平成16(行コ)39 公文書非開示処分取消請求控訴事件(原審・福岡地方裁判所平成9年(行ウ)第8号)

裁判年月日・裁判所
平成17年10月27日 福岡高等裁判所 情報公開
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判決文本文9,558 文字)

主文 1 第1審判決別紙文書目録一の一記載の文書のうち,別紙目録①ないし⑤記載の文書の非開示部分についての本件控訴を棄却する。 2 前項に関する控訴費用及び上告費用は,控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人(1) 第1審判決中,第1審判決別紙文書目録一(以下「本件目録」という。)の一記載の文書(以下「本件文書」という。)のうち,別紙目録①ないし⑤記載の文書の非開示部分(以下「本件各非開示部分」という。)に関する部分を取り消す。 (2) 本件各非開示部分に関する被控訴人の非開示処分取消請求をいずれも棄却する。 (3) 前項に関する訴訟総費用は,被控訴人の負担とする。 2 被控訴人主文同旨第2 事案の概要等 1 事案の要旨本件は,福岡県(以下「県」という。)内に事務所を有する団体である市民オンブズマン福岡が,福岡県情報公開条例(昭和61年福岡県条例第1号。平成9年福岡県条例第62号による改正前のもの。以下「本件条例」という。 )に基づき,控訴人に対し,平成6年度の県土木部道路建設課の食糧費支出に関する食糧費支出伺,支出負担行為決議書兼支出命令書,請求書等の本件文書の開示を請求したところ,平成8年2月23日,控訴人が本件文書のうち本件目録記載の非開示部分を開示しないとする処分をしたため,市民オンブズマン福岡の訴訟承継人である被控訴人が上記処分の取消しを求めている事案である。 2 審理の経過市民オンブズマン福岡は,控訴人に対し,上記処分の外に,控訴人がした,本件目録の二ないし五,一一及び一二記載の非開示部分を開示しないとする処分についても取消しを求める訴えを提起した。第1審判 市民オンブズマン福岡は,控訴人に対し,上記処分の外に,控訴人がした,本件目録の二ないし五,一一及び一二記載の非開示部分を開示しないとする処分についても取消しを求める訴えを提起した。第1審判決は,①本件目録の一記載の非開示部分のうち,債権者(業者,請求者,店,問い合わせ先,担当者等を含む。)の振込先銀行名,同支店名,口座の種別,口座番号,口座名義が記載されている部分を除いた部分,②本件目録の二,三記載の非開示部分の全部,③本件目録の四記載の非開示部分のうち,第1審判決添付の別表1記載の各非開示部分を除いた部分,④本件目録の五記載の非開示部分のうち,出勤簿中の現住所欄の記載部分を除いた部分の各非開示処分,そして,⑤本件目録の一二記載の非開示部分についての非開示処分をいずれも取り消し,その余の請求を棄却した。 この第1審判決に対し,控訴人及び被控訴人双方が,各敗訴部分の取消しを求めて控訴した。差戻し前の控訴審判決は,被控訴人の控訴を棄却し,控訴人の控訴に基づいて,第1審判決の②ないし⑤につき,本件目録の二,三記載の非開示部分の全部,本件目録の四記載の非開示部分のうち,第1審判決添付の別表1記載の各非開示部分を除いた部分,本件目録の五記載の非開示部分のうち,出勤簿中の現住所欄及び休暇等に関する情報が記載されている部分を除いた部分について非開示処分を取り消し,被控訴人のその余の請求をいずれも棄却するとの内容に変更するとともに,①に関する「債権者(業者,請求者,店,問い合わせ先,担当者等を含む。)の振込先銀行名,同支店名,口座の種別,口座番号,口座名義が記載されている部分」との記載を,「債権者の口座番号,口座名義が記載されている部分を除いた部分」と訂正し,控訴人のその余の控訴をいずれも棄却した。 この差戻し前の控訴審判決に対し,控訴人 名義が記載されている部分」との記載を,「債権者の口座番号,口座名義が記載されている部分を除いた部分」と訂正し,控訴人のその余の控訴をいずれも棄却した。 この差戻し前の控訴審判決に対し,控訴人が上告受理の申立てをし,本件目録の一記載の非開示部分の非開示処分に関して上告が受理された。上告審判決は,当該非開示部分のうち懇談等に出席し,又は欠席した者で,県職員以外のものに関する部分を破棄し,同部分について本件を当裁判所に差し戻した。 当審において,被控訴人は,本件文書のうち,本件各非開示部分を除いた部分について,控訴人から訴訟外で開示を受け,本件各非開示部分以外の部分に関する上記処分取消しの訴えをすべて取り下げた。その結果,当審においては,本件各非開示部分に関する非開示処分(以下「本件各非開示処分」という。)の当否が審理の対象となっている。 3 前提事実(争いのない事実,各項末尾記載の証拠及び弁論の全趣旨により認定した事実)(1) 本件条例9条は,「実施機関は,開示の請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報が記録されているときは,当該公文書の開示をしないことができる。」と定め,その1号において,「個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,特定の個人が識別され,又は識別され得るもの。ただし,次に掲げる情報を除く。イ法令の定めるところにより,何人も閲覧することができる情報ロ公表を目的として作成し,又は取得した情報ハ法令の規定に基づく許可,免許,届出等に際して作成し,又は取得した情報であって,開示することが公益上必要であると認められるもの」と規定している。 (2) 被控訴人は,控訴人に対し,本件条例に基づき,本件文書を含む本件目録記載一ないし五,一一及び一二の各文書の開示請求を 開示することが公益上必要であると認められるもの」と規定している。 (2) 被控訴人は,控訴人に対し,本件条例に基づき,本件文書を含む本件目録記載一ないし五,一一及び一二の各文書の開示請求を行った。これに対し,控訴人は,平成8年2月23日付けで本件各非開示部分を含む本件目録記載一ないし五の非開示部分を開示しないとする処分を行った。 (3) 本件文書は,県の土木部道路建設課の事務事業の実施に伴って開催された会食等の懇談会に要した食糧費の支出について,内部的な決裁を受けるために出納手続の過程において作成,取得された文書である。本件文書には,県の職員以外の懇談会の出席者及び出席予定であったが欠席した者(以下「相手方出席者等」という。)の氏名,所属及び役職名等,相手方出席者等を個人として識別することができる情報が記載されている部分のほか,懇談会の目的,期日及び場所,これに出席した県職員の氏名,所属及び役職名等,支出金額等が記載されている(乙13)。 (4) 控訴人は,被控訴人に対し,本件文書のうち,本件各非開示部分を除いた部分を開示した。 4 争点本件各非開示部分である「執行伺(内容)」欄,「出席予定者」欄及び「目的及び説明」欄に記載されている相手方出席者等が,本件条例9条1号所定の個人に関する情報に当たるか,すなわち,国又は地方公共団体の公務員であるか否か。公務員でない場合,当該懇談等への出席が法人等の行為そのものと評価されるものであるか否か。 (1) 控訴人の主張本件各非開示部分である「執行伺(内容)」欄,「出席予定者」欄及び「目的及び説明」欄に記載されている者は,いずれも公務員以外の有識者等であり,いずれも当該懇談への出席は法人等の行為そのものではない。 非開示部分1に関する平成7年1月 「出席予定者」欄及び「目的及び説明」欄に記載されている者は,いずれも公務員以外の有識者等であり,いずれも当該懇談への出席は法人等の行為そのものではない。 非開示部分1に関する平成7年1月10日起案の予算執行伺文書の出席予定者欄5行目冒頭には,「〃 土木部A部長外3名」と記載されており,同欄1行目から3行目までの記載が建設省であることと相まって,非開示部分には公務員の氏名が記載されているものであるかのように見える。しかし,これは,同欄5行目冒頭の「〃」の部分が同欄4行目冒頭に記載された団体名の冒頭部分と同一名称であるためにその記載を省略したにすぎない。 県道路建設課は,県内における国管理の指定区間を除く国道及び県道の新設,改良等の整備事業を行うほか,道路建設に関する調査業務等を所掌している。これらの業務を円滑に遂行し,事業を効率的で効果的に推進する上で,国等の行政機関との協議懇談を行うために懇談会を開くことがある。その際,協議内容次第で,当該部門に精通する有識者等にも出席を依頼して意見交換を行ったり,助言を得たりすることがあり,本件各非開示部分に係る懇談等に有識者等が出席することは不自然ではない。 ページ(1)なお,控訴人は,当審の審理において,本件非開示部分を黒塗りした上で本件文書を書証(乙13)として提出した。このことにより,本件文書は実質的に開示されたといえるので,本件非開示部分に関する非開示処分の取消しを求める本訴は,その訴えの利益を欠き,却下されるべきである。 (2) 被控訴人の主張本件各非開示部分に係る懇談等は,その目的からすると,いずれも国や地方公共団体の公務員でない者が協議,懇談に出席する必要に乏しいものである。すなわち,それぞれ非開示部分1は,建設省道路局の課長等が来県するの 開示部分に係る懇談等は,その目的からすると,いずれも国や地方公共団体の公務員でない者が協議,懇談に出席する必要に乏しいものである。すなわち,それぞれ非開示部分1は,建設省道路局の課長等が来県するのに伴い,今後の道路整備計画等について協議懇談することを,非開示部分2及び非開示部分3は,県の道路整備計画及び整備手法等について協議懇談することを,非開示部分4及び非開示部分5は,県道が接続する際のルート及び工法の協議に伴う整備方法等についての協議懇談をそれぞれ目的としているものであり,専ら国や地方公共団体の公務員を予定したものである。 また,非開示部分1に関する平成7年1月10日起案の予算執行伺文書の出席予定者欄の5行目に記載された「土木部A部長」は,当該文書作成時における県土木部長であった者である。そして,同種の文書の記載例からして同欄4行目の冒頭部分は「本県」と記載されているものと推認される。仮に,そうでなければ,「福岡県」と記載されているはずである。そうすると,控訴人の主張によっても,県を冠した団体名と同団体に所属する者の氏名が記載されていることになる。その場合,法人等を代表する者又はこれに準じる地位にある者がその職務として行う行為でないことを,団体名や当該団体における地位と当該懇親の目的等との関係から主張,立証される必要がある。いずれにしても,団体名は,本県条例9条1号の個人に関する情報に当たらないから,開示すべきである。 第3 当裁判所の判断 1 非開示部分1について証拠(乙13号証117頁,118頁)によれば,非開示部分1に係る文書は,道路整備状況調査に伴う協議懇談に要する食糧費についての予算執行伺であること,この協議懇談の名目は,建設省道路局B企画課長及びC道路経済調査室長が県の道路整備状況調査のため来県するに伴い, る文書は,道路整備状況調査に伴う協議懇談に要する食糧費についての予算執行伺であること,この協議懇談の名目は,建設省道路局B企画課長及びC道路経済調査室長が県の道路整備状況調査のため来県するに伴い,今後の道路整備計画等について協議懇談をするというものであったが,その内容は,料亭「α」において一人当たり1万1000円の料理とビール9本,日本酒22本の酒食をともにするというものであったこと,出席予定者は全体で13名であり,非開示部分1以外の出席予定者は,建設省道路局所属の上記2名,建設省九州地方建設局所属のD局長外3名,建設省福岡国道工事事務所E所長,県土木部所属のA部長外3名の合計11名であり,非開示部分1に記載された相手方出席者等は2名であること,以上の事実が認められる。 以上の事実からすると,非開示部分1に記載された出席予定者がいずれも公務員以外の者であり,かつ,その者が法人等の行為そのものと評価されるようなものでない立場で出席したことをうかがわせる事情は全く認められない。 かえって,上記協議懇談は,公務員である建設省道路局所属の課長らが公務により来県したことに伴い,今後の道路整備計画等を協議することを名目としているが,酒食をともにし,その出席予定者13名中実に11名が公務員であることからすると,いわゆる官官接待の席と推認され,ひいては非開示部分1に記載された出席予定者も公務員であることが強く推測される。加えて,特に,出席予定者欄4行目の記載については,その前後の同欄3行目及び同欄5行目にはいずれも公務員の出席者が記載され,かつ,同欄5行目の県土木部A部長の県に当たる部分には同欄4行目の冒頭と同じ記載であることを示す「〃」の記載がされていることからして,非開示部分1には公務員の氏名が記載されている疑いが極めて濃いといわざるを得ない。同欄5 木部A部長の県に当たる部分には同欄4行目の冒頭と同じ記載であることを示す「〃」の記載がされていることからして,非開示部分1には公務員の氏名が記載されている疑いが極めて濃いといわざるを得ない。同欄5行目の「〃 土木部A部長外3名」の記載に続く部分は,同欄4行目ほど公務員であることを強く推測させるものではないが,同欄4行目の記載を含めてこれを公務員でないとする控訴人の主張態度からすると,その主張には,ともに疑問を抱かざるを得ないのである。これらのことを総合すると,非開示部分1に記載された者は国又は地方公共団体の公務員と推認するのが相当である。 なお,控訴人は,国等の行政機関との協議懇談を行う際にも,当該部分に精通する有識者等が意見交換をしたり,助言を得たりするために出席することは不自然ではない旨主張する。しかし,それは,行政機関との協議懇談会のような会合に公務員以外の者が出席することがあり得るとの一般的な説明を述べているにすぎず,何ら具体性があるものではない。非開示部分1に記載された出席予定者が真に公務員以外の有識者であるならば,必ずしも当該出席予定者の特定につながらない事実をもって,そのことを推認させるべく立証活動をすることはもとより可能であるとみられる。しかるに,控訴人において,上記協議懇談に公務員以外の者が出席したことを具体的に推認させる事情につき,何ら主張,立証をしようとしない。このようなことは,上記認定を何ら覆すものではなく,かえってこれを支持するものと評するのが相当である。 2 非開示部分2及び非開示部分3について証拠(乙13号証119ないし121頁)によれば,非開示部分3に係る文書は,県の道路整備計画及び整備手法等に関する協議懇談に要する食糧費についての予算執行伺であり,同2に係る文書は,これに要した経費についての 3号証119ないし121頁)によれば,非開示部分3に係る文書は,県の道路整備計画及び整備手法等に関する協議懇談に要する食糧費についての予算執行伺であり,同2に係る文書は,これに要した経費についての支出負担行為及び支出命令に係る支出負担行為決議書兼支出命令書であること,この協議懇談の名目は,主要地方道β線の道路整備に関する協議の終了後,県の道路整備計画及び整備手法等について,県道路建設課の職員らが非開示部分に記載された相手方出席者等との間で協議懇談をするというものであったが,その内容は,料亭「α」において一人当たり9000円の料理とビール5本,日本酒20本の酒食をともにするというものであったこと,出席予定者は全体で7名であり,非開示部分3以外の出席予定者は,県道路建設課所属のF課長,G課長技術補佐,H参事補佐兼地方道係長及びI国道係長の合計4名であり,非開示部分3に記載された出席予定者は3名であったことが認められる。 以上の事実からすると,非開示部分2及び非開示部分3に記載された出席予定者がいかなる性格の者であるかは明らかでなく,いずれも公務員以外の者であり,かつ,その者が法人等の行為そのものと評価されるようなものでない立場で出席したことを認めるに足りず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。そして,1に述べたのと同様に,非開示部分2及び非開示部分3に記載された出席予定者が真に公務員以外の有識者であるならば,これを推認させる事情を立証することはもとより可能であるとみられる。しかるに,上記協議懇談に公務員以外の者が出席したことを具体的に推認させる事情については,何ら立証がされていない。加えて,上記1と同じ場所において酒食をともにするという内容からして,公務員の氏名が記載されていることが強く疑われるが,これについても,単に公務員でない者が記載され ついては,何ら立証がされていない。加えて,上記1と同じ場所において酒食をともにするという内容からして,公務員の氏名が記載されていることが強く疑われるが,これについても,単に公務員でない者が記載されていると主張するのみで,特段の立証を行わないなどの控訴人の態度には,疑問を抱かざるを得ないのである。これらのことを総合すると,非開示部分2及び非開示部分3に記載された者が,公務員以外の者であり,かつ,その者が法人等の行為そのものと評価されるようなものでない立場で出席したことを推認することは到底できず,かえって,国又は地方公共団体の公務員と推認するのが相当である。 特に,非開示部分3のうち,執行伺(内容)欄の1行目から2行目のかけての抹消部分はその前後の文言が「道路整備において,」と「の取り付け計画等について,」となっていること,また,同欄3行目の抹消部分はその後に続く文言が「に係る本件の道路整備計画及び整備手法等について」となっていることからすると,これらの抹消部分に個人名や法人名が記載されているとは到底考えられない。もちろん,これらの抹消部分の記載内容が公務員以外の者であり,かつ,その者が法人等の行為そのものと評価されるようなものでない立場で出席したことを推認させるものでないことはいうまでもない。 3 非開示部分4及び同5について証拠(乙13号証151ないし153頁)によれば,非開示部分5に係る文書は,県が所管する道路整備手法等についての協議懇談に要する食糧費についての予算執行伺であり,非開示部分4に係る文書は,これに要した経費につページ(2)いての支出負担行為及び支出命令に係る支出負担行為決議書兼支出命令書であること,この協議懇談の名目は,県が所管する一般国道,主要地方道又は県道が接続する際のルート及び工法等についての協議終了後 (2)いての支出負担行為及び支出命令に係る支出負担行為決議書兼支出命令書であること,この協議懇談の名目は,県が所管する一般国道,主要地方道又は県道が接続する際のルート及び工法等についての協議終了後,整備手法等について,県道路建設課の職員らが非開示部分に記載された相手方出席者等との間で協議懇談をするというものであったが,その内容は,中華料理店「γ」において一人当たり6000円の料理とビール11本,日本酒19本名の酒食をともにするというものであったこと,出席予定者は全体で9名であり,非開示部分5以外の出席予定者は,県道路建設課所属のF課長,G課長技術補佐,H地方道係長,I国道係長及びJ技術主査の合計5名であり,非開示部分5に記載された出席予定者は4名であったことが認められる。 以上の事実からすると,非開示部分4及び非開示部分5に記載された出席予定者がいかなる性格の者であるかは明らかでなく,いずれも公務員以外の者であり,かつ,その者が法人等の行為そのものと評価されるようなものでない立場で出席したことを認めるに足りず,他にこれを認めるに足りる証拠はない。そして,1に述べたのと同様に,非開示部分4及び非開示部分5に記載された出席予定者が真に公務員以外の有識者であるならば,これを推認させる事情を立証することはもとより可能であるとみられる。しかるに,上記協議懇談に公務員以外の者が出席したことを具体的に推認させる事情については,何ら立証がされていない。加えて,上記1と同様に酒食をともにするという内容からして,公務員の氏名が記載されていることが強く疑われるが,これについても,単に公務員でない者が記載されていると主張するのみで,特段の立証を行わないなどの控訴人の態度には,疑問を抱かざるを得ないのである。これらのことを総合すると,非開示部分4及び非開示部分5 れについても,単に公務員でない者が記載されていると主張するのみで,特段の立証を行わないなどの控訴人の態度には,疑問を抱かざるを得ないのである。これらのことを総合すると,非開示部分4及び非開示部分5に記載された者が,公務員以外の者であり,かつ,その者が法人等の行為そのものと評価されるようなものでない立場で出席したことを推認することは到底できず,かえって,国又は地方公共団体の公務員と推認するのが相当である。 特に,非開示部分5のうち,執行伺(内容)欄の抹消部分は,その前後の文言が「主要地方道あるいは県道が」と「で接続する際のルートあるいは工法等について」と記載されていることからすると,この抹消部分に個人名や法人名が記載されているとは到底考えられない。もちろん,この抹消部分の記載内容が公務員以外の者であり,かつ,その者が法人等の行為そのものと評価されるようなものでない立場で出席したことを推認させるものでもない。 4 結論以上のとおり,本件各非開示部分が本件条例9条1号に規定する非開示情報である「個人に関する情報」に該当することの証明はないことになる。そうすると,本件非開示処分は理由がないから,その取消請求を認容した第1審判決は相当であり,本件非開示部分についての本件控訴は理由がない。 なお,控訴人は,当審の審理において,本件非開示部分を黒塗りした上で本件文書を書証として提出したから,本訴の訴えの利益は欠くに至った旨主張するが,その主張自体失当であることはいうまでもない。 よって,主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所第5民事部 裁判長裁判官中山弘幸 等裁判所第5民事部 裁判長裁判官中山弘幸 裁判官岩木宰 裁判官伊丹恭別紙目録① 平成7年1月10日起案の予算執行伺文書(乙13号証117頁)の出席予定者欄の非開示部分(以下「非開示部分1」という。)② 平成7年2月7日付支出負担行為及び支出命令に係る支出負担行為決議書兼支出命令書(乙13号証119頁)の目的及び説明欄の非開示部分(以下「非開示部分2」という。)③ 平成17年1月13日起案の予算執行伺文書(乙13号証120頁)の執行伺(内容)欄,出席予定者欄の各非開示部分(以下「非開示部分3」という。)④ 平成17年3月3日付支出負担行為及び支出命令に係る支出負担行為決議書兼支出命令書(乙13号証151頁)の目的及び説明欄の非開示部分(以下「非開示部分4」という。)⑤ 平成7年2月6日起案の予算執行伺文書(乙13号証152頁)の執行伺(内容)欄,出席予定者欄の各非開示部分(以下「非開示部分5」という。)ページ(3)

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