令和7(わ)79 公契約関係競売入札妨害、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律違反

裁判年月日・裁判所
令和7年10月16日 長野地方裁判所
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判決文本文2,194 文字)

令和7年10月16日宣告令和7年(わ)第79号、第87号 主文 被告人Aを懲役1年6月に、被告人Bを懲役1年に処する。 被告人両名に対し、この裁判が確定した日から3年間、それぞれその刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人Aは、長野県大町市教育委員会事務局スポーツ課長等として、同課が発注する工事等に関する事務を統括する職務に従事していたもの、被告人Bは、電気工事設備の設計施工等を業とするC株式会社(以下「C」という。)の代表取締役として、同社の業務全般を統括していたものであるが、第1(令和7年6月27日付け起訴状記載の各公訴事実) 1 被告人Aは、同市が令和6年8月21日に入札を執行した「令和6年度体育施設整備事業第一屋内運動場照明設備LED化工事」(以下「運動場工事」という。)の指名競争入札に関し、前記職務に従事する者として適正に入札等に関する職務を行う義務があるのに、その職務に反し、同月7日頃、同市(住所省略)所在の同市教育委員会事務局スポーツ課又はその周辺において、携帯電話機の通話機能を使用して、被告人Bに対し、前記入札に関する秘密事項である運動場工事の予定価格が約900万円(税込み)であることを教示し、よって、同月21日、Cを含むD・C経常建設共同企業体をして、予定価格に近接した価格である880万円(税込み)で入札させて運動場工事を落札させ、もって偽計を用いるとともに入札等に関する秘密を教示することにより、公の入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をし、 2 被告人Bは、運動場工事の一般競争入札に関し、同月7日頃、同市(住所省略)所在のCにおいて、携帯電話機の通話機能を使用して、被告人Aから、前記入札 に関する秘密事項である運動場工事 し、 2 被告人Bは、運動場工事の一般競争入札に関し、同月7日頃、同市(住所省略)所在のCにおいて、携帯電話機の通話機能を使用して、被告人Aから、前記入札 に関する秘密事項である運動場工事の予定価格が約900万円(税込み)である旨教示を受け、よって、同月21日、前記共同企業体をして、運動場工事に係る予定価格に近接した価格である880万円(税込み)で入札させて運動場工事を落札させ、もって偽計を用いて、公の入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした。 第2(令和7年6月11日付け起訴状記載の公訴事実)被告人両名は、共謀の上、同市が令和6年12月11日に入札を執行した「令和6年度図書館LED照明設備整備事業図書館照明LED化工事」(以下「図書館工事」という。)の事後審査型一般競争入札に関し、被告人Aが、同月4日、前記スポーツ課又はその周辺において、携帯電話機のメッセージ機能を使用して、被告人Bに対し、前記入札に関する秘密事項である図書館工事の予定価格が約1400万円(税込み)であることを教示し、よって、同月11日、Cをして、予定価格に近接した価格である1386万円(税込み)で入札させて図書館工事を落札させ、もって偽計を用いて、公の入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為をした。 (量刑の理由)各工事の価格は大規模なものではないが、被告人Aは、判示の立場にありながら、地元の先輩に当たる被告人Bに求められるがまま、大胆かつ安易に、重要な秘密事項である入札予定価格の概ねの金額を2度も教示しており、いずれの工事も被告人Bの経営会社等が近接価格で落札していることに照らしても、こうした被告人両名の行為は、公共工事の入札手続の公正に対する信頼を害しかねないものである。 被告人Aにおいて、入札手続を所管する も被告人Bの経営会社等が近接価格で落札していることに照らしても、こうした被告人両名の行為は、公共工事の入札手続の公正に対する信頼を害しかねないものである。 被告人Aにおいて、入札手続を所管する運動場工事の大方の予定価格を漏洩した点は、その職務に反し、官製談合防止法上厳しく規制されている行為でもある上、所管外である図書館工事に関しては、大胆にも、所管課の担当者にうそを言って予定価格の概ねの額を聞き出し、漏洩に及んでいる。金銭的見返りを期待していた形跡がないことを踏まえても、被告人Aの犯情は悪質である。被告人Bは、業者間の受注調整が 習慣化していたことを背景に、市担当者から工事の入札予定価格を聞き出すという行為を繰り返しており、実に常習的な犯行である。被告人両名の刑事責任は決して軽いものではない。 このほか、被告人両名とも前科がなく、反省の態度を示していること、それぞれ家族が監督を誓約していることなどをも考慮し、情状の軽重に従って、主文の各刑を定めた。なお、被告人Aの弁護人は、懲役の言渡しによる失職の可能性等を挙げて、罰金刑の選択を求めているが、同被告人の犯情の悪質さに照らせば、懲役刑を選択せざるを得ないと判断した。 よって、主文のとおり判決する。 (検察官の求刑-被告人Aにつき懲役1年6月被告人Bにつき懲役1年被告人Aの弁護人の科刑意見-罰金刑被告人Bの弁護人の科刑意見-執行猶予)令和7年10月21日長野地方裁判所刑事部 裁判長裁判官坂田正史 裁判官坂井唯弥 裁判官木村ゆりな 裁判官坂井唯弥 裁判官木村ゆりな

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