昭和62(あ)87 殺人

裁判年月日・裁判所
平成元年11月20日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人細田直宏の上告趣意第一点は、憲法一三条、三六条違反をいうが、所論が 理由のないことは、当裁判所の判例(昭和二二年(

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判決文本文1,459 文字)

主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人細田直宏の上告趣意第一点は、憲法一三条、三六条違反をいうが、所論が 理由のないことは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一 二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁、昭和二六年(れ)第二五一八号同三〇年 四月六日大法廷判決・刑集九巻四号六六三頁)の趣旨に徴し明らかであり、同第二 点は、量刑不当の主張であって、適法な上告理由に当たらない。  弁護人馬橋隆紀の上告趣意のうち、憲法三八条二項違反をいう点は、記録を調べ ても、所論各証拠の任意性を疑うべき証跡はなく、また、憲法三四条違反をいう点 は、記録を調べても、捜査官が被告人の弁護人依頼権を侵害した事実は認められな いから、いずれも所論は前提を欠き、憲法三七条二項違反をいう点は、実質は単な る法令違反の主張であり、その余は、単なる法令違反、事実誤認の主張であって、 いずれも適法な上告理由に当たらない。  被告人本人の上告趣意のうち、憲法一一条、二五条、三六条違反をいう点が理由 のないことは、前掲各判例の趣旨に徴し明らかであり、また、憲法三四条、三八条 違反をいう点が前提を欠くことは、いずれも前示のとおりであり、憲法三七条二項 違反をいう点は、実質は単なる法令違反の主張であり、その余は、事実誤認の主張 であって、いずれも適法な上告理由に当たらない。  また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(本 件は、被告人が三年半もの長期にわたって周到な準備を整えたうえ、実父、その同 居の女性、一歳の誕生日を迎えたばかりの同女の孫娘を日本刀で次々と惨殺した事 案であって、結果が極めて重大であり、犯行態様も著しく残虐である。殺害の動機 は、実父については、弟を自殺に追い込んだ責任は同人にあると一方的に思い込ん - 1 の同女の孫娘を日本刀で次々と惨殺した事 案であって、結果が極めて重大であり、犯行態様も著しく残虐である。殺害の動機 は、実父については、弟を自殺に追い込んだ責任は同人にあると一方的に思い込ん - 1 - だことにあり、また、同居の女性については、同女が不謹慎で、かつ、実父殺害の 支障になるというものであり、同女の孫娘にいたっては、実父の血を引く娘と誤解 したというものであって、いずれも被告人の特異な価値判断に基づく極めて自己中 心的、独善的なものであり、酌量の余地のないものである。右の諸事情に加え、遺 族の被害感情、社会に与えた影響などをも考慮すると、被告人の成育歴に同情に値 する点があること、前科・前歴のないこと、これまで平均的な市民生活を送ってき たことなどを斟酌しても、被告人の罪責はまことに重く、原判決が維持した第一審 判決の死刑の科刑は、当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。  よって、同法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとお り判決する。  検察官板山隆重 公判出席   平成元年一一月二〇日      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    香   川   保   一             裁判官    牧       圭   次             裁判官    島   谷   六   郎             裁判官    藤   島       昭             裁判官    奥   野   久   之 - 2 -

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