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昭和31(オ)517 建物収去農地引渡請求

裁判所

昭和35年4月1日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

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1,373 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人高橋方雄の上告理由について。原判決は、被上告人は昭和二〇年九月上告人からその所有の農地を買い受け、その頃引渡をうけたが、右売買については、地方長官の許可がなかつたことを確定し、当時施行されていた臨時農地等管理令七条ノ二によると、被上告人が本件農地の所有権譲渡契約を締結するには、地方長官の許可をうけるべきであつたが、右規定はいわゆる取締規定であると解すべきであるから、被上告人が栃木県知事の許可をうけないからといつて、本件農地の売買契約が当然無効となるものではない旨判示したものである。ところで、本件において、上告人(原告)は本件土地を宅地にする目的のため売り渡したものであると主張していることはその主張から明らかであり、被上告人(被告)は、第一審の準備手続期日において、「被告が本件土地を宅地にするため売買契約をしたことは認める」と答弁しているのであるから、本件売買は、「耕作以外ノ目的ニ供スル為」めになされたものであることは当事者間に争がなかつたものといわなければならず、したがつて本件は、臨時農地等管理令七条ノ三、五条の適用される場合であつて、同令七条ノ二を適用した原審は、法令の適用を誤つたものというべく、その限りにおいては、論旨一、二の指摘するとおりであるといわなければならない。しかし、臨時農地等管理令七条ノ二はいわゆる取締規定にすぎないから、同条所定の地方長官の許可をうけなくても、農地の売買契約は無効ではないことは、すでに当裁判所の判例とするところであつて(昭和二八年九月一五日第三小法廷判決、民事判例集七巻九四二頁参照)、右法条と規定の体裁を同じくする同令五条について、その効力を異にすると解すべき特段の理由を すでに当裁判所の判例とするところであつて(昭和二八年九月一五日第三小法廷判決、民事判例集七巻九四二頁参照)、右法条と規定の体裁を同じくする同令五条について、その効力を異にすると解すべき特段の理由を発見するこ- 1 -とができないから、同令五条もまたいわゆる取締規定にすぎず、同条所定の地方長官の許可がなくても、農地を耕作以外の目的に供するため其の所有権を取得する契約は、なお、無効ではないと解するのを相当とする。 所の判例とするところであつて(昭和二八年九月一五日第三小法廷判決、民事判例集七巻九四二頁参照)、右法条と規定の体裁を同じくする同令五条について、その効力を異にすると解すべき特段の理由を発見するこ- 1 -とができないから、同令五条もまたいわゆる取締規定にすぎず、同条所定の地方長官の許可がなくても、農地を耕作以外の目的に供するため其の所有権を取得する契約は、なお、無効ではないと解するのを相当とする。そうとすれば、同令七条ノ二を適用し、本件売買契約を無効ではないとした原判決の前示違法は、判決に影響を及ぼさないことが明白であつて、原判決は結局正当なるに帰する。論旨三は、以上と異る見解に立脚するものであつて、これを採用することができない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官池田克裁判官河村大助裁判官奥野健一- 2 -

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