平成12(ワ)403 借地権確認請求事件

裁判年月日・裁判所
平成14年5月14日 那覇地方裁判所
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判決文本文9,427 文字)

平成12年(ワ)第403号借地権確認請求事件口頭弁論終結日平成14年1月16日判決 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求原告と被告との間において、原告が別紙物件目録記載の土地について、賃貸借期限平成41年6月27日、賃料1か月金11万9880円(1坪当たり金135円)、賃料毎年6月27日1年分前払の定めによる借地権を有することを確認する。 第2 事案の概要本件は、被告から別紙物件目録記載の土地(以下「本件土地」という。)を賃借し、これを転貸していた原告が、被告が期間満了を理由に賃貸借契約の終了を主張し、同賃貸借契約の更新を拒絶したために、被告に対して本件土地の借地権の確認を求めた事案である。 1 争いのない事実(1) 原告は、不動産の取得、販売及び賃貸業等を目的とする会社であり、被告は、本件土地の所有者である。 (2) 原告は、被告との間で、昭和44年ころ、本件土地を建物所有目的かつ転貸承諾付きで、賃貸借期間昭和44年6月28日から平成11年6月27日までの30年間、賃料月額5万7720円(1坪当たり65円)、賃料毎年6月27日1年分前払の約定で賃借するとの合意をした(以下「本件賃貸借契約」という。)。なお、賃料はその後改定され、平成5年6月27日から、1坪当たり135円となっている。 (3) 原告は、本件土地を宅地造成の上、複数の建物を建築し、当該建物を訴外転借人らに売却するとともに、本件土地をそれぞれ転貸した。 2 原告の主張(1) 法定更新(土地の使用継続)転借人らは、本件土地上に建物を所有し、原告は、転借人らと本件土地について転貸借契約を締結しているのであるから、本件賃貸借契約の期間中から現在まで、原告は、土地の使用を継続しているといえる。 転借人らは、本件土地上に建物を所有し、原告は、転借人らと本件土地について転貸借契約を締結しているのであるから、本件賃貸借契約の期間中から現在まで、原告は、土地の使用を継続しているといえる。 したがって、平成3年法律第90号による廃止前の借地法(大正10年法律第49号、以下「旧借地法」という。)8条及び6条1項により、本件賃貸借契約は更新された。 (2) 正当事由の不存在本件土地上には、転借人ら所有の建物が存在するのであるから、被告が遅滞なく異議を述べて本件賃貸借契約の更新を拒絶するには、正当事由が必要である(旧借地法8条、6条2項、4条1項但書)。 しかし、被告は、原告に転借料を前払していた転借人らを説得し、原告の警告を無視して強引に転借人らと平成12年3月1日からの賃貸借契約を締結したものであって、本件土地の自己使用の必要性もない。また、本件のような広大な団地において、一部の地主だけに土地を返還すると全体の管理上多大な支障が生じる。 したがって、被告に正当事由のないことは明らかである。 3 被告の主張(1) 土地使用の不継続被告は、転借人らとの間で、平成12年1月19日、本件土地につき、賃貸借期間平成12年3月1日から10年間、賃料1坪当たり1か月235円(ただし、平成12年3月1日から平成16年2月末日までの4年間は賃料を増額しない。)の約定で賃貸するとの合意をした。換言すれば、原告と転借人らとの転貸借契約は終了しているのであるから、原告は本件土地の間接占有すらも有しておらず、本件土地の使用継続があったと見ることはできない。 したがって、法定更新の要件を満たさない。 (2) 更新拒絶被告は、原告に対し、平成11年6月28日、本件賃貸借契約の更新について遅滞なく異議を述べた。 前(1)項のとおり、原告と きない。 したがって、法定更新の要件を満たさない。 (2) 更新拒絶被告は、原告に対し、平成11年6月28日、本件賃貸借契約の更新について遅滞なく異議を述べた。 前(1)項のとおり、原告と転借人らとの転貸借契約は終了しているのであるから、旧借地法8条及び6条2項の「建物あるとき」との要件は満たされず、被告が更新を拒絶するのに正当事由は要件とされない。 たとえ、正当事由が要件とされるとしても、被告は、転借人の1人であるAから建物1棟を譲り受け、少なくとも本件土地の一部につき自己使用の必要性を有している。原告と被告の本件土地利用の必要性を比較した場合、原告は、典型的な資本家的借地人であり、積極的に本件土地を一体的に管理する合理性や必要性が認められない。これに対して、被告は、30年間もの長きにわたって、不利な条件で原告との契約関係を続けてきている上、原告が介在することによって、転借人から建物を譲り受ける際に高額な承諾料を要求されるなどの不利益を強いられており、本件土地を自ら使用する必要性は大きい。また、転借人らは、原告から、転借料の値上げ要求を受けたことから、被告との直接契約を望み、既に被告との間で賃貸借契約を締結しており、転借人らの保護に欠けるところもない。 したがって、被告に正当事由は存在する。 (3) 権利濫用(仮定的予備的主張)原告は、県内最大手と評価される不動産ディベロッパーであり、本件賃貸借契約により、宅地造成及び分譲住宅販売による事業収益を獲得した上、30年間にわたり賃料と転借料の差額賃料の利益を得てきた。また、転借人が建物を第三者に処分する場合には、相当高額な譲渡承諾料を受領している。他方で、被告は、原告の主張が認められれば、半永久的に賃料増額の交渉以外には、本件土地の所有権者としての主張が許されなくなる。 物を第三者に処分する場合には、相当高額な譲渡承諾料を受領している。他方で、被告は、原告の主張が認められれば、半永久的に賃料増額の交渉以外には、本件土地の所有権者としての主張が許されなくなる。 したがって、原告の借地権の主張は権利の濫用である。 第3 当裁判所の判断 1 本件に至る経緯甲第1ないし第16、乙第1ないし第10及び第12号証(各枝番を含む)、証人B、同C及び同Dの各証言、被告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。 (1) 原告は、県内大手と言われる資本金6100万円の不動産の取得、販売及び賃貸業等を目的とする会社である。 昭和42、3年ころ、本件土地を含む付近一帯は、水田や耕作地や空き地であり、里道はあったものの、整備はほとんどされていなかった。原告は、これらの土地を借り上げ、宅地造成をし、a団地として分譲するという大規模な団地造成計画を立案し、被告を含む30名近い地権者らと土地の賃貸借契約を締結する交渉を開始した。 被告は、本件土地上で農業をして生計を立てており、原告の交渉担当者であるBらから5、6回の来訪を受けたが、当初は、土地を一旦貸したら返還が困難ではないかという不安から、本件賃貸借契約の締結を強く拒否していた。その後、被告に対し、原告が、地元有力者らを同行の上、被告の協力がなければ道路が整備できずに開発が進展せず、他の地主にも迷惑がかかる等と説得し、さらに、当時入院していた被告の父も、原告から依頼されて被告に契約締結を勧めた。 そのため、昭和44年ころ、被告は、契約期間である30年間が経過すれば、本件土地の返還を受けられると信じて、原告と本件賃貸借契約を締結した。その内容は、被告が、本件土地を原告に建物所有目的で賃貸し、原告による賃借土地の転貸又は借地権の譲渡を承諾すると 間が経過すれば、本件土地の返還を受けられると信じて、原告と本件賃貸借契約を締結した。その内容は、被告が、本件土地を原告に建物所有目的で賃貸し、原告による賃借土地の転貸又は借地権の譲渡を承諾するとともに、原告が賃借土地上の建物を他に譲渡するときも被告の承諾を要しないというものであり、契約期間は、平成11年6月27日までの30年間で、30年後、原被告間に異議なきときは継続するとの条項(4条但書)が設けられており、原告から被告に対し、権利金等の金員は支払われていない。 他の地権者らも、土地を賃貸した場合の地主としての利益や開発による土地の値上がり、本土復帰後の農地法の適用などを考慮し、原告に土地を賃貸することを了承した。原告は、こうして借り上げた本件土地付近一帯の土地に道路を整備し、宅地造成をし、区画整理をして、約150から160戸の分譲住宅を建築し、転借地権付建物として転借人らに販売した。原告の行った区画整理は、本件土地を含む団地内の各土地の境界と一致していないため、団地内の道路は複数の土地の一部ずつを使用する形で敷設されており、また、分譲住宅の中には、敷地が複数の地主の土地にまたがっているものもある。 (2) 本件土地上には、18名の転借人が居住することとなり、農業ができなくなった被告は、a団地内にアパートを3棟所有し、その家賃収入及び原告からの地代収入で生活をしていた。 他方、原告は、分譲住宅を販売することで、a団地の開発に掛けた多額の費用を回収し、かつ、利益を得た。その後の原告の活動としては、a団地の転借料の回収、地主への地代の支払が主なものであり、団地内の道路や側溝の管理補修等は、転借人らが実施している。 原被告間の賃料は、平成5年6月27日から1坪当たり135円と改定され、原告と転借人らとの転借料も、平成4年3月から が主なものであり、団地内の道路や側溝の管理補修等は、転借人らが実施している。 原被告間の賃料は、平成5年6月27日から1坪当たり135円と改定され、原告と転借人らとの転借料も、平成4年3月から1坪当たり235円とされている。 その後、数名の地主から原告に対し、賃料増額請求訴訟が提起され、平成9年11月26日、1坪当たり180円に賃料を増額する和解が成立したため、原告は、転借人らと転借料を1坪当たり320円に増額する交渉をしていたが、本件訴訟の提起に伴い中断された。なお、上記の地主らからは、平成13年2月5日、1坪当たり350円の賃料増額請求訴訟が再度提起されている。 原告は、平成4年ころから、転借人が替わる場合、転借権譲渡承諾手数料として、借地権価格の1割を受領している。また、転借人が増改築する場合には、平成4年以降1件5万円、平成8年以降1件10万円の手数料を受領している。この際、本件賃貸借契約上は地主の承諾が不要とされているものの、20年前くらいから、原告は転借人に対し、地主の承諾を得ることを求めている。 また、平成12年5月18日、転借人が地主から敷地の譲渡を受けたことを理由に、原告の借地権の解消を主張した訴訟において、原告が、転借人から借地権消滅料として300万円余りの支払を受けて借地権の解消に応じる和解が成立した。 (3) 平成10年9月18日ころ、被告は、本件土地上の転借人の1人であるAから、Aの所有建物を購入して自己が居住することを計画した。そのため、被告が、当該敷地に関する原告の借地権を消滅させることを原告に申し入れたところ、原告は被告に対し、転借権譲渡承諾手数料として、土地の路線価に借地権割合を乗じた約800万円の借地権相当額を支払うよう要求した。その後、原告は、承諾手数料を400万円に減額譲歩したが、被告は納 ろ、原告は被告に対し、転借権譲渡承諾手数料として、土地の路線価に借地権割合を乗じた約800万円の借地権相当額を支払うよう要求した。その後、原告は、承諾手数料を400万円に減額譲歩したが、被告は納得できず、原告に対し、平成10年11月16日付けで、本件賃貸借契約を期間満了により終了させる意思であること及び前記Aの建物購入に関し、原告の要求に従う意思のないことを通知し、Aから建物の譲渡を受けた。 平成11年6月28日、被告は原告に対し、契約期間満了により、本件賃貸借契約を終了する旨の通知をした。しかし、原告は被告に対し、引き続き地代を振り込み、同年7月8日、本件賃貸借契約の更新を請求する通知をした。 被告は、原告から振り込まれた地代を返還する一方で、本件土地上に建物を有する転借人ら17名全員との間で、平成12年1月19日、本件土地につき、賃貸借期間平成12年3月1日から10年間、賃料1坪当たり1か月235円(ただし、平成12年3月1日から平成16年2月末日までの4年間は賃料を増額しない。)の約定で賃貸するとの合意をし、その旨原告に通知した。しかし、原告が転借人らに対し、地代の支払を請求したので、被告と賃貸借契約を締結した従前の転借人ら17名は、a団地借地人組合という名称で、原告に対し、原告の請求には応じない旨の通知を行った。なお、敷地が被告所有の土地以外の土地も含む従前の転借人は、測量の上、地積に応じて、賃料及び転借料を被告と原告とに案分して支払っている。 2 法定更新について前記認定のとおり、本件賃貸借契約の期間満了時である平成11年6月27日及び被告が原告に対して本件賃貸借契約の更新について異議を述べた同月28日には、依然として転借人らが、原告との転貸借契約に基づき本件土地上の建物を使用継続していたことが明らかである。し 年6月27日及び被告が原告に対して本件賃貸借契約の更新について異議を述べた同月28日には、依然として転借人らが、原告との転貸借契約に基づき本件土地上の建物を使用継続していたことが明らかである。しかも、被告が転借人らと直接本件土地の賃貸借契約を締結したのは、平成12年1月19日であって、賃貸借期間の開始が同年3月1日からである上、被告が転借人らと本件土地について直接賃貸借契約を締結したからといって、原告と転借人らとの間の転貸借契約が当然に終了すると解することは困難であり、原告も転貸借契約の継続を主張している。 このような事情に鑑みれば、転借人らは、本件土地上に建物を所有し、原告は、転借人らと本件土地について転貸借契約を締結しているのであるから、本件賃貸借契約の期間満了時、本件土地の使用を継続しているといえ、法定更新の要件を満たすとともに、遅滞なく異議を述べた被告であっても、更新を拒絶するためには、正当の事由が必要とされる(旧借地法8条、6条2項、4条1項但書)というべきである。 3 正当事由の有無(1) 土地所有者が更新を拒絶するために必要とされる正当の事由ないしその事由の正当性を判断するには、単に土地所有者の事情ばかりでなく、借地権者側の事情をも斟酌することを要し、例えば、土地所有者が自ら土地を使用することを必要とする場合においても、土地の使用を継続することにつき借地権者側がもつ必要性をも斟酌した上、土地所有者の更新拒絶の主張の正当性を判定しなければならないものと解するのを相当とする(最高裁昭和37年6月6日大法廷判決民集16巻7号1265頁)。 (2) 本件土地を現実に利用しているのは、地上建物を所有して居住している転借人らである。被告は、転借人の1人であるAから、平成10年11月9日、別紙物件目録1記載の土地上の建物を譲り受け 5頁)。 (2) 本件土地を現実に利用しているのは、地上建物を所有して居住している転借人らである。被告は、転借人の1人であるAから、平成10年11月9日、別紙物件目録1記載の土地上の建物を譲り受け(乙10)、少なくとも本件土地の一部について現実に自己使用の必要性を有しているとは主張するものの、その余の部分については、転借人らと新たに賃貸借契約を締結し、転借人らによる本件土地の使用を今後も認めており、本件土地の利用状況に特段変化が生じるわけではない。 しかし、本件土地の自己使用の必要性がないのは、原告も同様であり、原告が本件賃貸借契約の更新拒絶によって被る不利益は、要するに転借人らから得られる転借料と被告に支払う賃料の差益収入の喪失という経済的損失と認められる。 (3) 原告は、a団地の宅地造成及び建物建築のために多額の費用を支出しているが、これらの費用も全額建物の価格に含ませて売却するため、全戸売却できれば相当額の収益が挙げられるように事業計画が立てられており、実際、a団地は全戸売却できたため、既に原告は相応の収益を得ていると認められる(B証人)。その上で、原告は、30年間、賃料と転借料との賃料差益を得てきたといえる。しかも、a団地内の道路や側溝の管理補修は、転借人らが実施しているのであるから、原告がa団地の管理費用を支出しているといった事情も認められない。 また、前記1認定のとおり、原告は、本件賃貸借契約締結に当たっていわゆる権利金等も支払っていない上、本件賃貸借契約の内容は、原告が被告の承諾なく自由に土地の転貸や借地権の譲渡ができるというものであり、借地権者である原告に相当程度に有利な内容となっている。加えて、原告は、転借人が転借権を譲渡する場合には、承諾手数料と称して、借地権価格の1割を転借人から受領し、転借人が増改築する場 うものであり、借地権者である原告に相当程度に有利な内容となっている。加えて、原告は、転借人が転借権を譲渡する場合には、承諾手数料と称して、借地権価格の1割を転借人から受領し、転借人が増改築する場合には、5万円から10万円の増改築承諾手数料を受領しているが、これらの手数料は、地主へは配分されていない。 これらの事情にかんがみれば、原告は、30年間でa団地に投下した資本を回収し、かつ、十分な利益を上げているといえる。 (4) 原告は、被告だけに土地を返還するとa団地の管理上支障が生じると主張する。 しかし、a団地の道路や側溝の管理は転借人らが実施しており、もともと原告は行っていないのであるから、原告が介在しなくとも転借人らに支障を来すものではない。証人Cは、車庫証明などの点で支障があると供述するが、転借人らが自身で地主と交渉すれば済む問題である。道路の負担の関係でも、被告が本件土地上に敷設された道路等の通行を従来通り認める意向であることは弁論の全趣旨から明らかであり、また、他の地主が所有して原告が賃借する土地上の道路の通行についても、道路の使用に相当する分の負担を原被告間で精算することもできるのであるから(B証人)、支障が生じるとは認められない。地主が2人又は3人となる敷地に建物を所有する転借人については、測量の上、各々の地積を計算して、賃料及び転借料を各地主に案分して支払うこともでき、実際、被告と直接賃貸借契約を締結した転借人らは、上記の方法で原告と被告とに転借料と賃料を案分して支払っている。確かに、そのような一部の転借人にとっては、敷地の賃貸人が複数に分裂することにより権利関係が複雑になる等の不都合が生じることは予想されるものの、その点を建物所有者である転借人が了解している以上、特段重視することはできない。 しかも、被告は 地の賃貸人が複数に分裂することにより権利関係が複雑になる等の不都合が生じることは予想されるものの、その点を建物所有者である転借人が了解している以上、特段重視することはできない。 しかも、被告は、原告との本件賃貸借契約の終了を主張するが、転借人らに明渡しを求めているわけではなく、転借人らと直接本件土地の賃貸借契約を締結しているのであるから、転借人らの保護に欠けるところはない。むしろ、30年間にわたり、地主から原告に対して賃料値上げ請求がされ、それに伴い、原告が転借人らに対し、転借料値上げの交渉をし、時には訴訟に発展する事態が繰り返されてきたことに鑑みれば、地主と転借人らが直接賃貸借契約を締結することにより、原告が得ていた賃料差益分だけ、地主にとっては高く、転借人らにとっては安く賃料を設定することが可能であり、双方に有利となることも予想される。実際、本件土地上に居住する転借人らは、進んで被告との間で、これまでの転借料と同額の賃料で賃貸借契約を締結している(D証人)。 したがって、原告の主張は採用できない。 (5) 被告は、当初から原告との本件賃貸借契約締結に消極的であり、特に一旦他人に土地を貸すと返還してもらうことが困難ではないかとの危惧を抱いていたことは、前記1認定のとおりである。これに対し、原告は、契約書上、「30年後、原被告異議なきときは継続する。」との条項が設けられているにもかかわらず、30年後は、例え被告から異議があっても、他の地主全員が更新拒絶で一致しないと返還には応じられず、期間経過後も本件賃貸借契約は継続されると認識していたのであり、しかも、原告は、このような認識を前述のような危惧を抱いていた被告に対し説明したことはない(B証人)と認められるから、このような契約締結時の原告の対応は非難されてしかるべきものといえる。 ( あり、しかも、原告は、このような認識を前述のような危惧を抱いていた被告に対し説明したことはない(B証人)と認められるから、このような契約締結時の原告の対応は非難されてしかるべきものといえる。 (6) 以上のとおり、原告は、30年間でa団地に投下した資本を回収し、利益を上げており、当初の目的は達成したといえる上、原告の借地権が消滅しても転借人らに格別不利益な事態は生じない。それにもかかわらず、自己使用目的がないということを主たる理由として、被告の正当事由を否定し、本件賃貸借契約の更新を認めるとすると、原告は、更新後の30年のみならず、半永久的に被告の土地を利用して賃料差益を継続的に受領し得ることになる。また、旧借地法は、借地上に居住している借地権者や転借人を保護するために制定されたものであって、原告のように賃料差益を収受できるという経済的利益を保護することを直接の目的としたものではないと考えられる。 したがって、本件のような事情がある場合には、被告に本件賃貸借契約の更新を拒絶する正当事由を認めるのが相当である。 3 よって、その余の点につき判断するまでもなく、原告の請求は、理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。 那覇地方裁判所民事第1部裁判長裁判官清水節裁判官高松宏之裁判官瀬戸さやか・(別紙) 物件目録 1 所在那覇市b町c丁目地番 d番地目宅地地積 449.00平方メートル 2 所在同所地番 e番地目畑地積 489平方メートル 3 所在同所地番 宅地地積 449.00平方メートル 所在同所地番 e番地目畑地積 489平方メートル 所在同所地番 f番地目畑地積 244平方メートル 所在同所地番 g番地目畑地積 760平方メートル 所在同所地番 h番地目畑地積 198平方メートル 所在同所地番 262番地目畑地積 128平方メートル 所在同所地番 269番地目宅地地積 1897.00平方メートルのうち、別紙a団地地籍図に薄墨色で表示された部分424平方メートル 所在同所地番 i番地目原野地積 204平方メートル

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