平成14(行ウ)105 公文書公開決定処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成16年4月15日 大阪地方裁判所 情報公開
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判決文本文25,766 文字)

主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求被告が原告に対し平成14年7月22日付け厚生労働省発医政第0722005号で通知した,柔道整復師に対する行政処分の命令書(平成11年度)中被処分者の本籍以外の部分を開示する旨の決定のうち,原告の住所,氏名及び生年月日に係る部分を取り消す。 第2 事案の概要本件は,柔道整復師で過去に業務停止命令を受けた原告が,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)に基づき柔道整復師に対する行政処分の命令書の被処分者の本籍以外の部分を開示する旨の決定をした被告に対し,上記決定のうち原告の住所,氏名及び生年月日の記載に係る部分の取消しを求める事案である。 1 前提事実(争いのない事実及び証拠(書証番号は特記しない限り枝番を含む。)により容易に認められる事実)(1) 原告は,柔道整復師の資格を取得して整骨院を経営していたが,平成7年11月15日,大阪地方裁判所で柔道整復の業務に関する詐欺罪により懲役3年,執行猶予4年の有罪判決を受け(甲4),平成11年6月9日,平成13年法律第87号による改正前の柔道整復師法(以下「旧柔道整復師法」という。)8条1項,4条3号により,同月21日から平成12年6月20日までの期間,柔道整復業務の停止を命じる行政処分(以下「本件業務停止処分」という。)を受けた(甲2)。原告は,上記業務停止期間経過後の平成14年2月,再度整骨院を開設し業務を行っている(甲6ないし11)。 (2) 厚生労働大臣が,医師,歯科医師,保健師,助産師及び看護師(以下「医師等」という。)に対してした免許取消し又は業務停止の行政処分(医師法7条,歯科医師法7条,保健師助産師看護師法14条)については,報道機関からの要請 ,歯科医師,保健師,助産師及び看護師(以下「医師等」という。)に対してした免許取消し又は業務停止の行政処分(医師法7条,歯科医師法7条,保健師助産師看護師法14条)については,報道機関からの要請があったため,これに応じ,医師及び歯科医師については昭和46年から,保健師,助産師及び看護師(平成14年3月に保健婦,助産婦及び看護婦より改称)については平成12年から,記者への資料の配布の方法により,それぞれ行政処分がされた都度,被処分者の氏名・住所・年齢(生年月日)等が公表されてきた。これに対し,柔道整復師に対する行政処分については,これまで公表されたことはなかった(甲3,乙6,7)。 (3) 平成13年4月2日,被告に対し,法4条1項に基づき,請求する行政文書の名称等を「柔道整復師について過去10年間に処分した内容,量刑,処分の根拠規定が判る資料」とする開示請求(以下「本件開示請求」といい,本件開示請求をした者を「本件請求者」という。)がされた(乙1)。本件開示請求に係る行政文書は,平成6年度,平成11年度及び平成12年度分の柔道整復師に対する行政処分の各命令書(以下「本件各命令書」という。)であり,そのうち原告に係る本件業務停止処分の命令書(以下「本件文書」という。)は,平成11年度分の1通である。本件各命令書には,当該命令書の文書番号・発出年月日,被処分者の本籍・住所・氏名・生年月日,処分の内容・理由等が記載されている(甲2)。 (4) 被告は,本件各命令書について,文書番号・発出年月日及び被処分者の本籍・住所・氏名・生年月日を除く記載部分に限って開示する旨の決定(以下「本件不開示決定」という。)をし,本件請求者に対し,平成13年6月1日付け行政文書開示決定通知書(厚生労働省発医政第409号ないし第411号。乙2)により通知した。これ って開示する旨の決定(以下「本件不開示決定」という。)をし,本件請求者に対し,平成13年6月1日付け行政文書開示決定通知書(厚生労働省発医政第409号ないし第411号。乙2)により通知した。これに対し,本件請求者は,同月19日,被告に対し,本件不開示決定につき異議申立てをした。 (5) 被告は,上記異議申立てについて,法18条に基づき,同年12月21日付けで情報公開審査会に諮問したところ,情報公開審査会は,平成14年3月11日付けで,平成6年度分の本件各命令書についての本件不開示決定をを妥当とし,平成11年度及び平成12年度分の本件各命令書について被処分者の本籍の記載を除き開示すべきである旨の答申(以下「本件答申」という。)をした(甲3)。 (6) 被告は,本件答申を踏まえ,原告に対し,法13条1項に基づき,意見書を提出する機会を与えたところ,原告は,本件文書の開示に反対するとの平成14年4月11日付け意見書を提出した。 (7) 被告は,同年7月22日,上記異議申立てに基づき,平成11年度及び平成12年度分の本件各命令書に係る本件不開示決定を取り消す旨の決定をした上(乙3),開示を実施する日を同年8月5日とし,被処分者の本籍以外の部分をすべて開示する決定(以下「本件決定」という。)をし,本件請求者及び原告に対し,行政文書開示決定通知書(甲1,乙4)により通知した。 (8) 原告は,同月29日,本訴を提起し,本件決定中の原告の住所,氏名及び生年月日の記載(以下「本件記載」という。)に係る部分の取消しを求めるとともに,本件決定中本件記載に係る部分の執行の停止を申し立て(平成14年(行ク)第22号),本案判決確定までその執行を停止する旨の決定がされた。 また,原告は,被告に対し,本件決定について本件記載に係る部分の取消しを求めて異議を申し立て 行の停止を申し立て(平成14年(行ク)第22号),本案判決確定までその執行を停止する旨の決定がされた。 また,原告は,被告に対し,本件決定について本件記載に係る部分の取消しを求めて異議を申し立て,その執行停止を求めた。これに対し,被告は,上記異議申立てに対する決定の日から2週間を経過した日まで,本件決定中本件記載に係る部分の執行を停止するとの決定をし,同年8月2日付けで原告に通知した。 2 争点本件の争点及びこれに関する当事者の主張は,次のとおりである。 (1) 法5条1号(個人情報)及び2号(事業情報)該当性(原告)本件文書は柔道整復業務の停止を命ずるものであって,本件記載に係る情報は,法5条1号の個人情報に該当すると同時に同条2号の個人の事業情報に該当する。 同条1号は,「事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く」と規定しているが,同号に定める個人情報と同条2号に定める個人に関する事業情報とを区別することは困難であり,本件文書のように,ある個人情報が個人事業情報でありながら同時に極めて重要な個人識別情報であるなど,相互に重なり合うことは往々に生じる。個人情報が国によって公開されれば,直ちに重大なプライバシー権侵害を惹起する以上,少なくとも,法の解釈に当たって同条1号の適用から除外される個人事業情報の範囲を広げて同号の適用範囲を狭めるような解釈は相当でなく,同号括弧書の「事業を営む個人の当該事業に関する情報」は,事業を営む個人の当該事業にのみ関する情報と限定的に解すべきである。そして,本件文書のように,それが個人情報であり,かつ個人事業情報でもある場合には,同号括弧書は適用されず同号及び同条2号がいずれも適用され,両号の定める非公開事由の該当性が判断されるべきである。 (被告)法は,5条1号において個人に関する情報の不開示事 情報でもある場合には,同号括弧書は適用されず同号及び同条2号がいずれも適用され,両号の定める非公開事由の該当性が判断されるべきである。 (被告)法は,5条1号において個人に関する情報の不開示事由を定めているところ,事業を営む個人の当該事業に関する情報については,同号から明文で除外し,法人等に関する情報とともに同条2号によることとしている。したがって,1つの個人に関する情報が,事業を営む個人の当該事業に関する情報以外の情報として法5条1号で規律されると同時に事業を営む個人の当該事業に関する情報として同条2号で規律されるということはあり得ない。 本件文書は,旧柔道整復師法8条1項に基づいて厚生大臣がした行政処分に係る命令書であるところ,旧柔道整復師法上,厚生大臣は,柔道整復師試験に合格した者に対して免許を与えるが(同法3条),同法4条各号に該当する者に対しては免許を与えないことができ,さらに,柔道整復師が同法4条各号のいずれかに該当するに至ったときは,その免許を取り消し,又は期間を定めてその業務の停止を命ずることができるとされている(同法8条1項)。しかし,免許を受けた者が柔道整復業を営むことを義務付けられるわけではなく,実際にも,免許を受けて柔道整復業を営んでいない者も少なくない。そうすると,厚生大臣は,柔道整復師試験に合格すれば,その者が柔道整復師としての業務を行うか否か,すなわち事業を営むか否かに関わりなく免許を与えることができるところ,旧柔道整復師法8条1項に基づく行政処分は免許を与えたことに関連してされるものと考えられるから,これも現実に免許を受けた者が柔道整復師としての業務を行っているか否か,すなわち事業を営んでいるか否かに関わりなくされるものである。そうすると,上記行政処分は,当該免許を受けた者に対してされるものである 現実に免許を受けた者が柔道整復師としての業務を行っているか否か,すなわち事業を営んでいるか否かに関わりなくされるものである。そうすると,上記行政処分は,当該免許を受けた者に対してされるものであるが,その営む事業に関するものではなく,その者の個人的資格に関する行政処分というべきである。したがって,本件記載に係る情報は,原告の事業に関する情報には該当しないと考えられ,法5条1号に該当する個人情報である。 (2) 法5条1号ただし書イ(公開予定情報)該当性(被告)ア法5条1号ただし書イ(公開予定情報)の趣旨法は,個人の正当な権利利益の十分な保護を図るべく,特定の個人を識別することができる情報を原則として不開示とし(法5条1号,個人識別型),個人の権利利益を侵害せず不開示とする必要のない情報や個人の権利利益を侵害しても開示する公益が優越するため開示すべきものを不開示事由の例外として限定列挙している(同号ただし書)。そして,同号ただし書イは,「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」を例外的に開示すべき情報として掲げているが,これは,この情報についてはあえて不開示情報として保護する必要性に乏しく,仮にこれを開示することにより個人のプライバシーを侵害する可能性があるとしても,受忍限度内にとどまると考えられるからである。そうすると,同号ただし書イにいう「慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」とは,慣習法としての法規範的な根拠を要するものではなく,事実上の慣習として公にされていること又は公にすることが予定されていることで足りると解すべきであり,さらに,「公にすることが予定されている情報」(以下「公開予定情報」という。)には,ある情報を公にすることにつき,具体的に公表することが予定され ることが予定されていることで足りると解すべきであり,さらに,「公にすることが予定されている情報」(以下「公開予定情報」という。)には,ある情報を公にすることにつき,具体的に公表することが予定されている場合はもとより,具体的な計画がなくても,それと同種の情報が公にされており,当該情報のみ公にしないとする合理的な理由がない場合など,当該情報の性質上通例公にされるものも含まれると解すべきである。 原告は,公開予定情報が何人にも知り得る状態に置くことを予定して作成された情報に限定されるとし,作成時点での公表の目的を要するかのような主張をするが,同号ただし書イは「公にすることが予定されている情報」と定めているのであって,「公にすることを予定して作成されている情報」とは定めていないのであるから,原告の上記解釈は同号ただし書イの文言に反する。また,同号ただし書イの立法趣旨からみても,当該情報の性質に従い,「公にすることが予定されている」かどうかを判断すべきものであり,公表目的で作成されたものでなくてもその性質上通例公にされるものに該当する情報も当然含むものである。なお,原告は,公開時期に関する具体的な計画の有無を問題にして,全く公表を予定していない情報はこれに該当しないと主張するが,前記の立法趣旨にかんがみれば,公表自体を具体的には予定していない情報であっても,当該情報の性質上通例公にされる場合には,公開予定情報に該当するのであり,公開時期を殊更に問題とする合理的な理由はない。 イ柔道整復師と医師等との類似性前記のとおり,医師等に対する行政処分についてはこれまで公表されていたところ,柔道整復師と医師等とは,いずれも医療に関係する業務に従事する職業である。医療は国民の生命・身体に直接かかわるものであり,適正な業務を確保する必要性はとりわけ大き てはこれまで公表されていたところ,柔道整復師と医師等とは,いずれも医療に関係する業務に従事する職業である。医療は国民の生命・身体に直接かかわるものであり,適正な業務を確保する必要性はとりわけ大きく,医療従事者の質の確保が必要不可欠であるから,資格制度を設け,有資格者以外が医療に従事することを禁止している点で,基本的な共通性・類似性がある。すなわち,柔道整復師の業務は,脱臼,骨折,打撲,捻挫等に対しその回復を図る施術を業として行うものであるのに対し,医師の業務は,医業,すなわち,人の疾病を診察,治療又は予防の目的をもって施術をなし,若しくは治療薬を指示投与することを目的とする業務等を業として行うものである。前者は施術の対象等において限定されてはいるものの,両者はいわゆる医療に関係する業務であって,国民の生命・身体に直接かかわる業務である点で共通している。 また,柔道整復師は,柔道整復師試験に合格して厚生労働大臣の免許を取得する必要があり(柔道整復師法2条1項,3条),その免許の取得については一定の欠格事由があり(同法4条),免許取得後に同欠格事由が生じた場合には,厚生労働大臣により免許が取り消され,又は期間を定めてその業務の停止を命ぜられる(同法8条1項)。これと同様に,医師も,医師国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を取得する必要があり(医師法2条),その免許の取得については一定の欠格事由があり(同法3条,4条),免許取得後に同欠格事由が生じた場合には,厚生労働大臣により免許が取り消され,又は期間を定めてその業務の停止を命ぜられる(同法7条1項,2項)点において共通している。 さらに,柔道整復は,医師である場合を除き,柔道整復師でなければ業として行ってはならないとされ(柔道整復師法15条),医業も,医師でなければ行ってはならないと 1項,2項)点において共通している。 さらに,柔道整復は,医師である場合を除き,柔道整復師でなければ業として行ってはならないとされ(柔道整復師法15条),医業も,医師でなければ行ってはならないとされ(医師法17条),それぞれ有資格者に業務の独占が認められている点においても共通している。 このように,柔道整復師と医師とは,その業務内容,免許の取得,有資格者による業務の独占その他の諸点において,共通・類似するものであり,歯科医師,保健師,助産師,看護師との間についても,医師との間におけるのと同様の共通性・類似性がある。 原告は,医師は国民の生命にかかわるのに対し,柔道整復師は国民の生命にかかわることはないという点を根幹に医師と柔道整復師との共通性・類似性を否定するが,行政処分の公表の慣行は,医師のみでなく,歯科医師,保健師,看護師,助産師にも存在していたのであり,このように柔道整復師との共通性・類似性が一層強く認められる歯科医師,保健師,看護師,助産師においても行政処分の公表の慣行があることに照らせば,医師と柔道整復師との違いにのみ着目する原告の主張は失当である。 ウ本件記載に係る情報の公開予定情報該当性前記のとおり,公開予定情報には,ある情報を公にすることにつき,具体的に公表することが予定されている場合はもとより,具体的な計画がなくても,それと同種の情報が公にされており,当該情報のみ公にしないとする合理的な理由がない場合など,当該情報の性質上通例公にされるものも含まれると解すべきである。そして,上記のとおり,従前から医師等の行政処分については公表していて,それと共通性・類似性があり社会的にみても同種の職業に当たることが明らかな柔道整復師についても,医師等の場合と異なる取扱いをする合理的な理由がないことも明らかである。そうすると いては公表していて,それと共通性・類似性があり社会的にみても同種の職業に当たることが明らかな柔道整復師についても,医師等の場合と異なる取扱いをする合理的な理由がないことも明らかである。そうすると,柔道整復師についても,その行政処分歴は,公開予定情報に該当するというべきである。 原告は,柔道整復師に対する行政処分について公表する慣行がなく,予測可能性がない旨主張するが,同種の情報につき慣行があり,当該情報のみを公にしないとする合理的な理由がない以上,当該情報を開示することについて十分な予測可能性が確保され得る。 エ過去情報に関する取扱い公開予定情報該当性を判断するに当たり,時間的な要素も判断の1要素となり得る。ある個人識別情報が公表された場合,その直後には現に公衆が知り得る状態に置かれるが,時間の経過とともにその周知性を喪失し,一定期間が経過した開示請求の時点では公にされているとはみられない場合があり得る。そして,柔道整復師法8条2項は,免許を取り消された者であっても,その者が取消しの理由となった事項に該当しなくなったとき,その他その後の事情により再び免許を与えることが適当であると認められるに至ったときは,再免許を与えることができると規定し,免許が取り消された者でさえ再度免許の取得ができることを制度的に許容している。そうすると,過去の行政処分情報といえども,これを永続的に公表するのは必ずしも適当ではない。したがって,柔道整復師に関する過去の行政処分に係る情報は,いったん公表されたとしても,一定期間経過後にはもはや「公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に該当しなくなる。 柔道整復師に関する行政処分につき,業務停止処分の期間は最長5年間とする運用がされている上,免許を取り消された者につき再免許が与えられるのは,業務停止 ことが予定されている情報」に該当しなくなる。 柔道整復師に関する行政処分につき,業務停止処分の期間は最長5年間とする運用がされている上,免許を取り消された者につき再免許が与えられるのは,業務停止処分との均衡も考慮してその者が同項の要件を満たした場合であっても,免許取消処分から5年以上経過した場合に限られるとの運用がされている。このような運用に照らすと,柔道整復師に関する行政処分に係る開示請求が当該行政処分から5年以上経過した後にされた場合には,当該行政処分に係る情報は当該開示請求との関係では,「公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に該当しなくなるというべきである。 これを本件についてみると,原告につき本件業務停止処分がされたのは平成11年6月9日であるのに対し,本件開示請求がされたのは平成13年4月2日であって,本件業務停止処分からわずか1年10か月が経過したにすぎないものである。 そうすると,本件情報は,いまだ公開予定情報であったというべきである。 原告は,過去の行政処分の開示の基準は法律によって定められるべきである旨主張するが,過去の事実に関する情報が公開予定情報に該当するかは同要件の解釈問題であり,また,公表後1日経ただけの行政処分に関する情報も過去のものであることに変わりはなく,開示の基準を定めた法律がないという理由だけで開示しなくてよい(「公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に該当しない)ということになれば不合理というほかない。 また,原告は,本件業務停止処分には行政機関側に著しい遅延があり,刑事判決を基準にすれば本件開示請求より6年半も前の事件である旨主張する。しかし,本件記載に係る情報は,あくまで柔道整復師である原告に対して行政処分がされた事実及びその内容であって,刑事処分とは別の事実である。し にすれば本件開示請求より6年半も前の事件である旨主張する。しかし,本件記載に係る情報は,あくまで柔道整復師である原告に対して行政処分がされた事実及びその内容であって,刑事処分とは別の事実である。したがって,原告が刑事処分からの時間経過を問題にすることは意味がない。しかも,本件のように,医療関係職種に関して刑事処分を端緒に行政処分がされる場合,検察官が所管行政庁である厚生労働省に対し刑事処分の内容を通報する制度は法律上も運用上も存しない。厚生労働省は,都道府県等の関係機関からの情報提供や新聞報道等により初めて刑事処分がされた事実を察知・把握し,行政処分に向けて動き出すのが一般的であり,刑事処分がされてから行政処分がされるまでの期間はケースバイケースで大きく異なるのであって,刑事処分がされてから行政処分がされるまでの期間の長短を基に遅延の有無を論じることは失当である。ちなみに,医療関係職種に関して刑事処分を端緒に行政処分がされる場合に,刑事処分から3年程度経過して行政処分がされることはまれではない。なお,仮に本件業務停止処分が刑事処分の1年後にされていたとしても,平成8年11月15日前後にされたことになり,本件開示請求との関係ではいまだ5年が経過していない。 オ厚生労働省における取扱い厚生労働大臣が柔道整復師法8条1項に基づいてした行政処分(厚生大臣が旧柔道整復師法8条1項に基づいてした行政処分も含む。)については,その処分内容について本件決定以前においては,一度も記者発表や記者への資料の配布などはされたことはなかった。しかし,これは,厚生労働省において,柔道整復師に対する行政処分に関し,医師等と異なった扱いをする必要があると考えて対応していたものではなく,ただ単に報道機関等から特段要請されることがなかったためにすぎない。 そして 働省において,柔道整復師に対する行政処分に関し,医師等と異なった扱いをする必要があると考えて対応していたものではなく,ただ単に報道機関等から特段要請されることがなかったためにすぎない。 そして,厚生労働省においては,本件不開示決定についての情報公開審査会からの本件答申を尊重し本件決定を行うことを決めるに当たり,今後は柔道整復師に対する行政処分について,記者に対し資料を配布して,行政処分の都度,被処分者の氏名・住所・生年月日等を公表するほか,行政処分後数年間の相当期間については,柔道整復師の行政処分歴に関する行政文書についての開示請求がされた場合には,当該行政処分事実に関する情報が記録された行政文書を開示するとの取扱いにすることとした。その上で,厚生労働省は,平成11年度分の被行政処分者7名分,平成12年度分の被行政処分者4名分について,それぞれ上記方針に従い,本籍を除いたその氏名・住所・生年月日等についてそれぞれ開示した上,平成14年11月13日付けで,平成14年度分についての柔道整復師等に対する行政処分の内容を公表するに至った。 以上のとおりであるので,柔道整復師の行政処分に関する情報は,本件開示決定がされた時点において,公にするものとして扱われるようになっていたことは明らかであり,本件記載に係る情報は公開予定情報に該当する。 カプライバシー侵害に関する最高裁判所判決原告が指摘する最高裁判所平成15年9月12日第二小法廷判決(民集57巻8号973頁)は,私立大学が大学主催の講演会に参加を申し込んだ学生の学籍番号,氏名,住所及び電話番号を学生に無断で警察に任意に開示した行為が不法行為を構成するかが争われた事案である。これに対し,本件は,国民主権の理念に基づき政府の説明責務を全うさせるなどの目的から,行政文書の開示を定めた法の規 号を学生に無断で警察に任意に開示した行為が不法行為を構成するかが争われた事案である。これに対し,本件は,国民主権の理念に基づき政府の説明責務を全うさせるなどの目的から,行政文書の開示を定めた法の規定に基づき,行政機関の長である被告に対し,原告のプライバシーに係る情報が記録された行政文書の開示が求められた事案である。このように,両者はその解釈適用の前提となる法律の規定を明らかに異にするものであって,本件において上記最高裁判決が述べるところが妥当するわけではない。 (原告)ア法5条1号ただし書イ(公開予定情報)の趣旨法5条1号ただし書イは,公開しても個人の権利利益を侵害せず不開示とする必要性のない情報について例外的に開示することを定めているものであり,現に何人も知り得る状態に置かれ,情報公開によらずとも周知性を有している情報については,公開の対象とされても新たにプライバシー侵害の問題を生じることが少ないことから,例外的に開示の対象としている。「慣行として公にされている情報」の例示として,叙勲者名簿,中央省庁の職員録等が挙げられるところ,これらは,文字通り公にして当該情報を広く社会に周知することを目的として作成された情報であり,情報公開法によらずとも現に何人も知り得る状態に置かれている情報である。 これに対し,既に周知性が失われた過去の情報は,仮に広く報道された事実であったとしても除外されているのである。このような周知性は,公開予定情報の解釈においても反映されなければならない。すなわち,公開予定情報とは,何人にも知り得る状態に置くことを予定して作成されている情報,すなわち当該情報の目的や作成それ自体が,一定の周知性を前提としたものを指すと解すべきである。このような周知性を前提とした情報は,その性質上,プライバシー権を侵害する程度も低い 作成されている情報,すなわち当該情報の目的や作成それ自体が,一定の周知性を前提としたものを指すと解すべきである。このような周知性を前提とした情報は,その性質上,プライバシー権を侵害する程度も低いと考えられる。 国家による個人情報の開示は,直ちに国家による重大な人権侵害につながる。犯歴・行政処分歴等が高度のプライバシー情報であることにかんがみれば,不用意な個人情報開示は憲法に反する重大な行為である。行政による恣意的な個人情報開示とそれに基づく人権侵害を防ぐ趣旨でも,国家による個人情報の開示は,厳格な基準が法定されることが必要であり,それが憲法上も要請されているというべきである。そのような基準が法的に整備されていない以上,本件において法5条1号ただし書の趣旨を恣意的に拡大解釈して,個人情報開示の範囲を広げることは許されない。同号ただし書イが,個人情報を開示する範囲を「慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に限定した趣旨も,そのような国家による個人情報開示の重大性にかんがみ,現に慣行上公にすることに疑義のない範囲についてのみ,その開示を許容したと解すべきである。 柔道整復師の処分に関する個人情報は,このように公にすることを予定して作成された情報には該当しない。当該個人情報は,あくまで処分対象者の特定上必要なのであり,広くその情報を社会に周知することを予定して作成された情報ではない。被告が当該個人情報を従前公表してこなかったことに,公表を予定して作成された情報ではないことが端的に表れている。また,そもそも本件記載に係る情報は,将来に公表を予定しているはずもない過去の情報である。何らの周知性もなく,それが開示されることによるプライバシー権侵害の程度も大きい。結局,本件記載に係る情報は,公表を予定することなく保管されていた 将来に公表を予定しているはずもない過去の情報である。何らの周知性もなく,それが開示されることによるプライバシー権侵害の程度も大きい。結局,本件記載に係る情報は,公表を予定することなく保管されていたにすぎない過去の個人情報なのである。かかる本件記載に係る情報が,公開予定情報に該当する余地は,存在しない。 イ慣行の不存在柔道整復師の処分に関する個人情報について,従前これを公表する「慣行」は存在しなかった。本件記載に係る情報が,「慣行として」公にすることが予定されている情報に該当する余地は存在しない。そもそも法5条1号ただし書イが,単に「公にされ,又は公にすることが予定されている」だけでなく,「慣行」の存在を要求しているのは,情報を開示される個人について,その公表について,十分な予測可能性が与えられることが必要とされていることが根拠であると考えられる。そうである以上,慣行がないままに,本件のような過去の情報について開示することは,そのような法の趣旨に明らかに反するというべきである。 本件決定は,柔道整復師に対する行政処分の内容も医師等に対する処分と同様に公表することが望ましいという価値判断により本件記載に係る情報の開示を正当化するものであり,情報提供と情報公開を混同するものである。情報提供制度が慣行として確立した場合には,公開予定情報として個人情報であっても公開すべきであるというのが情報公開法の規定の趣旨であり,将来にわたる情報提供制度の整備が決定されたからといって,従来非公開とされてきた行政文書が急に慣行として公開が予定されている情報になるものではない。上記価値判断は,柔道整復師に対する処分内容を医師の場合と同様に今後情報提供することの根拠にはなり得ても,本件記載に係る情報の開示の根拠になるわけではない。本件決定は,いわば慣行なきま ものではない。上記価値判断は,柔道整復師に対する処分内容を医師の場合と同様に今後情報提供することの根拠にはなり得ても,本件記載に係る情報の開示の根拠になるわけではない。本件決定は,いわば慣行なきままの「慣行」を認めるようなものであり,およそ法の文言解釈を逸脱するものというほかない。 ウ医師等との相違医師と柔道整復師を同列に論ずることは明らかに論理の飛躍がある。柔道整復師が行うのはあくまで施術であって,医療行為を行えるわけではなく,医師法により,医業,すなわち医療行為を厳重に禁止され,医師と紛らわしい名称を用いることも厳格に禁止されている。柔道整復師が生命に直接かかわる治療をすることなど到底あり得ない。このような医師と柔道整復師の立場の違いを反映して,医師による治療費と柔道整復師による施術料にも雲泥の差がある。だからこそ,報道機関も,医師については行政処分がなされるたびにその公表を求めて来たのに対し,柔道整復師については関心すら持たなかったのである。医師等と柔道整復師との公表の仕方に差異があったのは,合理的な理由があったからであり,医師等についての報道機関の公表をもって,遡って柔道整復師についての個人情報開示の慣行とすることは許されない。柔道整復師が,業務の上で医師との間に大きな格差を付けられながら,他方で医師と同列にプライバシーを暴露されることになるというのは,およそ納得できる話ではない。 エ過去情報従前の医師等についての公表は,それぞれ行政処分がされた都度に行われた報道機関に対する公表であり,あくまで現在の処分に対する公表である。このような現在の処分については,これから処分を甘受すべき立場の人間として,一定程度受忍すべき不利益ともいえる。他方,本件記載で問題となっているのは,既に処分を終えた過去の処分についての個人情報で このような現在の処分については,これから処分を甘受すべき立場の人間として,一定程度受忍すべき不利益ともいえる。他方,本件記載で問題となっているのは,既に処分を終えた過去の処分についての個人情報である。これは,被処分者が,処分による不利益を甘受した上で,更生の道を歩んでいる段階における公表であり,上記報道機関に対する公表とは場面が異なる。 処分が公表されることによって,被処分者は,一時的な不利益を受けるが,時の経過とともにその情報は周知性を失う。その中で,当該被処分者は,過去を清算しつつ正しく更生の道を歩み,社会の中で新たな信頼を獲得する機会が当然与えられなければならない。そして,当該被処分者が,時の経過とともに過去を清算し更生すればするほど,当該被処分者が新たに築いた信用との関係では,周知性を失った当該処分情報は秘密性・プライバシー性が高くなり,他方,社会にとってみれば,その処分歴の情報価値は弱まる。そのような個人情報をあえて利用する方法があるとすれば,のぞき見主義的なプライバシー暴露か誹謗中傷程度しかあり得ない。10年前に広く報道された事実であったとしても,現在は,限られた少数の者にしか知り得る状態にない場合には,当該情報は,公にされている情報とはいえない。 原告が本件業務停止処分を受けたのは,本件開示請求より約2年前の平成11年6月9日である上,その根拠となった犯罪行為は,更に5年ないし8年前の平成3年ないし平成6年の事実である。刑事判決の言渡しは,平成7年11月15日で,本件開示請求より実に6年半も前の事件である。原告は,4年間の執行猶予期間も無事終え,本件開示請求までに,1年間の業務停止期間も問題なく満了し,その資格に何らの制限もなくなっていたのである。そもそも平成7年11月15日に刑事判決が言い渡された事実について,それ 猶予期間も無事終え,本件開示請求までに,1年間の業務停止期間も問題なく満了し,その資格に何らの制限もなくなっていたのである。そもそも平成7年11月15日に刑事判決が言い渡された事実について,それから3年7か月も経過した平成11年6月に本件業務停止処分がされた理由は明らかではないが,行政機関側に著しい遅延があったことは十分推測できる。本件答申では,過去の行政処分を永続的に公開することは妥当ではなく,一定年限経過後には過去の処分については不開示とすることにも合理的理由があるとして,本件決定においても平成6年度分については個人情報の開示が否定されており,原告の場合も,遅滞なく行政処分がなされていれば,開示の対象とされなかった可能性が高いのである。原告の責めに帰すことのできないこれらの要素によって,大きく結論が異なること自体が不当である。 オ厚生労働省における取扱い被告は,厚生労働省において,本件決定に先立ち,柔道整復師に対する行政処分についても今後は開示するとの方針決定をしたと主張するが,法律の解釈を,事後的な行政の運用によって左右できるはずもない。行政による方針転換によって法律の解釈が左右される事態になれば,法解釈における予測可能性は著しく侵害され,法的安定性を害することになる。厚生労働省の運用そのものは,本件決定の違法性とは何ら関係ない。 カプライバシー侵害国等においては,行政上の要請など公益上の必要性から個人の情報を収集保管することが増大しており,同時に,収集された情報がみだりに公開されてプライバシーが侵害されることのないように情報の管理を厳にする必要も高まつている。前科及び犯罪経歴(以下「前科等」という。)は,人の名誉,信用に直接にかかわる事項であり,個人のプライバシーのうちでも最も他人に知られたくないものの一つであって の管理を厳にする必要も高まつている。前科及び犯罪経歴(以下「前科等」という。)は,人の名誉,信用に直接にかかわる事項であり,個人のプライバシーのうちでも最も他人に知られたくないものの一つであって,その公開は,公正な裁判の実現のために必須のものであり,他に代わるべき立証手段がないときなどのように,プライバシーに優越する利益が存在する場合でなければならず,その場合でも必要最小限の範囲に限つて公開し得るにとどまる。本件決定においては,本件記載に係る情報についてプライバシーに優越する利益が存在するような事情は全く見い出せないし,原告の氏名はもとより住所・生年月日まで開示すべき合理的理由はなく,必要最小限の範囲に限定もされていない。 前記最高裁判所平成15年9月12日第二小法廷判決では,秘匿されるべき必要性が必ずしも高いものではない個人情報についても,みだりに開示されないことへの期待は保護されるべきであるとし,開示の目的の正当性と必要性等によって個人情報の無断開示が正当化されるものではないことを明らかにしている。本件記載に係る情報は,個人のプライバシーのうちでも秘匿されるべき必要性が高い情報であって,みだりに他者に開示されないことへの期待が法的に保護されるべきものである。医療関係者の行政処分情報は開示されるべきであるという公益目的・価値判断の正当性だけでは開示することを正当化できないものであり,そのプライバシー侵害が受忍限度内のものとする余地もない。 (3) 法5条2号ア法5条2号イ(利益侵害情報)該当性(原告)本件記載に係る情報は,法5条2号イの「公にすることにより当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」として,不開示とされなければならない。本件文書に記録された原告の個人情報は,前記のとおり,執行猶予期 イの「公にすることにより当該個人の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」として,不開示とされなければならない。本件文書に記録された原告の個人情報は,前記のとおり,執行猶予期間を経過した犯歴を含むものであって,高度のプライバシー情報であり,本件記載に係る情報が開示されれば,上記情報が柔道整復師の施術に関し何らかの犯罪行為があったものと誤解を招くおそれが高いことも相まって,原告の柔道整復師の能力に対する信用を毀損するものとなる危険性が高い。柔道整復師の評判は,通常の広告媒体などでは伝わりにくく,患者の口コミなど個人的な信用が重要である。現在柔道整復師業界においては競争が激しく,柔道整復師同士の誹謗中傷等いわゆる足の引っ張り合いが生じており,本件記載に係る情報が開示されれば,原告の誹謗中傷に利用される可能性は否定できない。そうなれば,原告は柔道整復師としての地位を失い,原告の家族のみならず,原告が雇用する従業員らの失職をも招きかねないのである。原告は,刑事判決を受けた後,柔道整復師の営業停止も甘受し,不況下の苦しい生活の中で必死の思いで更生の道を歩んできた。そして,平成14年2月にようやく整骨院の開業に至ったところである。原告の過去の犯歴が公開されることは,原告のこれまでの努力を踏みにじり,その更生の道を閉ざすものに等しいものである。したがって,本件記載に係る情報が,「公にすることにより当該個人の競争上の地位その他正当な利益」を害するおそれが高いものであることは明らかである。 (被告)本件記載に係る情報が公にされれば,原告の信用が低下し,現在及び将来の営業上の地位に不利益を及ぼすおそれがあることは否定し得ない。しかしながら,柔道整復師が,自ら業務に関し犯罪行為を行って行政処分を受け,そのことによって信用を失うこと の信用が低下し,現在及び将来の営業上の地位に不利益を及ぼすおそれがあることは否定し得ない。しかしながら,柔道整復師が,自ら業務に関し犯罪行為を行って行政処分を受け,そのことによって信用を失うことがあったとしても,自らの非行が招いた当然の結果にすぎない。柔道整復師は,施術の対象が限定されているとはいえ,いわゆる医療に関係する業務に従事するもので,国民の生命・身体に直接かかわるというその業務の性質上,免許を受けた者しかその業務を行うことができず,業務の適正,医療従事者としての適格性が社会的に強く要請されるものである。そうすると,自ら業務に関し犯罪行為に及んだ柔道整復師に対する行政処分が公にされることは,当該被処分者にとって受忍すべき範囲内のものというべきで,原告の前記のような信用は何ら「正当な利益」に当たらない。 原告は,本件記載に係る情報が執行猶予期間を経過した犯歴を含むもので,原告個人の人格的権利・プライバシーを侵害することを理由に正当な利益を害するおそれがある旨主張するが,法5条2号イにいう「当該個人の競争上の地位その他正当な利益」は,当該個人の営む事業に関するものであることが当然の前提で,原告個人のプライバシーは原告の営む事業とは無関係であるから,これをもって上記「正当な利益」に該当するとはいえない。また,本件命令書には,「業務に関し犯罪行為があったため」と明記されており,「施術に関し何らかの犯罪行為があった」などとは一切記載されていないから,原告が危ぐする「原告の施術に関し何らかの犯罪行為があったとの誤解を招くおそれ」などというものが,本件記載に係る情報の開示によって生ずるとは認め難い。さらに,原告は,本件記載に係る情報が開示されれば,原告の業務を妨害するための人格攻撃・プライバシー暴露などに利用される危険性が極めて高い旨主 ,本件記載に係る情報の開示によって生ずるとは認め難い。さらに,原告は,本件記載に係る情報が開示されれば,原告の業務を妨害するための人格攻撃・プライバシー暴露などに利用される危険性が極めて高い旨主張するが,それ自体客観的裏付けを欠くものであって根拠のない憶測にすぎず,自ら業務に関し犯罪行為に及んだ柔道整復師に対する行政処分が公にされることは,当該被処分者にとって受忍すべき範囲内のものであり,上記主張も失当である。 イ法5条2号ただし書(生命等保護情報)該当性(被告)法5条2号は,法人等又は事業を営む個人の権利利益を保護するため,法人等又は事業を営む個人の当該事業に関する一定の情報を不開示情報としているが,他方,人の生命,健康その他の基本的な権利利益を保護することは行政機関の基本的な責務であることから,その権衡を図るため,同号ただし書において,人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報は開示しなければならないとしている。同号ただし書に該当する情報とは,当該情報を公にすることにより保護される人の生命,健康等の保護の必要性が,これを公にすることにより害される法人等又は事業を営む個人の権利利益の保護の必要性を上回る場合をいうものと解される。そして,「人の生命,健康,生活又は財産を保護するため」とは,そのような利益が現実に侵害されている場合に限られず,そのような利益の侵害を防ぐために必要な場合も含むもので,将来これらが侵害される蓋然性が高く,事業を営む個人の事業活動と人の生命,健康等に対する危害等との明確な因果関係が確認されなくても,現実に人の生命,健康等に対する被害等の発生が予想される場合も含むものである。 本件記載に係る情報は,業務に関し犯罪行為があったことを理由として1年間の業務停止を命じ な因果関係が確認されなくても,現実に人の生命,健康等に対する被害等の発生が予想される場合も含むものである。 本件記載に係る情報は,業務に関し犯罪行為があったことを理由として1年間の業務停止を命じられた原告の氏名,住所及び生年月日である。これは,原告の業務に関する情報ではあるが,原告がした施術自体に関する犯罪あるいは過誤の情報ではない。しかしながら,柔道整復師は,その職務の性質から人の健康に直接影響を与える立場にあり,業務の適正,医療従事者としての適格性が社会的に強く要請されるもので,患者がいずれの柔道整復師の施術を受けるかを選択するに際しては,当該柔道整復師が行う施術の善し悪しのみにとどまらず,当該柔道整復師の業務に関する行状等も広く考慮されると考えられる。そうすると,本件記載に係る情報も人の生命・健康と決して無関係ではない。そして,人の生命・健康という利益は重要な利益であって保護の必要性が極めて高いものであることはいうまでもない。これに対し,本件記載に係る情報を公にしないことにより得られる原告の利益は,そもそも保護されるべき正当な利益とはいえないものであり,仮に保護されるとしてもその必要性が低いものである。したがって,本件記載に係る情報を公にすることにより保護される人の生命・健康の利益を保護する必要性は,これを公にしないことにより保護される原告の事業上の権利利益を上回るというべきであり,同情報は,法5条2号ただし書に該当する。 (原告)本件記載に係る情報が原告の高度のプライバシー情報であって,開示によって侵害される利益が大きいことなどを考慮すれば,人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報には該当しない。 第3 争点に対する判断 1 法5条1号(個人情報)及び2号(事業情報)該当性(争点( 考慮すれば,人の生命,健康,生活又は財産を保護するため,公にすることが必要であると認められる情報には該当しない。 第3 争点に対する判断 1 法5条1号(個人情報)及び2号(事業情報)該当性(争点(1))について法は,5条1号において個人に関する情報(以下「個人情報」という。)であって特定の個人を識別することができるもの等は原則として不開示としているが,事業を営む個人の当該事業に関する情報(以下「個人事業情報」という。)については,同号から明文で除外し,同条2号により,法人情報とともに,正当な利益を害するおそれがある場合等不開示事由に該当する場合を除いて原則として開示することを定めている。これは,個人情報の開示に関し,個人の権利利益の十分な保護を図るため,個人識別型方式を採用して個人情報を原則として不開示とする一方,個人の社会的活動である事業に関する個人事業情報については,個人の対外的活動に関する情報でありプライバシーを保護する必要性のないものが多く,法人等の事業活動情報と同様の基準で開示・不開示の判断をするのが適当と認められることから,法人情報とともに,原則として開示することにしたものと解される。 このような法の趣旨に照らせば,ある情報が,事業を営む個人の当該事業と何らかの関連性を有するとしても,事業とは関係のない個人の人格,名誉等プライバシーに関するものである限り,同条1号により開示の是非が判断されるべきであって,そのような情報は個人事業情報には該当しないというべきである。本件記載に係る情報は,原告を特定・識別できるものである上,原告の個人的資格に関する行政処分(事業を営んでいるか否かにかかわらず免許を有する者に対して行われる処分)を内容とするものであって,原告個人の人格,名誉等のプライバシーに関するものであり,同条1号の個人情 人的資格に関する行政処分(事業を営んでいるか否かにかかわらず免許を有する者に対して行われる処分)を内容とするものであって,原告個人の人格,名誉等のプライバシーに関するものであり,同条1号の個人情報に該当することは当事者間にも争いがない。したがって,本件記載に係る情報は,個人事業情報として同条2号で規律されることはなく,個人事業情報以外の個人情報として,専ら同条1号で規律されるものというべきである。 原告は,個人情報であり,かつ,個人事業情報でもある場合には,同条1号括弧書は適用されず同号及び同条2号がいずれも適用され,両号の定める不開示事由の該当性が判断されるべきである旨主張するが,個人事業情報を除外する同条1号の文理に反する解釈であって採用することはできない。のみならず,同条1号により例外的に開示される場合に該当するときは,その内容に照らして,特段の事情のない限り同条2号の不開示事由に該当するものではないというべきであり,同条1号と2号を重畳的に適用する必要性も認められない。 2 法5条1号ただし書イ(公開予定情報)該当性(争点(2))について(1) 法5条1号ただし書イ(公開予定情報)の趣旨について法は,個人情報を原則として不開示とし(法5条1号),不開示とする必要のない情報や公益が優越するため開示すべきものを不開示事由の例外として限定列挙し,同号ただし書イは,「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」を例外的に開示すべき情報として掲げている。これは,このような情報については,既に公にされ,又は公にされることが予定されていることから,あえて不開示情報として保護する必要性に乏しく,仮に開示することにより個人のプライバシーを侵害する可能性があるとしても,それは当然予測できる範囲内のものであっ にされることが予定されていることから,あえて不開示情報として保護する必要性に乏しく,仮に開示することにより個人のプライバシーを侵害する可能性があるとしても,それは当然予測できる範囲内のものであって受忍限度内にとどまると考えられるからである。 そうすると,既に公にされ,又は公にされることが予定されているため不開示とする必要がない場合には,事実上の慣習,慣行として公にされ,又は公にされることが予定されている場合も含まれるものであって,同号ただし書イにいう「慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」とは,慣習法としての法規範的な根拠を要するものではなく,事実上の慣習,慣行として公にされていること又は公にすることが予定されていることで足りると解すべきである。さらに,ある情報について公表する具体的な計画がない場合であっても,同種の情報が公にされており,当該情報のみ公にしない合理的な理由がなく,当該情報について公にされることが当然予測できる場合など,当該情報の性質上通例公にされるべきものも,上記の趣旨に照らし,不開示情報として保護すべき必要性が乏しく仮にプライバシー侵害があっても受忍限度内と考えられるものであって,公開予定情報(公にすることが予定されている情報)に該当するものと解すべきである。 原告は,公開予定情報は,公開を予定して作成された情報に限定され,全く公開を予定していない情報はこれに該当しない旨主張する。しかし,上記に述べた同号ただし書イの趣旨及び文言に照らせば,公開予定情報を,公開を予定して作成された情報に限定して解釈するのは相当でなく,原告の上記主張を採用することはできない。 (2) 柔道整復師と医師等との類似性について柔道整復師の業務は,脱臼,骨折,打撲,捻挫等に対しその回復を図る施術を業として行うものである は相当でなく,原告の上記主張を採用することはできない。 (2) 柔道整復師と医師等との類似性について柔道整復師の業務は,脱臼,骨折,打撲,捻挫等に対しその回復を図る施術を業として行うものであるのに対し,医師の業務は,医業,すなわち,人の疾病を診察,治療又は予防の目的をもって施術をし,又は治療薬を指示投与することを目的とする業務等を業として行うものである。前者は施術の対象等において限定されてはいるものの,いずれもいわゆる医療に関係する業務であって,国民の生命・身体に直接かかわる業務である点で共通している。 また,柔道整復師及び医師とも,試験に合格して厚生労働大臣の免許を取得する必要があり(柔道整復師法2条1項,3条,医師法2条),免許の取得について一定の欠格事由が定められ(柔道整復師法4条,医師法3条,4条),免許取得後に欠格事由が生じた場合には厚生労働大臣により免許が取り消され,又は,期間を定めてその業務の停止を命ぜられる(柔道整復師法8条1項,医師法7条1項,2項)点において共通している。 さらに,柔道整復は,医師である場合を除き,柔道整復師でなければ業として行ってはならないとされているところ(柔道整復師法15条),医業も,医師でなければ行ってはならないとされており(医師法17条),それぞれ有資格者に業務の独占が認められている点においても共通している。 このように,柔道整復師と医師とは,その業務内容,免許の取得,有資格者による業務の独占等において共通し,類似するものであり,歯科医師,保健師,看護師,助産師との間についても,同様の共通性・類似性が認められるところである。 以上を要するに,柔道整復師と医師等とは,いずれも医療に関係する業務に従事する者であるところ,医療は国民の生命・身体に直接かかわるものであり,適正な業務を確保する ・類似性が認められるところである。 以上を要するに,柔道整復師と医師等とは,いずれも医療に関係する業務に従事する者であるところ,医療は国民の生命・身体に直接かかわるものであり,適正な業務を確保する必要性が高く,医療従事者の質の確保が必要不可欠であることから資格制度を設け,有資格者以外が医療に従事することを禁止している点で,基本的な共通性・類似性があるというべきである。 これに対し,原告は,柔道整復師が行う施術は限定され,生命に直接かかわる治療をすることなど到底あり得ず,施術料にも雲泥の差があるとして,共通性・類似性を否定するが,上記は柔道整復師と医師との違いであって,国民の生命・身体に直接かかわるいわゆる医療に従事する者として,柔道整復師と医師等との共通性・類似性を否定するものではなく,原告の上記主張を採用することはできない。 (3) 慣行及び本件記載に係る情報の公開予定情報該当性について前記のとおり,公開予定情報には,公表する具体的な計画がなくとも同種の情報が公にされており,当該情報のみ公にしない合理的な理由がなく,当該情報について公にされることが当然予測できる場合等当該情報の性質上通例公にされるべきものも含まれると解される。そして,上記のとおり,柔道整復師と医師等とは,国民の生命・身体に直接かかわるいわゆる医療従事者として適正な業務遂行が要求され,医療従事者の質の確保が求められる点で共通性・類似性を有しているところ,医師等の行政処分については報道機関からの要請を端緒として従前から公表されており,医師等と共通性・類似性があり社会的にみて同種の職業というべき柔道整復師についてこれと異なる取扱いをする合理的な理由もない。上記の医師等との共通性・類似性に照らせば,柔道整復師に対する行政処分についても,報道機関からの要請等があればこれを公 の職業というべき柔道整復師についてこれと異なる取扱いをする合理的な理由もない。上記の医師等との共通性・類似性に照らせば,柔道整復師に対する行政処分についても,報道機関からの要請等があればこれを公表することは当然予測できることであって,柔道整復師に対する行政処分情報は,公開予定情報に該当するというべきである。 原告は,柔道整復師に対する行政処分情報については従前不開示とされていたもので,公表する慣行は存在せず,開示について予測可能性がない旨主張する。そして,確かに,前記のとおり,これまで柔道整復師に対する行政処分情報が公表されたことがなかったこと,被告が,当初,本件不開示決定により,本件各命令書について文書番号・発出年月日及び被処分者の本籍・住所・氏名・生年月日を除く記載部分に限って開示する旨の決定をしたことが認められる。 しかしながら,これらにより,従前柔道整復師に対する行政処分情報を公表しないとの取扱いがされていたものということはできず,上記の医師等との共通性・類似性に照らせば,柔道整復師に対する行政処分情報は,従前,単に要請されることがなかったため公表する機会がなかったにすぎないものと認められる。医師等に対する行政処分情報が公表されてきたことは,柔道整復師を除く医師等に対する行政処分情報を公にする慣行ではなく,柔道整復師を含む医療関係従事者に対する行政処分情報を少なくとも要請があれば公にする慣行が存在することを意味するものというべきであり,柔道整復師に対する行政処分情報について公表される予測可能性もあったと認められ,原告の上記主張を採用することはできない。 (4) 過去情報について原告は,本件業務停止処分の根拠となった犯罪行為が平成3年ないし平成6年の事実であり,刑事判決の言渡しが平成7年11月のことであることから,本件記載 することはできない。 (4) 過去情報について原告は,本件業務停止処分の根拠となった犯罪行為が平成3年ないし平成6年の事実であり,刑事判決の言渡しが平成7年11月のことであることから,本件記載事項に係る情報は既に周知性を失った情報で不開示とされるべきものである旨主張する。 ある情報が,時間の経過とともに周知性を喪失し,一定期間が経過した後はもはや公にされているとは認められない場合があり得ることは認められる。情報の周知性喪失期間に関して明確な判断基準はなく,行政庁の合理的な判断にゆだねられていると解されるが,この点に関し,被告は,柔道整復師に関する業務停止処分の期間を最長5年間とする運用がされていること,免許を取り消された者につき再免許が与えられるのは,業務停止処分との均衡も考慮して免許取消処分から5年以上経過した場合に限られるとの運用がされていることに照らし,柔道整復師に関する行政処分に係る開示請求が当該行政処分から5年以上経過した後にされた場合には,当該行政処分に係る情報は,「公にされ,又は公にすることが予定されている情報」に該当しなくなるとして,法5条1号ただし書イの該当性を判断しているところ,上記取扱いは一応合理的なものということができる。これを本件についてみると,本件業務停止処分がされたのは平成11年6月9日であり,本件開示請求がされたのは約1年10か月後の平成13年4月2日であって,本件記載に係る情報は周知性を喪失したものということはできず,いまだ公開予定情報であったというべきである。 原告は,犯罪行為又は刑事判決からの時間の経過を指摘するが,本件記載に係る情報はあくまで柔道整復師である原告に対して行政処分がされた事実及びその内容であって,刑事処分とは別のものであり,刑事処分等からの時間経過を問題にする原告の主張を採 経過を指摘するが,本件記載に係る情報はあくまで柔道整復師である原告に対して行政処分がされた事実及びその内容であって,刑事処分とは別のものであり,刑事処分等からの時間経過を問題にする原告の主張を採用することはできない。また,原告は,本件業務停止処分には行政機関側に責任のある著しい遅延があり,原告に遅延による不利益を課すことは許されない旨主張するが,本件業務停止処分は刑事判決から約3年7か月後にされているところ,刑事処分を理由とする医療関係者に対する行政処分が刑事判決から3年以上経過することもまれとはいえず(乙7),本件業務停止処分が著しく遅延したことを認めるに足りる証拠はなく,原告の上記主張も採用できない。 (5) 厚生労働省における取扱いについて証拠(乙6)によれば,厚生労働省が,本件答申を受けて平成11年度分の柔道整復師被行政処分者7名分,平成12年度分の同4名分について,それぞれ本籍を除いたその氏名・住所・生年月日等についてそれぞれ開示した上,平成14年11月13日付けで,平成14年度分についての柔道整復師等に対する行政処分の内容を公表するに至ったことが認められる。 係争中である本件決定と同時にされた同種の情報に関する開示決定により,直ちに本件記載に係る情報が公開予定情報になるものではなく,また,平成14年度分の行政処分の内容の公表により,直ちに過去の行政処分情報が公開予定情報になるものではない。しかし,上記厚生労働省の取扱いは,柔道整復師に対する行政処分情報が,医師等に対する行政処分情報と同様,公にすることが予定されている公開予定情報に該当することを示す1事情ということができる。 (6) プライバシー侵害について原告は,前科等が,人の名誉,信用に直接に関わる事項で,個人のプライバシーのうちでも最も他人に知られたくないものの 報に該当することを示す1事情ということができる。 (6) プライバシー侵害について原告は,前科等が,人の名誉,信用に直接に関わる事項で,個人のプライバシーのうちでも最も他人に知られたくないものの一つであって,その公開は,プライバシーに優越する利益が存在する場合でなければならず,その場合でも必要最小限の範囲に限つて公開し得るにとどまるとし,本件決定において,本件記載に係る情報についてプライバシーに優越する利益が存在せず,原告の氏名はもとより住所・生年月日まで開示すべき合理的理由はなく,必要最小限の範囲に限定もされていないと主張し,プライバシー保護の重要性を示すものとして最高裁判所平成15年9月12日第二小法廷判決を引用する。 しかしながら,本件記載に係る情報は,原告に対する行政処分の理由として,業務に関し犯罪行為があったことを記載しているものであって(甲2),犯罪行為の内容や前科等の詳細を記載したものではない。前記のとおり,柔道整復師に対する行政処分情報は公にされることが予測できるものであって,これが開示されることによる不利益は,行政処分を受けた者として当然甘受しなければならない受忍限度内のものというべきである。本件決定と同時に開示された柔道整復師の行政処分情報について,被処分者らに重大な不利益等が生じたことを認めるべき証拠もない。 原告が引用する最高裁判所判決は,法に基づく行政文書の開示が争われている本件と事案を異にし,本件に適切ではない。他に,本件決定を違法というべき事情を認めるに足りる証拠はない。 3 結論以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告の本訴請求は理由がないので棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官川神裕裁判官山田明裁判官一原友彦 いて判断するまでもなく,原告の本訴請求は理由がないので棄却することとし,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第7民事部裁判長裁判官川神裕裁判官山田明裁判官一原友彦

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