平成13(わ)115 覚せい剤取締法違反被告

裁判年月日・裁判所
平成13年9月6日 宇都宮地方裁判所
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判決文本文1,459 文字)

主文 被告人を懲役8年及び罰金500万円に処する。 未決勾留日数中110日をその懲役刑に算入する。 その罰金を完納することができないときは,金2万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置する。 理由 (犯罪事実)被告人は,Aらと共謀の上,営利の目的で,みだりに,第1 平成10年3月31日ころ,中華人民共和国の港から,覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩酸塩の結晶約33.6キログラムを同国船籍の船舶B号に積載して大阪市所在のC港に向けて発送し,同年4月2日,同港D岸壁において,同所に到着した同船から前記覚せい剤を陸揚げし,第2 同年4月13日ころ,中華人民共和国の港から,覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン塩酸塩の結晶約22.4キログラムを同国船籍の船舶E号に積載して神戸市所在のF港に向けて発送し,同月15日,同港G岸壁において,同所に到着した同船から前記覚せい剤を陸揚げし,もって,それぞれ覚せい剤を本邦に輸入したものである。 (法令の適用)被告人の判示各行為はいずれも刑法60条,覚せい剤取締法41条2項,1項に該当するところ,各所定刑中情状により有期懲役刑及び罰金刑を選択し,以上は刑法45条前段の併合罪であるから,懲役刑については同法47条本文,10条により犯情の重い判示第1の罪の刑に同法14条の制限内で法定の加重をし,罰金刑については同法48条2項により判示第1,第2の各罪所定の罰金の多額を合計し,その刑期及び金額の範囲内で被告人を懲役8年及び罰金500万円に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中110日をその懲役刑に算入することとし,その罰金を完納することができないときは,同法18条により,金2万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置することとする。 (量刑の理由)本件は,暴力団幹部であった被告人が,所 入することとし,その罰金を完納することができないときは,同法18条により,金2万円を1日に換算した期間被告人を労役場に留置することとする。 (量刑の理由)本件は,暴力団幹部であった被告人が,所属する暴力団の会長らと共謀の上,2度にわたり,営利の目的で覚せい剤をみだりに輸入した事案である。その手口は,会長の指示により,他の組員とともに中国に渡航した被告人らが,密売人から入手した覚せい剤をビニール袋に詰め,絵皿を入れた木箱の仕切り板の中に隠匿し,絵皿の運搬と見せかけて本邦に持ち込んだもので,本件犯行は,極めて綿密で周到な計画のもとに行われた巧妙かつ大胆な組織的犯行である。本件覚せい剤の量は,合計約56キログラムと実に恐るべき量で,既にその一部(押収されたのは約24キログラム)は,密売人の手に渡って,社会に流出したものと見られる。被告人は,本件犯行の実行役であり,本件発覚後逃亡し,首謀者の会長らが逮捕されたあとも逃亡生活を続けていた。被告人の責任は重大である。他方,被告人は,実行役とはいえ,従属的役割を担っていたにすぎないこと,被告人の本件2件の犯行の報酬は約40万円であること,被告人には傷害などの前科2犯があるが,26年以上前のものであること,被告人には帰りを待つ妻子がいることなど,被告人のために酌むべき事情もある。そこで,これらの情状を総合考慮すると,被告人に対しては,主文の刑が相当である(求刑懲役10年及び罰金500万円)。 平成13年9月6日宇都宮地方裁判所刑事部裁判長裁判官肥留間健一裁判官伊藤正高裁判官小林謙介 裁判官小林謙介

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