昭和46(オ)814 請負代金請求

裁判年月日・裁判所
昭和47年4月20日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄差戻 東京高等裁判所 昭和43(ネ)2266
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を東京高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人渡辺重視、同二瓶広志、同安達正二、上告復代理人高橋武の上告理由 第一

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判決文本文2,228 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を東京高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人渡辺重視、同二瓶広志、同安達正二、上告復代理人高橋武の上告理由第一点について。 論旨は、いろいろいうが、要するに、原審が、その確定した事実関係のもとにおいて、上告人A建設株式会社と被上告人との間に締結された本件建物の建築工事請負契約(以下本件請負契約という。)にもとずく右上告人の被上告人に対する残代金債権(以下本件残代金債権という。)の弁済期は右建物に賃借人が充員した昭和三四年一一月二日に到来したものであり、したがつて、右残代金債権の消滅時効はその時から進行を開始したと判断した点には、民法一六六条一項の解釈適用を誤るなど、原判決の結論に影響を及ぼすことの明らかな法令の違背があるというにある。 そこで、検討するに、原審のした右判断には、次のような問題点の存することが認められる。 (一) まず、原審は、上告人A建設株式会社と被上告人との間において本件残代金債権の支払を本件建物に賃借人が充員するまで猶予する旨の特約のあつたことが本訴の当事者間に争いがないということから、直ちに、右残代金債権の弁済期は右建物に賃借人が充員した時に到来したものと解すべきであるとしている。しかしながら、右支払猶予の特約は、その表現から見て、右残代金債権の本来の弁済期そのものを定める特約ではなく、その本来の弁済期は別に定められていることを前提として、その弁済期が到来してもなお右建物に賃借人が充員するに至つていないときは、賃借人が充員するまで残代金債権の支払を猶予する旨の特約にすぎないものと解すべきである。したがつてまた、仮りに本来の弁済期よりも前に右建物に賃借人- 1 -の充員することが起りえたとしても、その充員の時が本来の弁済期に代 金債権の支払を猶予する旨の特約にすぎないものと解すべきである。したがつてまた、仮りに本来の弁済期よりも前に右建物に賃借人- 1 -の充員することが起りえたとしても、その充員の時が本来の弁済期に代わるものと解するのは相当でない。とくに、原審の確定したところによれば、本件建築工事が雑工事をも含めて全部終了したのは昭和三四年一二月ごろであつたというのであるから、仮りにその工事終了前である同年一一月二日に右建物に賃借人が充員したとしても、その時に右残代金債権の本来の弁済期が到来したものと解するのは不自然である。 (二) また、原審の確定したところによれば、本件建物の建築工事の代金額は、当初の契約においては、金八八〇万円とする旨定められていたところ、その後、被上告人からの申出により建物の設計が変更され、その工事費が増加することになつた結果、上告人A建設株式会社と被上告人との間において、右代金額に関する約定を変更し、右建物の建築工事のため現実に要した費用額にその一割相当の金額を加算した金額をもつて新しい代金額とする旨の合意がなされたというのであるが、その後昭和三四年一一月八日右上告人が被上告人に対し本件精算書(甲第二号証)を交付するまでの間に、被上告人が右合意にもとづいて定められる工事費用額ないし代金額の具体的な金額を確認していたことについては、原審は何ら認定するところがないのである。そこで、もしこのような事実関係のもとにおいて、原判示のとおり、昭和三四年一一月二日に本件残代金債権の弁済期が到来するものとすれば、債務者である被上告人は、自己の弁済すべき具体的な代金額を確認しえないまま、これを弁済すべき責任を負わされる結果となるのを免れないが、これは甚だしく不当である。 (三) さらに、原審の確定したところによれば、上告人A建設株式会社と被上 き具体的な代金額を確認しえないまま、これを弁済すべき責任を負わされる結果となるのを免れないが、これは甚だしく不当である。 (三) さらに、原審の確定したところによれば、上告人A建設株式会社と被上告人との間には、当初の契約の際、本件請負契約にもとづく残代金債権の支払時期を建築工事完成の時とし、その具体的な支払期日および支払方法については当事者が協議のうえ決定する旨の合意がなされていたというのであるが、その後、右合意が- 2 -変更されたこと、または、右合意にもとづき残代金債権の具体的な支払期日および支払方法を決定するための協議が行なわれたことについては、原審は何ら言及していないのである。 以上の(一)ないし(三)を総合して考察すると、本件残代金債権の弁済期が昭和三四年一一月二日に到来し、右債権の消滅時効がその時から進行を開始したとする原審の前記判断は、にわかに支持することができず、かえつて、原判決は、右残代金債権の弁済期に関する契約上の合意についての解釈を誤り、ひいては、被上告人の本件消滅時効の抗弁の当否に関する判断において、審理不尽、理由不備の違法をおかしたものといわざるをえない。 したがつて、原判決の右違法を指摘するものと解される本論旨は、その理由があるというべきであつて、その余の論旨について判断するまでもなく、原判決は破棄を免れない。 よつて、民訴法四〇七条一項に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官大隅健一郎裁判官岩田誠裁判官藤林益三裁判官下田武三裁 裁判官岩田誠裁判官藤林益三裁判官下田武三裁判官岸盛一- 3 -

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