平成27(行ウ)98 不当利得返還請求事件

裁判年月日・裁判所
平成30年9月14日 東京地方裁判所 その他
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判決文本文27,612 文字)

平成30年9月14日判決言渡平成27年(行ウ)第98号,第99号,第117号不当利得返還請求事件(以下,事件番号に応じ,それぞれ「98号事件」,「99号事件」又は「117号事件」という。) 主文 1 被告Aは,原告に対し,150万円及びこれに対する平成25年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告Bは,原告に対し,150万円及びこれに対する平成25年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 被告Cは,原告に対し,100万円及びこれに対する平成25年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 訴訟費用は被告らの負担とする。 5 この判決は,第1項から第3項までに限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求主文同旨第2 事案の概要原告は,被災者生活再建支援法(以下「支援法」という。)の規定に基づき宮城県から被災者生活再建支援金(以下「支援金」という。)の支給に関する事務の全部の委託を受けた者であるところ,東日本大震災の発生当時,仙台市α区(以下「α区」という。)に所在するD(以下「本件マンション」という。)に居住していた被告らから,本件マンションの被害の程度を大規模半壊とする仙台市α区長(以下「α区長」という。)の発行に係るり災証明書が添付された支援金の支給の申請を受けたため,被告らに対し,それぞれ支給決定(以下,支給決定を受けた被告ごとに,例えば「被告Cに係る本件各原決定」といい,被告ら に対してされた各支給決定を総称して「本件各原決定」という。)をして支援金を支給した(以下,本件各原決定に基づき支給された支援金を総称して「本件各支援金」という。)が,その後,α区長から本件マンションの被害の程度を一部損壊とす して「本件各原決定」という。)をして支援金を支給した(以下,本件各原決定に基づき支給された支援金を総称して「本件各支援金」という。)が,その後,α区長から本件マンションの被害の程度を一部損壊とするり災証明書が発行されたため,本件各原決定を取り消す旨の各決定(以下「本件各処分」という。)をした。 本件は,原告が,被告らに対して,法律上の原因なく本件各支援金の支給を受けたなどと主張して,不当利得に基づき,本件各支援金に係る利得金及びこれらに対する原告が履行の請求をした日(平成25年4月26日頃)よりも後の日である同年8月1日から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 関係法令等の定め別紙2「関係法令等の定め」に記載のとおりである(同別紙における略称は,以下においても用いることとする。)。 2 前提事実(争いがない事実及び掲記の証拠により容易に認められる事実)⑴ 当事者等ア原告は,自然災害により被災した都道府県民の生活再建支援,都道府県行政の活動支援,その他地方自治の円滑な運営と進展に寄与する事業を行うことにより,災害による被害者の支援及び国政の健全な運営の確保に資することを目的とし,この目的を達成するため,支援法に基づく自然災害による被災者の生活再建支援事業等を行うことを目的とする公益財団法人であり,支援法6条1項に基づき支援法人としての指定を受けている。 また,原告は,宮城県から支援法4条1項に基づき支援金の支給に関する事務の全部の委託を受けている。(甲6)イ被告らは,東日本大震災の発生当時,本件マンションに居住していた者である。 ウ本件マンションは,Dという名称の合計9棟から成るマンション群のう ちの1棟であり,14階建て,鉄 イ被告らは,東日本大震災の発生当時,本件マンションに居住していた者である。 ウ本件マンションは,Dという名称の合計9棟から成るマンション群のう ちの1棟であり,14階建て,鉄筋コンクリート造の建物である。(甲8,乙38,39)⑵ 本件各処分に至る経緯等ア α区は,平成23年4月9日付けで本件マンションの管理組合からり災証明の申請を受け,同年5月11日,東日本大震災による本件マンションの被災状況の調査(以下「本件第1回調査」という。)を実施した。α区長は,本件第1回調査の結果に基づき,被告らを含む本件マンションの住民に対し,本件マンションにつき被害の程度を一部損壊とする同年5月27日付けり災証明書(以下「本件第1回り災証明書」という。)を発行した。 (乙37,76)イ(ア) α区は,平成23年7月23日に被告Cから本件マンションの被害の程度に係る再度の調査の申請を受け,同年8月20日,本件マンションの被災状況の調査(以下「本件第2回調査」という。)を実施した。α区長は,本件第2回調査の結果に基づき,被告らに対し,本件マンションにつき被害の程度を大規模半壊とする同月30日付けり災証明書(以下「本件第2回り災証明書」という。)を発行した。(甲1,甲A1,甲D1,乙38,77)(イ) 被告らは,平成23年8月30日以降,順次,原告に対し,被災世帯であることを証する書面として本件第2回り災証明書を添付して,支援金の支給を申請した。原告は,同年9月26日から平成24年1月27日までの間に,被告A及び被告Bにつき各合計150万円,被告Cにつき合計100万円の支援金をそれぞれ支給する旨の決定(本件各原決定)をし,被告らに対して,同額の支援金(本件各支援金)をそれぞれ支給した。(甲2, 被告A及び被告Bにつき各合計150万円,被告Cにつき合計100万円の支援金をそれぞれ支給する旨の決定(本件各原決定)をし,被告らに対して,同額の支援金(本件各支援金)をそれぞれ支給した。(甲2,甲A2,甲D2(いずれも枝番号を含む。))ウ(ア) α区は,平成23年12月15日,本件マンションの被災状況の調査(以下「本件第3回調査」という。)を実施したところ,本件マンショ ンの被害の程度が一部損壊に当たると判定された。(乙39,52)(イ) α区は,平成24年2月15日,同月25日及び同年3月10日,本件マンションの住民に対して,本件第2回り災証明書において大規模半壊とされた本件マンションの被害の程度が,本件第3回調査の結果,一部損壊に修正されること等に関して住民説明会を実施した。(乙6ないし9)(ウ) α区長は,本件第3回調査の結果に基づき,本件マンションにつき被害の程度を一部損壊とする平成24年2月10日付けり災証明書(以下「本件第3回り災証明書」という。)を発行し,α区は,同年3月26日,被告らに対して本件第3回り災証明書を送付した。(乙3,4)エ原告は,被告らに対して,平成25年4月26日付けで,本件各原決定を取り消す旨の決定(本件各処分)をし,併せて,本件各支援金を同年7月31日までに原告に返還するよう求める旨を記載した同年4月26日付け「被災者生活再建支援金返還請求書」を送付した。同書面は,その頃,被告らに到達した。(甲3,4,甲A3,4,甲D3,4,弁論の全趣旨) 3 争点⑴ 被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当するか否か⑵ 被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当しない場合における本件各処分の無効事由の有無 4 争点に関する当事者の主張の要旨⑴ 争点⑴(被告 被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当するか否か⑵ 被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当しない場合における本件各処分の無効事由の有無 4 争点に関する当事者の主張の要旨⑴ 争点⑴(被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当するか否か)について(被告らの主張の要旨)本件マンションの共用部分には,コンクリートの表面に仕上げとして塗られているモルタルのみならず,コンクリート造の梁本体の底部の一部にも剥離が発生している上,梁上部にも深刻な損傷が確認されており,その他にも無数のひび割れが存在する。本件マンションに採用されているラーメン架構 では,通常,大梁の端に柱が,大梁の上下側に壁が付くのに対し,本件マンションでは,柱・壁とは別の構造体である床版(RC階段スラブ)が梁の側面全面に斜めに増しコンによって接合されており,ラーメン架構の構造計算の対象にない形状となっているために,地震によって,柱からではない作用が梁に加わり,しかも,その部分は水平床が抜けている状態で梁の水平拘束がないため斜め方向の圧力による梁へのねじりを伴う圧力がかかったことにより,上記のような梁の損傷が生じたものである。 この梁の損傷は,仙台市における東北地方太平洋沖地震被災建物被害認定第1次調査票〈非木造建物〉(以下「第1次調査票」という。乙36の1)における「②柱・耐力壁・基礎」の項目の「損傷程度Ⅲ」の「一部で剥離が発生(鉄筋の露出なし)」に該当するものであり,その損害割合は30%とされる。これを第1次調査票における本件マンションの他の部位別損害割合と合計すると46%となり,大規模半壊に相当する被害の程度となる。 したがって,本件マンションの被害の程度は大規模半壊に当たるから,被告らの世帯は大規模半壊世帯に該当する。 (原告の主張の要旨) ると46%となり,大規模半壊に相当する被害の程度となる。 したがって,本件マンションの被害の程度は大規模半壊に当たるから,被告らの世帯は大規模半壊世帯に該当する。 (原告の主張の要旨)争う。 ⑵ 争点⑵(被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当しない場合における本件各処分の無効事由の有無)について(原告の主張の要旨)ア支援金の支給決定を取り消すことの法律上の根拠の要否等(業務規程11条によらずに支援金の支給決定を取り消すことの可否)法治主義の下,違法な行政処分は取り消されることが原則であり,当該処分をする権限を有する行政庁は,法の一般原則によりこれを取り消すことができる。業務規程11条は,同規程12条及び13条と一体となって同条所定の加算金や延滞金発生の効力を有する支援金の取消しについて定 めるにすぎず,これ以外の場合に支援金の支給決定を取り消すことが禁止されるものではない。 イ本件第3回り災証明書に基づき本件各原決定を取り消すことの可否支援金の支給申請は,当該世帯が被災世帯であることを証する書面を添付してしなければならない(支援法施行令4条1項)ところ,本件各原決定に係る申請に添付された本件第2回り災証明書につき,これを発行したα区長が,本件第3回り災証明書によって本件マンションの被害の程度を一部損壊に修正し,本件第2回り災証明書を失効させたことを受け,原告は,本件第2回り災証明書が効力を失ったことを理由として本件各処分をしたものである。 したがって,この点に関して,本件各処分には何ら瑕疵はない。 ウ授益的処分である本件各原決定を取り消すことの可否(ア) 本件各原決定によって,支援金の支給要件に該当しない者に対して支援金が支給されており,この状態を放置すれば,相互扶助 疵はない。 ウ授益的処分である本件各原決定を取り消すことの可否(ア) 本件各原決定によって,支援金の支給要件に該当しない者に対して支援金が支給されており,この状態を放置すれば,相互扶助の観点から設計されている支援金制度に対する不信や支援金の受給者一般への疑惑が生ずるなど,その制度の存在意義が問われることになりかねず,本件各原決定を取り消すことは,支援法の目的の実現及び維持のために必要である。 また,東日本大震災のような大規模災害における被災者支援では,支援の平等性が強く要請されるところ,支給要件を欠く者に対して支援金が支給されているのであれば,これを取り消すことはその要請にかなうものである上,本件では9棟のマンション群のうち本件マンション以外に大規模半壊とされた建物はないのであるから,この不平等を放置することは,住民相互の強い不満や支援金制度自体への不信を招くことになる。 さらに,支援金の原資は国民の負担により成り立っており,支給要件 を欠く違法な支給決定を取り消すことは,公正な行政や国民の信頼を確保するためにも必要である。 (イ) 他方,支給要件を欠くにもかかわらず被災者が受給した支援金は,本来は得られるはずのないものであるから,被告らにおいてこれを保持する利益が大きいとはいえない。被告らが,本件各支援金の支給を契機として什器備品の購入や住戸の修理費用等の支出をしていたとしても,不要な支出をしたとは考えられず,生活の支障の除去や財産価値の上昇等の経済的利益を享受している。また,り災証明書には,被害の程度が変更となった場合はそれより前に発行された証明書の効力が失われる旨記載されていたほか,住民説明会を通じて,遅くとも平成24年3月10日までには,本件各原決定が取り消される可 証明書には,被害の程度が変更となった場合はそれより前に発行された証明書の効力が失われる旨記載されていたほか,住民説明会を通じて,遅くとも平成24年3月10日までには,本件各原決定が取り消される可能性のあることが明らかになっていた。さらに,本件各処分に先立っては,仙台市,α区及び原告の職員により,本件マンションの住民に対し支援金の支給決定の取消しに関する説明会が開催されるとともに,原告は,被告らに対し,支援金の分割返還を希望する際には具体的な返還方法について相談に応じる旨を記載した文書を送付した。 (ウ) 以上によれば,本件各原決定を取り消さないことにより既に生じた効力を維持することの不利益は,本件各原決定の取消しによって生ずる不利益と比較して極めて大きく,本件各原決定を取り消さなければ公共の福祉の要請に照らして著しく不当であり,本件各原決定を取り消すことができるから,本件各処分に違法はない。 (被告らの主張の要旨)ア支援金の支給決定を取り消すことの法律上の根拠の要否等(業務規程11条によらずに支援金の支給決定を取り消すことの可否)原告は,内閣総理大臣により指定を受けることにより初めて都道府県から支援金支給業務の委託を受ける権限を有することとなるため,その権限 の範囲は,内閣総理大臣により認可された業務規程により画定されることとなる。 そして,業務規程11条は,支援金の支給決定の全部又は一部を取り消すことができる場合として,偽りその他不正の手段により支援金の支給を受けたとき(1号),その他支援金の支給の決定の内容若しくはこれに付した条件に違反し,又は同規程に基づく請求に応じないとき(2号)を定めるところ,被告らはこのいずれにも該当しない。 したがって,原告が本件各原決定を 援金の支給の決定の内容若しくはこれに付した条件に違反し,又は同規程に基づく請求に応じないとき(2号)を定めるところ,被告らはこのいずれにも該当しない。 したがって,原告が本件各原決定を取り消すことは原告の権限を逸脱するものであるから,本件各処分には重大な瑕疵があり,本件各処分は無効である。 イ本件第3回り災証明書に基づき本件各原決定を取り消すことの可否(ア) 原告は,本件第3回り災証明書により本件第2回り災証明書が効力を失ったことを理由として本件各処分をした旨を主張するが,業務規程9条が定める支援金の支給決定の要件と同規程11条が定める支援金の支給決定の取消しの要件とが別異のものであることを看過しているし,それをおくとしても,支援法施行令4条1項は支援金の支給申請の方式について定めたものにすぎず,支援金の支給決定の実体的要件を定めたものではないから,失当である。 (イ) 仙台市には,内閣府が定める災害の被害認定基準等や仙台市が定めるり災証明等取扱要領等に従ってり災証明を行うべき義務があるところ,これらの規定等によれば,地震により被災した住家に対する第2次調査は,第1次調査を実施した住家の被災者からの申請があった場合に限り実施することができるというべきである。しかしながら,本件第3回調査は,本件マンションの住民や管理会社から何ら申請なく職権により実施されたものであり,違法である。 また,本件第3回調査は,Dのマンション群9棟の調査結果を比較し, 本件マンションの被害の程度のみが突出していたことを端緒として行われたという特異な経緯によるものであることや,仙台市では,第1次調査と第2次調査との結果が異なった場合,最も被害の程度が大きい結果を採用し,一旦されたり災証明の判定を引き下げることは回避するという れたという特異な経緯によるものであることや,仙台市では,第1次調査と第2次調査との結果が異なった場合,最も被害の程度が大きい結果を採用し,一旦されたり災証明の判定を引き下げることは回避するという運用がされていたことからすれば,本件第3回調査に基づき本件第2回り災証明書の被害の程度を一部損壊に修正することは,平等取扱いの原則や適正手続の原則に違反する。 したがって,本件第3回調査の結果に基づく本件第3回り災証明書の発行には手続的瑕疵があり,これに基づき被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当しないものとしてされた本件各処分には重大な瑕疵があり,本件各処分は無効である。 ウ授益的処分である本件各原決定を取り消すことの可否(ア) 支援金の支給決定は,被災者に対して使途を定めず金銭を支給することにより,被災者の生活再建を支援し,被災住民の生活の安定と経済活動を通じて被災地の速やかな復興に資するためのものであり,支給決定が安易に取り消されるとすれば,被災者は安心して支援金を支出できず,上記支援金の趣旨に反することとなる上,支援金を受給した被災者の生活再建や生活の安定が害されるから,その取消しは,通常の授益的処分よりも極めて慎重かつ限定的にされなければならない。 (イ) 本件において,被害の程度を大規模半壊とする本件第2回り災証明書が発行されたことにつき被告らに帰責性はなく,その瑕疵の原因は専ら仙台市にあった一方,本件各原決定について法律上の利害関係を有する第三者は存在せず,本件各原決定を取り消すべき公益上の利益は,せいぜい他の被災住民との平等及び公平であるが,そもそも,り災判定基準が法定されておらず,同基準及びり災調査の方法は地方自治体ごとに区々であることから,絶対的に正しいり災判定は存在し得ないのであり, 被災住民との平等及び公平であるが,そもそも,り災判定基準が法定されておらず,同基準及びり災調査の方法は地方自治体ごとに区々であることから,絶対的に正しいり災判定は存在し得ないのであり, 他の被災住民と単純に比較することはできない。特に,本件では,前記イ(イ)のとおり本件第3回調査が不平等・不公平なものであったから,他の被災住民との平等及び公平を殊更重視することは不合理かつ不相当である。 また,被告らは,家財や住戸の専用部分について多岐に,広範かつ甚大な損害を受けており,本件各支援金を,その修繕や家財等の買換えの費用に充てるなどしている。このような被告らの支援金の使途は,支援金制度が予定したものであり,また,被告A及び被告Bは支援金のうち加算部分がなければ住戸の補修工事をせずに生活再建をしていたはずであるから,支援金の返還を求めることは不意打ちであり,本来支出するはずのなかった支出を余儀なくされ,その分の返還を強いられるという経済的損失を被るものである。 (ウ) 以上によれば,本件各原決定の取消しによって生ずる不利益と,これを取り消さないことによって既に生じた効果をそのまま維持する不利益とを比較考量し,本件各原決定を放置することが公共の福祉の要請に照らして著しく不当であるとはいえず,本件各原決定を取り消すことはできないから,本件各処分には重大な瑕疵があり,本件各処分は無効である。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実掲記の証拠によれば,以下の事実が認められる。 ⑴ 災害に係る住家の被害認定基準運用指針(乙31。以下「運用指針」という。)及び仙台市における被害認定調査票(乙36の1及び2)についてア運用指針について運用指針は,行政が災害による被害の把握や対応のために用いて 準運用指針(乙31。以下「運用指針」という。)及び仙台市における被害認定調査票(乙36の1及び2)についてア運用指針について運用指針は,行政が災害による被害の把握や対応のために用いていた従来の災害の被害認定基準につき,その内容を実状に合うように見直すとと もに,当該基準のうちの住家に係る部分が,市町村においてり災証明を発行するための被害調査の基準として活用されるようになり,当該基準に基づいた被害調査結果によるり災証明に記載された住家の被害の程度が,支援法の適用や支援金の支給等の判断材料となるなど,各種支援策と密接に関連するようになってきたという状況を踏まえて,住家の被害認定に係る標準的な調査方法及び判定方法を示すことを目的として,平成13年に内閣府により作成され,その後平成21年6月に改訂されたものである。 運用指針は,住家の被害の程度を「全壊」「大規模半壊」「半壊」「半壊に至らない」の4つに区分しており,このうち「大規模半壊」の認定基準を,「居住する住宅が半壊し,構造耐力上主要な部分の補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難なもの。具体的には,損壊部分がその住家の延床面積の50%以上70%未満のもの,または住家の主要な構成要素の経済的被害を住家全体に占める損害割合で表し,その住家の損害割合が40%以上50%未満のものとする。」としている。 また,運用指針は,地震による被害について,第1次調査と第2次調査の2段階で実施し,第2次調査は第1次調査を実施した住家の被災者から申請があった場合に実施するものとし,いずれの調査についても,外観目視調査(第2次調査の場合にはこれに加えて内部立入調査)により,外観の損傷状況の目視による把握,住家の傾斜の計測及び部位ごとの損傷程度等の目視による把握 するものとし,いずれの調査についても,外観目視調査(第2次調査の場合にはこれに加えて内部立入調査)により,外観の損傷状況の目視による把握,住家の傾斜の計測及び部位ごとの損傷程度等の目視による把握を行い,調査により把握した住家の外観の損傷状況,住家の傾斜及び部位ごとの損傷程度等により,住家の損害割合を算定し,被害認定基準等に照らして住家の被害の程度を判定するものとしている。このうちの非木造である鉄筋コンクリート造の住家につき梁の損傷により判定する場合に関して,コンクリートのひび割れ及び剥落,鉄筋の露出及び変形等の外観上の所見が例示されており,梁(構成比は,第1次調査につき柱又は梁で60%,第2次調査につき床又は梁で10%)の程度Ⅲ(損 傷程度50%)の損傷として,「比較的大きなひび割れ(幅約1㎜~2㎜)が生じているが,コンクリートの剥落は極くわずかであり,鉄筋は露出していない。」と例示されている。 (以上につき,乙31)イ仙台市における被害認定調査票について第1次調査票及び仙台市における東北地方太平洋沖地震被災建物被害認定第2次調査票〈非木造建物〉(以下「第2次調査票」という。)は,運用指針の内容を基にして,簡易で効率的な運用を可能とするために仙台市において作成したものである。また,仙台市財政局税務部資産税課が作成した「建物被害認定調査のポイント」によれば,第2次調査は,第1次調査後に発行するり災証明の損害の程度について第2次調査の申請があった場合のみ実施するものとされている。(乙36の1及び2,乙41,乙42,乙69・5頁,14頁~15頁,乙70・4頁,乙71の2)第1次調査票では,①「外観」の項目により全壊に該当するか否かを判定し,全壊に相当しない場合に,②「柱・耐力壁・基礎」(地震による損 69・5頁,14頁~15頁,乙70・4頁,乙71の2)第1次調査票では,①「外観」の項目により全壊に該当するか否かを判定し,全壊に相当しない場合に,②「柱・耐力壁・基礎」(地震による損傷の場合の構成比は60%),③「屋根・外部仕上」(同25%),④「設備等」(同15%)の各項目の部位別損害割合の合計により損害割合を算定することとされている。そして,例えば,②「柱・耐力壁・基礎」の項目の「損傷程度Ⅲ」の欄においては,地震による鉄筋コンクリート造(RC)の建物の損傷につき「大きなひび割れ」及び「一部で剥離が発生(鉄筋の露出なし)」と例示され,これらに該当するときの部位別損害割合は30%とされている。(乙36の1)また,第2次調査票では,①「外観」の項目により全壊に該当するか否かを判定し,全壊に相当しない場合に,②「柱・耐力壁・基礎」(地震による損傷の場合の構成比は50%),③「屋根・外部仕上」(同10%),④「設備等」(同15%),⑤「床・梁」(同10%),⑥「内部仕上・天井」 (同10%),⑦「建具」(同5%)の各項目の部位別損害割合の合計により損害割合を算定することとされている。(乙36の2)そして,第1次調査票及び第2次調査票ともに,損害割合が,0%では損害が認められないものと,20%未満では一部損壊と,20%以上39%以下では半壊と,40%以上49%以下では大規模半壊と,50%以上では全壊とそれぞれ判定されることになる。(乙36の1及び2)⑵ 本件第1回調査の結果について本件第1回調査では,第1次調査票が用いられ,①「外観」の項目について全壊に相当する被害は確認されず,部位別の損害のうち,②「柱・耐力壁・基礎」の項目については損傷が確認されなかったが,③「屋根・外 本件第1回調査では,第1次調査票が用いられ,①「外観」の項目について全壊に相当する被害は確認されず,部位別の損害のうち,②「柱・耐力壁・基礎」の項目については損傷が確認されなかったが,③「屋根・外部仕上」の項目について,外部仕上げの明らかなひび割れ(損傷程度Ⅱ。損害割合6%)が,④「設備等」の項目について,高架水槽・受水槽の損傷及びエレベーターの損傷(損害割合合計10%)がそれぞれ確認されたとして,本件マンションは,部位別損害割合の合計が16%であり,一部損壊に該当するものと判定された。(乙37)⑶ 本件第2回調査についてア本件第2回調査の契機本件第1回り災証明書の交付を受けた被告Cから,平成23年7月23日,α区に対し,本件第1回り災証明書において被害の程度が一部損壊とされたことにつき第2次調査の申請があった。(乙77)イ本件第2回調査の経過及び概要本件第2回調査は,平成23年8月20日午後1時30分頃から午後3時50分頃にかけて,いずれも建築士の資格を持たない3名の調査員(α区職員)により,本件マンションの外観や共用部分の損傷を目視により確認する方法で行われ,住戸の専用部分への立入調査はされなかった。(乙38,乙57・7頁~8頁,14頁~15頁,乙61・5頁~6頁,乙6 6・8頁~13頁)ウ本件第2回調査の結果本件第2回調査では,第1次調査票が用いられ,①「外観」の項目について全壊に相当する被害は確認されず,部位別の損害のうち,②「柱・耐力壁・基礎」の項目について,一部で剥離が発生(鉄筋の露出なし)との損傷(損傷程度Ⅲ。損害割合30%)が,③「屋根・外部仕上」の項目について,外部仕上げの明らかなひび割れ(損傷程度Ⅱ。損害割合6%)が,④「設備等」の項目について,高架水 発生(鉄筋の露出なし)との損傷(損傷程度Ⅲ。損害割合30%)が,③「屋根・外部仕上」の項目について,外部仕上げの明らかなひび割れ(損傷程度Ⅱ。損害割合6%)が,④「設備等」の項目について,高架水槽・受水槽の損傷及びエレベーターの損傷(損害割合合計10%)がそれぞれ確認されたとして,本件マンションは,部位別損害割合の合計が46%であり,大規模半壊に該当するものと判定された。 なお,上記②「柱・耐力壁・基礎」の項目の損傷は,具体的には,本件マンションの共用部分の階段底部と梁の接合部分に剥離を認めたことによるものであった。 (以上につき,乙8,38)⑷ 本件第3回調査等についてア他のマンションについての再調査α区では,Dのマンション群のうち本件マンション以外の8棟の建物の管理組合から第2次調査の申請を受け,平成23年11月13日,当該8棟の建物について改めて被害の程度の調査を行ったところ,その結果は,いずれも大規模半壊に至らないものであった。(乙57・9頁,25頁~27頁,乙61・6頁)イ F一級建築士(以下「F建築士」という。)による調査(ア) 調査の契機及び概要本件第2回調査及び前記アの調査のいずれにも携わったα区固定資産税課長は,本件マンション以外の前記アの各マンションの被害の程度が いずれも大規模半壊に至らないものにとどまったことから,本件第2回調査による本件マンションに係る大規模半壊との判定に疑問を抱き,仙台市役所(本庁)の財務局税務部資産税課に相談したところ,同課から日本建築家協会宮城地域会への協力依頼を経て,α区に対してF建築士が紹介された。 F建築士による本件マンションの調査は,平成23年11月22日に行われ,α区や仙台市 税課に相談したところ,同課から日本建築家協会宮城地域会への協力依頼を経て,α区に対してF建築士が紹介された。 F建築士による本件マンションの調査は,平成23年11月22日に行われ,α区や仙台市役所(本庁)の職員5名ないし6名も同行した。調査時間は,本件マンション以外のマンションを確認する時間を含めて2時間程度であり,本件マンション自体の調査も30分以上は行われた。 (以上につき,乙56・1頁,4頁~5頁,23頁~24頁,31頁~35頁,乙57・9頁~10頁,26頁~32頁,乙61・6頁)(イ) F建築士の意見の概要上記(ア)の調査に基づくF建築士の意見の概要は,次のとおりである。 (乙15,56・7頁~8頁,12頁,26頁~28頁,乙59)a 本件マンションの共用部分の階段下部(底部)には,増しコン及び梁にそれぞれ一部の欠け落ちが認められるところ,当該損傷は,増しコンが相当な重量となっており無筋であるために地震の影響を受けやすく,東日本大震災の揺れにより増しコンが梁方向にぶつかり,その衝撃で一部が剥離して落下し,これに追従して梁の一部も剥離し落下して生じたものであると考えられる。 b そして,運用指針において鉄筋コンクリート造の梁の損傷程度Ⅲとして例示されている損傷は,建築の構造的な見地から構造体として受けた曲げやせん断力によって生じた亀裂や剥離を想定しており,第1次調査票も運用指針と同様の視点から作成されたものと考えられるため,第1次調査票にRC造の損傷程度Ⅲとして記載される「一部で剥離が発生(鉄筋の露出なし)」は,構造体として受けた曲げやせん断力 により比較的大きなひび割れが起こった結果,一部で剥離が発生したものを指すと解すべきである。本件マンションにおいては,階段下部の梁に 筋の露出なし)」は,構造体として受けた曲げやせん断力 により比較的大きなひび割れが起こった結果,一部で剥離が発生したものを指すと解すべきである。本件マンションにおいては,階段下部の梁にはひび割れはなく,増しコンの剥離に追従して起こった一部の欠けがあるのみで,当該欠けは構造耐力上の影響はほとんどないから,損傷程度Ⅲと同等の損傷とはいえない。 c 本件マンションの被害としては,雑壁や床の損傷が確認されたものの,全体を調査した結果として,一部損壊とするのが妥当な判定である。 ウ本件第3回調査の概要本件第3回調査は,平成23年12月15日に実施され,α区固定資産税課の職員のほか,α区建設部街並み形成課の一級建築士の資格を有する職員を加えて行われた。(乙8,57・10頁,61・7頁)エ本件第3回調査の結果(ア) 本件第3回調査では,第1次調査票が用いられ,①「外観」の項目について全壊に相当する被害は確認されず,部位別の損害のうち,②「柱・耐力壁・基礎」の項目については損傷がなしとされ,③「屋根・外部仕上」の項目について,外部仕上げの明らかなひび割れ(損傷程度Ⅱ。損害割合6%)が,④「設備等」の項目について,高架水槽・受水槽の損傷及びエレベーターの損傷(損害割合合計10%)がそれぞれ確認されたとして,本件建物は,部位別損害割合の合計が16%であり,一部損壊に該当するものと判定された。(乙39)(イ) また,本件第3回調査では,第2次調査票も用いられ,①「外観」の項目について全壊に相当する被害は確認されず,部位別の損害のうち,②「柱・耐力壁・基礎」の項目について,一部でひび割れが発生との損傷(損傷程度Ⅰ。損害割合5%)が,③「屋根・外部仕上」の項目について,外部仕上 全壊に相当する被害は確認されず,部位別の損害のうち,②「柱・耐力壁・基礎」の項目について,一部でひび割れが発生との損傷(損傷程度Ⅰ。損害割合5%)が,③「屋根・外部仕上」の項目について,外部仕上げの明らかなひび割れ(損傷程度Ⅱ。損害割合3%)が,④「設 備等」の項目について,高架水槽・受水槽の損傷及びエレベーターの損傷(損害割合合計4%)が,⑤「床・梁」の項目について,亀裂有・コンクリートの剥離無との損傷(損傷程度Ⅱ。損害割合3%)がそれぞれ確認され,⑥「内部仕上・天井」の項目については損傷が確認されず,⑦「建具」の項目について,開閉が困難との損傷(損傷程度Ⅰ。損害割合1%)が確認されたとして,本件建物は,部位別損害割合の合計が16%であり,一部損壊に該当するものと判定された。(乙52)⑸ 本件各支援金の使途等ア被告A及び被告B(以下「被告Gら」という。)について被告Aは,平成23年9月26日,支給額を50万円とする支援金の支給決定を受け,同月30日,同額の支給を受けたほか,同年11月25日,支給額を100万円とする支援金の支給決定を受け,同年12月1日,同額の支給を受けた。また,被告Bは,同年10月3日,支給額を50万円とする支援金の支給決定を受け,同月7日,同額の支給を受けたほか,同年12月9日,支給額を100万円とする支援金の支給決定を受け,同月15日,同額の支給を受けた。(甲2,甲A2(いずれも枝番号を含む。))被告Gらは,上記支援金を,自宅の壁の修理工事費用並びに仏壇,食器棚及び食器の各購入費用に充てた。(乙74の10,74の10の2,74の49)イ被告Cについて被告Cは,平成23年9月26日,支給額を50万円とする支援金の支給決定を受け,同月30日,同額の支給を受けたほか,平成24年1月 乙74の10,74の10の2,74の49)イ被告Cについて被告Cは,平成23年9月26日,支給額を50万円とする支援金の支給決定を受け,同月30日,同額の支給を受けたほか,平成24年1月27日,支給額を50万円とする支援金の支給決定を受け,同年2月2日,同額の支給を受けた。(甲D2の1及び2)被告Cは,本件第2回調査の結果本件マンションが大規模半壊に該当するものと判定されたことを受け,本件マンションに住み続けることに危険 を感じたこと,及び上記支援金のうち50万円が支給され,更に50万円が支給される見込みであったことから,平成23年12月までに,本件マンションから現在の住所地である賃貸マンションに引っ越した。被告Cは,上記支援金の大部分を当該引っ越しの引越費用及び引越先の賃貸マンションへの入居の際の敷金礼金の支払に充て,残額を家具の購入費用に充てた。 (乙66・13頁~14頁,乙74の50) 2 争点⑴(被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当するか否か)について⑴ア支援法2条2号ニは,大規模半壊世帯につき,自然災害によりその居住する住宅が半壊し,基礎,基礎ぐい,壁,柱等であって構造耐力上主要な部分の補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯と定めているところ,この規定の文言に照らせば,大規模半壊世帯に該当するためには,その居住する住宅が半壊し,柱,梁等の構造耐力上主要な部分(支援法施行令2条,建築基準法施行令1条3号参照)について補修を行わなければ居住が困難な状態にあることが客観的に認められる必要があると解される。 イところで,前記認定事実⑴アのとおり,運用指針は,市町村におけるり災証明に記載された住家の被害の程度が支援法の適用等による各種支援策と密 ことが客観的に認められる必要があると解される。 イところで,前記認定事実⑴アのとおり,運用指針は,市町村におけるり災証明に記載された住家の被害の程度が支援法の適用等による各種支援策と密接に関連するようになってきたという状況を踏まえ,住家の被害認定に係る標準的な調査方法及び判定方法を示すことを目的として内閣府により作成されたものであり,その中で「大規模半壊」の認定基準を「居住する住宅が半壊し,構造耐力上主要な部分の補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難なもの」としているのは,支援法2条2号ニの大規模半壊世帯に該当する住宅の被害の程度と対応させるためであると解される。また,前記認定事実⑴イのとおり,第1次調査票及び第2次調査票は,運用指針を基にして,これを簡易かつ効率的に運用することを目的として作成されたものであり,運用指針による調査及び判定 と第1次調査票及び第2次調査票による調査及び判定とは,外観の損傷状況や部位ごとの損傷程度等の目視による把握を行い,これにより住家の損害割合を算定して被害の程度を判定するという基本的な手法や,部位ごとの構成比,損傷程度,損害割合の数値に共通性があるから,第1次調査票及び第2次調査票の内容は運用指針の内容と質的に異なるものではないといえる。 そして,運用指針,第1次調査票及び第2次調査票(以下,これらを併せて「運用指針等」という。)が,例えば,地震による被害を受けた鉄筋コンクリート造の住家における柱や梁の外観上の損傷の所見について,ひび割れやコンクリートの剥離等に着目しているのは,地震による力が作用して柱や梁の構造耐力を低下させる程度の損傷が生じた場合には,その損傷の程度に応じて,ひび割れや剥離,変形といった外観上の所見が順次現れるという構造力学上の 等に着目しているのは,地震による力が作用して柱や梁の構造耐力を低下させる程度の損傷が生じた場合には,その損傷の程度に応じて,ひび割れや剥離,変形といった外観上の所見が順次現れるという構造力学上の理論又は経験則に基づくものと解されるところ(乙56・21頁~22頁参照),このような専門的知見に裏付けられた被害の程度の判定の在り方は,前記アに説示した大規模半壊世帯と認められるために必要とされる構造耐力上主要な部分について補修を行わなければ居住が困難な状態にあるか否かを判断する方法として合理性を有するということができる。 したがって,大規模半壊世帯と認められるか否かは,上記のような構造力学上の専門的知見を踏まえつつ,運用指針等の内容に即して判断するのが相当である。 ⑵ 被告らは,本件マンションの共用部分の階段と梁底部の接合部分にコンクリートの剥離があるところ,当該損傷は梁自体の損傷であり,損傷程度Ⅲに該当することを前提として,第1次調査票を用いて本件建物の被害の程度が大規模半壊に当たる旨主張する。 アしかしながら,証拠(乙44,54)によれば,被告らの指摘する前記梁 のコンクリートの剥離は,その大半が階段底部の増しコン部分について生じたものであり,梁の部分に生じた剥離は,梁全体のうちの狭い範囲にとどまっていることが認められるところ,かかる損傷状況からすれば,被告らの指摘する前記梁のコンクリートの剥離は,配筋がされておらず,かつ,相当の重量のある増しコン部分が剥離したのに追従して梁のコンクリートの一部が剥離したものであって,これによる構造耐力上の影響はほとんどないというべきであり,F建築士も同旨の意見を述べているところである(前記認定事実⑷イ)。そして,前記⑴イのとおり,運用指針等は,地震による力が作用して柱や梁の構造耐 よる構造耐力上の影響はほとんどないというべきであり,F建築士も同旨の意見を述べているところである(前記認定事実⑷イ)。そして,前記⑴イのとおり,運用指針等は,地震による力が作用して柱や梁の構造耐力を低下させる程度の損傷が生じた場合における外観上の所見を経験則等に基づいて作成されたものであることに鑑みれば,上記のような機序により発生し,構造耐力上の影響もほとんどない上記の梁の損傷をもって,当該損傷が損傷程度Ⅲに該当するとして,本件マンションの被害の程度が大規模半壊に当たると認めることはできない。 なお,被告らは,本件マンションの梁には多数のひび割れがあるにもかかわらず,F建築士は,ひび割れがないものと誤認して,上記梁の損傷について誤った判断をしたものであるなどと主張するが,被告らの摘示する証拠(乙53~56,58,65~67等)によっても,具体的に梁のどの箇所にどの程度のひび割れがあるのかは必ずしも判然とせず,その点をおくとしても,梁下部のコンクリートの剥離に係る損傷状況等に鑑みれば,当該剥離とコンクリートのひび割れとが直接には関係するものと認めることはできないから,被告らの上記コンクリートのひび割れに係る主張は,上記判断を左右するものではない。 イまた,被告らは,H一級建築士の意見書(乙44,60,85)に依拠して,梁と床版(RC階段スラブ)の接合がラーメン架構の構造計算の対象にない形状となっており,梁に斜めの方向のねじりを伴う圧力が加わり損 傷が生じたとみられ,梁の上部にも,梁の下部と同じ作用の結果として損傷が生じている旨の主張をするが,かかる損傷の機序は可能性としてあり得るというものにすぎず,本件第3回調査の結果や前記アの判断をを覆すに足りる実証的な証拠に基づくものではないし,当該意見書で指摘される梁上部の損 旨の主張をするが,かかる損傷の機序は可能性としてあり得るというものにすぎず,本件第3回調査の結果や前記アの判断をを覆すに足りる実証的な証拠に基づくものではないし,当該意見書で指摘される梁上部の損傷についても,本件マンションの構造耐力への影響の程度等が具体的に明らかでないから,前記アの判断を左右するものではない。 ウなお,仮に,被告らが主張するとおり梁への損傷程度Ⅲに該当する損傷が認められたとしても,証拠(乙31,36の2,39,52)によれば,梁の損傷については,第2次調査票に従えば,その損害割合は最大でも10%となるにとどまり,梁以外の損害割合を考慮しても,全体として大規模半壊との判定結果(損害割合40%から49%)にはならないことが認められるところ,①第2次調査は,第1次調査と異なり,外観調査のみならず内部への立入調査も行われるものであり,部位別構成比も第1次調査票よりも第2次調査票の方が細かく設定されていることからすれば,第2次調査は,第1次調査と比較して,詳細に検討された上で,その被害の程度が判定される傾向にあることがうかがわれること(乙31,36の1及び2),及び②少なくとも,第1次調査と第2次調査の各調査結果に大きな差異がある場合には,その結果を再度検証することがあり,当然に第1次調査の結果が採用されるものではないこと(乙69・30頁~31頁)に鑑みれば,本件マンションの被害の程度が大規模半壊に当たると認めることはできない。 この点につき,被告らは,仙台市では,第1次調査と第2次調査との結果が異なった場合,最も被害の程度が大きい結果を採用していたなどとも主張し,それに沿う証拠(乙69・17頁)も存在するが,少なくとも,判定の内容に大きな差異があり,一方の判定内容が適切とはいえない場合にまで,当然に被害の程度が 度が大きい結果を採用していたなどとも主張し,それに沿う証拠(乙69・17頁)も存在するが,少なくとも,判定の内容に大きな差異があり,一方の判定内容が適切とはいえない場合にまで,当然に被害の程度が大きい結果を採用していたとまでは認め難く, 上記判断を左右するものではない。 ⑶ 以上によれば,被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当すると認めることはできない。 3 争点⑵(被告らの世帯が大規模半壊世帯に該当しない場合における本件各処分の無効事由の有無)について⑴ 支援金の支給決定を取り消すことの法律上の根拠の要否等(業務規程11条によらずに支援金の支給決定を取り消すことの可否)について一般に,行政処分は適法なものでなければならず,一旦された行政処分が違法である場合には,法律による行政の原理又は法治主義の要請に基づき,法律上の特別の根拠なく,処分をした行政庁が自ら職権により当該処分を取り消し得るというべきであるところ,前記前提事実⑴アのとおり,原告は,宮城県から支援金の支給に関する事務の全部の委託を受け,自ら処分行政庁として行政処分である支援金の支給決定を行うものであって,上記と別異に解すべき理由はないから,支援金の支給決定が違法である場合には,法律上の特別の根拠なく,職権によりこれを取り消し得るといえる。 この点につき,被告らは,業務規程11条に該当する場合でなければ,原告において支援金の支給決定を取り消すことができない旨主張するが,業務規程には,職権による違法な支給決定の取消しを明示的に禁止した規定はなく,また,そもそも,法律による行政の原理あるいは法治主義の要請からすれば,本来的には,違法な行政処分は取り消されなければならないものであることに鑑みれば,同条につき,違法な支援金の支給決定の職権による取消しを そも,法律による行政の原理あるいは法治主義の要請からすれば,本来的には,違法な行政処分は取り消されなければならないものであることに鑑みれば,同条につき,違法な支援金の支給決定の職権による取消しを制限する趣旨を含む規定であると解することは相当ではない。 したがって,支援金の支給決定が支給要件を欠く違法なものである場合には,原告において,特別の法律上の根拠なく,これを職権で取り消し得るというべきである。 ⑵ 本件第3回り災証明書に基づき本件各原決定を取り消すことの可否 被告らは,本件第3回調査が住民等からの申請なく職権で行われたものであり,かかる手続的瑕疵を前提に発行された本件第3回り災証明書に基づいてされた本件各処分は違法・無効である旨を主張する。 しかしながら,前記認定事実⑷イ(ア)のとおり,本件第3回調査は,本件マンションと同じマンション群にある他のマンションとの比較において本件建物の被害の程度の判定に疑問が生じ,専門家も加えて調査されたというものであるところ,かかる職権による再度の調査が運用指針等によって禁止されているものとは解されない。 なお,被告らは,仙台市では一旦されたり災証明の判定を引き下げることは回避するという運用がされていたと主張し,これに沿う証拠(乙69・17頁)も存在するが,前記2⑵ウに説示したところと同様,上記のような運用が当然に行われていたものとは認め難い。 したがって,被告らの上記主張は採用することができない。 ⑶ 授益的処分である本件各原決定を取り消すことの可否についてア支援金の支給決定のような授益的な行政処分については,これが取り消されることによって,当該処分による既得の権利利益や当該処分が適法であり有効に存続するものと期待した当該処分の相手方の信頼を害するこ 支援金の支給決定のような授益的な行政処分については,これが取り消されることによって,当該処分による既得の権利利益や当該処分が適法であり有効に存続するものと期待した当該処分の相手方の信頼を害することとなるから,当該処分が違法であるとしても,当該処分の取消しによって処分の相手方に生ずる不利益と,取消しをしないことによって当該処分に基づき既に生じた効果をそのまま維持することの公益上の不利益とを比較衡量し,当該処分を放置することが公共の福祉の要請に照らし著しく不当であると認められるときに,処分行政庁は職権でこれを取り消すことができると解するのが相当である。 イ(ア) 支援法は,自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対する生活の再建の支援等を目的とする(同法1条)ところ,自然災害(同法2条1号)による被害は広域にわたり得るものであり,同法の適 用の有無が検討されるべき対象者が多数となり,地理的にも広範となり得るものである。そして,同法3条1項は,被災世帯に該当するか否かにより支援金の支給の有無を画し,さらに同条2項及び5項は,被災世帯のうちでも,大規模半壊世帯か否か,単数世帯か否か,所定の加算事由があるか否かに応じて区分して,それぞれの支援金の額を画一的に定めているところ,かかる規定は早期にまとまった額の金銭的支援を可能とする一方で,本来,自然災害による実際の被害の程度やそれに対する支援の要否又は程度は個別具体的な事情によって様々であるにもかかわらず,上記のようにある程度一律の基準によって支援金の支給の有無や金額が画一的に定められていることから,その制度の性質上,支給の有無や金額について,被害の実情や実感とのそご等に起因する不満や不公平感が生ずる可能性をはらむものであるともいうことができる。このような制度に 一的に定められていることから,その制度の性質上,支給の有無や金額について,被害の実情や実感とのそご等に起因する不満や不公平感が生ずる可能性をはらむものであるともいうことができる。このような制度において,多数かつ広範にわたる者に対し上記のような不満等を回避しつつ迅速かつ適正な支援を行うためには,同法に所定の支給要件又は基準が遵守されることが特に重要であり,同法の適用の公正及び公平が特に強く求められるといえ,支給要件を欠く者に対して支援金が支給されているという状態は,制度上,看過し得ない事態であるというべきである。 また,支援法における支援業務は,基本的に都道府県が拠出した資金による基金により運営され(同法9条),支援金は,当該基金と国からの補助(同法18条)により賄われているところ,最終的には被災者も含めた国民一般の負担となる限りある財源の下で支援金の支給等の支援業務を運営する必要があるという側面からも,支給要件を欠いてされた支援金の支給決定を是正する必要性があるということができる。 したがって,支給要件を欠いてされた本件各原決定を放置することは,たとえ,被告らが自然災害により一定の被害を受けた者であり,かつ,支 援金の支給を受けたことについて被告らに責めに帰すべき事由があるとはいえないとしても,支援法による支援金制度の仕組みや趣旨にもとるものであり,その効力をそのまま維持することによる公益上の不利益は重大である。 (イ) 他方,本件各原決定が取り消されることになれば,被告らにおいて,自身が取得できるものと信頼し,かつ,既に費消した本件各支援金の返還のための金銭の出捐を要するなどの不利益を被ることになるところ,被告ら個別の事情に応じ,以下のとおり認めることができる。 a 被告Gらについて前記認定事実⑸ かつ,既に費消した本件各支援金の返還のための金銭の出捐を要するなどの不利益を被ることになるところ,被告ら個別の事情に応じ,以下のとおり認めることができる。 a 被告Gらについて前記認定事実⑸アによれば,被告Gらは,支給を受けた支援金を,自宅の壁の修理工事費用並びに仏壇,食器棚及び食器の各購入費用に充てているところ,これらの支出は,いずれも支援金の支給を受けることができなかった被災者であっても同様に必要となる支出や費用の範疇にとどまるものというべきであり,また,被告Gらは当該支援金の使用によりその分の経済的利益を実際に享受しているといえることからすれば,被告Gらに係る本件各原決定が取り消されることに伴う被告Gらの不利益が重大であるとまでは評価できない。 この点につき,被告Gらは,当該支援金の支給によってこれがなければしなかったであろう支出(修理工事費用)を余儀なくされた旨主張するところ,当該支援金を原資とすることができるからこそ当該支出をしたという側面が否定できないとしても,無用な支出を強いられる結果となったというものではなく,また,被告Gらにおいて,当該支援金の返還により生活に支障が生じるなどの特段の実害が生ずることとなるといった事情はうかがわれないことからすれば,上記結論を左右するものではない。 b 被告Cについて 前記認定事実⑸イによれば,被告Cは,支給を受けた支援金のうち一部を家具の購入費用に充てたほかは,その大部分を,本件第2回調査から支援金の受給までの過程で行った引っ越しに係る引越費用及び引越先の賃貸マンションへの入居の際の敷金礼金の支払に充てたものであるところ,これらのうち,家具の購入費用に係る支出については,前記aにおいて被告Gらについて検討したところと同様に考えることができる。 他方,当該支 ョンへの入居の際の敷金礼金の支払に充てたものであるところ,これらのうち,家具の購入費用に係る支出については,前記aにおいて被告Gらについて検討したところと同様に考えることができる。 他方,当該支援金の大部分を充てた引越費用及び敷金礼金の支払に係る支出については,本件第2回調査の結果に基づき本件建物が大規模半壊に該当すると判定されたこと及び同判定を基礎としてされた被告Cに係る本件各原決定に対する信頼を主たる動機としてされたものであるとうかがわれるから,被告Cに係る本件各原決定が取り消されることに伴う被告Cの前記不利益は一定程度存在すると認める余地があるものの,被告Cにおいて,当該支援金の返還により生活に支障が生じるなどの特段の実害が生ずることとなるといった事情はうかがわれない。 ウ以上まで述べたところを総合して検討するに,①被告Gらについては,被告Gらに係る本件各原決定が取り消されることに伴う不利益が重大であるとまでは評価できず,このことと取消しをしないことによって被告Gらに係る本件各原決定に基づき既に生じた効果をそのまま維持することの公益上の重大な不利益とを比較衡量すると,被告Gらが支給を受けた支援金を災害により被害を受けた生活の再建の目的で支出したと評価できることを踏まえても,被告Gらに係る本件各原決定を放置することは公共の福祉の要請に照らし著しく不当であるものと認められる。また,②被告Cについては,確かに,被告Cは,支給を受けた支援金の大部分を被告Cに係る本件各原決定等に対する信頼を主たる動機として支出したとうかがわれ,当該支援金の返還に係る不利益を観念し得るものの,他方で,被告Cに係る本件各原決定が取り消されることにより被告Cが返還を求められる金員は,本来, 被告Cが保持することができなかったものであるといわざ の返還に係る不利益を観念し得るものの,他方で,被告Cに係る本件各原決定が取り消されることにより被告Cが返還を求められる金員は,本来, 被告Cが保持することができなかったものであるといわざるを得ないことのほか,当該支援金の返還により被告Cに特段の実害が生じるといった事情はうかがわれないことに鑑みれば,当該支援金の返還に係る上記不利益と被告Cに係る本件各原決定に基づき既に生じた効果をそのまま維持することの公益上の重大な不利益との比較衡量の下では,被告Cが当該支援金を災害により被害を受けた生活の再建の目的で支出したと評価できることを踏まえても,被告Cに係る本件各原決定を放置することは公共の福祉の要請に照らし著しく不当であるものと認められる。 したがって,原告は,本件各原決定を職権で取り消すことができるというべきである。 ⑷ 小括よって,本件各原決定を取り消した本件各処分に違法はなく,本件各処分が無効であるということはできない。 4 不当利得返還請求の成否等について以上によれば,本件各処分によって本件各原決定が取り消されたことにより,被告らは,法律上の原因なく,受給した支援金相当額の利得を受け,原告には同額の損失が生じているといえるから,被告A及び被告Bは,原告に対し,それぞれ150万円及び原告が返還を求めた際に定めた返還期限の翌日である平成25年8月1日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払義務を負い,被告Cは,原告に対し,100万円及び原告が返還を求めた際に定めた返還期限の翌日である同日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払義務を負うことになる。 5 まとめよって,原告の被告らに対する請求はいずれも理由があるからこれらを認容することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事 合による遅延損害金の支払義務を負うことになる。 5 まとめよって,原告の被告らに対する請求はいずれも理由があるからこれらを認容することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官朝倉佳秀 裁判官福渡裕貴 裁判官獅子野裕介(別紙1省略) (別紙2)関係法令等の定め第1 支援金の支給に関するもの 1 支援法の定め⑴ 1条(目的)の定め支援法1条は,同法は,自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し,都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して支援金を支給するための措置を定めることにより,その生活の再建を支援し,もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資することを目的とする旨を定めている。 ⑵ 2条(定義)の定めア支援法2条1号は,同法における用語の意義として,自然災害とは,暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害をいう旨を定めている。 イ支援法2条2号は,同法における用語の意義として,被災世帯とは,政令で定める自然災害により被害を受けた世帯であって同号イからニまでに掲げるものをいう旨を定め,同号ニにおいて,当該自然災害によりその居住する住宅が半壊し,基礎,基礎ぐい,壁,柱等であって構造耐力上主要な部分として政令で定めるものの補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯(以下「大規模 住する住宅が半壊し,基礎,基礎ぐい,壁,柱等であって構造耐力上主要な部分として政令で定めるものの補修を含む大規模な補修を行わなければ当該住宅に居住することが困難であると認められる世帯(以下「大規模半壊世帯」という。)を掲げている。 ⑶ 3条(被災者生活再建支援金の支給)の定めア支援法3条1項は,都道府県は,当該都道府県の区域内において被災世帯となった世帯の世帯主に対し,当該世帯主の申請に基づき,支援金の支給を行うものとする旨を定めている。 イ支援法3条2項は,被災世帯(被災世帯であって自然災害の発生時にお いてその属する者の数が1である世帯(以下「単数世帯」という。)を除く。)の世帯主に対する支援金の額は,100万円(大規模半壊世帯にあっては,50万円)に,当該被災世帯が,①その居住する住宅を建設し,又は購入する世帯であるときは,200万円(同項1号)を,②その居住する住宅を補修する世帯であるときは,100万円(同項2号)を,③その居住する住宅を賃借する世帯であるときは,50万円(同項3号)を加えた額とする旨を定めている。 ウ支援法3条5項は,単数世帯の世帯主に対する支援金の額については,同条2項中「100万円」とあるのを「75万円」と,「50万円」とあるのを「37万5000円」と,「200万円」とあるのを「150万円」と読み替えて同項の規定を準用する旨を定めている。 2 被災者生活再建支援法施行令(以下「支援法施行令」という。)の定め⑴ 2条(構造耐力上主要な部分)の定め支援法施行令2条は,支援法2条2号ニの政令で定める基礎,基礎ぐい,壁,柱等は,建築基準法施行令1条3号に定めるものとする旨を定めている。 ⑵ 4条(支援金の支給の申請)1項の定め支援法施行令4条1項は,支援金(支援 2条2号ニの政令で定める基礎,基礎ぐい,壁,柱等は,建築基準法施行令1条3号に定めるものとする旨を定めている。 ⑵ 4条(支援金の支給の申請)1項の定め支援法施行令4条1項は,支援金(支援法3条2項各号に定める額及び支援法施行令3条2項の規定による加算額に係る部分を除く。)の支給の申請は,当該支援金の支給に係る自然災害が発生した日から起算して13月を経過する日までに,申請書に,当該世帯が被災世帯であることを証する書面その他内閣府令で定める書面を添えて,これを都道府県(当該都道府県が同法4条1項の規定により支援金の支給に関する事務の全部を同法6条1項に規定する支援法人に委託した場合にあっては,当該支援法人)に提出してしなければならない旨を定めている。 3 建築基準法施行令の定め1条(用語の定義)3号の定め 建築基準法施行令1条3号は,同令における用語の意義として,構造耐力上主要な部分とは,基礎,基礎ぐい,壁,柱,小屋組,土台,斜材(筋かい,方づえ,火打材その他これらに類するものをいう。),床版,屋根版又は横架材(はり,けたその他これらに類するものをいう。)で,建築物の自重若しくは積載荷重,積雪荷重,風圧,土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう旨を定めている。 第2 被災者生活再建支援法人に関するもの 1 支援法の定め⑴ 4条(支給事務の委託)1項の定め支援法4条1項は,都道府県は,議会の議決を経て,支援金の支給に関する事務の全部を同法6条1項に規定する支援法人に委託することができる旨を定めている。 ⑵ 6条(指定等)1項の定め支援法6条1項は,内閣総理大臣は,被災者の生活再建を支援することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって 委託することができる旨を定めている。 ⑵ 6条(指定等)1項の定め支援法6条1項は,内閣総理大臣は,被災者の生活再建を支援することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であって,同法7条に規定する業務(以下「支援業務」という。)を適正かつ確実に行うことができると認められるものを,その申請により,全国に1を限って,被災者生活再建支援法人(以下「支援法人」という。)として指定することができる旨を定めている。 ⑶ 7条(業務)の定め支援法7条は,支援法人は,同条各号に掲げる業務を行うものとする旨を定め,同条2号において,同法4条1項の規定により都道府県の委託を受けて支援金の支給を行うこと,同条3号において,当該支給の業務に附帯する業務を行うことを掲げている。 ⑷ 9条(基金)の定めア支援法9条1項は,支援法人は,支援業務を運営するための基金を設けるものとする旨を定めている。 イ支援法9条2項は,都道府県は,支援法人に対し,基金に充てるために必要な資金を,相互扶助の観点を踏まえ,世帯数その他の地域の事情を考慮して,拠出するものとする旨を定めている。 ウ支援法9条3項は,都道府県は,同条2項の規定によるもののほか,基金に充てるために必要があると認めるときは,支援法人に対し,必要な資金を拠出することができる旨を定めている。 ⑸ 11条(業務規程の認可)1項前段の定め支援法11条1項前段は,支援法人は,支援業務を行うときは,当該業務の開始前に,当該業務の実施に関する規程を作成し,内閣総理大臣の認可を受けなければならない旨を定めている。 ⑹ 18条(国の補助)の定め支援法18条は,国は,同法7条2号の規定により支援法人が支給する支援金の額の2分の1 作成し,内閣総理大臣の認可を受けなければならない旨を定めている。 ⑹ 18条(国の補助)の定め支援法18条は,国は,同法7条2号の規定により支援法人が支給する支援金の額の2分の1に相当する額を補助する旨を定めている。 2 被災者生活再建支援事業業務規程(甲5。以下「業務規程」という。)の定め⑴ 9条(支援金の支給等)の定めア業務規程9条1項は,支援金の支給は,被災者(被災世帯の世帯主をいう。下記イ,⑵及び⑷において同じ。)からの申請に基づき行うものとし,当該申請に必要な書類は別に定めるものとする旨を定めている。 イ業務規程9条2項は,原告は,同条1項に定める書類を審査した結果,被災者に対し,支援金の支給を決定したときは,速やかにその決定の内容及びこれに条件を付した場合にはその条件を通知し,又は,却下を決定したときはその旨を通知するものとする旨を定めている。 ⑵ 11条(支給の決定の取消し)の定め業務規程11条は,原告は,被災者が同条各号の一に該当した場合には,支援金の支給の決定の全部又は一部を取り消すことができるものとする旨を定め,同条1号において,偽りその他不正の手段により支援金の支給を受け たとき,同条2号において,その他支援金の支給の決定の内容若しくはこれに付した条件に違反し,又は同規程に基づく請求に応じないときを掲げている。 ⑶ 12条(支援金の返還)の定め業務規程12条は,原告は,同規程11条の規定により支援金の支給の決定を取り消した場合において,当該取消しに係る部分に関し,既に支援金が支給されているときは,期限を定めて,その返還を請求するものとする旨を定めている。 ⑷ 13条(加算金及び延滞金)の定めア業務規程13条1項は,同規程11条 部分に関し,既に支援金が支給されているときは,期限を定めて,その返還を請求するものとする旨を定めている。 ⑷ 13条(加算金及び延滞金)の定めア業務規程13条1項は,同規程11条の規定により支援金の支給の決定の全部又は一部の取消しをした場合において,支援金の返還を請求したときは,被災者をしてその請求に係る支援金の受領の日から納付の日までの日数に応じ,当該支援金の額(その一部を納付した場合におけるその後の期間については,既納額を控除した額)につき,年10.95%の割合で計算した加算金を納付させるものとする旨を定めている。 イ業務規程13条2項は,被災者に対し支援金の返還を請求した場合において,被災者がこれを納期日までに納付しなかったときは,納期日の翌日から納付の日までの日数に応じ,その未納付額につき,年10.95%の割合で計算した延滞金を納付させるものとする旨を定めている。 ウ業務規程13条3項は,同条1項又は2項の場合において,やむを得ない事情があると認めるときは,当該被災者の申請により,加算金又は延滞金の全部又は一部を免除することができるものとする旨を定めている。 以上

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