平成11(ワ)116 墓石引渡等請求

裁判年月日・裁判所
平成14年1月10日 神戸地方裁判所 姫路支部
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判決文本文8,167 文字)

判決平成14年1月10日神戸地裁姫路支部平成11年(ワ)第116号墓石引渡等請求事件判決 主文 1 被告らは,各自,原告に対し,528万円及びこれに対する平成11年2月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告Aは,原告に対し,亡Cの遺骨全てを引き渡せ。 3 前記遺骨の引渡しの執行が不能となったときは,被告Aは,原告に対し100万円を支払え。 4 原告のその余の請求を棄却する。 5 訴訟費用はこれを10分し,その4を原告の,その余を被告らの各負担とする。 6 この判決の1項は仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 被告らは,各自,原告に対し,962万円及びこれに対する平成11年2月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 主文2項同旨 3 Cの遺骨引渡しの執行が不能となったときは,被告Aは,原告に対し1000万円を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨本件は,亡Cの養子である原告が,Cの妻であり,かつ,原告の養母である被告A及びC,被告A間の四女の夫である被告Bに対し,原告がCの祭祀承継者であるにもかかわらず,被告らは,共謀の上,Cの祭祀財産として原告が承継した墓石類を破壊したとして,共同不法行為に基づく損害金1562万円の内金962万円及び不法行為後で訴状送達の日の翌日(被告両名のうち,遅く送達された方の日)である平成11年2月27日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,かつ,被告Aに対し,所有権に基づき,Cの遺骨 で訴状送達の日の翌日(被告両名のうち,遅く送達された方の日)である平成11年2月27日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求め,かつ,被告Aに対し,所有権に基づき,Cの遺骨全ての引渡し及びこれが執行不能になったときは,代償金として,1000万円の支払を求める事案である。 2 前提となる事実(証拠の記載のない事実は,争いのない事実である。)(1) 当事者等ア Cは,大正4年11月28日出生し,昭和12年8月14日被告Aと婚姻,同被告との間に,昭和15年長女Dを,昭和19年二女Eを,昭和23年三女Fを,昭和25年四女Gをそれぞれもうけたが,平成7年1月22日,甲状腺ガン,腎不全,肺炎等のため死亡した。 なお,Cは,被告Aと共に,平成2年11月8日,原告並びに原告と三女Fとの間の長男Hと,いずれも養子縁組をした(原告との養子縁組につき,甲1,2)。 被告Aは,同被告及びCと原告との養子縁組の効力を争い,当庁に対し,平成7年(タ)第7号,同8号各養子縁組無効確認請求事件を提訴したが(Cとの養子縁組無効確認事件《8号事件》については,Dも原告として提訴。),いずれも請求を棄却され,大阪高等裁判所に控訴したが(平成9年(ネ)第1260号),控訴棄却され,最高裁判所に上告したが,上告棄却された結果,一審判決が確定した。 イ原告は,昭和22年7月19日出生し,昭和47年6月22日にFと婚姻,同人との間にもうけた二女I(昭和55年8月31日生)は,昭和55年12月26日に被告B及びGと養子縁組をし,長男H(昭和49年1月10日生)は前記のとおりC及び被告Aと養子縁組をした(甲1ないし3)。 ウ被告Aは,大正7年10月4日に出生し,前記のとおりCと婚 6日に被告B及びGと養子縁組をし,長男H(昭和49年1月10日生)は前記のとおりC及び被告Aと養子縁組をした(甲1ないし3)。 ウ被告Aは,大正7年10月4日に出生し,前記のとおりCと婚姻後,4人の子をもうけ,原告及びHと養子縁組をしたが,上記4人の子はそれぞれ婚姻後独立をし,原告及びHとは同居したことはない(弁論の全趣旨)。 エ被告Bは,昭和18年3月11日に出生し,昭和51年10月14日にGと婚姻,前記のとおり,原告とF間の二女Eと養子縁組をした。 オ Cは,福岡県で出生したが,後に実家を出て関西に移り住んだ。実家の祭祀はCの兄史郎が承継した。 Cは,関西に移住後,株式会社Kゴルフ場(以下「Kゴルフ場」という。)を創立して,死亡当時は,同社の発行済み株式数3万2000株のうち7000余株を保有し,また,生前5000株をKゴルフ場の食堂喫茶経営部門の有限会社Lに譲渡し,同社の代表取締役を務めていた。Cの死亡当時は,Dの夫がKゴルフ場の代表取締役で社長を務め,Cは同社会長,原告は代表取締役で専務を務めていた(乙4の2,弁論の全趣旨)。また,原告は,有限会社L設立当初から代表取締役に就任した。 (2) Cの遺言ア Cは,平成6年11月18日に甲状腺ガンのため,病院に入院したが,同年12月5日,神戸地方法務局所属公証人近藤道夫作成にかかる平成6年第690号遺言公正証書(甲4,乙8。以下「本件遺言」という。)により,次の内容(要旨)を含む遺言をした(他の内容は省略する。)。 記(ア) Kゴルフ場の役員の定年を60歳とし,社長Jは定年後,別法人に移ること。同社の次期社長には,養子である原告を 記(ア) Kゴルフ場の役員の定年を60歳とし,社長Jは定年後,別法人に移ること。同社の次期社長には,養子である原告を就任させ,将来は,Hに経営を承継させること。 (イ) 被告Aには,自宅不動産の共有持分権及び現金,預貯金,退職金並びにKゴルフ場の株式を除く有価証券一切を相続させる。ただし,同被告は,祭祀を承継する原告に対し,墓石建立費用や,祭祀の費用として相当額を交付すること。 (ウ) HにCの自宅の共有持分権などのほか,株式会社姫路Kゴルフ場の株式9000株を相続させる。 (エ) C家の祭祀を主宰すべき者として原告を指定する。 (オ) 本遺言の執行者として原告を指定する。 イ被告A及びGは,原告及びHを被告とし,当庁に対し,本件遺言の無効確認請求事件を提訴したが(平成9年(ワ)第490号),請求棄却され,大阪高等裁判所に控訴し(平成10年(ネ)第3839号),控訴棄却され,最高裁判所に上告及び上告受理の申立てをしたが(平成12年(オ)第1679号,同年(受)第1431号),上告棄却,上告不受理の決定がされ,一審判決が確定した(甲24ないし26)。 ウ被告Aは,原告を相手方とし,本件遺言の遺言執行者解任を求め,神戸家庭裁判所姫路支部に対し審判を申し立てたが(平成7年(家)第1259号),申立てを却下され,大阪高等裁判所に即時抗告したが(平成8年(ラ)第973号),即時抗告を棄却され,その後原審判は確定した(甲21,23,弁論の全趣旨)。 (3) 葬儀などCの密葬は,被告AやDらは同被告が喪主となるべきであ ,その後原審判は確定した(甲21,23,弁論の全趣旨)。 (3) 葬儀などCの密葬は,被告AやDらは同被告が喪主となるべきであると主張したが,結局,原告が喪主となって行われた(乙14の1・2,17)。 (4) 墓石類ア Cは,生前,a市営N霊園の一画に墓地の永代使用権を取得していた(甲7。以下「本件墓地」という。)。 イ Cの生前である平成6年11月1日に,墓石業者である播州石材株式会社は,注文主の名義をCとして別紙図面記載のC家の墓(以下「本件墓石類」という。)を建立することを代金428万円で請け負い,同年12月2日付C名義で上記金額の金員の振込を受けた(甲5,6)。 エ平成7年2月ころ,本件墓石類は,本件墓地に据え付けられ,同年3月ころ精根入れ法要が営まれた(弁論の全趣旨)。 オ被告らは,平成8年8月初めころ,本件墓石類のうち,庵治石製軸石(高さ73センチメートル,縦横各28センチメートル,表に「南無阿弥陀佛」裏に「平成7年2月吉日,A,原告,H建之」と刻されたもの)を本件墓地から原告不知の間に搬出した(甲8ないし12,弁論の全趣旨)。 カ被告らは,平成11年1月11日から同月14日までの間に,本件墓地に残っていた,前記軸石を除くその余の本件墓石類を全て,原告不知の間に搬出した(甲13,14)。 キ前記搬出のころ,被告らは,本件墓石類を損壊した(弁論の全趣旨)。 (5) 遺骨等ア Cの葬儀後,被告AはCの遺骨(焼骨の意)を本件墓地に埋葬する予定で同被告の自宅に安置して保管していたが,平成7年6月ころ,Cゆかりの善養寺の納骨堂の使用権を取得して遺骨の一部を同寺に預けた。その後, の葬儀後,被告AはCの遺骨(焼骨の意)を本件墓地に埋葬する予定で同被告の自宅に安置して保管していたが,平成7年6月ころ,Cゆかりの善養寺の納骨堂の使用権を取得して遺骨の一部を同寺に預けた。その後,同被告は,前記遺骨の一部を同寺から再び自宅に持ち帰った。 (乙15,17)イ被告Aは,Cの死後,同人の位牌を拵え,同被告の自宅仏壇に安置している(乙16,17)。 3 争点及び争点に関する当事者の主張(1) 原告は,Cの祭祀承継者か否か。 (原告)本件遺言により,Cは原告をCの祭祀承継者と指定したから,原告が祭祀承継者である。 (被告ら)争う。 本件遺言の祭祀承継者の記載は,本件遺言書作成に関与した原告代理人がCや被告Aの意向も聞かずに独断で記載したものである。祭祀を主宰すべき第一順位者は,生存配偶者である被告Aである。 (2) 本件墓石類の所有権は,原告に帰属するか。 帰属するとき,本件墓石類搬出損壊による損害額はいくらが相当か。 (原告)本件墓石類は,Cの祭祀財産であり,かつ,原告は,Cの祭祀承継者であるから,本件墓石類の所有権は,原告に帰属する。 被告らが本件墓石類を搬出,損壊したことによる損害は,次のとおりである。 ア墓石類原状復旧費用 462万円イ慰謝料 1000万円ウ墓石運搬,再据え付け費用 50万円エ弁護士費用 50万円カ総計(以上アの462万円及びイないしエの合計1100万円の内金500万円) 962万円 50万円エ弁護士費用 50万円カ総計(以上アの462万円及びイないしエの合計1100万円の内金500万円) 962万円(被告ら)争う。本件墓石類はCと被告AがC名義であるが実質はAの保有する預金から出金して購入したものである。したがって,その所有権は,一次的には被告Aに,二次的には同被告とCとの共有に帰属する。 (3) Cの遺骨の所有権は,原告に帰属するか。 (原告)Cの遺骨は祭祀財産であり,かつ,原告は,Cの祭祀承継者であるから,その所有権は原告に帰属する。 (被告A)争う。遺骨は祭祀供用物ではない。Cは,生前被告Aが遺骨を管理し菩提を弔うことを望んでいたから,同被告はCの遺骨の所有権を原始的に取得した。 (4) Cの遺骨引渡しの代償請求が可能か。 可能としたとき,その代償金はいくらが相当か。 (原告)被告Aは,原告の遺骨引渡の求めに応じず,本件で給付判決を得ても執行が効を奏さない可能性があるところ,遺骨は代替性がなく,また,金銭評価も困難であることから,その代償としては,遺骨の引渡しを得られないことによる原告の精神的苦痛を慰謝するための金額として相当な1000万円の給付がなされるべきである。 (被告A)争う。 第3 争点に対する判断 1 本件の背景事情について前記前提となる事実及び証拠(甲4,17の1ないし4,18,19,20,22,24,25,乙17)並びに弁論の全趣旨によると,次の事実が認められる。 (1) Cは,被告Aとの間に4人の娘をもうけたが,娘らは 実及び証拠(甲4,17の1ないし4,18,19,20,22,24,25,乙17)並びに弁論の全趣旨によると,次の事実が認められる。 (1) Cは,被告Aとの間に4人の娘をもうけたが,娘らは婚姻後いずれも夫の姓を名乗り,かつ,男子(H)をもうけたのはFのみであった。 (2) 原告は,昭和55年4月,C及び被告Aに強く要望されて家族と共に東京都から姫路市に転居し,それまで勤務していた会社を退職し,Kゴルフ場に入社した。 (3) Cは,平成2年ころ,それまでに体調を崩していたこともあり,原告に養子になってKゴルフ場を経営し,かつ,唯一の男の孫であるHを養子とし将来Kゴルフ場の経営を承継させること及びC家を承継させることを希望した結果,前記のとおり被告Aと共に,原告及びHと養子縁組をした。 (4) Cの死亡時である平成7年1月22日ころまでは,原告夫婦とC,被告Aとの間に問題はなく,原告は,Cの養子としてふるまい,C及び被告Aの自宅にひんぱんに出入りしていた。 (5) 平成7年1月25日に行われたCの密葬の喪主を誰にするかについて,原告と被告A,Dとの間に争いが生じたのを発端とし,本件遺言の存在を被告A及びD,Gらが知らされていなかったこと,本件遺言の内容が,Cの実子よりHに多くの遺産を相続させる内容となっていたこと,C及び被告Aの自宅の共有持分権の一部をHに相続させる内容となっていたことなどから,原告夫婦と被告Aとの間で諍いが生じ,Gと被告Bは被告Aの意向に従い手足となり被告Aを助け,原告夫婦と対立するに至っている。 2 争点(1)(原告は,Cの祭祀承継者か否か)について前記前提となる事実によれば,原告は,本件遺言によりCの祭祀承継者として指定されたから,Cの祭祀承継者である。 る。 2 争点(1)(原告は,Cの祭祀承継者か否か)について前記前提となる事実によれば,原告は,本件遺言によりCの祭祀承継者として指定されたから,Cの祭祀承継者である。 被告らは,本件遺言の上記規定は,原告代理人弁護士が独断で考案したものであるから無効である旨主張するが,本件遺言が有効に成立している以上(公正証書遺言無効確認請求事件の既判力による。),被告らの上記主張は失当である。 3 争点(2)(本件墓石類の所有権は原告に帰属するか等)について前記前提となる事実及び証拠(甲15,16,17の1ないし4,18,19,乙1の1・2)並びに弁論の全趣旨によれば,本件墓石類は,Cの生前に同人の指図により,原告及び被告AがCの名義で播州石材株式会社に注文したものであること,その代金428万円は,C名義の普通預金から支払われたものであることなどが認められ,以上によれば,本件墓石類はCの所有する祭祀財産であり,原告がCの祭祀承継者と指定された結果,民法897条により,その所有権は原告が承継したものである。 被告らは,本件墓石類の代金は,実質的には被告Aのものである預金から出金されたものであるから,所有権は,同被告に帰属する旨主張する。しかし,同預金の名義はCとされ,同被告からの入金が記載されている部分が一部あるものの,殆どの入金は,Cの関与するKゴルフ場や,有限会社Lからのものであること(乙1の1・2),同被告は,同預金をCの遺産として相続税の申告をしていること(争いがない),本件墓石類の注文はCの名でされており,注文の際被告Aは同席していたこと(弁論の全趣旨。なお,被告Aは,播州石材株式会社の者が自宅に来訪したという正確な記憶はない旨供述記載する《乙17》が,同被告は,看病疲れ等により正確には思 ており,注文の際被告Aは同席していたこと(弁論の全趣旨。なお,被告Aは,播州石材株式会社の者が自宅に来訪したという正確な記憶はない旨供述記載する《乙17》が,同被告は,看病疲れ等により正確には思い出せないと供述記載し《乙17》,来訪の事実を否定するものではない。),注文主名のことを同被告は知っていたと推測され,その際同被告が異を唱えた形跡は見あたらないことなどから同被告の上記主張は採用できない。 被告らが,原告所有の本件墓石類を搬出し,損壊したことによる損害は,次の通りと認められる。 (1) 墓石類 428万円原告は,再設置に要する費用として462万円が相当である旨主張するが,本件墓石類の搬出当時(平成11年)の価額は設置当時(平成6年)の価額である428万円を超えないものと推認されるから,上記主張は採用できない。 (2) 慰謝料 50万円原告は,被告らが1度目の墓石の搬出の後,原告代理人を通じ警告をしたにもかかわらず,2度目の搬出をされ,本件墓地にはもともと存在した基礎の囲いすらなくなり平らな地面のみとなったこと(甲11,12の各1・2,13,14,17の1ないし3),原告及び実子であるHの名を刻した墓石を損壊されたこと,祭祀承継財産として重要な墓石類がなくなったことから祭祀が困難となったことなどにより原告が精神的苦痛を受けたことは推測に難くなく,これを慰謝するためには50万円をもって相当とする。 (3) 運搬,再据え付け費用は,搬出された本件墓石類が存在している場合の損害であるから,本件墓石類が損壊されている以上,認められない(なお,設置費用は前記(1)の金額に含まれる。)。 (4) 弁護士費 据え付け費用は,搬出された本件墓石類が存在している場合の損害であるから,本件墓石類が損壊されている以上,認められない(なお,設置費用は前記(1)の金額に含まれる。)。 (4) 弁護士費用 50万円本件不法行為による損害賠償請求の難易度,不法行為の内容,認容額など総合すると,弁護士費用として50万円を認めるのが相当である。 4 争点(3)(Cの遺骨の所有権は原告に帰属するか)について死者の遺骨は有体物として所有権の目的となるが,ただその所有権の内容は,遺骨の性質上,もっぱら埋葬,祭祀,供養をなす権能と義務とを内容とする特殊のものというべきである。そして,その所有権は,遺骨が祭祀の主たる対象とされていることからすれば(公知の事実),民法897条の祭祀財産に準じ,その死者の祭祀を主宰する者に原始的に帰属するものと解すべきである。 これを本件についてみるに,原告はCの祭祀承継者であるから,Cの遺骨の所有権は原告に帰属するといえる。 被告Aは,Cは,同被告が遺骨を管理することを望んでいた旨主張するが,Cが祭祀につき,特に遺骨に関してのみ格別の扱いを求めたことを認め得る的確な証拠もない以上,上記主張は採用できない。 5 争点(4)(Cの遺骨引渡の代償請求が可能か等)について被告Aは,原告からのCの遺骨引渡の求めに応じないこと,本件訴訟における和解手続中も強くこれを拒否していたことは当裁判所に顕著であるから,将来遺骨引渡の執行が不能となる可能性があり,その場合,遺骨は代替性がなく,また,金銭評価は困難であることから,その代償として,遺骨の引渡しを得られず,祭祀承継者としてCに託された任務を果たせない原告の精神的苦痛を慰謝するための金額として相当な100 遺骨は代替性がなく,また,金銭評価は困難であることから,その代償として,遺骨の引渡しを得られず,祭祀承継者としてCに託された任務を果たせない原告の精神的苦痛を慰謝するための金額として相当な100万円を被告Aに支払わせるのが相当である。 6 まとめ以上検討したところによれば,被告らは原告に対し,共同して本件墓石類を搬出したうえ損壊した共同不法行為による損害賠償として,各自,528万円及びこれに対する不法行為後である訴状送達の日(被告らのうち遅く送達された方)の翌日である平成11年2月27日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払をすべき義務があり,かつ,被告Aは原告に対し,所有権に基づき,Cの遺骨の引渡しとこれの執行が不能なときは,代償金として慰謝料100万円を支払う義務がある。 第4 結論以上によれば,原告の被告ら及び被告Aに対する各請求は,前記認定の限度で理由があるから認容すべきであり,その余は理由がないから棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 神戸地方裁判所姫路支部 裁判官正木きよみ

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