【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人細田直宏の上告趣意第一点は、憲法一三条、三六条違反をいうが、所論が 理由のないことは、当裁判所の判例(昭和二二年(
主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人細田直宏の上告趣意第一点は、憲法一三条、三六条違反をいうが、所論が理由のないことは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁、昭和二六年(れ)第二五一八号同三〇年四月六日大法廷判決・刑集九巻四号六六三頁)の趣旨に徴し明らかであり、同第二点は、量刑不当の主張であって、適法な上告理由に当たらない。 弁護人馬橋隆紀の上告趣意のうち、憲法三八条二項違反をいう点は、記録を調べても、所論各証拠の任意性を疑うべき証跡はなく、また、憲法三四条違反をいう点は、記録を調べても、捜査官が被告人の弁護人依頼権を侵害した事実は認められないから、いずれも所論は前提を欠き、憲法三七条二項違反をいう点は、実質は単なる法令違反の主張であり、その余は、単なる法令違反、事実誤認の主張であって、いずれも適法な上告理由に当たらない。 被告人本人の上告趣意のうち、憲法一一条、二五条、三六条違反をいう点が理由のないことは、前掲各判例の趣旨に徴し明らかであり、また、憲法三四条、三八条違反をいう点が前提を欠くことは、いずれも前示のとおりであり、憲法三七条二項違反をいう点は、実質は単なる法令違反の主張であり、その余は、事実誤認の主張であって、いずれも適法な上告理由に当たらない。 また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(本件は、被告人が三年半もの長期にわたって周到な準備を整えたうえ、実父、その同居の女性、一歳の誕生日を迎えたばかりの同女の孫娘を日本刀で次々と惨殺した事案であって、結果が極めて重大であり、犯行態様も著しく残虐である。殺害の動機は、実父については、弟を自殺に追い込んだ責任は同人にあると一方的に思い込ん- 1 の同女の孫娘を日本刀で次々と惨殺した事案であって、結果が極めて重大であり、犯行態様も著しく残虐である。殺害の動機は、実父については、弟を自殺に追い込んだ責任は同人にあると一方的に思い込ん- 1 -だことにあり、また、同居の女性については、同女が不謹慎で、かつ、実父殺害の支障になるというものであり、同女の孫娘にいたっては、実父の血を引く娘と誤解したというものであって、いずれも被告人の特異な価値判断に基づく極めて自己中心的、独善的なものであり、酌量の余地のないものである。右の諸事情に加え、遺族の被害感情、社会に与えた影響などをも考慮すると、被告人の成育歴に同情に値する点があること、前科・前歴のないこと、これまで平均的な市民生活を送ってきたことなどを斟酌しても、被告人の罪責はまことに重く、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。 よって、同法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 検察官板山隆重公判出席平成元年一一月二〇日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官香川保一裁判官牧圭次裁判官島谷六郎裁判官藤島昭裁判官奥野久之- 2 -
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