平成18(行コ)297等 使用権確認請求控訴事件,平成19年(行コ)第41号同附帯控訴事件(原審・千葉地方裁判所平成16年(行ウ)第1号,第21号,平成17年(行ウ)第7号)

裁判年月日・裁判所
平成19年4月25日 東京高等裁判所 警察関係
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判決文本文9,749 文字)

-1-主文 本件控訴をいずれも棄却する。 被控訴人県の附帯控訴に基づき,原判決中,控訴人が廃棄物の処理及び清掃に関する法律15条1項に係る千葉県知事の許可を要しない地位にあることの確認を求める請求につき,被控訴人県との間で請求を棄却した部分を取り消し,同訴えを却下する。 訴訟費用は第1,2審とも,控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1当事者の各申立て 控訴人の控訴の趣旨(1)原判決中,控訴人が廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という)15条1項に係る千葉県知事の許可を要しない地位にあるこ。 との確認を求める請求につき,被控訴人県との間で請求を棄却し,被控訴人市との間で訴えを却下した部分を取り消す。 (2)控訴人が,原判決別紙物件目録1ないし3記載の土地(以下「本件土地」という)上にある原判決別紙目録記載の産業廃棄物処理施設(以下。 「本件施設」という)の使用について,廃掃法15条1項に係る千葉県知。 事の許可を要しない地位にあることを確認する。 被控訴人県の附帯控訴の趣旨原判決中,控訴人の前記地位確認請求につき,被控訴人県との間で請求を棄却した部分を取り消し,同訴えを却下する。 第2事案の概要 控訴人は,本件土地を賃借し,その前所有者が,平成9年に廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の改正される前から,当時において廃掃法15条1項に基づく許可(以下「本件許可」という)が不要とされていた産業廃棄物。 処理施設(以下「産廃施設」という)を設置利用しており,その産廃施設で。 -2-ある本件施設を利用する旨の承諾を得たと主張して,平成13年12月7日,被控訴人市に対し「廃棄物処理再開報告書」を,被控訴人県に対し「自社処分場再開について(報告」と題する書面をそれぞれ提出し,さらに,平 件施設を利用する旨の承諾を得たと主張して,平成13年12月7日,被控訴人市に対し「廃棄物処理再開報告書」を,被控訴人県に対し「自社処分場再開について(報告」と題する書面をそれぞれ提出し,さらに,平成15)年11月5日付けで,被控訴人県に対し,本件施設を控訴人において承継し,既設の産廃施設として使用再開する旨を記載した「届出書」と題する書面(以下「本件再開届」という)を送付した。これに対し,被控訴人県は,同月2。 6日付けで産廃第1300号をもって,控訴人宛に,本件土地上に許可不要とされる既設処分場の存在が確認できないため,本件土地を産廃施設として使用することはできない旨を通知し(以下「本件通知」という,また,被控訴。)人市や銚子警察署と連名で,本件土地に,産業廃棄物を投棄した場合は廃掃法16条に違反することになるなどと記載した「警告書」を掲示した。 本件は,控訴人が,①公法上の法律関係の確認の訴えとして,被控訴人らとの間で,本件施設の使用について本件許可を要しない地位にあることの確認を求め,②次いで,被控訴人県において控訴人の送付した本件再開届を不当に受理せず,また,被控訴人市において被控訴人県が本件再開届を受理するか否か分からない旨を説明することを怠り,そのため本件施設を使用することができないことによる有形無形の損害を被ったとして,被控訴人らに対し,国家賠償法1条1項に基づき,連帯して500万円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日である平成16年3月12日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払いを求め,③次いで,被控訴人県に対し,控訴人が本件再開届によってした本件許可に係る申請につき,千葉県知事が本件通知によってこれを拒否する旨の処分をしたとして,その処分取消しを求め,④次いで,被控訴人県に対し,千葉県 被控訴人県に対し,控訴人が本件再開届によってした本件許可に係る申請につき,千葉県知事が本件通知によってこれを拒否する旨の処分をしたとして,その処分取消しを求め,④次いで,被控訴人県に対し,千葉県知事が本件施設について本件許可をすることの義務付けを求めた事案である。 原審は,まず,上記①の請求について,行政事件訴訟法(以下「行訴法」という)4条所定の公法上の法律関係に関する確認の訴えであるとした上,被。 -3-控訴人県との関係では確認の利益があるが,本件土地上に控訴人の主張するような本件許可を要しない既設の産廃施設が設置されていたとは認められない,被控訴人市との関係では確認の利益がないと判断して,被控訴人県との間では請求を棄却し,被控訴人市との間では訴えを却下し,次いで,②の損害賠償請求を棄却し,③及び④の各訴えをいずれも却下した。 この原判決に対し,控訴人が控訴を申し立てたが,控訴の範囲を上記①の請求のみに限定した。また,被控訴人県は,①の請求について,被控訴人県との間でも訴えを却下すべきであるとして,附帯控訴を申し立てた。 関係法令の規定,本件の前提事実,当審における審理の対象である上記①の請求に係る争点及び当事者双方の主張は,後記5項のとおり当審における主張を付加するほか,原判決「事実及び理由」の「第2事案の概要」の2項,3項,4項(1),5項(1)ないし(4)に記載されたとおりであるから,これを引用する(ただし,原判決5頁20行目の「売った」の次に「。また,Aは,平成14年4月24日付けで,控訴人に宛てて,本件土地を小規模場外自己処分場として使用することを承諾する旨が記載された土地使用承諾書を作成した」を加える。 。) 当審における主張(控訴人の主張)本件土地上に平成8年後半から既設ミニ処分場が設置されて 場外自己処分場として使用することを承諾する旨が記載された土地使用承諾書を作成した」を加える。 。) 当審における主張(控訴人の主張)本件土地上に平成8年後半から既設ミニ処分場が設置されていたことについては,Bの社員等の陳述書,被控訴人市の職員であるCが本件土地を処分場として控訴人に紹介したこと,平成13年12月7日付けで被控訴人市が受理した本件再開報告書(市)は被控訴人県の指導により作成されたものであること,本件土地の航空写真等からして,明らかである。 (被控訴人県の主張)(1)控訴人の上記主張は争う。 (2)控訴人の地位確認請求の適法性について-4-ア公法上の法律関係に関する確認の訴えに当たるか否かについて廃掃法15条1項所定の本件許可は,いわゆる警察許可であって,許可を受けた者に対し何らの公法上の権利を付与するものではなく,控訴人が本件土地を処分場として使用する権利自体は,土地の所有権その他の私法上の土地使用権にすぎないのであって,廃掃法その他の関連法令において既設ミニ処分場を設置している者につき,何ら公法上の権利が認められているわけではない。また,本件許可なしに処分場を既設ミニ処分場として使用することができるか否かは,当該施設が平成9年改正令施行前に設置されたものであることなどの外形的事実の存在と,私法上の権利の存在があれば,私人は行政庁の許可なく当該施設を処分場として使用することができるのであって,そこに行政庁の処分や意思表示などいかなる関与も法律上必要とされていない。 したがって,本件において,公法上の法律関係を問題とする必要はなく,控訴人の地位確認請求は,行訴法4条所定の公法上の法律関係に関する確認の訴えには当たらない。 イ確認の利益の有無について被控訴人県のした本件通知や本件警告は,被控訴人県らの 問題とする必要はなく,控訴人の地位確認請求は,行訴法4条所定の公法上の法律関係に関する確認の訴えには当たらない。 イ確認の利益の有無について被控訴人県のした本件通知や本件警告は,被控訴人県らの見解を文書の形式で控訴人に伝えたものにすぎず,控訴人がこれを無視して産業廃棄物を本件土地に投棄したとしても,これを刑事事件として公訴提起するか否かは検察が,刑事処罰をするか否かは刑事裁判所が判断するのであって,被控訴人県の見解がそれらの判断を拘束することはない。このように,被控訴人県の行政指導により控訴人において刑罰を受けるおそれが生じるなどということはないのであるから,本件の地位確認請求によって控訴人が刑罰を受ける可能性を排除するという目的が達せられることはあり得ない。 また,控訴人が本件許可を得ずに本件土地に廃棄物を投棄した場合,被控訴人県は廃掃法に基づく除去命令等の処分を行うことになるため,控訴-5-人としては,その処分がされた段階で抗告訴訟を提起して,当該処分の適法性を争うことができるし,仮に刑事訴追を受ければ,必ず刑事司法手続の中で本件許可の要否を争うことができる。 さらに,被控訴人県のした本件通知等に処分性が認められないことをもって,公法上の法律関係に関する確認の訴えについて確認の利益を認めるとすると,この確認の訴えの補充的意義と矛盾することになるし,行政が第一義的に行うべき本件許可の要否の判断を司法が代わって行う結果になりかねない。加えて,廃掃法に違反した行為に対する行政庁の処分につき,出訴期間を徒過して抗告訴訟で争う途が閉ざされた場合でも,請求の形を法律関係の確認の訴えに引き直すことによって訴訟提起が可能になるとすれば,出訴期間の制限規定の潜脱をもたらすことになる。 そもそも実質的当事者訴訟においては,訴えの成熟性が訴訟要件 合でも,請求の形を法律関係の確認の訴えに引き直すことによって訴訟提起が可能になるとすれば,出訴期間の制限規定の潜脱をもたらすことになる。 そもそも実質的当事者訴訟においては,訴えの成熟性が訴訟要件として検討されるべきところ,公法上の義務の存否を争う訴訟が争訟性,成熟性を有するというためには,義務違反の効果として将来何らかの不利益処分を受けるおそれがあるというだけでは足りず,不利益処分を受けてからこれに関する訴訟の中で事後的に義務の存否を争ったのでは回復しがたい重大な損害を被るおそれがある等,事前の救済を認めないことを著しく不相当とする特段の事情がある場合に限り,その適法性が認められる。本件においては,このような特段の事情は何ら認められない。しかも,控訴人の本件地位確認請求では,既設ミニ処分場が存在していたという過去の事実関係の存否が問題になるため,結局のところ過去の事実関係の確認を求めているにすぎず,現在の法律関係を確認対象にしているとは認められないのである。 したがって,本件において,控訴人の地位確認請求は,確認の利益を欠いていることが明らかである。 (被控訴人市の主張)-6-控訴人の上記主張は争う。 第3当裁判所の判断 控訴人の本件地位確認請求の適法性について(1)控訴人の本件地位確認請求は,公法上の法律関係に関する確認の訴えとして,本件土地上に産廃施設である本件施設が平成9年改正令の施行前から存在しており,しかも,従前の廃掃法施行令によって本件許可が不要とされていた既設ミニ処分場に当たる,控訴人は,本件土地を買い受けたAとの間で賃貸借契約を締結し,本件施設の利用についても承諾を得たとして,その結果,控訴人は本件施設を本件許可を得ずに使用できる公法上の権利を有していると主張して,本件施設の使用について,廃掃法15条1 間で賃貸借契約を締結し,本件施設の利用についても承諾を得たとして,その結果,控訴人は本件施設を本件許可を得ずに使用できる公法上の権利を有していると主張して,本件施設の使用について,廃掃法15条1項所定の本件許可を要しない地位にあることの確認を求めたものである。この請求は,原判決も説示するとおり,平成9年改正令によってミニ処分場の設置についても本件許可を得ることが必要とされるに至ったことから,本件施設が平成9年改正令施行前から設置され,同令施行後においても本件許可の対象とならない既設ミニ処分場に当たることを前提として,控訴人が私法上の権利行使として本件施設を使用するに当たり,廃掃法上の制約を負わない地位にあることの確認を求めたものと解することができる。 廃掃法は,本件許可を得ずに産廃施設を設置した者や,みだりに産業廃棄物を捨てた者に対して罰則の規定を置いており(同法25条,また,被控)訴人らは,本件土地に既設ミニ処分場は存在しないとの認識の下,被控訴人県において本件通知を控訴人に送付したり(本件通知が行政処分に当たらないことは,原判決の説示するとおりである,本件土地に産業廃棄物を投。)棄した場合は廃掃法16条に違反するとの本件警告書を掲示していることからすると,控訴人が本件土地に既設ミニ処分場が存在するとの前提で産業廃棄物を投入すれば,刑事責任を問われるおそれがあると一応いうことができる。 -7-,(2)しかし,ある者が土地を産業廃棄物の処分場として使用する権利自体は土地の所有権その他の私法上の土地使用権を権原としたものであって,仮に,平成9年改正令の施行前に既設ミニ処分場を設置している者があったとしても,平成9年改正令が何らの経過措置を設けていないことに照らすと,廃掃法その他の関係法令において,当該既設ミニ処分場を設置 仮に,平成9年改正令の施行前に既設ミニ処分場を設置している者があったとしても,平成9年改正令が何らの経過措置を設けていないことに照らすと,廃掃法その他の関係法令において,当該既設ミニ処分場を設置利用している者に対し何らの公法上の権利が付与されているわけでないことは明らかである。 そうすると,本件において既設ミニ処分場が上記改正令の施行前に設置されていたとして,本件施設を本件許可を得ずに使用できる公法上の権利を有していると主張して提起した控訴人の本件地位確認請求は,控訴人の具体的な公法上の地位,ないし具体的な公法上の権利義務を対象とするものではないというべきであるから,これをもって行訴法4条所定の公法上の法律関係に関する確認の訴えに当たると解することはできない。したがって,控訴人の本件地位確認請求は,不適法なものとして却下を免れない。 また,仮に控訴人の本件地位確認請求が公法上の法律関係に関する確認の訴えに当たると解する余地があるとしても,このような訴えについて確認の利益があるというためには,控訴人に対して予想される刑事処分その他の不利益処分をまって,これに関する訴訟等において事後的に本件許可の取得の要否を争ったのでは回復しがたい重大な損害を被るおそれがある等の特段の事情が存在しなければならない(最高裁平成元年7月4日判決,裁判集民事157号361頁参照。本件において,既設ミニ処分場が存在するか否か)について,控訴人と行政当局ないし捜査機関との見解が対立し,最終的に控訴人が刑事処分等の手続に付せられることになったとしても,それらの手続において上記の点を争うことができるのであって,予め本件許可の要否を確認しなければ回復しがたい重大な損害を被るおそれがあるということはできず,他に上記の特段の事情が存在することを認めるに足りる証拠はない。 て上記の点を争うことができるのであって,予め本件許可の要否を確認しなければ回復しがたい重大な損害を被るおそれがあるということはできず,他に上記の特段の事情が存在することを認めるに足りる証拠はない。 したがって,控訴人の本件地位確認請求は,確認の利益を欠くというべき-8-であるから,不適法なものとして却下を免れない。なお,この理は,控訴人の上記請求を予防的不作為訴訟としてのいわゆる無名抗告訴訟に当たると解したとしても同様である。 (3)控訴人の本件地位確認請求につき,被控訴人市は廃掃法上も本件許可について何らの権限も有しないのであるから,被控訴人市との間における訴えは,この点からしても確認の利益を欠いて不適法である。 (4)以上のとおり,控訴人の本件地位確認請求は,その余の点について判断するまでもなく,却下されるべきものである。 本件土地に既設ミニ処分場が設置されていたか否かについて(1)仮に控訴人の本件地位確認請求について,確認の利益が肯定されるなどして適法なものであると解するとしても,以下のとおり,本件土地に既設ミニ処分場が設置されていたことを認めることはできないから,控訴人の上記請求は棄却を免れない。 (2)控訴人は,本件訴訟において,本件土地の前所有者であるBがミニ処分場(小規模場外自己処分場)を設置したとして,縷々書証を提出するが,それらの書証を検討すると,Bがミニ処分場を設置したという時期について食い違いが見られ,全く一貫性がない。 甲1,3号証(B作成名義の平成13年11月30日付け被控訴人市の環境部宛の書簡)では,本件土地に平成2年ころから小規模自社処分場を設置利用していたと記載し,甲17号証(B業務代理人の控訴人作成に係る平成13年12月5日付け被控訴人県の海そう支庁宛の書簡)でも,同旨を記載しているが,甲 土地に平成2年ころから小規模自社処分場を設置利用していたと記載し,甲17号証(B業務代理人の控訴人作成に係る平成13年12月5日付け被控訴人県の海そう支庁宛の書簡)でも,同旨を記載しているが,甲5,16号証(B業務代理人の控訴人作成に係る同月7日付け海そう支庁長宛の書簡)では,本件土地を平成5年ころから小規模自社処分場として利用していたと記載している。また,甲21号証(Bに平成9年4月から在籍していたというD作成の陳述書)では,平成8年ころ銚子市αに自社処分場を作って廃棄物を埋めていたと記載し,甲22号証(本件土地-9-の近隣で昭和25年ころから生活しているというE作成の陳述書)でも,Bがαの土地に平成8年ころから産業廃棄物を棄てていたと記載している。さらに,甲12号証(Bに平成8年4月から在籍していたというF作成の証明書)では,本件土地を小規模場外自己処分場として使用していたと記載しているが,時期の記載はない。一方で,乙イ14号証の2(B作成名義の平成14年3月7日付け意見書)には,平成6年ころから建設系廃棄物を本件土地に持ち込んで埋め立てていたと記載されている。 このとおり,Bがミニ処分場を設置したという時期について,控訴人,Bないしその関係者の説明が互いに齟齬しており,これについて何ら合理的な説明がされていないのであって,全体的に信用性に欠けるものといわざるを得ない。 (3)ア証拠(甲19,23,24,乙イ8,14の3ないし6,15の1ないし7,16,17,21,24,乙ロ2,原審における証人C,同G及び控訴人本人)並びに弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ①本件土地について,少なくとも平成3年1月ころから平成8年1月ころまで一面が樹木に覆われていたことは,航空写真上でも明らかであるが,平成9年1月ころには,本 趣旨によれば,次の事実が認められる。 ①本件土地について,少なくとも平成3年1月ころから平成8年1月ころまで一面が樹木に覆われていたことは,航空写真上でも明らかであるが,平成9年1月ころには,本件土地の大部分が更地となり,その南側に穴が掘削されていた。なお,この穴は,平成8年末から平成9年初めにかけて,Bが業者に依頼して土砂採取及び残土処分の目的で掘削したものであり,そこが産廃施設として利用されていたか否かは,航空写真からは全く判然としない。 ②被控訴人市は,平成8年ころ,本件土地で,掘削,残土の盛土及び砂の搬出等が行われていることを確認したため,Bに対し,それに係る事業の届出をするよう指導したが,その旨の届出はされなかった。また,被控訴人市の担当者であるCは,平成9年4月ころ,市内の不法投棄のパトロールをしていたところ,本件土地で廃材の野焼きが行われている-10-との通報があったため,本件土地に赴いたところ,穴が掘削されているのを現認したが,産業廃棄物が捨てられているような形跡はなかった。 ③旧要綱は,小規模場外自己処分場について,事業者等がその設置等を行おうとする場合は事前協議書を知事に提出する(4条,その設置,)廃止,休止又は休止した施設の再開に際しては,知事に届け出なければならない(20条2項,29条,この要綱の施行の際に現に存する処)分場の設置者は平成7年6月30日までに知事に届出を行う(経過措置1条)旨を規定していた。しかし,Bから,旧要綱による届出等がされたことは一切なく,前記の新要綱に規定された施設の休止又は再開の届出等もされていない。 ④控訴人は,平成13年9月ころから,かつて産業廃棄物を扱う会社を経営していたHとともに,頻繁に被控訴人市の市役所を訪れて,担当のCに対し,産廃施設として使えそうな土地を 届出等もされていない。 ④控訴人は,平成13年9月ころから,かつて産業廃棄物を扱う会社を経営していたHとともに,頻繁に被控訴人市の市役所を訪れて,担当のCに対し,産廃施設として使えそうな土地を教えるよう執拗に要求したため,Cは,同年11月ころ,控訴人に対し,ミニ処分場が存在する可能性のある土地として本件土地を教えた。 ⑤被控訴人県の担当者であるGは,控訴人の本件再開報告書(県)の提出等を受け,平成14年1月9日,控訴人や被控訴人市の担当者らの立会いの上,本件土地の現地調査を行った。その際の状況は,更地部分の面積が約4000平方メートル(南北約80メートル,東西約50メートル)あり,北側は資材置場として利用され,コンクリートガラや廃ドラム缶等が放置された状態であり,南側の約1000平方メートル(南北約30メートル,東西約33.4メートル)の部分に,掘削後に残土が埋められ,かつ,約768平方メートル(南北約23.8メートル,東西約33.4メートル)にわたって深さ約8メートルの穴が残っている状態であったが,産業廃棄物が投入されている形跡はなかった。また,本件土地の周囲に産業廃棄物等の飛散防止用の柵やその旨を表示する看-11-板等もなかった。 イ上記認定にかんがみれば,Bは,本件指導要綱に従った小規模場外自己処分場に関する届出を全くしていないこと,平成9年1月ころに本件土地に掘削した穴も,土砂採取及び残土処分の目的で作ったものであること,同年4月ころや平成14年1月に被控訴人らの担当者が本件土地を見分した際も,産業廃棄物が投入されている形跡はなかったこと,これらの事情を考え合わせれば,かえって本件土地に控訴人の主張するような既設ミニ処分場が設置されていた事実はないものというべきである。 なお,控訴人は,平成13年9月ころ被控訴人市 跡はなかったこと,これらの事情を考え合わせれば,かえって本件土地に控訴人の主張するような既設ミニ処分場が設置されていた事実はないものというべきである。 なお,控訴人は,平成13年9月ころ被控訴人市の市役所を訪ねた際に,担当のCから,Bがαの土地を小規模自社処分場として使用していたが,現在は休止している,その事実を確認しているとの説明を受けた旨陳述するが(甲19号証の陳述書,上記認定に照らして容易に採用することは)できない。 第4 結論 したがって,控訴人の本件地位確認請求は,被控訴人市との間においてはもとより,被控訴人県との間においても,不適法なものとして却下されるべきである。 よって,控訴人の本件控訴はいずれも理由がないから,これらを棄却し,被控訴人県の附帯控訴に基づいて,原判決中被控訴人県との間で上記地位確認請求を棄却した部分を取り消し,同訴えを却下することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第23民事部裁判長裁判官安倍嘉人-12-裁判官内藤正之裁判官後藤健

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