昭和46(行ウ)237 富岡営林署減給

裁判年月日・裁判所
昭和54年3月22日 東京地方裁判所
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判決文本文23,767 文字)

主文 原告らの請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。事実 第一当事者双方の申立一原告ら被告は原告らに対し、別表(一)の(6)欄記載の各金員及び右各金員に対する昭和四六年一〇月一三日以降完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え訴訟費用は被告の負担とする仮執行の宣言二被告主文同旨担保条件付仮執行免脱の宣言第二当事者双方の主張一請求の原因 1 当事者原告らは、いずれも前橋営林局管内の富岡営林署に別表(一)の(2)の雇用区分欄記載の作業員として勤務し、いずれも全林野労働組合前橋地方本部富岡分会に所属する組合員である。2 減給処分原告らに対する任命権限を林野庁長官から委任された富岡営林署長は、昭和四六年八月七日原告らに対し、原告らがその勤務日である同年四月二三日富岡営林署長の事前の警告及び職場復帰の業務命令にもかかわらず、始業時から四時間の間勤務時間にくい込む違法な職場放棄をしたことが、国家公務員法(以下「国公法」という。)八二条各号の規定に該当するものとして、「一月間、処分当日における主たる職種の格付賃金に標準作業日数を乗じた額の一〇分の一を減給する」旨の減給処分をなし、その処分書を別表(二)処分書交付年月日欄記載の日時に交付し、かつ、この処分に基づき同月一二日ないし一三日(但し、原告Aは、同年九月一〇日、同Bは、同月一一日)に原告らの昭和四六年八月分の賃金からそれぞれ別表(二)の当初の減給引き去り欄記載の金額を、また同年一〇月一二日ないし一三日に、同年六月一日公労委の仲裁裁定三三六号によつて原告らの格付賃金が同年四月一日に遡及して増額改定されたことによる原告らに対する差額追給分から、右増額改訂に伴う本件減給処分に基づく減給額の増加分として別表(二)の仲裁 労委の仲裁裁定三三六号によつて原告らの格付賃金が同年四月一日に遡及して増額改定されたことによる原告らに対する差額追給分から、右増額改訂に伴う本件減給処分に基づく減給額の増加分として別表(二)の仲裁裁定の差額追給時の減給引き去り欄記載の金額を控除して支給した。 一日に遡及して増額改定されたことによる原告らに対する差額追給分から、右増額改訂に伴う本件減給処分に基づく減給額の増加分として別表(二)の仲裁 労委の仲裁裁定三三六号によつて原告らの格付賃金が同年四月一日に遡及して増額改定されたことによる原告らに対する差額追給分から、右増額改訂に伴う本件減給処分に基づく減給額の増加分として別表(二)の仲裁裁定の差額追給時の減給引き去り欄記載の金額を控除して支給した。3 本件減給処分の違法無効原告らに対しては労働基準法(以下「労基法」という。)九一条の規定が適用されるところ、同条は、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」と規定している。従つて、本件処分時における原告らの平均賃金の一日分は、別表(一)の(3)欄記載の金額であり、その半額は、同表(4)欄のとおりであるから、本件減給処分は、原告らの賃金中から同表(4)欄記載の金額を超える金額を控除すべきものとする限度において労基法九一条に違反して無効である。なお、原告Aの平均賃金の一日分及びこれの半額は、別表(一)の(3)及び(4)欄記載のとおりであるが、同人が、本件減給処分当時、現実に支払を受けた賃金総額は金一六八八円であり、その一〇分の一の金額は金一六八円であるから、同人に対する本件減給処分は、同人に支払われるべき賃金から右金一六八円を超える金額を控除すべきものとする限度(本件減給処分に基づく控除額金二〇三三円から金一六八円を控除した一八六五円)において右同様無効である。4 原告らに対し労基法九一条が適用される根拠(一) 原告らは、公共企業体等労働関係法(以下「公労法」という。)二条二項二号所定の一般職に属する国家公務員であるが、国公法上の国家公務員ではない。従つて、原告らには、同法及び同法に基づく人事院規則(以下「規則」という。)の適用はない。即 下「公労法」という。)二条二項二号所定の一般職に属する国家公務員であるが、国公法上の国家公務員ではない。従つて、原告らには、同法及び同法に基づく人事院規則(以下「規則」という。)の適用はない。即ち、(1) 原告らは、別表(一)の(2)欄記載のとおり林野庁に属する職員らのうち行政機関の定員に関する法律(昭和二四年法律一二六号)一条に規定する職員(以下「定員内職員」という。 という。)の適用はない。即 下「公労法」という。)二条二項二号所定の一般職に属する国家公務員であるが、国公法上の国家公務員ではない。従つて、原告らには、同法及び同法に基づく人事院規則(以下「規則」という。)の適用はない。即ち、(1) 原告らは、別表(一)の(2)欄記載のとおり林野庁に属する職員らのうち行政機関の定員に関する法律(昭和二四年法律一二六号)一条に規定する職員(以下「定員内職員」という。)以外の職員(以下「定員外職員」という。なお定員内職員であつた者で休職又は待命により、定員の外に置かれる者を除く。)のうち国有林野事業作業員就業規則(以下「作業員就業規則」という。)の全面的適用を受ける「常用作業員」又は「定期作業員」であつて、原告らに対しては、雇用期間が二箇月とされるのをはじめ、その雇用基準、休職等の任免に関する事項、勤務時間、休日、休暇、賃金等、ことに賃金については日給、出来高制とされるなど各般にわたり国有林野事業職員就業規則の適用を受ける定員内職員と異る劣位の処遇がなされている。(2) また原告らは、国有林野事業独特の「作業員」制度に基づいて任用されている特殊な国家公務員であつて、原告らに対する任用形態は、国家公務員の任用に関する国公法五九条、六〇条の各規定が定めるいずれの任用形態にも該当しない。しかも林野庁自体も原告ら「作業員」に対しては、定員内職員に課されている営利企業への就職、兼務の許可(規則一四ー八)、職員の服務の宣誓(規則一四ー六)等を課していないし、また国公法上の分限、保障等の規定の適用をも排除しているのであつて、原告らには国公法を適用せず、もつぱら作業員就業規則をもつて原告らを規律しようとしているのであつて、これから見ても原告らが国公法上の国家公務員でないことは明らかである。(3) なお、被告は、原告らが規則八ー一四(非常勤職員 、もつぱら作業員就業規則をもつて原告らを規律しようとしているのであつて、これから見ても原告らが国公法上の国家公務員でないことは明らかである。(3) なお、被告は、原告らが規則八ー一四(非常勤職員等の任用に関する特例)に基づき任用された非常勤職員であり国公法上の国家公務員であると主張するけれども、国公法は、通常の任用と臨時的任用を定めているのみであつて、非常勤職員制度は全く予定していないのみならず、人事院も、後記のとおり公労法の適用を受ける職員に対し人事行政の一般的権限を有せず、従つて、人事院が制定した右規則は公労法の適用を受ける原告らには適用されないのであるし、作業員就業規則の施行が昭和三〇年四月一日であり、他方、右人事院規則の施行が同年九月一日である点からみても原告ら「作業員」が規則に基づく非常勤職員として任用されたものでないことは明らかである。 勤職員制度は全く予定していないのみならず、人事院も、後記のとおり公労法の適用を受ける職員に対し人事行政の一般的権限を有せず、従つて、人事院が制定した右規則は公労法の適用を受ける原告らには適用されないのであるし、作業員就業規則の施行が昭和三〇年四月一日であり、他方、右人事院規則の施行が同年九月一日である点からみても原告ら「作業員」が規則に基づく非常勤職員として任用されたものでないことは明らかである。(二) 原告らが国公法上の国家公務員であるとしても、公労法の適用を受ける原告ら現業公務員は、次のとおり公労法四〇条一項により国公法第一次改正以前と同じ法的地位を有し、原告らの労働条件については労基法が優先して適用され、少なくとも減給処分については同法九一条の規定が適用される。(1) 制定当時における国公法(昭和二二年法律一二〇号、昭和二三年七月一日施行)は、同法二条三項一二号で「現業庁、公団その他これに準ずるものの職員で法律又は人事委員会規則で指定するもの」を特別職と定め、同条四項で「この法律の規定は、一般職に属するすべての職に、これを適用する。」と定め、更に同条五項では「この法律の規定は、この法律の改正法律により、特段の定めがなされない限り、特別職に属する職には、これを適用しない。」と定めていたため、特別職であつた現業庁の職員等に対しては、全面的に労基法が適用されていたところ、昭和二 法律の改正法律により、特段の定めがなされない限り、特別職に属する職には、これを適用しない。」と定めていたため、特別職であつた現業庁の職員等に対しては、全面的に労基法が適用されていたところ、昭和二三年七月七日付マツカーサー元帥の内閣総理大臣あて書簡及びこれに基づき昭和二三年七月三一日に公布施行された政令二〇一号に引きつづく国公法第一次改正(昭和二三年法律二二二号、同年一二月三日施行)によつて、国公法二条三項一二号の規定が削除された結果、現業庁等の職員も一般職に組み入れられ、かつ、右第一次改正法により同法附則一六条「労働組合法(昭和二〇年法律五一号)、労働関係調整法(昭和二一年法律二五号)、労働基準法(昭和二二年法律四九号)、(中略)並びにこれらの法律に基づいて発せられる命令は、第二条の一般職に属する職員には、これを適用しない。」との規定を新設するにいたつたが、同時に第一次改正法は、その附則(以下「第一次改正法附則」という。 結果、現業庁等の職員も一般職に組み入れられ、かつ、右第一次改正法により同法附則一六条「労働組合法(昭和二〇年法律五一号)、労働関係調整法(昭和二一年法律二五号)、労働基準法(昭和二二年法律四九号)、(中略)並びにこれらの法律に基づいて発せられる命令は、第二条の一般職に属する職員には、これを適用しない。」との規定を新設するにいたつたが、同時に第一次改正法は、その附則(以下「第一次改正法附則」という。)三条で「一般職に属する職員に関しては、別に法律が制定実施されるまでの間、国家公務員法の精神にてい触せず、且つ、同法に基づく法律又は人事院規則で定められた事項に矛盾しない範囲内において、労働基準法及び船員法並びにこれらに基づく命令の規定を準用する。」と定めるにいたつた。一方、日本国有鉄道及び日本専売公社の職員の労働関係を規律対象とした公共企業体労働関係法は、昭和二三年一二月二〇日法律二五七号をもつて公布され、昭和二四年六月一日施行されるにいたつたが、その後労働関係調整法等の一部を改正する法律(昭和二七年法律二八八号)によつて公共企業体労働関係法を改正し、国有林野事業、郵政事業等国の経営する企業に雇用されたいわゆる現業庁の職員と当時新設された日本電信電話公社の職員の労働関係をもその規律対象に加え(公労法二条)、同時に、 共企業体労働関係法を改正し、国有林野事業、郵政事業等国の経営する企業に雇用されたいわゆる現業庁の職員と当時新設された日本電信電話公社の職員の労働関係をもその規律対象に加え(公労法二条)、同時に、現業庁に勤務する一般職に属する職員の職務と責任との特殊性に基づき国公法附則一三条所定の同法の特例として設けられた公労法四〇条一、二項の規定において、右現業庁の一般職職員に対しては、国公法附則一六条、第一次改正法附則三条の規定の適用を除外するにいたつたため、現業庁の一般職職員は、前記第一次改正法以前の状態、即ち、労基法等が完全に適用される状態に復帰したというべきである。なお、国公法一条五項の規定は、「この法律の規定が、従前の法律又はこれに基づく法令と矛盾し又はてい触する場合には、この法律の規定が、優先する。」旨定めているが、右規定は、国公法がいわゆる後法に該当する場合につき、「後法は前法を改廃する」の一般原則を述べたものであつて、国公法制定後に制定される他の法律の規定に対し国公法の規定を優先させるために設けられた規定とはいえないのであるから、公労法が、教育公務員特例法附則二三条二項、国家公務員の職階制に関する法律一条二項、国家公務員災害補償法一条二項、恩給法八二条ノ二の各規定のような特別の定めをしていない以上、原告ら現業公務員につき、前記のようにその適用の復活により国公法に対し後法の関係に立つにいたつた労基法が国公法及び同法に基づく規則一二ー〇に優先して適用されるにいたつたことは明らかである。 に設けられた規定とはいえないのであるから、公労法が、教育公務員特例法附則二三条二項、国家公務員の職階制に関する法律一条二項、国家公務員災害補償法一条二項、恩給法八二条ノ二の各規定のような特別の定めをしていない以上、原告ら現業公務員につき、前記のようにその適用の復活により国公法に対し後法の関係に立つにいたつた労基法が国公法及び同法に基づく規則一二ー〇に優先して適用されるにいたつたことは明らかである。(2) また、公労法四〇条一項一号は、現業公務員に対して国公法三条二項、八四条二項の各規定の適用を排除し、公労法八条一項の規定において懲戒の基準に関する事項を団体交渉の対象とし、これに関し労働協約を締結することができる旨定めているのであつて、このことは、 法三条二項、八四条二項の各規定の適用を排除し、公労法八条一項の規定において懲戒の基準に関する事項を団体交渉の対象とし、これに関し労働協約を締結することができる旨定めているのであつて、このことは、人事院が現業公務員の懲戒について何ら関与しない趣旨を明らかにしたものに外ならないから、右趣旨に抵触する国公法関係法規はすべてその適用が排除されるというべきである。従つて、この点からも現業公務員に対する懲戒については労基法が適用されるべきである。(3) 仮に原告らに対し規則一二ー〇が適用されるとしても、労基法九一条の規定は、右規則一条所定の特別の定めにあたるから、原告らに対する減給処分については、同規則三条の規定の適用がなく、労基法九一条の規定が適用される。即ち、制定当時における国公法八三条三項の規定は「減給は一日以上一年以下、俸給の三分の一以下を減ずる。」旨定めていたが、国公法第一次改正の際、右八三条の規定は削除され、昭和二四年一月四日に制定された規則一二ー〇に国家公務員に対する減給に関する定めが置かれるにいたつたため、規則一二ー〇は、現業公務員にも適用されていたが、その後規則一二ー〇・一条「職員の懲戒については法八二条から八五条までの規定を適用する」の規定は全部削除され、ついで前記昭和二七年法律二八八号による公労法の改正に伴う昭和二七年五月二三日(同年六月一日施行)の規則一二ー〇の改正により、同規則一条として(総則)「職員の懲戒は官職の職務と責任の特殊性に基づいて法附則第一三条の規定により法律又は規則をもつて別段の定めをした場合を除き、この規則の定めるところによる。 則一二ー〇・一条「職員の懲戒については法八二条から八五条までの規定を適用する」の規定は全部削除され、ついで前記昭和二七年法律二八八号による公労法の改正に伴う昭和二七年五月二三日(同年六月一日施行)の規則一二ー〇の改正により、同規則一条として(総則)「職員の懲戒は官職の職務と責任の特殊性に基づいて法附則第一三条の規定により法律又は規則をもつて別段の定めをした場合を除き、この規則の定めるところによる。」の規定が新設された。右のとおり同規定は、「法附則一三条の規定によ」る「法律」の「別段の定め」を予定しているところ、前記のとおり公労法四〇条一項の規定は、国公法附則一三条の規定 めるところによる。」の規定が新設された。右のとおり同規定は、「法附則一三条の規定によ」る「法律」の「別段の定め」を予定しているところ、前記のとおり公労法四〇条一項の規定は、国公法附則一三条の規定に基づく特例であり、同項の規定によつて国公法附則一六条及び第一次改正法附則三条の各規定の適用が除外された前記趣旨によれば、労基法九一条の規定は、現業公務員の減給に関しては規則一二ー〇・一条所定の「別段の定め」にあたるというべきであるから、原告ら現業公務員に対しては同条の定めるところによつて右規則の適用がなく労基法九一条の規定が適用されるのである。(4) しかも人事院は、現業公務員に対しては一般的人事行政権を有しないものであつて、人事院が一般的人事行政権に基づいて制定した規則一二ー〇は、原告らに対しては適用されない。即ち、人事院は、その広範な人事行政事務をつかさどるため、国公法一六条の規定により、その所掌事務について、法律を実施するため及び法律の委任に基づく場合に限り規則制定権が付与されている。そして前者の場合は、人事院が国公法三条の規定により、国家公務員の中央人事行政機関としての権限を有しているため付与されたものであるが、公労法四〇条一項の規定によつて国公法三条二項ないし四項の規定の適用を排除されたため、人事院は、現業公務員に対しては中央人事行政機関としての権限を有しないのであるから、国公法一六条所定の「所掌事務について法律を実施するため」に制定された規則は、公労法の適用を受ける原告らに対し適用されないというべきである。尤も、人事院の一般的権限が排除されている場合でも国公法上規則による旨特別の委任がある場合には、当該委任事項が人事院の具体的所掌事務となり、これを定める規則は、国公法一六条の規定によつて原告らに対し適用されることになるのであるが しての権限を有しないのであるから、国公法一六条所定の「所掌事務について法律を実施するため」に制定された規則は、公労法の適用を受ける原告らに対し適用されないというべきである。尤も、人事院の一般的権限が排除されている場合でも国公法上規則による旨特別の委任がある場合には、当該委任事項が人事院の具体的所掌事務となり、これを定める規則は、国公法一六条の規定によつて原告らに対し適用されることになるのであるが されている場合でも国公法上規則による旨特別の委任がある場合には、当該委任事項が人事院の具体的所掌事務となり、これを定める規則は、国公法一六条の規定によつて原告らに対し適用されることになるのであるが、国家公務員に対する減給処分については、国公法八二条の規定が職員に対する懲戒処分の一つとして減給処分をすることができる旨定めているのみで、国公法上減給の程度及び期間について規則に委任した規定がない。従つて、規則一二ー〇・三条の規定は、人事院が国公法一六条の「その所掌事務について法律を実施するため」に定めたものと解する外はなく、人事院が中央人事行政機関としての一般的権限を有しない原告ら現業公務員については右規定の適用がなく、労基法九一条の規定が適用されると解すべきである。(三) 国公法違反国公法第三章官職の基準の規定は、同法二条所定の一般職の国家公務員について定めたものであるが、すでに述べた(前記4(一)(2))とおり原告ら「常用作業員」「定期作業員」の任用については、国公法上に定めがなく、また国の他の企業職員とは異なり、国有林野事業独特の「作業員」制度に基づく「期限付任用」という特殊な国家公務員であつて、原告らは、一般職の国家公務員であるとされながら、国公法上の分限、保障その他の規定の適用を除外されているものとして、各般にわたり定員内職員と差別扱いをされ、国公法の適用が除外されているものとして処遇されている。従つて、原告らに対し、原告らが他の国公法上の一般職の国家公務員と同じ地位、身分にあるものとして、規則一二ー〇・三条の規定に基づいて労基法九一条所定の制限を超える減給処分を行うことは、国公法の建前或いは同法七四条の規定の趣旨に照らし許されないというべきである。(四) 信義則違反及び処分権の濫用林野庁当局が原告ら「作業員」を定員内職 一条所定の制限を超える減給処分を行うことは、国公法の建前或いは同法七四条の規定の趣旨に照らし許されないというべきである。 国家公務員と同じ地位、身分にあるものとして、規則一二ー〇・三条の規定に基づいて労基法九一条所定の制限を超える減給処分を行うことは、国公法の建前或いは同法七四条の規定の趣旨に照らし許されないというべきである。(四) 信義則違反及び処分権の濫用林野庁当局が原告ら「作業員」を定員内職 一条所定の制限を超える減給処分を行うことは、国公法の建前或いは同法七四条の規定の趣旨に照らし許されないというべきである。(四) 信義則違反及び処分権の濫用林野庁当局が原告ら「作業員」を定員内職員と差別して冷遇し、国公法の適用を拒否しておきながら、懲戒処分をなす場合についてのみ国公法或いは規則一二ー〇の適用があるとして、これに基づき労基法九一条所定の制限を超える減給処分をなすことは、信義則違反若しくは処分権の濫用として違法である。更に、林野庁は、安価な労働力の獲得と恣意的労務管理の要求を満足させることのみを目的として、すでに述べたように独特の制度としての「作業員」制度を頑迷に採用しつづけているのであつて、しかも原告ら「作業員」の職務内容及び作業の実態が私企業に雇用される林野事業労働者の場合と異るところがなく、ただ使用者が国の企業か私企業かの違いにすぎないのに、原告ら「作業員」を私企業と異なつた規律に服させなければならない合理的理由は全くないのであつて、これらからしても、労基法九一条所定の限度を超える被告の本件減給処分は、信義則に反し又は処分権の濫用として、違法である。(五) 原告らは「規則一二ー〇・三条の減給に関する規定は労基法九一条所定の制限をこえるので減給処分については労基法九一条の制限内において行わなければならない」との解釈を持していた林野庁当局との間において右解釈を雇用契約の内容として雇用されたものである。従つて、右の契約に基づく雇用条件を原告らの同意なくして一方的に変更し、労基法九一条の規定する制限を超えて減給処分を行うことは違法である。5 以上のとおりであつて、本件減給処分は、労基法九一条所定の制限を超える限度において無効であるから、原告らは、被告に対し別表(一)の(6)欄記載の金員及びこれに対する弁済期経過後の昭 違法である。5 以上のとおりであつて、本件減給処分は、労基法九一条所定の制限を超える限度において無効であるから、原告らは、被告に対し別表(一)の(6)欄記載の金員及びこれに対する弁済期経過後の昭和四六年一〇月一三日以降完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。 を超える限度において無効であるから、原告らは、被告に対し別表(一)の(6)欄記載の金員及びこれに対する弁済期経過後の昭 違法である。5 以上のとおりであつて、本件減給処分は、労基法九一条所定の制限を超える限度において無効であるから、原告らは、被告に対し別表(一)の(6)欄記載の金員及びこれに対する弁済期経過後の昭和四六年一〇月一三日以降完済まで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。二請求原因事実に対する認否並びに被告の主張 1 請求原因1及び2の事実は認める。2 同3の事実中、本件減給処分時における原告らの平均賃金の一日分が別表(一)の(3)欄、その半額が同表(4)欄各記載のとおりであつたこと、原告Aが本件減給処分当時支給を受くべき賃金が金一六八八円であつたこと、以上の事実は認める。3 同4(一)の事実中、原告らが、その主張にかかる定員外職員のうちの「常用作業員」又は「定期作業員」であつて雇用期間が二箇月とされるのをはじめ、雇用基準、休職等の雇用条件につきいわゆる定員内職員と異なる処遇がなされている事実は認めるが、その余の事実は争う。4 同4(二)ないし(五)の主張は争う。5 被告の主張(一) 原告らは、国公法附則一六条の規定に基づく規則八ー一四によつて任用された一般職の国家公務員であるから、原告らに対しては国公法が適用される。(二) 公労法四〇条一項の規定の趣旨は、労働協約締結権を伴う団体交渉権を認められた現業公務員に対し、国公法中右団体交渉権の行使と矛盾若しくは抵触する諸規定の適用を排除することとし、その限度で新たに適用を排除することにした同法の諸規定を個々遂一掲記して、その余の国公法の諸規定については公労法の適用後も従前どおりに適用するものであることを明確にするとともに、労働組合法、労働関係調整法、労基法等の一応の適用の確認をしているところにある。ところで労基法は、労働者の労働条件等の保護につき規定した一般法であり、国公 適用するものであることを明確にするとともに、労働組合法、労働関係調整法、労基法等の一応の適用の確認をしているところにある。ところで労基法は、労働者の労働条件等の保護につき規定した一般法であり、国公法は、その対象を国家公務員に限定し、公務員の特殊性の故に公務員たる労働者保護につき積極消極の面において異なる定めをした特別法であるので、公労法四〇条一項の規定が、労基法等の適用を排除した国公法附則一六条及び労基法等の準用を定める第一次改正附則三条の規定を排除したことは、単に右附則のない状態に戻したものであつて、国公法が特別法として労基法に対する特例を規定した事項以外の事項について、国公法附則一六条の規定で適用が排除されていた一般法としての労基法が復活するというにすぎない。 につき積極消極の面において異なる定めをした特別法であるので、公労法四〇条一項の規定が、労基法等の適用を排除した国公法附則一六条及び労基法等の準用を定める第一次改正附則三条の規定を排除したことは、単に右附則のない状態に戻したものであつて、国公法が特別法として労基法に対する特例を規定した事項以外の事項について、国公法附則一六条の規定で適用が排除されていた一般法としての労基法が復活するというにすぎない。(三) 従つて、原告ら現業公務員の勤務関係については、国公法において規律されていない領域については労基法が適用されるが、国公法及び労基法がともに規定している事項については、国公法が労基法の特別法であるから、国公法の規定が労基法の規定に優先して適用される。これを減給処分についてみるに、労基法九一条の規定が減給の制限について定めているが、他方、公労法四〇条一項の規定は、人事院の懲戒権を定めた国公法八四条二項の規定のみを適用除外するだけで、国公法のその余の懲戒に関する規定の適用を排除するものではないから、原告ら現業公務員についても右懲戒に関する規定が適用されるところ、国公法七四条二項の規定の委任に基づいて定められた規則一二ー〇の減給の程度及び期間を定めた三条の規定が労基法九一条の規定に優先して適用される。(四) 以上のとおり、原告らに対し規則一二ー〇・三条の規定が適用されるところ、本件減給処分は、いずれも同条所定の減給の制限内においてなされているのであるから、何ら違法な点はない 先して適用される。(四) 以上のとおり、原告らに対し規則一二ー〇・三条の規定が適用されるところ、本件減給処分は、いずれも同条所定の減給の制限内においてなされているのであるから、何ら違法な点はない。第三証拠(省略) 理由 一請求原因1及び2の事実については当事者間に争いがない。二そこで本件処分の適法性について検討する。1 原告らが公労法二条二項二号所定の一般職に属する国家公務員であるが国公法上の国家公務員ではないとする原告らの主張について見るに、いわゆる現業庁に勤務する職員に関する限りにおいて公労法と国公法との関係を見れば、公労法は、国公法二条所定の一般職に属する国家公務員のうちで現業庁に勤務する者を対象として、その労働関係を規律することを目的として制定された法律であることが、国公法二条、公労法一条、二条の各規定に照らして明らかであり、公労法は国公法に対して特別法としての地位を占めるものであるから、公労法上の国家公務員でありながら国公法の国家公務員でないものなど、すでに観念する余地がないのみならず、成立に争いない甲第五八号証、乙第一一号証、証人Cの証言によつて成立を認め得る甲第五三号証によれば、原告らは、国公法二条二項所定の一般職に属する職員として規則八ー一四により任用された非常勤職員であることが明らかであるから、原告らのこの主張は、すでにその余の判断をするまでもなく採用の限りではない。 ら、公労法上の国家公務員でありながら国公法の国家公務員でないものなど、すでに観念する余地がないのみならず、成立に争いない甲第五八号証、乙第一一号証、証人Cの証言によつて成立を認め得る甲第五三号証によれば、原告らは、国公法二条二項所定の一般職に属する職員として規則八ー一四により任用された非常勤職員であることが明らかであるから、原告らのこの主張は、すでにその余の判断をするまでもなく採用の限りではない。2 次に、原告らは、公労法四〇条第一項の規定により同法二条二項二号所定の現業庁の職員に対する国公法附則一六条、同法第一次改正法附則三条の各規定の適用が排除されるにいたつた結果、原告らに対する労基法の適用が復活した旨主張するので、この点について判断する。(一) まず、労基法、国公法及び公労法の制定、改正の経過を右の判断に必要な 条の各規定の適用が排除されるにいたつた結果、原告らに対する労基法の適用が復活した旨主張するので、この点について判断する。(一) まず、労基法、国公法及び公労法の制定、改正の経過を右の判断に必要な限りにおいて見るに、労基法(昭和二二年法律四九号)は、その一部の規定をのぞき昭和二二年九月一日に、国公法(昭和二二年法律一二〇号)は、附則二条の規定をのぞき昭和二三年七月一日に、それぞれ施行されたものであるが、国公法は、右制定当初においては「現業庁、公団その他これらに準ずるものの職員で、法律又は人事委員会規則で指定するもの」を特別職として同法の適用外においた(同法二条一項、二項一二号、五項)。そのため、現行公労法二条二項所定の公共企業体及び現業庁の職員に対しては、労基法が全面的に適用されていたのであるが、昭和二三年七月二二日連合国軍最高司令官の内閣総理大臣あての書簡が発せられるに及び、政府は、直ちに「昭和二三年七月二二日付内閣総理大臣宛連合国軍司令官書簡に伴う臨時措置に関する政令」(昭和二三年政令二〇一号)を公布施行して、公務員の団体交渉権を否定し、かつ争議行為を禁止し、次いで、国公法第一次改正法(昭和二三年法律二二二号)を同年一二月三日に施行し、右改正法において、国家公務員の団体交渉権の否定及び争議行為禁止規定を国公法に折込むと同時に、現業庁及び公団の職員を一般職の国家公務員に組入れて同法の適用対象とし、更に同法附則一六条の規定を追加して一般職の国家公務員に対する労基法及び同法に基づき発せられる命令の適用を全面的に排除し、第一次改正法附則三条として「一般職に属する職員に関しては、別に法律が制定実施されるまでの間、国家公務員法の精神にてい触せず、且つ、同法に基く法律又は人事院規則で定められた事項に矛盾しない範囲内において、労働基準法及び船員 団の職員を一般職の国家公務員に組入れて同法の適用対象とし、更に同法附則一六条の規定を追加して一般職の国家公務員に対する労基法及び同法に基づき発せられる命令の適用を全面的に排除し、第一次改正法附則三条として「一般職に属する職員に関しては、別に法律が制定実施されるまでの間、国家公務員法の精神にてい触せず、且つ、同法に基く法律又は人事院規則で定められた事項に矛盾しない範囲内において、労働基準法及び船員 「一般職に属する職員に関しては、別に法律が制定実施されるまでの間、国家公務員法の精神にてい触せず、且つ、同法に基く法律又は人事院規則で定められた事項に矛盾しない範囲内において、労働基準法及び船員法並びにこれらに基く命令の規定を準用する。」旨規定するにいたつた。(二) 他方、公労法(昭和二二年法律二五七号、当時の法律名は「公共企業体労働関係法」)は、その後成立した日本専売公社法(昭和二三年法律二五五号)及び日本国有鉄道法(昭和二三年法律二五六号)とともに、昭和二四年六月一日に施行されたものであつて、当時は、右の公共企業体の職員の労働関係を規律対象としていたのであるが、平和条約(昭和二七年条約五号)の締結を前にして発せられた連合国軍最高司令官の声明に依拠した労働関係調整法の一部改正法(昭和二七年法律二八八号)は、公労法の一部を改正し、公労法の名称を現行法どおり改めたほか、当時設立された日本電信電話公社の職員の労働関係をもその規律対象に加え、国公法附則一三条に基づく特例として公労法四〇条の規定を新設し、日本電信電話公社法(昭和二七年法律二五〇号)とともに昭和二七年八月一日に施行されるにいたつた。(三) 以上の事実は、当裁判所に職務上顕著な事実であり、国公法が労基法に対して、いわゆる特別法の関係に立つ法律であることは、両法の立法趣旨(労基法一条、制定当初の国公法一条)はもとより、国公法第一次改正法が「この法律の規定が、従前の法律又はこれに基づく法令と矛盾し又はてい触する場合には、この法律の規定が優先する。」(現行国公法一条五項)旨の規定を附加し、これを確認していることによつても明らかであるし、公労法が国公法に対して特別法の関係に立つものであることは、すでに述べたとおりである。(四) そして、以上の立法の経過にかんがみれば、前記労調法の一 これを確認していることによつても明らかであるし、公労法が国公法に対して特別法の関係に立つものであることは、すでに述べたとおりである。 は、この法律の規定が優先する。」(現行国公法一条五項)旨の規定を附加し、これを確認していることによつても明らかであるし、公労法が国公法に対して特別法の関係に立つものであることは、すでに述べたとおりである。(四) そして、以上の立法の経過にかんがみれば、前記労調法の一 これを確認していることによつても明らかであるし、公労法が国公法に対して特別法の関係に立つものであることは、すでに述べたとおりである。(四) そして、以上の立法の経過にかんがみれば、前記労調法の一部改正法の施行により公労法四〇条一項の規定が発効するまでは、現業庁の職員の労働関係については、労基法は適用されず国公法及び同法に基づく法律又は人事院規則で定められた事項に矛盾しない限度で労基法その他の法令の規定が準用されていたにすぎないことが明らかであり、公労法四〇条一項は、右の労基法の不適用等を定めた国公法附則一六条及び同法第一次改正法附則三条の規定を現業庁の職員に対しては適用しない旨規定するにいたつたのであるから、この点だけを見れば、成程原告らが縷々主張するように公労法四〇条の規定の新設により、現業庁の職員に対する法律関係は、国公法第一次改正法施行以前の状態に復元され、再び労基法が全面的に適用されるにいたつたと見られないでもない。然しながら、公労法四〇条一項は、右のように現業庁の職員に対して国公法附則一六条、同法第一次改正法附則三条の各規定を適用しない旨のみを規定しているのではなくて、同時に、国公法三条二項から四項まで、一七条、一九条、二〇条、二二条、二三条、七一条、七三条、七七条、八四条二項、八六条から八八条まで、九六条二項、九八条(一項及び四項をのぞく。)、一〇〇条四項及び一〇一条三項の各規定(以上の条文番号は、昭和四〇年法律六九号による改正を経た現行条文による。以下、同じ。)も現業庁の職員に対しては適用しない旨規定しているのであつて、このことと公労法四〇条三項(昭和三七年法律一六一号による改正前の公労法四〇条四項、以下、現行法の条文番号による。)が、同条一項の規定は、現業庁の職員に関しては、その職務と責任の特殊性に基づき国公法附 のことと公労法四〇条三項(昭和三七年法律一六一号による改正前の公労法四〇条四項、以下、現行法の条文番号による。)が、同条一項の規定は、現業庁の職員に関しては、その職務と責任の特殊性に基づき国公法附則一三条所定の同法の特例を定めたものである旨規定している趣旨を合せ考えると、公労法四〇条一項の規定が新設された趣旨は、現業庁の職員が、前記のように一般職の国家公務員とされながら、その職務と責任は、国の経営する企業に勤務する職員としてのそれであつて、他の一般職の国家公務員の場合に比較して、全く特殊であること及びその労働関係につき公労法の適用を見るにいたつたことにかんがみ、国公法の規定のうち、現業庁の職員の一般職の国家公務員としての勤務関係その他を規律するうえにおいて不可欠と見られる諸規定を残置し、現業庁の職員の労働関係について公労法を適用するにつき抵触する規定のみを排除したものであり、国公法の規定中適用を排除された規定の律する分野については、公労法及び労基法によつて規律しようとしたものと解されるのであり、従つて、公労法四〇条一項の規定により適用されないこととなつた前記の各規定以外の国公法の規定は、依然として現業庁の職員に適用されるのであり、公労法四〇条一項の規定により国公法附則一六条、同法第一次改正法附則三条の各規定の現業庁の職員に対する適用が排除された結果現業庁の職員に対し労基法の適用の余地が生じたのは、その事項に関して国公法又は公労法に規定のない場合に限られるのが当然であつて、原告らが主張するように、公労法四〇条一項の規定の新設によつて、現業庁の職員に対する労基法の適用が全面的に復活したと解釈することはできないし、また国公法と労基法の関係が右のとおりである以上、一事象に対して右の両法律の規定が競合して適用され、その間に矛盾抵触を生ずる余地 た結果現業庁の職員に対し労基法の適用の余地が生じたのは、その事項に関して国公法又は公労法に規定のない場合に限られるのが当然であつて、原告らが主張するように、公労法四〇条一項の規定の新設によつて、現業庁の職員に対する労基法の適用が全面的に復活したと解釈することはできないし、また国公法と労基法の関係が右のとおりである以上、一事象に対して右の両法律の規定が競合して適用され、その間に矛盾抵触を生ずる余地 員に対する労基法の適用が全面的に復活したと解釈することはできないし、また国公法と労基法の関係が右のとおりである以上、一事象に対して右の両法律の規定が競合して適用され、その間に矛盾抵触を生ずる余地などあり得るはずがないのであるから、原告らが主張するように国公法と労基法の規定の間に、前法後法の関係を生ずる余地もないのである。そして、これを現業庁の職員に対する懲戒の関係において見るに、労基法は広く事業に使用される労働者を保護するために最低限度の労働条件等を規定した一般法であり、他方、国公法は、その対象を国民全体の奉仕者である公務員に限定し、公務員に適用すべき各般の根本基準を確立し、公務員がその職務遂行に当り、最大の能率を発揮し得るように、民主的な方法で選択され、且つ指導されるべきことを定め、もつて国民に対し公務の民主的且つ能率的な運営を保障する目的で制定されたものである。私企業における懲戒制度の目的は、主として職場規律ないし企業秩序の維持にあり、しかも労基法は、同法八九条一項九号の規定で懲戒の種類、事由、程度が就業規則において定められることを予定しているため、同法九一条の規定において減給の程度について制限しているにすぎないが、公務員関係における懲戒制度は、その地位の特殊性から、公務員に対し、信用失墜行為の禁止、政治的行為の制限、私企業からの隔離、他事業等への関与禁止等種々の服務義務を課すとともに、国公法八二条の規定において、免職、停職、減給、戒告の制度を定め、さらに、規則一二ー〇で公務員の懲戒について詳細に規定し、公務員秩序維持の観点から厳格な態度で臨んでいるものであり、公務員関係の懲戒制度は私企業のそれとは本質的に異るものであつて、それ自体が公務員制度と密接不可分の関係にあるというべきであるのみならず、公労法四〇条一項も、前記のように 態度で臨んでいるものであり、公務員関係の懲戒制度は私企業のそれとは本質的に異るものであつて、それ自体が公務員制度と密接不可分の関係にあるというべきであるのみならず、公労法四〇条一項も、前記のように人事院の懲戒権限に関する国公法八四条二項の規定は、現業庁の職員に適用しない旨規定するが、一般職の国家公務員の懲戒に関する同法七四条、八二条、八三条、八四条一項及び八五条の各規定の適用は排除していないのであるから、これらの規定は、すべて当然現業庁の職員にも適用されるのであるし、しかも、国公法七四条一項は「すべての職員の分限、懲戒及び保障については、公正でなければならない。 法四〇条一項も、前記のように人事院の懲戒権限に関する国公法八四条二項の規定は、現業庁の職員に適用しない旨規定するが、一般職の国家公務員の懲戒に関する同法七四条、八二条、八三条、八四条一項及び八五条の各規定の適用は排除していないのであるから、これらの規定は、すべて当然現業庁の職員にも適用されるのであるし、しかも、国公法七四条一項は「すべての職員の分限、懲戒及び保障については、公正でなければならない。」とし、同条二項で「前項に関する根本基準の実施につき必要な事項は、この法律に定めるものを除いては、人事院規則でこれを定める。」と規定し、懲戒の具体的基準について規則に委任することを明言し、右委任に基づいて規則一二ー〇が制定されているところ、同規則三条は「減給は、一年以下の期間、俸給の月額の五分の一以下に相当する額を、給与から減ずるものとする。」旨定めているのであつて減給について、右のごとく国公法七四条二項の規定の委任に基づいて規則一二ー〇・三条の規定で定められている以上原告らが主張するように、この関係において労基法九一条の規定の適用される余地はない。以上のとおりであるから、公労法四〇条一項の規定の存在を前提とする原告らの主張はすべて理由がない。3 原告らは、右以外の理由をあげて原告らの懲戒については労基法九一条の規定が適用されるべき旨主張するので、これらの点につき、以下順次判断をする。(一) 原告らは、公労法八条二項の規定で懲戒の基準に関する事項を団体交渉及び労働協約の対象とすることができる旨定められ、一方、同法四〇条一項の規定で国公法三条二項、八四条二項の各規定の適用を排 。(一) 原告らは、公労法八条二項の規定で懲戒の基準に関する事項を団体交渉及び労働協約の対象とすることができる旨定められ、一方、同法四〇条一項の規定で国公法三条二項、八四条二項の各規定の適用を排除していることは、人事院が公労法の適用を受ける原告ら現業庁の職員の懲戒について何ら関与しないという趣旨であり、右趣旨に反する国公法関係法規はすべて現業庁の職員には適用されず、現業庁の職員に対する懲戒については労基法の規定のみが適用される旨主張するので検討するに、国公法第一次改正法によつて一般職に組み入れられた現業庁の職員は、国公法によつて労働協約締結権を伴う団体交渉権が否定されていたが、昭和二七年の労働関係調整法等の一部改正法によつて現業庁の職員に公労法が適用され、労働協約締結権を伴う団体交渉権が付与されるとともに、他方同法四〇条一項の規定で国公法中右団体交渉権の行使と矛盾牴触する規定を遂一列挙してこの適用を排除したこと、国公法の懲戒に関する規定中、適用が排除されたのは八四条二項の規定のみであることは前記のとおりであつて、右のごとく現業庁の職員に対し労働協約締結権を伴う団体交渉権を付与することと、右職員に対する懲戒につき国公法の規定を適用することとは何ら矛盾牴触するものではないから、原告ら現業庁の職員に対しこれらの規定が適用されるのは当然であつて、原告らの右主張は失当である。 定を遂一列挙してこの適用を排除したこと、国公法の懲戒に関する規定中、適用が排除されたのは八四条二項の規定のみであることは前記のとおりであつて、右のごとく現業庁の職員に対し労働協約締結権を伴う団体交渉権を付与することと、右職員に対する懲戒につき国公法の規定を適用することとは何ら矛盾牴触するものではないから、原告ら現業庁の職員に対しこれらの規定が適用されるのは当然であつて、原告らの右主張は失当である。(二) 原告らは、公労法四〇条一項の規定は、国公法附則一三条所定の特例を定めるものであり、同条で国公法附則一六条の規定の適用を排除している趣旨によれば、労基法九一条の規定は、規則一二ー〇・一条所定の「法附則一三条の規定によ」る「法律」の「別段の定め」にあたり、従つて、同規則三条の規定は、原告らに対しては適用されない旨主張する。たしかに、規則一二ー〇・一条は「職員の懲戒は 一二ー〇・一条所定の「法附則一三条の規定によ」る「法律」の「別段の定め」にあたり、従つて、同規則三条の規定は、原告らに対しては適用されない旨主張する。たしかに、規則一二ー〇・一条は「職員の懲戒は、官職の職務と責任の特殊性に基づいて法附則第一三条の規定により法律又は規則をもつて別段の定めをした場合を除き、この規則の定めるところによる。」と規定しているが公労法四〇条の規定の立法趣旨はすでに述べたとおりであり、もし、原告らが主張するとおりであるとすれば、同条の規定により国公法七四条の規定の適用をも排除すべきであるにかかわらず、これを排除していないことは、すでに見たとおりであるし、国公法と労基法との適用関係を前記のように解釈しなければならない以上労基法九一条の規定を規則一二ー〇・一条で規定する「別段の定め」に該当すると解釈することはできないから、原告らの右主張は失当であるといわなければならない。(三) 次に、原告らは、人事院は公労法の適用を受ける職員に対し一般的人事行政権を有しないから、原告らに対し右人事行政権に基づいて制定された規則一二ー〇・三条の規定を適用する余地はなく、労基法九一条の規定が適用されるべきであると主張する。そして公労法四〇条一項の規定が人事院の権限につき定めた国公法三条二項の規定の適用を排除していることは、前記のとおりである。しかしながら国公法三条二項ないし四項の規定は、人事院の権限を包括的、一般的に宣言したものにすぎず、人事院の具体的な権限は、それを定めた個々の法条に依拠するものであるから、公労法四〇条の規定により国公法三条二項ないし四項の規定を排除したことによつて直ちに人事院から原告ら現業公務員に対する人事行政権限を全面的に剥奪したものということはできず、公労法四〇条の規定によつてその適用を排除されなかつた国公法の かしながら国公法三条二項ないし四項の規定は、人事院の権限を包括的、一般的に宣言したものにすぎず、人事院の具体的な権限は、それを定めた個々の法条に依拠するものであるから、公労法四〇条の規定により国公法三条二項ないし四項の規定を排除したことによつて直ちに人事院から原告ら現業公務員に対する人事行政権限を全面的に剥奪したものということはできず、公労法四〇条の規定によつてその適用を排除されなかつた国公法の 項ないし四項の規定を排除したことによつて直ちに人事院から原告ら現業公務員に対する人事行政権限を全面的に剥奪したものということはできず、公労法四〇条の規定によつてその適用を排除されなかつた国公法の規定に基づく個別的な権限は、依然人事院に属するものといわなければならない。しかして減給処分について設けられた規則一二ー〇・三条の規定が国公法七四条二項の規定の委任に基づくものであり、同条の規定は公労法四〇条の規定によつてその適用を排除されていないことは前記のとおりであるから、人事院が原告ら現業公務員に対し人事行政権を有しないことを前提とする原告らの主張は失当である。3 以上のとおり、原告ら現業庁の職員に対する減給処分については国公法の規定及びこれに基づく規則一二ー〇・三条の規定が適用されるところ、本件減給処分は、いずれもこれらの規定に基づき、その所定の範囲内でなされていることは明らかである。三次に、本件減給処分の国公法違反及び信義則違反ないし処分権の濫用の主張について検討する。1 原告らは、原告ら「常用作業員」「定期作業員」が、その任用について国公法に定めがなく、国有林野事業独特の「作業員」制度に基づく期限付任用の特殊な国家公務員であり、処遇についても林野庁のいわゆる定員内職員と異る定めがなされているので、原告らに対し規則一二ー〇・三条の規定に基づいて減給処分を行うことは、国公法の建前若しくは同法七四条の規定の趣旨に照らし許されない旨主張するが、原告らが一般職の国家公務員であり、規則八ー一四に基づく非常勤職員であつて、国公法の懲戒に関する規定中、公労法四〇条一項の規定により適用が排除されているのは八四条二項の規定のみであつて、七四条二項及びその余の懲戒の規定の適用が排除されていないことは前記二の2記載のとおりであるから、原告ら「常用作 、公労法四〇条一項の規定により適用が排除されているのは八四条二項の規定のみであつて、七四条二項及びその余の懲戒の規定の適用が排除されていないことは前記二の2記載のとおりであるから、原告ら「常用作業員」「定期作業員」の処遇が林野庁のいわゆる定員内職員と異る定めがなされ、国公法上分限、保障等の規定の適用が排除されているからといつてこれを理由として、原告らに対する減給処分について規則一二ー〇・三条の規定を適用することが、国公法の建前若しくは同法七四条の規定に反するものとまではいえず、原告らの右主張は失当であるといわなければならない。 ていないことは前記二の2記載のとおりであるから、原告ら「常用作業員」「定期作業員」の処遇が林野庁のいわゆる定員内職員と異る定めがなされ、国公法上分限、保障等の規定の適用が排除されているからといつてこれを理由として、原告らに対する減給処分について規則一二ー〇・三条の規定を適用することが、国公法の建前若しくは同法七四条の規定に反するものとまではいえず、原告らの右主張は失当であるといわなければならない。2 次に、原告らの信義則違反ないし処分権の濫用に関する主張について検討するに、前掲甲第五八号証、乙第一一号証に弁論の全趣旨を綜合すれば、なるほど定員内職員と異なり「常用作業員」の雇用期間は、形式的には有期(二箇月)とされてはいるが、右の雇用期間は例外なしに更新され、実質的には期間の定めのない終身雇用であり、また「定期作業員」は毎年一定の期間を定めた雇用であるが、林野庁は昭和三七年一一月一六日に全林野労働組合との間で取交した約定に従い、「定期作業員」が期間満了により一旦退職しても、当該営林署の事業実行上の事情が同様であれば、翌年度も当年度に雇用した者を優先的に雇用することが確認されており、また解雇に関しては、国公法七八条四号に定める場合を除いて同条の規定の適用があつて、定員内職員と同様の身分保障があること、更に賃金制度についても、基本賃金を日額とする点において定員内職員と別異の取扱をされるほかは「国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法」によつて一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員及び民間事業の従業員の給与その他の事情を考慮して定めることとされ、これに従つて公労法八条の規定により労使 る職員の給与等に関する特例法」によつて一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける国家公務員及び民間事業の従業員の給与その他の事情を考慮して定めることとされ、これに従つて公労法八条の規定により労使の協議により決定されることになつており、賃金の額が団体交渉によつてまとまらないときその他労使間において意見の一致をみない場合には、公労法第六章の定めるところにより公正妥当な解決が図られるべきものとされているほか、各種の協約によつて夏期、年末、年度末の各手当、扶養家族手当、寒冷地、薪炭購入の各特別給等各種の手当を支給されることとされており、更に雇用期間の満了した「定期作業員」に対しては、国家公務員等退職手当法あるいは本件減給処分当時施行の失業保険法が適用されて、退職手当あるいは失業保険金が支払われることになつていること、また休日ないし休暇制度については、定員内職員に対して与えられる有給休暇が年間二〇日であるのに対し、「常用作業員」に与えられるそれが勤続年数に応じて年間一〇日ないし二〇日であり、また「定期作業員」に対して与えられるそれが雇用期間内に九日にすぎない点を除けば、原告ら「常用作業員」及び「定期作業員」に適用される作業員就業規則及び昭和四四年四月に林野庁と全林野との間で締結された「国有林野事業の作業員の週休日および作業休日に関する覚書」により、定員内職員と同じく原則として毎日曜日が週休日とされ、更に祝日も休日とされているほか、一ケ月につき二日の作業休日が設けられており、更に定員内職員と同じく八時間労働制が確立していること、以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。 作業員」及び「定期作業員」に適用される作業員就業規則及び昭和四四年四月に林野庁と全林野との間で締結された「国有林野事業の作業員の週休日および作業休日に関する覚書」により、定員内職員と同じく原則として毎日曜日が週休日とされ、更に祝日も休日とされているほか、一ケ月につき二日の作業休日が設けられており、更に定員内職員と同じく八時間労働制が確立していること、以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。そして右事実によれば、原告ら定員外職員は、雇用期間、身分保障、賃金、休日等の労働条件において定員内職員より若干不利益な取扱を受けていることは否めないが、右程度の不利益は、 認定に反する証拠はない。そして右事実によれば、原告ら定員外職員は、雇用期間、身分保障、賃金、休日等の労働条件において定員内職員より若干不利益な取扱を受けていることは否めないが、右程度の不利益は、職務内容、労働形態等の差異に伴うやむを得ないものというべきであつて、信義誠実の原則に反するほどの不利益とは認められないのみならず、原告らに対しては、公労法四〇条一項等の国公法附則一三条所定の定めをした規定を除き、国公法の諸規定が適用されるのであつて、単に国公法の懲戒の規定のみが適用されるものではないから、原告らの処遇について、林野庁のいわゆる定員内職員と異る定めがなされていることをもつて、規則一二ー〇・三条の規定に基づく本件減給処分が信義誠実の原則に反するものないしは処分権の濫用であるとすることはできず、原告らの右主張は失当である。四次に、原告らは、減給処分は労基法九一条所定の制限を受けるとの解釈を持していた林野庁当局との間において右解釈を雇用契約の内容として雇用されたものであるから、一方的に同条の制限を超えて行われた減給処分は違法である旨主張する。そして成立に争いのない乙第一〇号証によれば、林野庁職員課の編集昭和二三年三月一〇日発行にかかる「国有林野事業就業規則解説」なる図書中に原告ら主張のごとき趣旨の記載のあることは認められるが、右の解釈が正当として支持することができないものであることは、すでに述べたとおりであるし成立に争いのない甲第五九号証によれば、昭和三五年九月一日発行にかかる前記図書の改訂版において、同職員課も、国公法は労基法の特別法であるから減給処分については規則一二ー〇・三条の適用があるとその解釈を改めていることが認められるのみならず、本件全証拠を精査するも、林野庁と原告らが本件減給処分前直近時における雇用契約の締結に際し、 として支持することができないものであることは、すでに述べたとおりであるし成立に争いのない甲第五九号証によれば、昭和三五年九月一日発行にかかる前記図書の改訂版において、同職員課も、国公法は労基法の特別法であるから減給処分については規則一二ー〇・三条の適用があるとその解釈を改めていることが認められるのみならず、本件全証拠を精査するも、林野庁と原告らが本件減給処分前直近時における雇用契約の締結に際し、 るから減給処分については規則一二ー〇・三条の適用があるとその解釈を改めていることが認められるのみならず、本件全証拠を精査するも、林野庁と原告らが本件減給処分前直近時における雇用契約の締結に際し、原告ら主張のごとき解釈を雇用契約の内容とする合意をしたと認めるに足る証拠はない。従つて、前記解釈が雇用契約の内容となつていることを前提とする原告らの前記主張は、その余の点を検討するまでもなく理由がなく失当である。五以上のとおり、原告らの本訴請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条、九三条本文の規定を適用して、主文のとおり判決する。(裁判官原島克己福井厚士仲宗根一郎)(別表省略)

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