昭和63(オ)1410 損害賠償

裁判年月日・裁判所
平成5年7月20日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 福岡高等裁判所 昭和61(ネ)719
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判決文本文1,218 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人高木喬の上告理由一について上告人は、原審において、旅館等の営業者として自然景観の眺望を享受する利益や水資源を利用し得る利益等を有するところ、被上告人の本件ダム設置運営等により、右利益等につき損失を被ったと主張して、憲法二九条三項の規定に基づく損失補償請求を予備的、追加的に併合することを申し立てたが、原審は、追加的併合を不適法として、右予備的請求に係る訴えを却下した。 しかし、右損失補償請求は、主位的請求である国家賠償法一条一項等に基づく損害賠償請求と被告を同じくする上、いずれも対等の当事者間で金銭給付を求めるもので、その主張する経済的不利益の内容が同一で請求額もこれに見合うものであり、同一の行為に起因するものとして発生原因が実質的に共通するなど、相互に密接な関連性を有するものであるから、請求の基礎を同一にするものとして民訴法二三二条の規定による訴えの追加的変更に準じて右損害賠償請求に損失補償請求を追加することができるものと解するのが相当である。もっとも、損失補償請求が公法上の請求として行政訴訟手続によって審理されるべきものであることなどを考慮すれば、相手方の審級の利益に配慮する必要があるから、控訴審における右訴えの変更には相手方の同意を要するものというべきである。ところが、記録によれば、原審において、被上告人は、右予備的請求を追加的に併合することは不適法であるとして訴えの却下を求めており、被上告人による同意があったものと認めることはできない。 したがって、上告人の本件予備的請求を追加することは許されないところ、記録によれば、本件損失補償請求の予備的、追加的併合申立ては、主位的請求と同一の訴- 1 -訟手 たものと認めることはできない。 したがって、上告人の本件予備的請求を追加することは許されないところ、記録によれば、本件損失補償請求の予備的、追加的併合申立ては、主位的請求と同一の訴- 1 -訟手続内で審判されることを前提とし、専らかかる併合審判を受けることを目的としてされたものと認められるから、右予備的請求に係る訴えは、これを管轄裁判所に移送する措置をとる余地はなく不適法として却下すべきであって、これと結論を同じくする原判決は、正当である。 論旨は、違憲をいう点を含め、原判決の結論に影響のない違法をいうに帰し、採用することができない。 その余の上告理由について所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官佐藤庄市郎裁判官貞家克己裁判官園部逸夫裁判官可部恒雄裁判官大野正男- 2 -

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