主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求被告が,原告に対し,平成13年11月20日付けでした平成9年度の固定資産評価審査決定のうち,別紙不動産目録1ないし6記載の各土地の決定価格(以下「本件固定資産評価額」という。)が別紙評価額目録A欄記載の各価額を超える部分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要本件は,愛知県海部郡大治町長が決定し,課税台帳に登録した固定資産評価額(以下「本件登録価格」という。)が高額にすぎるとして,原告が被告に対して審査の申出をしたところ,被告が,一部認容,一部棄却の審査決定をしたので,原告が,同決定のうち適正価格と主張する金額を超える部分の取消しを求めた事案である。 1 当事者間に争いのない事実等(1) 当事者等原告は,別紙不動産目録1ないし6記載の各土地(以下,個別には「本件1土地」のようにいい,総称して「本件各土地」という。)の所有者である。 本件各土地付近の状況は,別紙図面1のとおりであり,全体が一画地として利用され,南北において道路に面している二方路線地となっている(乙3,4)。 (2) 審査決定に至る経緯ア大治町長は,本件各土地ほかの土地につき,平成9年度の本件登録価格を決定し(その評価額は別紙評価額目録B欄記載のとおり。),固定資産課税台帳に登録した。 イ原告は,平成9年4月11日,本件登録価格が高額にすぎるとして,被告に対して審査の申出をした。 ウ被告は,平成13年11月20日付けで,一部認容,一部棄却の審査決定(本件固定資産評価額は別紙評価額目録C欄記載のとおり。以下「本件決定」という。)をした。 (3) 固定資産税に係る土地の評価に関する法の規制等ア課税標準について土地に対する固定資産税課税の基準年度 件固定資産評価額は別紙評価額目録C欄記載のとおり。以下「本件決定」という。)をした。 (3) 固定資産税に係る土地の評価に関する法の規制等ア課税標準について土地に対する固定資産税課税の基準年度(本件では平成9年度)の課税標準は,当該土地の基準年度に係る賦課期日(当該年度の初日が属する年の1月1日をいう。 地方税法(以下「法」という。)359条)における価格,すなわち「適正な時価」であって,土地課税台帳等に登録されたものである(法349条1項)。 イ固定資産評価の方法等の概要固定資産の評価については,自治大臣(現在は総務大臣)が評価の基準並びに評価の実施方法及び手続を定め,告示しなければならないものとされ(法388条1項),これを受けて固定資産評価基準(昭和38年12月25日自治省告示第158号。以下「評価基準」という。乙2)が告示されている。そして,市町村長は,評価基準によって評価額を決定して登録しなければならず(法403条1項),評価額の決定が評価基準によって行われていないと認められるときには,道府県知事は評価額を修正して登録するよう勧告するものとされ,自治大臣は道府県知事に対して同勧告をするよう指示するものとされている(法419条1項,422条の2第1項)。 ウ評価基準の定める宅地評価方法の概要(乙2)地目の現況が宅地である場合の土地の評価は,市街地的形態を形成する宅地については「市街地宅地評価法」によって,市街地的形態を形成するに至らない地域における宅地については「その他の宅地評価法」によって行う。前者の評価法は,いわゆる路線価方式であるが,その場合の宅地の評価手続の概要は次のとおりである。 (ア) 用途地区区分と標準宅地の選定宅地をその利用状況に応じて商業地区,住宅地区,工業地区,観光地区等の用途地区に区分し,各地区を更 式であるが,その場合の宅地の評価手続の概要は次のとおりである。 (ア) 用途地区区分と標準宅地の選定宅地をその利用状況に応じて商業地区,住宅地区,工業地区,観光地区等の用途地区に区分し,各地区を更に街路の状況,公共施設等の接近の状況,家屋の疎密度その他の宅地の利用上の便等からみて相当に相違する地域ごとに区分し,当該地域の主要な街路に沿接する宅地のうち,奥行,間口,形状等の状況(画地条件)が当該地域において標準的なものと認められるものを標準宅地として選定する。 (イ) 路線価の付設路線価は,主要な街路とその他の街路に分けて付設する。標準宅地に沿接する主要な街路に付設する路線価は,当該標準宅地の単位地積当たりの適正な時価(売買実例価額から不正常な条件を修正した上,当該売買宅地と標準宅地の位置,利用上の便等の相違を考慮して評定したもの)を求めて付設する。その他の街路については,近傍の主要な街路の路線価を基礎とし,主要な街路に沿接する標準宅地とその他の街路に沿接する宅地との間における宅地利用上の便等の相違等を総合的に考慮して付設する。 (ウ) 各筆の宅地の評点数の付設各筆の宅地の評点数の付設は,その沿接する街路に付設された路線価を基礎とし,各筆について評価の対象とすべき画地を認定し,奥行のある土地,正面と側面あるいは裏面等に路線がある土地,三角地又は不整形地,無道路地若しくは袋地等の状況に従って所定の補正を加える方式(画地計算法)を適用して評点数を算出し,その評点数に1点当たりの価額(本件では1円)を乗じて評価額を算出する。 なお,市町村長は,宅地の状況に応じ,必要があるときは,評価基準別表第3「画地計算法」の附表等について所要の補正をして適用するものとされている。 エ大治町における路線条件比準表(乙7)主要な街路の路線価を基準として,各街路 況に応じ,必要があるときは,評価基準別表第3「画地計算法」の附表等について所要の補正をして適用するものとされている。 エ大治町における路線条件比準表(乙7)主要な街路の路線価を基準として,各街路の路線価を算出するために用いられる路線条件比準表(調整のための評点が記載されている。以下「比準表」という。)のうち,道路幅員の差異によるものは別表1ないし3,自動車通行困難性の差異によるもの(幅員狭小,行止り状道路,進入困難,その他の各要因に分類されている。)は同4ないし7記載のとおりである。 (4) 本件固定資産評価額決定の経緯及び内容(乙1)ア本件各土地の評価区分本件各土地は,「主として市街地的形態を形成する地域における宅地」であり,用途地区としては「普通住宅地区」に区分されている。 イ標準宅地の選定(乙3)普通住宅地区のうち,街路の状況,公共施設等の接近の状況,家屋の疎密度その他宅地の利用上の便等からみて相当に相違する地域ごとに区分し,当該地域の主要な街路(S748)に沿接する宅地のうち,奥行,間口,形状等の状況が当該地域において標準的なものと認められる大治町大字a字bc番の宅地を標準宅地として選定した(以下「本件標準宅地」という。)。 ウ本件標準宅地の評価(乙5)売買実例価額を基に正常売買価格を求め,売買対象地と本件標準宅地との地域要因の比較を行って,本件標準宅地の比準価格を1平方メートル当たり11万6000円と評価した。さらに,他の評価方法による試算価格をも勘案し,公示価格も参考にした上で,本件標準宅地の単位地積当たりの時価を11万円と評定した。 したがって,これに沿接する街路(路線番号S748)の路線価を11万点と評価した。 エ路線価の付設ウの評価額を基に,街路の状況等の相違を考慮し,以下のとおり,南側の街路(S714) と評定した。 したがって,これに沿接する街路(路線番号S748)の路線価を11万点と評価した。 エ路線価の付設ウの評価額を基に,街路の状況等の相違を考慮し,以下のとおり,南側の街路(S714)の路線価を1平方メートル当たり11万5000点,北側の街路(S717)のそれを10万8000点と評価した。 すなわち,大治町では,比準表により,都市計画法上の開発許可基準による基準道路幅員6メートルを基準とし,幅員区分によってプラス,マイナスの評点を付しているところ,本件標準宅地に沿接するS748の幅員は2メートルでマイナス17.4ポイントであるのに対し,S714の幅員は3.1メートルでマイナス13.2ポイントであることから,その差4.2ポイントについてプラスの補正を行うと,その評点数は11万5000点(上から4桁目を四捨五入)となる。 S717については,実地調査の結果,自動車通行困難と判断されたので,比準表に基づき,マイナス2ポイントの10万8000点(上から4桁目を四捨五入)をもって評点数とした。 最後に,上記評点数に対して7割の補正を行い,S714の路線価を8万0500点(下2桁切捨て),S717のそれを7万5600点にそれぞれ付設した。 オ時点修正(乙10,11)評価基準は,平成9年度の宅地の評価において,市町村長が平成8年1月1日から同年7月1日までの間に標準宅地の価格が下落したと認める場合には,評価額に修正を加えることができる旨定めているところ,大治町長は,上記下落の事実を認めたため,いくつかの標準宅地について同年7月1日時点の評価を行った上,最も大きかった下落率である0.979を評価額に乗ずる時点修正を行った。 その結果,S714の路線価は7万8800点(下2桁切捨て),S717のそれは7万4000点(下2桁切捨て)となった。 カ 上,最も大きかった下落率である0.979を評価額に乗ずる時点修正を行った。 その結果,S714の路線価は7万8800点(下2桁切捨て),S717のそれは7万4000点(下2桁切捨て)となった。 カ画地計算本件各土地は,全体として一画地として利用され,南北両面において道路に接する二方路線地と認められるところ,路線価の大きいS714が正面路線となり,S717が裏路線となる。これを前提として,以下のとおり,画地計算法を適用すると,本件各土地の単位地積当たりの評価額は,7万7768円となる。 まず,正面路線価7万8800点に奥行価格補正率0.98を乗ずると7万7224点となる。他方,裏路線価の7万4000点に奥行価格補正率0.96を乗じ,更に二方路線影響加算率0.03を乗ずると2131.2点となる。上記の各路線価を合算した価格に不整形地補正率0.98を乗じ,更に1点当たり単価1円を乗ずると,7万7768円となる。 キ本件固定資産評価額の決定カの単位地積当たりの評価額に地積を乗じた本件固定資産評価額は,別紙評価額目録C欄記載のとおりとなる。 2 本件の争点及びこれについての当事者の主張(1) 評価基準に基づく課税は,憲法84条の定める租税法律主義に反するか。 (原告の主張)租税法律主義の要請からは,法律により一定の定めがなされているとしても,課税要件を白紙委任することは許されない。したがって,重要な課税要件を評価基準によって規定することは,委任の範囲を超えるというべきである。土地の評価額を公示価格の7割とする評価方法は,重要な課税要件である課税率に準ずるものとして,法律によって定められなければならない。 仮に,評価基準に委任することができるとしても,その内容は法律の趣旨に反してはならないところ,公示価格制度は,固定資産税の課税のためのもので 準ずるものとして,法律によって定められなければならない。 仮に,評価基準に委任することができるとしても,その内容は法律の趣旨に反してはならないところ,公示価格制度は,固定資産税の課税のためのものではないから,制度趣旨が異なる同価格を漫然と流用するのは法律の趣旨に反する。 (被告の主張)租税の賦課対象は,極めて多種多様かつ変遷の激しいものであり,これに対応する定めを法律の形式で完全に整えておくのは困難である。したがって,現実に公平な課税を実現するためにも,その具体的な定めを命令に委任し,事情の変遷に伴って機動的に改廃していく必要があるので,課税上の基本的な重要事項を法律の形式で定め,具体的,細目的な事項を命令の定めるところに委ねることは,憲法上も許されている(73条6号)。 ところで,評価基準は,法388条において自治大臣が定めるべきものと規定されており,法律の委任に基づく命令であることが明らかである。そして,固定資産税の課税要件の内容の一つである課税標準については,法349条1項,341条5号により,基準年度に係る賦課期日における適正な時価である旨を定めており,評価基準は,単にその具体的,細目的,技術的な算定基準を自治大臣の告示に委ねたにすぎないから,法律に基づく適法な委任というべきである。 (2) 評価基準の採用する評価方法は,固定資産税算出の前提として適切か。 (原告の主張)評価基準は,取引事例法に重点を置いた評価方法を採用しているが,固定資産税は,不動産を保有,利用していることに着目して課税するものであり,譲渡利益に着目した制度ではないから,収益還元法による評価方法を採用すべきである。 (被告の主張)固定資産税は,かっての地租のように賃貸価格を課税標準とした収益税ではなく,土地等の資産価値に着目して課せられる財産税として位置付け から,収益還元法による評価方法を採用すべきである。 (被告の主張)固定資産税は,かっての地租のように賃貸価格を課税標準とした収益税ではなく,土地等の資産価値に着目して課せられる財産税として位置付けられることに照らすと,正常な売買実例価額を基礎として評価を行うことは不合理ではない。 (3) 評価時点と基準時の不一致は,法359条に違反するか。 (原告の主張)本件は,平成9年度を基準年度とする評価額を問題とするものであり,基準日である平成9年1月1日時点の時価を算定すべきところ,本件決定は,平成8年7月1日現在の評価を採用しているから,法359条に違反する。 (被告の主張)本件では,賦課期日である平成9年1月1日時点における客観的時価をもって適正な評価額とすべきである。しかしながら,大量に存在する課税対象の適正な時価を算定するために要する事務量を考慮すると,賦課期日から一定の期間(評価作業に要する合理的な期間)をさかのぼった過去の時点を価格調査の基準日とし,この時点の価格を資料として賦課期日における価格を算定することは法が許容するところである。したがって,価格調査の基準日を平成8年1月1日とした上で,同年7月1日までの間における価格が下落したと認める場合には修正を加えることができるとした平成9年度の評価基準に基づいて評価額を算出した手続は違法ではない。 (4) 本件固定資産評価額の当否(原告の主張)アセットバックの存在建築基準法上,幅員4メートル未満の公道に接する土地に建物を建築する場合,道路中心線から2メートル後退しなければならないこととされており,このような土地利用上の制限が存在する場合,不動産鑑定評価基準は,不動産の価格を形成する行政的要因等として時価算定につき斟酌すべきものとしている。しかるところ,本件各土地の南側道路(S71 ており,このような土地利用上の制限が存在する場合,不動産鑑定評価基準は,不動産の価格を形成する行政的要因等として時価算定につき斟酌すべきものとしている。しかるところ,本件各土地の南側道路(S714,713)及び北側道路(S717)のいずれもが幅員4メートル未満のため,固定資産評価上,影響を受けるというべきである。 しかるに,本件決定は,4メートル未満の道路に対して道路幅員の補正がなされ,付設された路線価に反映されていることを理由に,減価の必要性を否定しているが,比準表における道路幅員は,路線の個性の一要素にすぎず,行政的見地からの規制を反映したものではない(仮にこれを反映したものであるならば,比準表の幅員4メートル前後でポイントに合理的な差異が設けられているはずであるが,そのような事実は存しない。また,比準表の各ランクの幅及びこれに対応するマイナスポイントは,何らの規則性が認められず,その算出根拠について何らの説明もない。)から不当である。 イ二方路線影響加算における正面路線の選定本件各土地は,評価基準上の一画地として認定され,二方路線影響加算法が適用されているところ,その正面路線として南側道路のS714が用いられているが,より低額の路線価を有するS713を正面路線とすべきである。 そうでないとしても,路線価の低い道路に接している以上,当該土地の減価要因になるから,評価上はこれを考慮すべきである。 ウ自動車の通行困難性(ア) 路線価の付設上,行止り状の道路はマイナス10ポイントとされ,行先の道路が行止り状の場合はマイナス5ポイントとされている。この行止り状の道路は,小型自動車が通行できるか否かによって判断されるべきであり,壁によって行止り状になっていることを要するものではない。ところで,本件各土地の南側道路であるS713は,S30 る。この行止り状の道路は,小型自動車が通行できるか否かによって判断されるべきであり,壁によって行止り状になっていることを要するものではない。ところで,本件各土地の南側道路であるS713は,S305の行先であるところ,S305はS306に続く一本の道で途中交差する道路はなく,かつ途中で90度に曲がり,幅員も狭いことから小型自動車が通行することができない。なお,S713は,S715と交差しているが,狭くて角切りがないため,どちらからも小型自動車は進入できない。したがって,S713はマイナス5ポイントの評価を受けるべきであるにもかかわらず,本件決定では,これがされていない。 また,本件各土地の北側道路であるS717は,S716の行先であるところ,S716はS715に続く一本の道で途中交差する道路はなく,かつ途中で90度に曲がり,幅員も狭いことから小型自動車が通行することができない。なお,S717は,S718と交差しているが,狭くて角切りがないため,どちらからも小型自動車は進入できない。したがって,S717はマイナス5ポイントの評価を受けるべきであるにもかかわらず,本件決定では,これがされていない。 本件各土地の南側道路であるS714は,S712と交差しているが,S712は極めて狭く,どちらからも小型自動車は進入できない。したがって,S714もマイナス5ポイントの評価を受けるべきであるにもかかわらず,本件決定では,これがされていない。 (イ) 通行困難の意味について,路線現場調査実施要領(乙8)では「自動車の通行が不可能,又は通行するためには何度も切り返しが必要」な状況とされているが,両者には有意の違いがあるから,ポイント数に差が設けられてしかるべきである。 ところで,本件各土地の南側道路であるS714は,S724から右折して進入するこ り返しが必要」な状況とされているが,両者には有意の違いがあるから,ポイント数に差が設けられてしかるべきである。 ところで,本件各土地の南側道路であるS714は,S724から右折して進入することが困難である。したがって,S714は少なくともマイナス2ポイントの評価を受けるべきであるにもかかわらず,本件決定では,これがされていない。 また,進入困難という場合の行先は,進入方向から見て当該道路の次の道路を指すから,進入困難な道路の次に当たる道路も進入困難の影響を受けるというべきところ,S717の行先であるS716,S714の行先であるS713のいずれも進入困難として評価されるべきである。 エ本件各土地の適正な時価原告は,本件2土地を1平方メートル当たり6万0500円の代金にて購入しているから,本件各土地の適正な時価は同6万円を上回るものではない。本件固定資産評価額が不当に高額に過ぎることは,原告の所有に係る他の土地の住居地域としての立地条件が本件各土地のそれと比べて明らかに良好であるにもかかわらず,1平方メートル当たりの評点数(大字a字de番fが7万1900点,字gh番が7万5300点)が本件各土地のそれ(7万8800点,7万7768点)を下回っていることも明らかである。ちなみに,本件標準宅地付近は,かつては大治町の中心的街路であったが,現在では,dやg付近の方が利用価値が高いので,評価も高くて然るべきである。 (被告の主張)アセットバックは,その適用を受けた場合,道路面ぎりぎりに建築することが規制され,また,建ぺい率や容積率の計算上,当該部分の地積を算入できないという不利益を被るが,将来道路敷になるまでは,所有者が専用する土地であることは変わりないから,完全に無価値にするような規制ではない。 また,通常,セットバックは,奥行数十セ 部分の地積を算入できないという不利益を被るが,将来道路敷になるまでは,所有者が専用する土地であることは変わりないから,完全に無価値にするような規制ではない。 また,通常,セットバックは,奥行数十センチ程度のもので,土地全体からみればそれほど大きな影響を与えるものではない。本件各土地についても,総地積782.58平方メートルに対し,南側セットバックは奥行30ないし45センチの約10.7平方メートル(約1.4パーセント)であり,北側のそれは奥行約80センチの約17.4平方メートル(約2.2パーセント)であり,合算しても約28平方メートルにすぎない。 したがって,セットバックが適用されることによる土地価格への影響は微々たるものであるところ,大治町においては,比準表によって幅員3.1メートルの場合は同4メートルの場合に比して5.6ポイントの,同2.4メートルの場合は9.8ポイントのマイナス評価をすることになっているから,これらの補正によって十分に斟酌されているというべきである。 なお,比準表の道路幅員と減価ポイントをグラフにすると,別紙図面2のとおりとなり,規則性を有していることが明らかである。 イ正面路線とは,基本的に当該画地が接する最も高い路線価を有する道路を指すから,路線価の低額なS713の道路を正面路線とすべき旨の原告の主張は誤りである。もっとも,本件各土地に主として接する道路がS713であれば,別の考慮も一考に値するが,本件においては,S714との接道部分が長いのであるから,例外には当たらない。 ウ 「行止り状」の道路とは,文字どおり道路が存在しなくなることであり,その行止り地点を含む路線がこれに該当する。他方,道路幅員が狭く,小型自動車が通行できない道路は,「自動車通行困難」に該当する。したがって,S713,S714,S717の各 在しなくなることであり,その行止り地点を含む路線がこれに該当する。他方,道路幅員が狭く,小型自動車が通行できない道路は,「自動車通行困難」に該当する。したがって,S713,S714,S717の各道路が行止り状態にあることを前提とする原告の主張は誤りである。 また,S714は,S723,S724の道路から何ら支障なく進入できるから,進入困難には該当しない。 エ土地の売買価格は,当事者間の主観的事情や権利の付着等の事情によって大いに変動するものであり,特殊要因の有無の検証なくして直ちに適正な時価とはいえないところ,原告が本件2土地を購入するに際しては,原告が同土地に対して借地権を有していたという減価要因が考慮されたことが明白であるから,適正な時価を大きく下回る代金で売買されたのは当然である。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(租税法律主義違反の有無)について租税は,国家がその課税権に基づき,その経費に充てるための資金を調達する目的で,一定の要件に該当するすべての者に課するものであって,民主主義国家にあっては,国家の維持及び活動に必要な経費は,主権者たる国民が共同の費用として代表者を通じて定めるところにより自ら負担すべきものである。他方,租税の賦課徴収は,国民の財産権に直接影響を与えるものであるから,その手続に関する事項は法律で規定されなければならない。憲法も,かかる見地から,国民の総意を反映した租税立法に基づいて納税の義務を負うことを定め(30条),新たに租税を課し,又は現行の租税を変更するには,法律又は法律の定める条件によることを必要としている(84条)。それゆえ,基本的な課税要件(納税義務者,課税物件,課税物件の帰属,課税標準及び税率)及び租税の賦課徴収の手続は法律によって規定されなければならない。 しかしながら,租税法が対象 ている(84条)。それゆえ,基本的な課税要件(納税義務者,課税物件,課税物件の帰属,課税標準及び税率)及び租税の賦課徴収の手続は法律によって規定されなければならない。 しかしながら,租税法が対象とする経済事象は極めて多種多様であり,しかも激しく変遷することがあるため,法律の形式をもって課税要件を完全に定めることは困難であり,課税の公平を実現するためには,その具体的な定めを命令に委任し,事象の変遷に伴って機動的に対応していく必要があることは否定できない。そして,憲法84条が「法律の定める条件による」と規定していることに照らせば,前記の基本的事項については法律の形式によって定められるべきであるが,その具体的,細目的事項を命令に委ねることを憲法自体が予定していると解される(その反面,上記の租税法律主義の趣旨に照らせば,命令への委任は,法律自体から委任の目的,内容,程度等が明らかにされていることを必要とし,概括的・白紙的委任は許されないというべきである。)ところ,法388条1項は,自治大臣に委任する内容を「固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続」と個別具体的に規定し,これを受けた評価基準は,その基準並びに実施方法及び手続を,土地,家屋及び償却資産に分けて,細目的,技術的見地から詳細に規定しているものであることはその内容から明らかであるから,法388条1項の委任の範囲内にあると解される。 この点につき,原告は,評価額を公示価格の7割とする評価方法は,重要な課税要件である課税率に準ずるものとして法律によって定められるべきであり,また制度趣旨の異なる公示価格を固定資産の評価に流用することは法の趣旨に反すると主張するところ,平成4年1月22日自治固第3号自治事務次官通達は,宅地の評価に当たっては,地価公示法による地価公示価格,国土利用計 の異なる公示価格を固定資産の評価に流用することは法の趣旨に反すると主張するところ,平成4年1月22日自治固第3号自治事務次官通達は,宅地の評価に当たっては,地価公示法による地価公示価格,国土利用計画法施行令による都道府県地価調査価格及び不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による鑑定価格から求められた価格を活用することとし,これらの価格の一定割合(当分の間この割合を7割程度とする。)を目処とする旨を指示し,これを受けた平成4年5月22日自治評第6号自治省税務局長通達は,地価公示価格の7割程度を目標に宅地の評価を行うべき旨指示していることは当裁判所に顕著である。 しかしながら,上記事務次官通達等は,「固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続」(法388条1項)について定めた評価基準についての通達(昭和38年12月25日自治乙固発第30号)の一部を改正するものであって,いわゆるバブル経済の影響による評価額の異常な上昇という事態を踏まえ,地価公示や相続税評価などの公的土地評価については相互の均衡と適正化を図るという観点から,地価公示価格に対する収益価格の割合,地価安定期における評価額の地価公示価格に対する割合等に関する調査報告を踏まえて,納税者の税負担に急激な変化が生じないような適正な調整措置として発出されたものである。その内容は,具体的,細目的な固定資産評価の基準並びに評価の実施方法及び手続について,経済事象の変遷に機動的に対応したものというべきであり,基本的課税要件である課税率とは直接関係がないので法律事項とはいえず,かつ公示価格をそのまま流用するものでもないから,法の趣旨に反するものとは解されない。したがって,原告の上記主張は採用できない。 2 争点(2)(評価基準の評価方法の適否)について原告は,評価基準は取引事例比較法に重点を 流用するものでもないから,法の趣旨に反するものとは解されない。したがって,原告の上記主張は採用できない。 2 争点(2)(評価基準の評価方法の適否)について原告は,評価基準は取引事例比較法に重点を置いた評価方法を採用しているが,収益還元法によるべきである旨主張するところ,証拠(乙5)によれば,本件標準宅地の評価額1平方メートル当たり11万円は,取引事例比較法によって求めた同11万6000円と収益還元法によって求めた同7万7000円のうち,前者を重視して算出されたことが認められる。 しかしながら,固定資産税の課税標準及びその基礎となる登録価格の評価方法をどのようなものとするかは立法政策の問題であって(なお,評価基準は告示の形式をとっているが,補充立法の性格を有する委任立法であって,法的拘束力を有している。),基本的に立法府の裁量に委ねられているから,それが著しく不合理であると認められない限り,違憲の問題は生じないというべきところ,現行の固定資産税は,固定資産の価格を課税標準として課される(法349条,349条の2,341条5号)ことに照らすと,土地等の資産価値に着目して課される物税(財産税)の性質を有していると解すべきであり(最高裁昭和47年1月25日第三小法廷判決・民集26巻1号1頁参照),したがって,資産価値は交換価値をもって計るのが相当であるから,評価基準が売買実例価額(ただし,非正常要素を除いたもの。)を評価の基礎としていることは,むしろ法の趣旨に合致するものというべきであり,原告の上記主張も採用できない。 3 争点(3)(評価時点の適否)について原告は,固定資産の価格調査基準日と評価基準日との間にずれがあることから,法359条に違反する旨主張するところ,法349条1項は,基準年度に係る賦課期日に所在する土地に対して課する基準 否)について原告は,固定資産の価格調査基準日と評価基準日との間にずれがあることから,法359条に違反する旨主張するところ,法349条1項は,基準年度に係る賦課期日に所在する土地に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準は,当該土地の基準年度に係る賦課期日における価格で土地課税台帳又は土地補充台帳に登録されたものとすると規定し,法341条5号は,固定資産税に関する「価格」とは,適正な時価をいうと規定していることからすると,法が予定している登録価格は,基準年度に係る賦課期日(本件の場合は,平成9年1月1日)における適正な時価であると解するのが相当である。 もっとも,法は,市町村長に対し,固定資産の価格等を毎年2月末日までに決定しなければならない(法410条)としているから,基準年度の初め(1月1日)に至って当該基準年度に係る賦課期日の土地の価格の鑑定を行い,適正な時価を算定してそれを土地課税台帳等に登録しなければならないとするならば,わずか2か月間に,標準宅地等の鑑定評価を行い,これに基づいて当該基準宅地に沿接する主要な街路等に路線価を付設し,画地計算法を適用して各筆の評点数を算出するなど,膨大な量の土地の価格を決定しなければならず,それが実務的に不可能を強いることになるのは明らかである。したがって,法は,賦課期日から評価事務に要する相当な期間をさかのぼった時点を,価格調査基準日とし,同基準日において調査された当該土地の価格を一つの資料にして賦課期日における価格を算定することまで禁止するものではないと解すべきである。 ただし,この場合においても,法はあくまで賦課期日における適正な時価をもって課税標準とすることを求めているのであるから,価格調査基準日の調査価格をそのまま賦課期日における適正な時価とすることはできず,同調査価格を基礎とし, も,法はあくまで賦課期日における適正な時価をもって課税標準とすることを求めているのであるから,価格調査基準日の調査価格をそのまま賦課期日における適正な時価とすることはできず,同調査価格を基礎とし,賦課期日までの地価の動向等諸般の事情を総合して将来の地価の下落率等を予測し,基準年度に係る賦課期日における適正な時価を算定しなければならず,評価時点と賦課期日との間に地価の下落傾向が認められる場合には,その間の地価の下落率を予測して登録価格を算定すべきである。もっとも,将来の地価の下落率等を正確に予測することは困難であるから,客観的時価を超えるという事態を避けるため,あらかじめ減額した価格をもって標準宅地の適正な時価と扱うことは,課税処分の謙抑性の見地から許容されるものというべきである。この観点からすれば,評価基準等を適用するに際し,公示価格の7割を基準とすることを指示した前記事務次官通達は,評価基準等に内在する評価誤差の是正方法として合理性を有するというべきである。したがって,同通達に基づく修正を経た登録価格が,賦課期日における客観的時価を超えていない限り,違法ではないと解すべきところ,平成9年度の価格調査基準日から賦課期日までの間に本件各土地の客観的時価が上記基準以上の下落を示したとの事実を認めるに足りる証拠はないから,このような評価手続が法359条に違反する旨の原告の主張は採用できない。 4 争点(4)(本件固定資産評価額の当否)について(1) セットバックの存在について建築基準法上,道路とは,原則として幅員4メートル以上のものをいう(同法42条1項)。もっとも,それに満たないものでも一定の要件を満たせば道路とみなされ得るが,この場合には,中心線から水平距離2メートルの線をもって道路の境界線とみなされる(同条2項)結果,その範囲内の 条1項)。もっとも,それに満たないものでも一定の要件を満たせば道路とみなされ得るが,この場合には,中心線から水平距離2メートルの線をもって道路の境界線とみなされる(同条2項)結果,その範囲内の土地に建築物等を建築することは許されない(同法44条1項)し,容積率(同法52条)や建ぺい率(同法53条)の計算上も,当該部分は算定の基礎とされないという規制,いわゆるセットバックの規制を受けることになる。 ところで,証拠(甲1,乙3,4)によれば,本件3土地が北側道路(S717)に,それ以外の本件各土地が南側道路(S713,S714)にそれぞれ接していること,北側道路の平均幅員は2.4メートル,南側道路(S714。なお,S713は,次項で述べるとおり,正面路線とはいえず,本件各土地の評価額算定の基礎とならないので,ここでは取り上げない。)のそれが3.1メートルであること,以上の事実が認められ,これによれば,本件各土地は,北側道路に接する部分で奥行平均80センチの,南側道路のそれで平均45センチのセットバックが存在することが明らかである(被告も,北側において奥行約80センチ,南側において約30ないし45センチのセットバックが存在することを前提とする主張をしている。)。 しかしながら,前記第2の1(3)エの事実に証拠(甲1,乙1,6,7)を総合すれば,被告が,道路幅員を基準とする比準表に従い,主要な街路(本件標準宅地に沿接するS748)との比較を行い,その評点数を基にして格差を調整する作業を行ったこと,具体的には,S748の幅員は2メートルであって,比準表の評点はマイナス17.4ポイントであるのに対し,S717の評点はマイナス17.4ポイント,S714のそれはマイナス13.2ポイントであることから,S717については調整のための評点の加減は行わ 表の評点はマイナス17.4ポイントであるのに対し,S717の評点はマイナス17.4ポイント,S714のそれはマイナス13.2ポイントであることから,S717については調整のための評点の加減は行われず,S714についてはその差である4. 2ポイントを加えていること,以上の事実が認められ,これによれば,道路幅員の要素は,本件固定資産評価額の算定に当たって斟酌されているというべきである。 この点について,原告は,比準表の道路幅員は,路線の個性の一要素にすぎず,行政的見地からの規制を反映したものではないし,同表の各ランクに対応するポイントには規則性がない旨主張する。 しかしながら,前記のとおり,本件各土地に沿接する街路の路線価は,本件標準宅地に沿接する主要な街路との比較調整を行って算出されているところ,本件標準宅地に沿接する主要な街路の幅員は2メートルにすぎないというのであるから,これとの比較調整を行う以上,当然に行政的見地からの規制も斟酌されているというべきである(前記のとおり,本件標準宅地の評価は,売買実例価額を基礎とし,街路幅員2メートルであることを条件として算定されているから,かかる規制の存在も考慮されたものと考えられる。乙5)。また,比準表における道路幅員とこれに対応する評点数との関係は,別紙図面2のとおり,おおむね規則的な関係にあることが看取され(同図面によれば,道路幅員が6.5メートルを超えると評点の増加が緩やかになり,逆に2.5メートル未満となると評点の減少が急激となっているが,宅地としては,ある程度の道路幅員を超えるとそれ以上の幅員の増加によって土地の価格を上げる効果は小さくなり,逆に,2.5メートル未満については車両の通行困難となり始めると共に,接道規制との関係で建築規制が強化されるなどに照らすと,その規則性は十分に首肯で 増加によって土地の価格を上げる効果は小さくなり,逆に,2.5メートル未満については車両の通行困難となり始めると共に,接道規制との関係で建築規制が強化されるなどに照らすと,その規則性は十分に首肯できる。),格別に不合理なものとはいえない。 (2) 正面路線の選定について前記(第2の1(1))のとおり,本件各土地は,全体が一画地として利用されており,かつ南北においてそれぞれ道路に面している二方路線地となっているところ,評価基準は,このような土地を評価するために,画地計算法のうち二方路線影響加算法を適用すべきことを規定している(乙2)。 すなわち,このような土地は,一般に1つの路線に接する画地よりも利用可能性が高まり,価額が高くなる傾向が認められることから,正面路線の路線価を基準として算出した評点に,裏路線の影響度に応じた評点の加算を行うこととしている。そして,そこでいう正面路線とは,路線価の高い路線を指すとされている。これは,ある土地の客観的時価の形成はその接する路線のうち最も価値の高い路線の影響を受けやすいという経験則に照らすと,合理的と考えられる。 そうすると,本件各土地に沿接する北側道路(S717)と南側道路(S713,S714)のうち,最も路線価の高いS714を正面路線価とし,S717を裏路線として二方路線影響加算法を適用することは不合理とはいえない(乙4によれば,本件各土地は,S713よりもS714により長く接していることが明らかであり,S713とS714はその幅員がそれほど異ならないので,原則どおり,後者を正面路線としたことに誤りは認められない。)ので,原告の上記主張は採用できない。 (3) 自動車通行困難性について比準表によれば,小分類である自動車通行困難には,「行止り状道路」,「進入困難」ほかの具体的表題に応じた評点表が存 られない。)ので,原告の上記主張は採用できない。 (3) 自動車通行困難性について比準表によれば,小分類である自動車通行困難には,「行止り状道路」,「進入困難」ほかの具体的表題に応じた評点表が存在するところ,前者は,当該道路にその要因が存在する場合はマイナス10ポイント,行先道路に存在する場合はマイナス5ポイントの評点が定められているのに対し,後者は,当該道路にその要因が存在する場合はマイナス2ポイント,行先道路に存在する場合はマイナス1ポイントの評点が定められている。このように,前者のマイナス評点が格段に大きいことに照らすと,「行止り状道路」は,文字どおり道路そのものが中途で消滅している状態にある道路と解するのが相当である。しかるところ,証拠(乙3,4)によれば,本件各土地の評価に用いたS714,S717については,当該道路及び行先道路のいずれにおいても,かかる状態にないことが認められるから,S717について進入困難を理由に2ポイントの減価を行ったのみで,10ないし5ポイントの減価をしなかった本件決定が誤りであるとはいえない。 また,S714がS724から右折して進入するのに困難であることを認めるに足りる証拠はない。むしろ,前記のとおり,S714の道路幅員が3.1メートルであることに照らすと,相応の注意と技術を前提とすれば,さして困難を伴うことなく,小型自動車を乗り入れることができると考えられるから,S714について減価をしなかった本件決定が誤りであるとはいえない。 (4) 本件各土地の適正な時価について原告は,本件2土地を1平方メートル当たり6万0500円で購入したことを理由に,本件固定資産評価額が高額にすぎる旨主張する。しかしながら,固定資産評価は,個別的,特殊的要因を捨象した客観的時価を指すところ,証拠(乙12)によれば, 当たり6万0500円で購入したことを理由に,本件固定資産評価額が高額にすぎる旨主張する。しかしながら,固定資産評価は,個別的,特殊的要因を捨象した客観的時価を指すところ,証拠(乙12)によれば,当該売買における代金額は,買主である原告が同土地に対して借地権を有していたことを前提として定められたことが認められ,これに通常の借地権割合を考慮すると,本件固定資産評価額が不合理とはいえない。 また,原告は,本件各土地よりも他の土地(字d,字g)の方が住居地域としての立地条件が良好であるにもかかわらず,本件固定資産評価額が上回っている旨主張する。しかしながら,評価に際して,住居地域としての立地条件だけを取り上げるのは固定資産評価の目的に沿うものではない上,かかる事実を認めるに足りる証拠もないから,原告の上記主張は採用できない。 5 結論以上の次第で,本件決定は適法というべきであり,原告の本訴請求はいずれも理由がないから棄却し,訴訟費用の負担につき行訴法7条,民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官小嶋宏幸(別紙) 不動産目録は添付省略(別紙) 評価額目録は添付省略
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