平成21(む)78

裁判年月日・裁判所
平成21年5月22日 長崎地方裁判所
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判決文本文1,661 文字)

- 1 -21む78長崎地裁平成21・5・22316条の15第1項棄却主文本件各証拠開示請求をいずれも棄却する。理由 主任弁護人の本件請求趣旨及び理由は主任弁護人作成の「裁定請求書(1)」記載のとおりであるが,要するに,検察官が取調べを請求し,「本件犯行現場には被告人と被害者しかいなかったこと」を要証事実とするA(甲17)及びB(甲18)の各検察官調書(以下「本件検察官請求証拠」という。)の証明力を判断するため,被告人方付近で行われた,犯人目撃の有無,不審者立ち回りの有無等の聞き込みに関するすべての供述録取書等(捜査報告書を含む。以下「本件各証拠」という。)につき,刑事訴訟法(以下「法」という。) 316 条の15 第1 項6 号に該当する証拠として開示命令を求めるというものである。 裁判所が開示命令を発するに当たっては,検察官が法の規定により開示をすべき証拠を開示していないと認められることを要する(法316 条の26 第1 項)。法316 条の15 第1 項に基づく証拠開示は,同項各号に該当するものについて被告人又は弁護人からの請求がなされることを要件としているところ,本件において,弁護人は,検察官に対し,本件各証拠について,法316 条の15 第1 項5 号ロに該当する証拠として開示の請求を行ったものの,同項6号に該当する証拠として開示の請求をしていないというのであり,本件各証拠の開示を請求したとはいえない。よって,検察官が法の規定により開示をすべき証拠を開示していないとは認められない。なお,検察官は,弁護人の請求に係る証拠として,①「本件発生時には既に寝ていたのではないかと思う」などと記載された付近住民の供述調書1 通,②付近住民等からの聞き込み結果を記載した捜査報告書57 通が存在するが,いずれも法31 る証拠として,①「本件発生時には既に寝ていたのではないかと思う」などと記載された付近住民の供述調書1 通,②付近住民等からの聞き込み結果を記載した捜査報告書57 通が存在するが,いずれも法316 条の15 第1 項6 号該当性が認められない旨意見を述べるので,念のため,検察官提示に係るこれらの証拠を検討した上付言する。まず,本件証拠①は,本件犯行時刻ころには既に就寝していてその際の状況について知らないという内容のものであり,検察官が本件検察官請求証拠により直接証明しようとする「本件犯行現場には被告人と被害者しかいなかった」という事実の有無に関する供述を内容とするものではないから,同号に該当しない。さらに,本件証拠②は,いずれも警察官作成の捜査報告書であるが,仮に,実質的には参考人(原供述者)の供述を録取した書面であるとしてみても,その者の署名又は押印を欠くから,当該参考人の供述録取書等(法316条の14 第2 号)には該当せず,また,聞き込み捜査に当たった警察官が捜査過程で作成した供述書であるとしても,検察官が本件検察官請求証拠により直接証明しようとする上記事実の有無に関する供述を内容とするものとはいえず,いずれにしても同号には該当しない。弁護人は,同号の「直接証明しようとする事実の有無に関する供述」には伝聞供述も含む旨主張する。しかしながら,一般に開示する必要性が高く,かつ,弊害も少ない類型の証拠に限り,重要性や必要性の程度,弊害の内容及び程度等を考慮した上で開示の対象とすることとした本条の趣旨に照らせば,同号の「供述」とは原供述のみをいうと解すべきであり,弁護人- 2 -の主張は採用できない。 以上のとおりであるから,弁護人の本件申立てにはいずれも理由がない。よって,主文のとおり決定する。(裁判長裁判官・松尾嘉倫,裁判官・ と解すべきであり,弁護人- 2 -の主張は採用できない。 以上のとおりであるから,弁護人の本件申立てにはいずれも理由がない。よって,主文のとおり決定する。(裁判長裁判官・松尾嘉倫,裁判官・内藤恵美子,裁判官・佐伯良子)

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