別を設けずに期間制限を及ぼす一方,ただし書において,監査請求期間を経過しても,これについて正当な理由があれば監査の対象となる旨を規定しているのであって,立法論としてはともかく,現行法の解釈とし,(,),ては無理があるし原告ら99号100号の主張するような不都合は,(,ただし書の適用によって解消されることが期待できるから原告ら99号100号)の上記主張は理由がない。 - 23 -(5)以上のとおり,原告らの4互助組合及び連合会に係る予備的請求に係る監査請求並びにA及びBに係る請求に係る監査請求は,いわゆる不真正怠る事実に係るものとして,監査請求期間の制限が及ぶものというべきである。 99号,100号に係る監査請求の適法性(本案前の争点3)について(1)前記のとおり,原告ら(99号,100号)が,4互助組合に係る予備的請求,A及びBに係る請求において問題としている互助連給付金及び教員給付金の支出が最後にされたのは平成11年度であるから,99号,100号に係る監査請求は,監査請求期間を経過した後にされたものである 請求,A及びBに係る請求において問題としている互助連給付金及び教員給付金の支出が最後にされたのは平成11年度であるから,99号,100号に係る監査請求は,監査請求期間を経過した後にされたものである。 (2)乙第229号証の1及び2,230号証によれば,互助連給付金及び教,,員給付金が支出された事実は平成16年12月19日の全国紙で報道され(,),原告99号100号Tがこれにコメントを寄せたことが認められるが99号,100号に係る監査請求がされたのは,それから約3か月が経過した後である。 (3)普通地方公共団体の住民が,相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に財務会計行為上の行為の存在又は内容を知ることができなかった場合,監査請求期間経過の正当理由の有無は,特段の事情がない限り,当該普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査すれば客観的にみて上記の程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断されるべきである(最高裁平成14年9月12日第一小法廷判決・民集56巻7号1481頁。 )上記のとおり,互助連給付金及び教員給付金の支出については,平成16年12月19日に全国紙で報道されたことが認められるから,遅くとも同日には,大阪市の住民が,監査請求をすることができる程度に財務会計行為の存在及び内容を知ったものといえるが,同日から約3か月が経過した後にされた監査請求は,財務会計行為の存在及び内容を知ってから相当な期間内に- 24 -したものとはいえない。 したがって,原告ら(99号,100号)がした監査請求(4互助組合に係る予備的請求,A及びBに係る請求に係るもの)は,監査期間を経過した後にしたものであり,しか - 24 -したものとはいえない。 したがって,原告ら(99号,100号)がした監査請求(4互助組合に係る予備的請求,A及びBに係る請求に係るもの)は,監査期間を経過した後にしたものであり,しかもそのことについての正当な理由があるとは認められないから,不適法である。 215号に係る監査請求の適法性(本案前の争点4)について(1)前記のとおり,参加人らが問題としている互助連給付金及び教員給付金の支出が最後にされたのは平成11年度であるから,平成17年9月29日にされた215号に係る監査請求は,監査請求期間を経過した後にされたものである。 (2)ここで,前記認定のとおり,互助連給付金及び教員給付金が支出された事実は,平成16年12月19日の全国紙で報道されたことが認められるから,215号に係る監査請求は,それから約9か月余りが経過した後にされたことになる。 確かに,上記新聞報道において,互助連給付金及び教員給付金の支出に,本件連合会理事らや市労連が関与していることまでは触れられていない。しかし,監査請求は,普通地方公共団体の財政の腐敗防止を図り,住民全体の利益を確保する見地から,違法又は不当な財務会計行為又は怠る事実についての是正その他の所要の措置を求める権利を住民に付与した制度であって,特定の者に対する責任追及の機会を保障したものではないから,監査請求においては,違法又は不当な財務会計行為又は怠る事実によって普通地方公共団体がこうむった損害の補填のために,誰に対し,いかなる請求をすることを求めるかを具体的に特定する必要はなく(何が必要な措置かを検討するのは監査委員である(地方自治法242条1項参照,監査を求める財務会)。)計行為又は怠る事実を他から区別できる程度に記載すれば足りる反面,その程度まで当該行為の存在及び内容を な措置かを検討するのは監査委員である(地方自治法242条1項参照,監査を求める財務会)。)計行為又は怠る事実を他から区別できる程度に記載すれば足りる反面,その程度まで当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当- 25 -な期間内に監査請求をした場合に限って,監査請求期間経過について正当な理由があったというべきである。 そして,上記のとおり,互助連給付金及び教員給付金の支出は,既に平成16年12月19日の新聞報道で明らかになっているのであるから,原告らは,遅くとも同日には監査請求をすることができたというべきであり,そうである以上,同日から9か月余りが経過した後にされた,参加人らの監査請求は,監査請求期間を経過したことについて正当な理由がないというべきである。 (3)したがって,215号に係る監査請求は,監査請求期間を経過した後にされたものであり,期間経過について正当な理由があるとはいえないから,不適法である。 結論 以上のとおり,原告ら(99号,100号)の4互助組合及び連合会に係る主位的請求に係る訴えは,提訴期間を遵守しない不適法な訴えというべきであり,同原告らのその余の請求(4互助組合及び連合会に係る予備的請求並びにA及びBに係る請求)に係る訴え及び参加人らの共同訴訟参加の申立てに係る監査請求は,いずれも監査請求期間を経過した後にされたものであって,期間経過について正当な理由があるとは認められないから,適法な監査請求を前置していないものというべきである。 よって,原告ら(99号,100号)の訴え及び参加人らの共同訴訟参加の申立てをいずれも却下することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官廣谷章雄- 26 -裁判官森鍵一裁判官森永亜湖 同訴訟参加の申立てをいずれも却下することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官廣谷章雄- 26 -裁判官森鍵一裁判官森永亜湖
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