昭和22(れ)8 傷害、住居侵入

裁判年月日・裁判所
昭和22年12月15日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 広島高等裁判所 0
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人高橋武夫上告趣意は「原判決は「被告人は背後からAのため頸部を掴まへ られたので之を払除けるため手拳を以て同人の顔面

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判決文本文1,394 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人高橋武夫上告趣意は「原判決は「被告人は背後からAのため頸部を掴まへ られたので之を払除けるため手拳を以て同人の顔面を殴打し因て同人の顔面に打撲 擦過傷を蒙らしめたものである」との事実を認め其の証拠として「被告人の当公廷 に於てAに判示の打撲擦過傷を蒙らせたことを除く判示同趣旨の供述と医師BのA に対する診断書に判示傷害ある旨の記載とを綜合して之を認める」旨を判示せられ た仍て原審公廷に於ける被告人の供述を閲するに「問、工場ニ寝テ居タAが追掛ケ テ来タノデ捕ヘラレマイトシテ暴行シタノカ、答、藁塀ニ足ヲカケテ逃ゲカケテ居 ル時後カラ捕ヘラレタノデ之ヲ払ヒノケタノデアリマス、問、何処ヲ掴ヘタノカ、 答、首ヲ掴ヘラレタノデス、右手デ藁塀ヲ掴ヘテ居タノデ右手デハネタノデアリマ ス、問、手拳デ顔面ヲ殴ツタノデハナイカ、答、拳デハアリマセン右手デハネタノ ガ頬ニ当ツタノデアリマス。問、何回ハネタカ、答、一度デハ離サナカツタノデ二 度ハラヒノケマシタガ二度目ニヤツト手ヲ離シマシタ。弁護人ハ裁判長ニ告ゲ被告 人ニ対シ、問、手デ払ヒノケタ程度カ、答、ハイ、無意識ニ首ヲ掴ヘラレタノデ払 ヒノケタノデアリマス、問、相手ヲ傷付ケ様トカ叩イテヤラウカ言フ考ガアツテヤ ツタカ、答、其様ナ気持ハ全然アリマセヌデシタ」とあつて、被告人はAのために 首を掴へられたので無意識に手で二回程払ひ除けたものがAの類に当つたのであつ て、被告人の主観に於てAに対し暴行傷害を加うるの意思は毫もなかつたものであ る。即ち被告人の該行為は無意識に因る反射的行動であつて傷害の犯意と言うもの は認められない。然るに原判決は斯る被告人の原審公廷に於ける供述を証拠として 傷害の犯意を認めたのであるから結局犯意の点に付ては証拠に依らずして之を認め た に因る反射的行動であつて傷害の犯意と言うもの は認められない。然るに原判決は斯る被告人の原審公廷に於ける供述を証拠として 傷害の犯意を認めたのであるから結局犯意の点に付ては証拠に依らずして之を認め た違法が存すると信ずる仍て破毀を免れない」というにある。 - 1 -  しかし、原判決においては、被告人が逃げかけておるとき後から首を捕えられた ので手で払いのけたことの供述を証拠として掲げておる。これによつて、暴行の意 思を認定したのは、肯定し得るところである。論旨は、傷害の犯意は認められぬと 主張するが、暴行の意思あつて暴行を加え傷害の結果を生じた以上、たとえ傷害の 意思なき場合と雖も、傷害罪は成立するものといわねばならぬ。従つて原判決には、 証拠によらずして傷害の犯意を認めた違法はなく、論旨は理由がない。  よつて、刑事訴訟法第四百四十六条に則り主文の通り判決する。  この判決は裁判官全員の一致した意見である。  検察官幸節静彦関与。   昭和二十二年十二月十五日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔             裁判官    沢   田   竹 治 郎             裁判官    真   野       毅             裁判官    岩   松   三   郎 - 2 -

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