- 1 -平成25年8月27日判決言渡同日判決原本領収裁判所書記官平成23年(ワ)第6878号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日平成25年5月28日判決 原告ヒメノイノベック株式会社同訴訟代理人弁護士平野和宏同訴訟代理人弁理士中野睦子 被告株式会社フッコー同訴訟代理人弁護士小野正毅同土橋順同鈴 木 和 夫同鈴 木 き ほ同補佐人弁理士土 橋 博 司主文 1 被告は,別紙被告方法目録1記載の方法を使用してはならない。 2 被告は,別紙被告製品目録1の構成欄記載の構成を具備する製品を製造し,販売し又は販売の申出(販売のための展示を含む)をしてはならない。 3 被告は,前項の製品及びその半製品(別紙被告製品目録1の構成欄記載の構成を具備しているが製品として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。 4 被告は,原告に対し,2678万8170円及びうち2141万9954円に対する平成23年5月29日から,うち536万8216円に対する平成24年7月31日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 被告は,別紙被告表示目録1記載の表示を,石灰を含有しない内装仕上- 2 -材及びその容器,包装,宣伝用カタログ,広告に使用し,又は別紙被告表示目録1記載の表示を付した石灰を含有しな 払え。 5 被告は,別紙被告表示目録1記載の表示を,石灰を含有しない内装仕上- 2 -材及びその容器,包装,宣伝用カタログ,広告に使用し,又は別紙被告表示目録1記載の表示を付した石灰を含有しない内装仕上材を販売し,販売のために展示してはならない。 6 被告は,別紙被告表示目録2記載の表示を内装左官仕上材及びその容器,包装,宣伝用カタログ,広告に使用し,又は別紙被告表示目録2記載の表示を付した内装左官仕上材を販売し,販売のために展示してはならない。 7 被告は,前項記載の表示を付した前項記載の内装左官仕上材,その容器,包装,宣伝用カタログを廃棄せよ。 8 原告のその余の請求をいずれも棄却する。 9 訴訟費用は,これを10分し,その6を被告の負担とし,その余を原告の負担とする。 この判決は,第1項,第2項,第4項から第6項までに限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由 第1 請求の趣旨 1 後記本件特許権1に基づく差止等請求(1) 被告は,別紙被告方法目録1記載の方法を用いて別紙被告製品目録1記載の製品を製造し,又は別紙被告方法目録1記載の方法によって製造した別紙被告製品目録1記載の製品を販売し又は販売の申出をしてはならない。 (2) 被告は,別紙被告方法目録1記載の方法によって製造した別紙被告製品目録1記載の製品及びその半製品(別紙被告製品目録1記載の構成を具備しているが製品として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。 (3) 本件特許権1が方法の発明とされた場合の予備的な差止請求主文第1項同旨。 2 後記本件特許権2の間接侵害に基づく差止等請求(1) 被告は,別紙被告製品目録1記載の製品を製造し,販売し又は販売の- 3 -申出(販売のための展示を含む な差止請求主文第1項同旨。 2 後記本件特許権2の間接侵害に基づく差止等請求(1) 被告は,別紙被告製品目録1記載の製品を製造し,販売し又は販売の- 3 -申出(販売のための展示を含む)をしてはならない。 (2) 被告は,別紙被告製品目録1記載の製品及びその半製品(別紙被告製品目録1記載の構成を具備しているが製品として完成するに至らないもの)を廃棄せよ。 3 本件特許権1及び2に基づく損害賠償請求被告は,原告に対し,7694万6864円及びうち6000万5296円に対する平成23年5月29日から,うち1694万1568円に対する平成24年7月31日からそれぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 不正競争防止法2条1項13号の不正競争行為を理由とする差止等請求(1) 被告は,別紙被告表示目録1記載の表示を内装左官仕上材及びその容器,包装,宣伝用カタログ,広告に使用し,又は別紙被告表示目録1記載の表示を付した内装仕上材を販売し,販売のために展示してはならない。 (2) 主文第6項同旨。 (3) 主文第7項同旨。 第2 事案の概要原告は,被告が別紙被告方法目録1記載の方法(以下「被告方法1」という。)を使用して被告製品目録1記載の製品(同目録で商品名による限定はされていないが,同目録記載の構成を具備し,商品名を「しっくいペイントAg+」とする製品のみを,便宜「被告製品1」という。)を製造,販売等することは,原告の有する特許第3834792号の特許権(以下「本件特許権1」という。)を侵害すると共に,原告の有する特許第3975228号の特許権(以下「本件特許権2」という。)の間接侵害(特許法101条5号)を構成するとして,被告に対し,本件特許権1に基づき,被告方法1によって製造された同目録記載の の有する特許第3975228号の特許権(以下「本件特許権2」という。)の間接侵害(特許法101条5号)を構成するとして,被告に対し,本件特許権1に基づき,被告方法1によって製造された同目録記載の製品の製造販売等の差止め及び廃棄を求めると共に(請求の趣旨1の(1) 及び(2) ),本件特許権2に基づき同目録記載の製品の製造販売- 4 -等の差止め及び廃棄を求め(請求の趣旨2の(1) 及び(2) ),さらにそれら特許権侵害(ただし,平成19年5月29日までは独占的通常実施権侵害)による不法行為に基づき,7694万6864円及びうち6000万5296円については平成23年5月29日(同損害に係る不法行為日の末日)から,うち1694万1568円については平成24年7月31日(同損害に係る不法行為日の末日)から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めている(請求の趣旨3)。また,本件特許権1に基づく上記差止請求に係る予備的請求として,被告に対し,本件特許権1に基づき,被告方法1の使用差止めを求めている(請求の趣旨1の(3) )。 加えて,原告は,被告が石灰を含有せず,漆喰を用いていない内装仕上材又は内装左官仕上材に,別紙被告表示目録1記載の表示(以下「被告表示1」という。)及び別紙被告表示目録2記載の表示(以下「被告表示2」という。)を付して販売することは,不正競争防止法2条1項13号の定める不正競争行為(品質等誤認惹起行為)に当たるとして,被告表示1の使用等の差止め並びに被告表示2の使用等の差止め及び同表示を付した内装仕上材等の廃棄を求めている(請求の趣旨4の(1) から(3) まで)。 1 判断の基礎となる事実以下の各事実は当事者間に争いがないか,掲記の各証拠又は弁論の全趣旨により容易に認められる。 ( 上材等の廃棄を求めている(請求の趣旨4の(1) から(3) まで)。 1 判断の基礎となる事実以下の各事実は当事者間に争いがないか,掲記の各証拠又は弁論の全趣旨により容易に認められる。 (1) 当事者原告は,土木,建築の設計及び施工,塗装,吹付看板工事,防水工事,内外壁建材の製造,販売,建築資材の研究開発等を目的とし,着色漆喰組成物を業として製造,販売等する株式会社である。 被告は,内外装左官・塗装材料等の製造販売,内外装左官・塗装仕上・下地材の取付施工等を目的とし,着色漆喰組成物を業として製造,販売等する株式会社である。 - 5 -(2) 本件特許権1ア原告は,次の特許(以下「本件特許1」といい,本件特許1の請求項1に係る発明を「本件特許発明1」という。また,本件特許に係る明細書及び図面をあわせて「本件明細書1」という。)に係る特許権(本件特許権1)を有している。 特許番号第3834792号発明の名称着色漆喰組成物の着色安定化方法出願日平成14年9月11日優先日平成13年9月11日登録日平成18年8月4日【請求項1】石灰を含有する白色成分,無機の着色顔料,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物の着色安定化方法であって,当該着色漆喰組成物が水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物を含有し,上記白色成分として石灰と無機の白色顔料を組み合わせて用いることを特徴とする方法。 イ本件特許発明1は,次のとおり構成要件に分説することができる。 A1 石灰を含有する白色成分,無機の着色顔料,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物の着色安定化方法であって,B1 当該着色漆喰組成物が水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物を含有し,C1 上記白色成分として石灰と無 機の着色顔料,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物の着色安定化方法であって,B1 当該着色漆喰組成物が水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物を含有し,C1 上記白色成分として石灰と無機の白色顔料を組み合わせて用いるD1 ことを特徴とする方法。 (3) 本件特許権2ア原告は,次の特許(以下「本件特許2」といい,本件特許2の請求項1に係る発明を「本件特許発明2-1」,請求項2に係る発明を「本件特許発明2-2」といい,あわせて「本件特許発明2」という。また,- 6 -本件特許2に係る明細書及び図面をあわせて「本件明細書2」という。)に係る特許権(本件特許権2)を有している。 特許番号第3975228号発明の名称着色漆喰塗膜の色飛び抑制方法出願日平成16年7月6日優先日平成14年2月15日登録日平成19年6月29日【請求項1】石灰,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物によって形成される着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法であって,上記漆喰組成物の着色に白色顔料と着色顔料として酸化金属またはカーボンブラックを組み合わせて用いる方法。 【請求項2】白色顔料が酸化チタンである,請求項1記載の方法。 イ本件特許発明2-1及び同2-2は,次のとおり構成要件に分説することができる。 【本件特許発明2-1】A2 石灰,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物によって形成される着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法であって,B2 上記漆喰組成物の着色に白色顔料と着色顔料として酸化金属またはカーボンブラックを組み合わせて用いる方法。 【本件特許発明2-2】C2 白色顔料が酸化チタンである,D2 請求項1記載の方法。 ( 漆喰組成物の着色に白色顔料と着色顔料として酸化金属またはカーボンブラックを組み合わせて用いる方法。 【本件特許発明2-2】C2 白色顔料が酸化チタンである,D2 請求項1記載の方法。 (4) 本件特許権1に係る権利設定及び譲渡- 7 -本件特許1は,平成18年8月4日の設定登録時,原告代表者が特許権者であり,原告は,原告代表者から,独占的通常実施権の許諾を受けていた。 原告は,その後原告代表者から,本件特許権1の譲渡を受け,平成19年5月29日にその旨の移転登録がなされた。 (5) 被告の行為並びに被告製品1及び被告製品2の構成ア被告は,遅くとも平成19年2月9日から平成24年7月31日まで,被告製品1の製造,販売及び販売の申出をし,また,同じころまで,被告表示2を付した製品(以下「被告製品2」という。)の製造,販売及び販売の申出をした。 イ被告製品1は,別紙被告製品目録の構成欄に記載の構成を備えており,その容器や広告等には,被告表示1が付されていた。 被告は,原告に対する平成23年3月25日付の書面(甲11)において,「今後はまったく『石灰』を含まない配合とすることといたしました。」と記載したほか,平成22年9月,被告製品1と同一名称でありながら,石灰を含有しない内装仕上材を試験的に製造販売したことがある。 ウ被告製品2は,石灰を含有しない内装左官仕上材である。 2 争点(1) 特許権に基づく請求関係ア本件特許発明1の技術的範囲への属否 (争点1-1)イ本件特許権1に基づく被告製品1の製造販売等差止め及び廃棄請求の可否 (争点1-2)ウ本件特許権2の間接侵害(特許法101条5号) (争点1-3)エ原告の損害 づく被告製品1の製造販売等差止め及び廃棄請求の可否 (争点1-2)ウ本件特許権2の間接侵害(特許法101条5号) (争点1-3)エ原告の損害 (争点1-4)(2) 不正競争防止法に基づく請求関係- 8 -ア不正競争行為(不正競争防止法2条1項13号)該当性(争点2-1)イ原告は不正競争によって営業上の利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者か (争点2-2)第3 争点に対する当事者の主張 1 争点1-1(本件特許発明1の技術的範囲への属否)について【原告の主張】(1) 被告方法1の使用被告は,被告方法1を使用して被告製品1を製造していたものであるが,被告方法1は,次のとおり分説することができる。 a1 消石灰を含有する白色成分,着色顔料である無機系顔料,アクリル樹脂エマルション及び水を含有する着色漆喰組成物の着色安定化方法であって,b1 当該着色漆喰組成物がメチルセルロースを含有し,c1 上記白色成分として消石灰と酸化チタンを組み合わせて用いるd1 ことを特徴とする方法。 (2) 構成要件充足性被告方法1は,以下のとおり本件特許発明1の構成要件全てを充足し,その技術的範囲に属する。 ア構成要件A1について被告方法1の構成a1における「消石灰」,「着色顔料である無機系顔料」,「アクリル樹脂エマルション」は,本件特許発明1の構成要件A1の「石灰」,「無機着色顔料」,「結合剤」に,それぞれ相当するものであり,「着色漆喰組成物の着色安定化方法」である被告方法1は構成要件A1を充足する。 イ構成要件B1について- 9 -被告方法1の構成b1における「メチ 「結合剤」に,それぞれ相当するものであり,「着色漆喰組成物の着色安定化方法」である被告方法1は構成要件A1を充足する。 イ構成要件B1について- 9 -被告方法1の構成b1における「メチルセルロース」は,本件特許発明1の構成要件B1の「水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物」に相当するものであり,被告方法1は構成要件B1を充足する。 ウ構成要件C1について被告方法1の構成c1における「消石灰」,「酸化チタン」は,本件特許発明1の構成要件C1の「石灰」,「無機の白色顔料」に,それぞれ相当するものであり,被告方法1は構成要件C1を充足する。 エ構成要件D1について被告方法1は,以上の構成から成ることを特徴とする方法であるから,被告方法1は構成要件D1を充足する。 (3) 被告の追加主張について被告は,被告による被告方法1の使用とその本件特許発明1の充足性について,当初,認める,あるいは概ね認めると主張したにもかかわらず(被告準備書面(1)),平成24年8月31日付準備書面(8)により,前記認否を撤回して,「着色漆喰組成物の着色安定化方法」の充足性を争う旨を主張した。これは,損害論の審理に入る旨の訴訟指揮が示されてから半年以上経過した後のことである。 かかる攻撃防御方法は,「当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した」ものであり,「これにより訴訟の完結を遅延させることとなる」から却下されるべきであるし(民事訴訟法157条1項),自白の撤回にも当たるから,原告はこれに同意しない。 仮に,被告による攻撃防御方法の提出や自白の撤回が許されるとしても,本件特許発明1の充足性は左右されない。 【被告の主張】(1) 「着色漆喰組成物の着色安定化方法」の充足性被告製品1の物質の組成は認め,それらが本件 方法の提出や自白の撤回が許されるとしても,本件特許発明1の充足性は左右されない。 【被告の主張】(1) 「着色漆喰組成物の着色安定化方法」の充足性被告製品1の物質の組成は認め,それらが本件特許発明1の構成要件に- 10 -記載された物質に相当することは認める。 しかし,被告は,被告製品1の製造において,それら物質を組成したものではあるが,「着色漆喰組成物の着色安定化方法」を使用したわけではなく,この文言を充足しない。被告製品1が含有する「ルチル型の酸化チタン」は,「光触媒機能」を得るために配合したのであり,「着色安定化」のためではないのである。 (2) 時機に遅れた攻撃防御方法ではないこと等被告は,本件特許発明1に関する原告の平成24年7月31日付原告第3準備書面における主張に対応するものとして,同年8月31日付準備書面(8)により,「着色漆喰組成物の着色安定化方法」の充足性を争う旨の攻撃防御方法を提出したものであり,その後も損害論を巡って8か月以上審理が重ねられているのであるから,前記主張は,時機に後れた攻撃防御方法には当たらない。 また,被告は当初,被告による被告方法1の使用及び本件特許発明1の充足性について,認める,あるいは概ね認める旨の主張をしていたが,「着色安定化方法」に該当するか否かは評価,解釈の問題であるから自白は成立し得ず,この点を新たに争うこととしても自白の撤回には当たらない。仮にこの点で自白が成立するとしても,真実に反する主張であり,錯誤によるものと推定されるから,原告の同意の有無にかかわらず,撤回は許される。 2 争点1-2(本件特許権1に基づく被告製品1の製造販売等差止め及び廃棄請求の可否)について【原告の主張】本件特許発明1は,物を生産する方法の発明であって,具体的には,着色安 される。 2 争点1-2(本件特許権1に基づく被告製品1の製造販売等差止め及び廃棄請求の可否)について【原告の主張】本件特許発明1は,物を生産する方法の発明であって,具体的には,着色安定化された着色漆喰組成物を生産する方法であり,被告製品1は当該方法により生産した物に当たる。 - 11 -そのため,本件特許権1に基づき,被告方法1による被告製品1の製造を差し止めることができるだけでなく,被告製品1の販売等を差し止めると共に,その廃棄を求めることができる(特許法2条3項3号,100条2項)。 仮に本件特許発明1が単純方法の発明とされた場合には,予備的請求として,被告方法1の使用の差止めを求める。 【被告の主張】争う。 3 争点1-3(本件特許権2の間接侵害(特許法101条5号))について【原告の主張】(1) 被告方法2被告は,別紙被告方法目録2記載の方法(以下「被告方法2」という。)に用いられる被告製品1の製造,販売及び販売の申出を行ったが,被告方法2は,次のとおり分説することができる。 a2 消石灰,アクリル樹脂エマルション及び水を含有する着色漆喰組成物によって形成される着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法であって,b2 上記漆喰組成物の着色に白色顔料として酸化チタンと着色顔料として酸化金属またはカーボンブラックを組み合わせて用いる方法。 (2) 本件特許発明2-1及び同2-2の構成要件充足性ア構成要件A2について被告方法2の構成a2における「消石灰」,「アクリル樹脂エマルション」は,本件特許発明2-1の構成要件A2の「石灰」,「結合剤」に,それぞれ相当するものであり,被告方法2は構成要件A2を充足する。 イ構成要件B2について被告方法2の構成b2における ルション」は,本件特許発明2-1の構成要件A2の「石灰」,「結合剤」に,それぞれ相当するものであり,被告方法2は構成要件A2を充足する。 イ構成要件B2について被告方法2の構成b2における「酸化チタン」,「酸化金属またはカーボ- 12 -ンブラック」は,本件特許発明2-1の構成要件B2における「白色顔料」,「着色顔料」である「酸化金属またはカーボンブラック」にそれぞれ相当するものであり,被告方法2は構成要件B2を充足する。 ウ構成要件C2及び同D2について被告方法2の構成b2における「酸化チタン」は,本件特許発明2-2の構成要件C2における「酸化チタン」に相当するものであり,被告方法2は構成要件C2を充足する。また,構成要件D2の充足性は,上記ア及びイより明らかである。 (3) 特許法101条5号所定の要件充足性被告製品1は,本件特許発明2-1及び2-2の課題の解決に不可欠なものである。また,被告は,遅くとも,照会書(甲6の1)が到達した平成23年1月17日には,被告製品1が本件特許発明2-1及び2-2に係る方法の使用に用いられること及び本件特許発明2-1及び2-2が特許発明であることを知っていた。それにもかかわらず,被告は,被告製品1の製造,販売及び販売の申出を行ったのであるから,本件特許権2の間接侵害となる(特許法101条5号)。 (4) 被告の追加主張について被告は,被告方法2の使用とその本件特許発明2-1及び同2-2の充足性並びに間接侵害に係る要件の充足性について,当初,認める,あるいは概ね認めると主張していたにもかかわらず(被告準備書面(1)),平成24年8月31日付準備書面(8)により,「着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法」の充足性を争う旨を主張した。 これが時機に遅 たにもかかわらず(被告準備書面(1)),平成24年8月31日付準備書面(8)により,「着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法」の充足性を争う旨を主張した。 これが時機に遅れた攻撃防御方法の提出,あるいは自白の撤回にあたり許されないことは,争点1−1について述べたところと同じである。 また,仮にこれが許されるとしても,「着色漆喰塗膜の色飛びまたは色- 13 -飛びによる白色化を抑制する方法」の充足性は左右されない。 【被告の主張】(1) 「着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法」の充足性被告製品1の物質の組成は認め,それが本件特許権2の構成要件に記載された物質に相当することは認める。 しかし,被告は,被告製品1の製造において,それら物質を組成したものではあるが,本件特許発明2の「着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法」を使用したわけではなく,この文言を充足しない。被告製品1が含有する「ルチル型の酸化チタン」は,「光触媒機能」を得るために配合したのであり,「着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する」ためではない。 (2) 時機に遅れた攻撃防御方法ではないこと等被告が,平成24年8月31日付準備書面(8)により「着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法」の充足性を争ったことが,時機に後れた攻撃防御方法の提出にあたらず,自白の撤回にもあたらないことは,争点1−1について述べたところと同じである。 4 争点1-4(原告の損害)について【原告の主張】(1) 特許法102条2項適用の前提事情原告は,「塗楽」なる商品名の着色漆喰組成物をOEM生産しているが,これは本件特許発明1の実施であると共に,本件特許発明2の実施に用いられる 告の主張】(1) 特許法102条2項適用の前提事情原告は,「塗楽」なる商品名の着色漆喰組成物をOEM生産しているが,これは本件特許発明1の実施であると共に,本件特許発明2の実施に用いられるもので,その発明による課題の解決に不可欠のものである。 また,原告は,石灰を含有する白色漆喰組成物を関西ペイント株式会社(以下「関西ペイント」という。)に供給し,原告同意の下で,関西ペイントが着色顔料を添加する「アレスシックイ」なる製品もあるが,上記白- 14 -色漆喰組成物は,本件特許発明1及び本件特許発明2の実施に用いられるもので,その発明の課題に不可欠のものである。 このような事情からすれば,特許法102条2項適用の前提を欠くことはない。 (2) 原告の損害算定被告の本件特許権1(ただし,平成19年5月29日までは本件特許権1に係る独占的通常実施権。以下あわせて「本件特許権1等」という。)及び本件特許権2の侵害によって原告が被った損害額は,以下の合計7694万6864円である。 ア逸失利益損害 6740万6864円(ア) 本件特許権1等の侵害による損害額被告は,被告方法1を使用した被告製品1の製造販売により,平成19年2月9日から平成23年5月29日までの間,少なくとも●●●●●●●●●円を売り上げ,これによって5200万5296円の利益(粗利)を得たものであり,また,平成23年5月30日から平成24年7月31日までの間,少なくとも●●●●●●●●●円を売り上げ,これによって1540万1568円の利益(粗利)を得たものである。 そのため,被告の得た利益の合計6740万6864円が,本件特許権1等の侵害により原告の被った損害額と推定される(特許法102条2項。独占的通常実施権侵害による損害額の算 粗利)を得たものである。 そのため,被告の得た利益の合計6740万6864円が,本件特許権1等の侵害により原告の被った損害額と推定される(特許法102条2項。独占的通常実施権侵害による損害額の算定にも類推適用される。)。 なお,後者の期間について,被告の提出する資料に基づいて計算し直したとしても,被告の得た利益は6503万8736円であり,同額が本件特許権1等の侵害により原告の被った損害額と推定される。 (イ) 本件特許権2の間接侵害による損害額被告は,被告方法2の使用に用いられる被告製品1の製造販売により,平成23年1月17日から同年5月29日までの間,少なくとも●●●- 15 -●●●●●円を売り上げ,これによって492万4617円の利益(粗利)を得たものであり,また,平成23年5月30日から平成24年7月31日までの間,少なくとも●●●●●●●●●円を売り上げ,これによって1540万1568円の利益(粗利)を得たものである。 そのため,被告の得た利益の合計2429万8560円が,本件特許権2の侵害により原告の被った損害額と推定される(特許法102条2項)。 (ウ) 上記(ア)と(イ)の関係本件特許権1等の侵害と本件特許権2の侵害とが重複する期間については,いずれかの損害額の高い方を選択的に主張する。 イ弁護士費用 954万円被告による特許権侵害と相当因果関係のある弁護士費用は,少なくも954万円(うち154万円が平成23年5月30日から平成24年7月31日までの侵害に対応する弁護士費用)が相当である。なお,弁護士費用相当額の算定に際しては,損害賠償請求分だけでなく,差止請求分についても,斟酌されるべきである。 (3) 粗利額について被告は,決算時に計算した粗利額が正確であ が相当である。なお,弁護士費用相当額の算定に際しては,損害賠償請求分だけでなく,差止請求分についても,斟酌されるべきである。 (3) 粗利額について被告は,決算時に計算した粗利額が正確である旨主張するが,被告の主張する粗利額を裏付ける証拠は陳述書しかなく,決算時の計算内容なども全く不明である。 (4) 控除すべき費用に関する被告の主張への反論ア販売費及び一般管理費特許法102条2項所定の利益の算定については,売上高から侵害製品の製造,販売のために侵害者が追加的に要した費用のみを控除すべきであって,被告における販売費及び一般管理費は,控除すべき費用には当たらない。しかも,被告は被告製品1以外の製品も販売しており,全製品の売- 16 -上高に占める被告製品1の売上高の割合は極めて低く,被告製品1の製造販売により販売費及び一般管理費が増加したとは到底いえない。 また,被告は,製品サンプル製作費,カタログ等製作費,広告掲載費を控除すべき旨主張するが,製品サンプル製作費については,そのような支出があったこと自体認められず,カタログ等製作費及び広告掲載費もその具体的内容や配布数量,頻度等は不明である。そもそも,いずれの費用も,販売数量の増加に応じて増加するものではなく,特許法102条2項の利益算定に際し,控除できる費用ではない。被告製品1は店頭販売されず,サンプルやカタログによって営業を行っているなどの被告の主張を前提とすれば,広告掲載費の控除が不相当であることはより明らかである。 イ開発費用被告製品1の開発に当たって,被告の主張するような開発費が支出されたことを裏付ける客観的証拠は提出されていないことに加え,そもそも開発費は,製品の売上げに応じて増減する費用ではなく,特許法102条2項所定の利益を算定するに当たっ の主張するような開発費が支出されたことを裏付ける客観的証拠は提出されていないことに加え,そもそも開発費は,製品の売上げに応じて増減する費用ではなく,特許法102条2項所定の利益を算定するに当たって控除すべき費用ではない。 (5) 寄与度に関する被告の主張への反論ア本件特許発明1及び本件特許発明2の寄与本件特許発明1によれば,石灰,結合剤及び水を含有する漆喰組成物に配合した無機着色顔料の分散性を改善し,長期間にわたって着色を安定化することができるのに対し,これを利用しなければ,わずか1週間で色分かれしてしまい,著しく品質及び商品価値が低下する。また,本件特許発明2によれば,着色漆喰塗膜の色飛び及び色飛びによる白色化という漆喰固有の問題が解決でき,所望の色の着色漆喰塗膜を長期にわたって安定して形成することができるのに対し,これを利用しなければ,着色漆喰組成物で形成した着色漆喰塗膜の色が,塗布後乾燥によりまた経時的に著しく色飛び,白色化してしまい,所望の色の着色漆喰塗膜を形成することが困- 17 -難になる。そのため,被告製品1は,本件特許発明1及び本件特許発明2の上記効果を利用し,その商品価値を構成しているといえる。 一方,被告は,被告製品1が酸化チタン及び銀イオンを含有し,そこから得られる光触媒機能,抗菌機能といった特徴が被告製品1の販売を促進した旨主張するが,被告製品1と銀イオンを含有しない製品が,「消臭・抗菌内装仕上塗材」について同等品として取り扱われていること,消臭・抗菌機能は,そもそも漆喰が有する機能であり,銀イオンによるまでもないことなどからすれば,被告の主張は失当である。 したがって,本件特許発明1及び本件特許発明2が被告製品1の売上に寄与した割合は100%である。 イ被告は,被告製品1の販売は,設計事務 までもないことなどからすれば,被告の主張は失当である。 したがって,本件特許発明1及び本件特許発明2が被告製品1の売上に寄与した割合は100%である。 イ被告は,被告製品1の販売は,設計事務所との信頼関係,被告のブランド力によるものである旨主張するが,設計事務所は,独占禁止法に違反しないよう,特定の製品に限定することなく,同等品を許容して指定するのであるから,被告の主張は前提に誤りがある。 ウ被告製品1について,石灰を含まない配合に変更したことによって売上の減少がないとしても,少なくとも顧客からすれば,商品名が変わっただけで,成分などの組成は変わっていない外観を呈しており,その旨誤信して購入している蓋然性が高い。 【被告の主張】(1) 特許法102条2項適用の可否原告が,本件特許発明1を実施し,被告製品1の競合製品を販売しているか明らかでなく,特許法102条2項を適用する前提を欠いている。 (2) 被告製品1の販売による利益の額平成19年2月9日から平成24年7月31日までの間における被告製品1の売上額,粗利,さらに販売費及び一般管理費並びに開発費を控除した利益額は,別紙粗利額計算表,販売費及び一般管理費計算表並びに利益- 18 -額計算表記載のとおりである。 そのため,被告は被告製品1の製造販売によって利益を得ておらず,原告による損害額の算定は前提に誤りがある。 (3) 粗利額について原告は,被告の提出した「商品別売上統計表」に基づいて被告製品1の粗利を計算しているが,同表での製造原価は前年度の実績に基づいて計算されており,正確ではない。別紙粗利額計算表記載の金額,すなわち,当該年度の情報に基づいて再計算をした決算時の金額によるべきである。 (4) 控除すべき費用についてア販売費及び一般管理費 算されており,正確ではない。別紙粗利額計算表記載の金額,すなわち,当該年度の情報に基づいて再計算をした決算時の金額によるべきである。 (4) 控除すべき費用についてア販売費及び一般管理費被告製品1の販売には,設計事務所との信頼関係が維持されていることが必要不可欠である上,販売戦略を練るための会議や営業担当の従業員を積極的に投入する必要があるほか,施工現場でのアフターフォローも行ってきた。そのため,被告の得た利益の算定に当たっては,製造原価だけでなく,販売費及び一般管理費を全て控除すべきである。 特に,平成19年から平成24年7月までの期間に係る被告製品1のサンプル製作費●●●●●●●●円,カタログ等製作費●●●●●●●●円及び広告掲載費●●●●●●●●円は,被告製品1の販売に直接要した費用であり,控除すべきことが明らかである。 イ開発費開発費●●●●●●●●●円(平成19年2月よりも前に支出されたものであるから,上記販売費及び一般管理費とは重複しない。)は,被告製品1に様々な特徴を持たせ,色合いを工夫するために支出した費用である。このような支出なくしては被告製品1の製造販売は実現し得なかったのであるから,開発費も本件製品1の利益額算定において考慮されるべきである。 - 19 -(5) 寄与度について以下の事情によれば,本件特許発明1及び本件特許発明2は,被告製品1の売上げに寄与するものではなく,特許法102条2項の推定は働かない。 ア被告製品1は,酸化チタン及び銀イオンを含有し,そこから得られる光触媒機能,抗菌機能を特徴としており,当該特徴により被告製品1の販売を促進していたものである。これに対し,本件特許発明1及び本件特許発明2の着色安定化作用などが被告製品1の売上げに与えた影響はない。 イ被 菌機能を特徴としており,当該特徴により被告製品1の販売を促進していたものである。これに対し,本件特許発明1及び本件特許発明2の着色安定化作用などが被告製品1の売上げに与えた影響はない。 イ被告製品1の販売は,施工業者に製品を指定する設計事務所と被告との信頼関係,被告の信用に基づくものであり,だからこそ被告は,被告製品1のような利益率の高い製品を販売することができたのである。 一方,原告には,被告のような販路はないのであるから,被告製品1と同様の利益率を有する製品を,被告と同様に販売することは困難である。 ウ被告は,被告製品1について,石灰を含有しない製品へと設計変更をしたが,着色安定化作用に影響を与えることはなく,むしろ,石灰を含む場合よりも製品として安定することとなった。そして,設計変更後も売上げの減少は見られない。 5 争点2-1(不正競争行為(不正競争防止法2条1項13号)該当性)について【原告の主張】被告製品1は,元々石灰を含有するものであったが,被告によると,石灰を含有しない被告製品1も製造販売されたことがある。また,被告製品2は,石灰を含有しない内装左官仕上材である。 一般に漆喰とは,石灰を含有する塗壁材を意味するものであり,内装左官- 20 -仕上材の需要者にもそのように受け止められる。そのため,石灰を含有しない被告製品1やその広告等に「しっくい」の文字を含む被告表示1を付したり,被告表示1の付された被告製品1を販売すること,被告製品2やその広告等に「しっくい」の文字を含む被告表示2を付したり,被告表示2の付された被告製品2を販売することは,品質等誤認惹起行為(不正競争防止法2条1項13号)に該当する。 被告は,被告製品1及び被告製品2も漆喰の機能を持ち合わせているため,漆喰の範ちゅうに属す の付された被告製品2を販売することは,品質等誤認惹起行為(不正競争防止法2条1項13号)に該当する。 被告は,被告製品1及び被告製品2も漆喰の機能を持ち合わせているため,漆喰の範ちゅうに属すると主張するが,漆喰に関する学術的な文献や市場の実情に反している。また,被告製品2は,漆喰が備える抗菌性及びカビ抵抗性といった機能を備えていないため,その意味でも被告表示2を付すことは許されない。 また,被告は,被告製品1及び被告製品2の購入者である設計事務所に対し,その内容等を説明しているため,石灰の有無について誤解を与えることはない旨主張する。しかし,被告の取引先が設計事務所だけであるという前提が信用できない上,そのような説明がされていることを裏付ける客観的証拠はない。むしろ,被告製品1及び被告製品2には,石灰を含有しないなどの記載はない上,現に石灰を含有する製品として扱われている例さえ存在しており,被告の主張は,不正競争行為を否定する根拠とはならない。 【被告の主張】漆喰という言葉には定まった定義,用法がなく,市場においても,旧来の漆喰のみならず,塗料塗材としての漆喰塗料,漆喰の機能を持ち合わせている漆喰関連製品も,漆喰と表示して流通しているのが一般的である。そのため,被告製品1及び被告製品2のように漆喰壁を思わせるような,漆喰調の色合いと質感となる製品は,たとえ石灰を含有していなくても「漆喰」の範ちゅうに含まれるのであり,被告表示1及び被告表示2が需要者を誤認させるものと評価すべきではない。 - 21 -また,被告製品1及び被告製品2の販売の実態からしても,需要者に誤認を生じさせるおそれはない。すなわち,被告製品1及び被告製品2は,一般の小売店で不特定多数の者に販売される製品ではなく,設計事務所の指定に従って,施工業者が 品2の販売の実態からしても,需要者に誤認を生じさせるおそれはない。すなわち,被告製品1及び被告製品2は,一般の小売店で不特定多数の者に販売される製品ではなく,設計事務所の指定に従って,施工業者が購入するものである。そのため,需要者として想定すべきは設計事務所であるが,被告は,新規取引先の獲得に当たり,製品の特徴や内容について説明しており,石灰の有無について誤解を与えることはない。 一方,ウェブサイトやパンフレットを見て購入を希望する者も存在するが,この場合も被告において,被告製品の特徴や内容を説明しており,やはり石灰含有の有無について誤解を与えることはないのである。 なお,被告製品1のうち石灰を4%含有するものは平成20年ころから販売を始めたが,石灰を含有しないものは,平成22年9月に,ある顧客からの注文に応じて試験的に製造販売したのみであり,その後は石灰を含有しない被告製品1の注文を受けたことはない。 6 争点2-2(原告は不正競争によって営業上の利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者か)について【原告の主張】原告は,「塗楽」なる商品名の着色漆喰組成物をOEM生産しているほか,石灰を含有する白色漆喰組成物を関西ペイントに供給し,原告同意の下で,関西ペイントが着色顔料を添加する「アレスシックイ」なる製品もある。 そのため,原告は,競業製品である被告製品1及び被告製品2に係る前記不正競争行為によって,営業上の利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者(不正競争防止法3条1項)に当たる。 【被告の主張】原告は,具体的にいかなる製品を製造しているか明らかでなく,被告製品1及び被告製品2によりいかなる利益が害されたのかも明らかではないから,被告の行為によって,営業上の利益を侵害され又は侵害されるおそれがある- 22 - 製品を製造しているか明らかでなく,被告製品1及び被告製品2によりいかなる利益が害されたのかも明らかではないから,被告の行為によって,営業上の利益を侵害され又は侵害されるおそれがある- 22 -者には当たらない。 第4 当裁判所の判断 1 争点1-1(本件特許発明1の技術的範囲への属否)について(1) 充足性に関する争点被告が製造していた被告製品1が,別紙被告製品目録の構成欄記載の構成を備えていること,すなわち,「白色顔料として酸化チタン,着色顔料として酸化金属またはカーボンブラック,石灰,アクリル樹脂エマルション,メチルセルロース及び水を含有する着色漆喰組成物」であること,そのため,「石灰を含有する白色成分,着色顔料である酸化金属またはカーボンブラック,アクリル樹脂エマルション及び水を含有する着色漆喰組成物」たる被告製品1の製造において,「当該着色漆喰組成物がメチルセルロースを含有し,上記白色成分として石灰と酸化チタンを組み合わせて用いる方法」を使用していたことは争いがない。 そして,被告製品1の「酸化チタン」,「酸化金属またはカーボンブラック」,「石灰」,「アクリル樹脂エマルション」,「メチルセルロース」及び「水」が,それぞれ本件特許発明1の「無機の白色顔料」,「無機の着色顔料」,「石灰」,「結合剤」,「水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物」及び「水」に相当することも争いがないため,被告は,「石灰を含有する白色成分,無機の着色顔料,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物」(構成要件A1)である被告製品1の製造において,「当該着色漆喰組成物が水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物を含有し,」(構成要件B1)「上記白色成分として石灰と無機の白色顔料を組み合わせて用い」(構成要件C1)ていたといえる。 な 「当該着色漆喰組成物が水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物を含有し,」(構成要件B1)「上記白色成分として石灰と無機の白色顔料を組み合わせて用い」(構成要件C1)ていたといえる。 なお,被告は,平成23年9月8日の第1回弁論準備手続期日において,「着色漆喰組成物の着色安定化方法」(構成要件A1)を含め,本件特許発明1の各構成要件の充足性を概ね認めると主張したが,平成24年2月- 23 -9日の第4回弁論準備手続期日において,次回期日から損害論の審理に入るとされた後,同年8月31日付準備書面(8)において,被告は「着色漆喰組成物の着色安定化方法」(構成要件A1)を使用していないとして,同構成要件の充足性を争う旨の主張を提出した。被告は,被告製品1の含有成分及びこれが本件特許発明1の構成要件中に示された成分に該当することの認否については変更しないまま,着色安定化方法の使用という,本件特許発明1の構成要件の一部をなす評価的概念のみを争っているのであり,自白の撤回と評価すべきものではない。また,前記主張は,訴訟の進行状況に応じ適切な時期(民事訴訟法156条)に提出されたものとはいえないが,これにより訴訟の完結を遅延させることになるとまでは認められないため,時機に後れた攻撃防御方法(民事訴訟法157条)として却下することまではしないものとする。 よって,本件特許発明1の属否論に関しては,被告の前記主張が唯一の争点となる。 (2) 「着色漆喰組成物の着色安定化方法」(構成要件A1)の解釈本件特許発明1の構成要件A1には,「着色漆喰組成物の着色安定化方法」との記載はあるものの,その手順等が経時的に記載されているわけではない。 しかし,「着色安定化方法」との文言の後には,「であって,」と繋がれた上で,「当該着色漆喰組成 喰組成物の着色安定化方法」との記載はあるものの,その手順等が経時的に記載されているわけではない。 しかし,「着色安定化方法」との文言の後には,「であって,」と繋がれた上で,「当該着色漆喰組成物が水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物を含有し,」(構成要件B1)「上記白色成分として石灰と無機の白色顔料を組み合わせて用いる」(構成要件C1)「ことを特徴とする方法。」(構成要件D1)と説明されており,これら記載の全体に照らせば,本件特許発明1の「着色漆喰組成物の着色安定化方法」とは,当該着色漆喰組成物に構成要件B1記載の物質を含有させ,かつ,その「白色成分」を構成要件C1で特定されている物質の組み合わせとする方法を意- 24 -味すると解するのが自然である。 しかも,本件明細書1において,本件特許発明1が解決しようとする課題の項に,従来の漆喰の現場調合の問題または漆喰の着色の問題を解決することを目的とし,具体的には,予め水や着色剤を配合して調整した漆喰塗材又は漆喰塗料を安定して供給するための方法を提供する旨記載されていることからしても,構成要件A1の内容である「石灰を含有する白色成分,無機の着色顔料,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物」について,「当該着色漆喰組成物が水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物を含有し」(構成要件B1),「上記白色成分として石灰と無機の白色顔料を組み合わせ」(構成要件C1)るよう調整,調合する方法が,「着色漆喰組成物の着色安定化方法」として示されていると解される。 したがって,構成要件A1を充足する着色漆喰組成物について,構成要件B1記載の物質を含有させ,かつ,構成要件A1中の「白色成分」を構成要件C1で特定されている物質の組み合わせとすることが,本件特許発明1の「着色漆喰組成物の着色 する着色漆喰組成物について,構成要件B1記載の物質を含有させ,かつ,構成要件A1中の「白色成分」を構成要件C1で特定されている物質の組み合わせとすることが,本件特許発明1の「着色漆喰組成物の着色安定化方法」に当たることになる。 (3) 「着色漆喰組成物の着色安定化方法」(構成要件A1)の充足性前記(1)記載のとおり,被告は,「石灰を含有する白色成分,無機の着色顔料,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物」(構成要件A1)である被告製品1の製造において,「当該着色漆喰組成物が水酸基を有するノニオン系の親水性高分子化合物を含有し,」(構成要件B1)上記白色成分として石灰と無機の白色顔料を組み合わせて用い」(構成要件C1)ていたのであり,まさに構成要件B1及び構成要件C1で特定されている「着色漆喰組成物の着色安定化方法」(構成要件A1)を使用していたものといえる。 被告は,被告製品1で酸化チタンを配合するのは,光触媒機能を得るためであって着色を安定させるためではないとして,前記構成要件A1の非- 25 -充足を主張するが,着色漆喰組成物の着色安定化方法について上述のように解する以上,着色漆喰組成物の組成が上記各構成要件を客観的に充足するよう調整,調合すれば,着色安定化方法を使用したというべきであり,酸化チタンを配合する目的が光触媒機能を得ることにあったとしても,この結論を左右するものではない。 (4) 小括以上より,被告が被告製品1の製造において,本件特許発明1の構成要件AからCまでを充足する方法を使用していたといえ,そのため当該方法が,構成要件Dを充足することも明らかである。 したがって,被告が被告製品1の製造において使用していた方法は,本件特許発明1の各構成要件を充足し,その技術的範囲に属するものといえる(原告が 方法が,構成要件Dを充足することも明らかである。 したがって,被告が被告製品1の製造において使用していた方法は,本件特許発明1の各構成要件を充足し,その技術的範囲に属するものといえる(原告が,被告の使用した方法を被告方法1,すなわち,別紙被告方法目録1記載のとおりに特定したことも相当である。)。 2 争点1-2(本件特許権1に基づく被告製品1の製造販売等差止め及び廃棄請求の可否)について原告は,本件特許発明1は物を生産する方法の発明であり,被告製品1はその方法によって生産した物に当たるとして,その方法により物を生産することの差止めに加え,被告製品1の販売等の差止め及びその廃棄を請求している(請求の趣旨1の(1) 及び(2) )。 原告の主張は,本件特許発明1が,着色安定化された着色漆喰組成物を生産する方法であることを前提とするものであるが,特許法は,単純な方法の発明と物を生産する方法の発明とで権利を行使し得る範囲に差を設けており(同法2条3項,100条2項),そのいずれであるかの区別は明確でなければならない。 本件特許発明1は,その特許請求の範囲の記載において,「着色漆喰組成物を生産する特定の方法」など,物を生産する方法であることを示す表現に- 26 -はなっていない。また,本件明細書1の記載を参照しても,着色安定化方法によって,色飛び,色むらのない着色漆喰塗膜を形成することができるとされており,これによると,本件特許発明1の方法により生産した物とは,最終的に形成された漆喰塗膜であると解する余地があるのであり,着色漆喰組成物を生産する方法の発明であることが明確に示されているとはいえない。 以上によれば,本件特許発明1については,物を生産する方法の発明ではなく,単純方法の発明と解するのが相当であるから,本件特許権 成物を生産する方法の発明であることが明確に示されているとはいえない。 以上によれば,本件特許発明1については,物を生産する方法の発明ではなく,単純方法の発明と解するのが相当であるから,本件特許権1の侵害を理由に,被告製品1の製造販売等を差し止めたり,その廃棄を求めたりすることはできず,予備的請求である,被告方法1の使用の差止めを求めることができるにとどまる。 なお,被告は,平成24年8月1日以降,被告製品1を製造販売しておらず,被告方法1も使用していない旨を主張している。しかしながら,被告が現在販売している製品の成分,構成が客観的に立証されているわけではなく(乙40〜42参照),その変更は容易であると考えられること,現に被告は,被告製品1につき,「しっくいペイントAg+」の名称を維持したまま,石灰を含有しない構成へと変更する方針を示し,試験的とはいえ,実際に製造,販売したこともあること,被告は当初,被告製品1の成分が本件特許発明1を構成する成分を充足すること自体を争っていたが(甲7,9,11参照),本件訴訟係属後にこれを認めた等の経緯を総合すると,なお被告が被告方法1を使用するおそれはあるというべきであり,差止めの必要性が認められる。 3 争点1-3(本件特許権2の間接侵害(特許法101条5号))について原告は,被告製品1の製造販売等が,方法の発明に係る本件特許権2の間接侵害(特許法105条5号)に当たる旨主張するので,以下検討する。 (1) 「その方法に用いる物」及び「その発明による課題の解決に不可欠なもの」- 27 -本件特許発明2-1は,「石灰,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物」を前提に,これ「によって形成される着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する」という作用効果を有する方法(構成要件 本件特許発明2-1は,「石灰,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物」を前提に,これ「によって形成される着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する」という作用効果を有する方法(構成要件A)を示すものであるが,その方法そのものは,「上記漆喰組成物の着色に白色顔料と着色顔料として酸化金属またはカーボンブラックを組み合わせて用いる」(構成要件B2)と特定されている。このような文言からすれば,「石灰,結合剤及び水を含有する着色漆喰組成物」で,その「漆喰組成物の着色に白色顔料と着色顔料として酸化金属またはカーボンブラックを組み合わせて」いる物は,上記作用効果を有する方法発明である本件特許発明2-1との関係において,「その方法の使用に用いる物」であると共に「その発明による課題の解決に不可欠なもの」(特許法101条5号)であり,また,その「白色顔料」が「酸化チタン」(構成要件C2)であれば,本件特許発明2-2との関係においてもこれらに該当することになる。 そして,被告製品1は,「白色顔料として酸化チタン,着色顔料として酸化金属又はカーボンブラック,石灰,アクリル樹脂エマルション,メチルセルロース及び水を含有する着色漆喰組成物」であること,被告製品1が含有する「白色顔料として酸化チタン」,「着色顔料として酸化金属またはカーボンブラック」,「石灰」,「アクリル樹脂エマルション」及び「水」が,それぞれ本件特許発明2-1及び同2-2の「白色顔料(酸化チタン)」,「着色顔料として酸化金属またはカーボンブラック」,「石灰」,「結合剤」及び「水」に相当することは,当事者間に争いがない。 よって,被告製品1は,本件特許発明2-1及び同2-2のいずれの関係においても,「その方法の使用に用いる物」及び「その発明による課題の解決に不可欠なもの」に該 することは,当事者間に争いがない。 よって,被告製品1は,本件特許発明2-1及び同2-2のいずれの関係においても,「その方法の使用に用いる物」及び「その発明による課題の解決に不可欠なもの」に該当する。 なお,被告は,被告製品1に酸化チタンを配合するのは,光触媒機能を- 28 -利用するためであり,「着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法」(構成要件A2)は使用していない旨主張するが,原告は,被告が本件特許発明2の方法を使用したと主張しているのではなく,同方法に使用する被告製品1の製造販売等が本件特許権2の間接侵害を構成すると主張しているのであり,被告の上記主張は失当である。 (2) 「その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら」被告は,平成23年1月17日,原告から,本件特許発明2が特許発明であること,被告製品1が本件特許発明2の実施に用いられるものであることを記載した照会書と題する書面を受領した(甲6の1・2)のであるから,同日以降の被告製品1の製造販売等については,「その発明が特許発明であること及びその物がその発明の実施に用いられることを知りながら」(特許法101条5号)のものであったといえる。 (3) 小括以上より,平成23年1月17日以降の被告による被告製品1の製造販売等は,本件特許発明2-1及び同2-2との関係において,特許法101条5号の規定する各要件を充足するものであり,本件特許権2の間接侵害を構成するものといえる。 (4) 差止め等の要否及び範囲被告は,平成24年8月1日以降,被告製品1の製造販売を行っていないと主張するが,本件訴訟係属以前からの経緯等に照らし,被告が被告製品1又はこれと同一構成の製品を製造販売等するおそれのあるこ 囲被告は,平成24年8月1日以降,被告製品1の製造販売を行っていないと主張するが,本件訴訟係属以前からの経緯等に照らし,被告が被告製品1又はこれと同一構成の製品を製造販売等するおそれのあることは,前記2で述べたのと同様であり,被告製品1又はこれと同一構成の製品の在庫が残存している可能性も否定できないから,別紙被告製品目録1の構成欄記載の構成を具備する製品の製造販売等の差止め及び廃棄の必要性が認められる。 - 29 - 4 争点1-4(原告の損害)について(1) 本件特許権1の侵害による損害についてア特許法102条2項を適用するための前提事情の有無証拠(甲29,30,42~47,59)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,損害額算定対象期間の始期である平成19年2月9日以前から他社ブランドの着色漆喰組成物の製造において,本件特許発明1の発明を実施してその着色安定化を行っており,その過程を経た着色漆喰組成物を販売していることが認められるが,かかる着色漆喰組成物が,製造工程において本件特許権1の侵害があった被告製品1と市場において競業していたことは明らかである。 なお,原告は,平成19年5月29日までは独占的通常実施権者の地位にあり,この権利を侵害されたことによる不法行為を主張するものであるが,独占的通常実施権侵害による損害額を算定するに当たっても,特許法102条2項が類推適用されるものと解される。 したがって,原告は,被告の本件特許権1等の侵害により損害を被っており,かつ,特許法102条2項を適用(独占的通常実施権侵害の期間においては類推適用。以下,同旨の記載は省略する。)して損害額を算定することができると解される。 イ被告製品1の販売利益を本件特許権1等の侵害による「利益」といえるか原告は,特許法10 間においては類推適用。以下,同旨の記載は省略する。)して損害額を算定することができると解される。 イ被告製品1の販売利益を本件特許権1等の侵害による「利益」といえるか原告は,特許法102条2項の適用に当たり,被告が被告製品1の販売によって得た利益を,本件特許権1等の侵害により被告の得た利益(特許法102条2項)として主張している。ところが,本件特許発明1は,前記2で論じたとおり,物を生産する方法の発明ではなく,単純方法の発明であるため,被告製品1が当該方法を使用した着色漆喰組成物であっても,その販売は本件特許発明1の実施ではなく,本件特許権1等の侵害を構成- 30 -するものではない。そのため,被告が被告製品1の販売によって得た利益を,本件特許権1等の侵害により得た利益といえるかが問題となる。 しかし,本件特許発明1は,着色漆喰組成物の着色を安定化させるという作用効果を有するものである。すなわち,本件明細書1にも記載されているとおり,従来の着色漆喰組成物には,「着色剤は石灰中に均一に分散しにくく,また混合しても色分かれが生じやすく,それが着色漆喰塗膜の色むらの原因となる・・・。さらに石灰はアルカリ性の高い物質であるため,その存在下では着色剤の安定性が悪く容易に色褪せや色飛びしてしまうこと,その結果,塗膜の色むらが助長される」(段落【0004】)との課題があったが,本件特許発明1を使用することにより,「漆喰組成物を均一に着色することができ,しかも不均一な色飛びを抑制して色むらを生じない着色塗膜が形成できる」(段落【0008】)というのであり,その作用効果は実験によっても裏付けられている(甲17~19)。塗壁材としての用途を有する着色漆喰組成物にとって,その着色を均一かつ安定的にし,当該漆喰組成物の使用時に形成される着 というのであり,その作用効果は実験によっても裏付けられている(甲17~19)。塗壁材としての用途を有する着色漆喰組成物にとって,その着色を均一かつ安定的にし,当該漆喰組成物の使用時に形成される着色漆喰塗膜の色むらを防止できるということは,塗壁材としての有用性を高めるもので,その商品価値に直結する作用効果といえる。 本件特許発明1の有するこのような作用効果を考えれば,被告が本件特許発明1を実施したことによる経済的価値は,これによって均一かつ安定的な着色を実現した被告製品1の販売利益として現れているといえ,そのため,本件においては,被告製品1の販売による利益をもって,本件特許権1等の侵害により被告の得た利益ということができると解される。 ウ侵害行為により被告が得た利益そして,本件において,「利益」(特許法102条2項)として,被告製品1の販売によって得た利益を算定するには,被告製品1の売上高から,その製造に要した費用である製造原価を控除(製造原価を控除することに- 31 -ついては原告も争うところではない。ただし,製造原価の額に争いがある。)の上,販売費及び一般管理費については,変動費のみを控除するのが相当と解される。 (ア) 被告製品1の売上高から製造原価を控除した額被告提出の商品別売上統計表と題する証拠(乙17~20,45,46)によれば,被告は,本件特許1の設定登録後である平成19年2月9日から被告製品の製造販売を中止した平成24年7月31日までの間,被告製品1の販売により,●●●●●●●●●円を売り上げ,●●●●●●●●●円のいわゆる粗利(売上高から製造原価を控除した額。別紙販売費及び一般管理費計算表の「被告製品1粗利額(修正前)(B)」の合計額欄に記載の金額である。)を得たことが認められる。 この点,被告 ●●●円のいわゆる粗利(売上高から製造原価を控除した額。別紙販売費及び一般管理費計算表の「被告製品1粗利額(修正前)(B)」の合計額欄に記載の金額である。)を得たことが認められる。 この点,被告は,商品別売上統計表には,前年度の実績に基づいて計算した製造原価を控除した粗利が記載されており,正確には決算時に再計算をした別紙粗利額計算表記載の金額によるべきである旨主張する。 しかし,一般論として,速報性が要求される管理会計上の利益値が,決算時に算定される利益値と異なり得ることは確かだが,別紙粗利額計算表記載の金額は,客観的証拠による裏付けが全くなく,これを正確な粗利額として採用することはできない。 (イ) 他に控除すべき費用被告は,「利益」(特許法102条2項)の算定に当たり,販売費及び一般管理費も全て一律に控除すべきである旨主張するが,前記のとおり,販売費及び一般管理費については,変動費のみを控除するのが相当であり,到底採用できない主張である。また,被告は,被告製品1の開発に要した費用(平成19年2月よりも前に支出された)●●●●●●●●●円も控除すべきである旨主張するが,同様の理由により控除は相当でなく,この主張も採用できない。 - 32 -被告は,販売費及び一般管理費を一律に控除することができないにしても,被告製品1のサンプル製作費●●●●●●●●円,カタログ等製作費●●●●●●●●円及び広告掲載費●●●●●●●●円は控除すべきである旨主張するが,このうちサンプル製作費については,かかる支出がされたことを認めるに足りる証拠がない。一方,証拠(乙55,57,65,66,69,70,77,78)によれば,被告製品1のカタログ等製作費として●●●●●●●●円を,また,証拠(乙55~65,67,68,70~75)によれば,被 い。一方,証拠(乙55,57,65,66,69,70,77,78)によれば,被告製品1のカタログ等製作費として●●●●●●●●円を,また,証拠(乙55~65,67,68,70~75)によれば,被告製品1の広告掲載費として●●●●●●●●円をそれぞれ被告が支出したことが認められる。このようなカタログや広告などによる広告宣伝活動は,被告製品1の周知度を向上させると共に,被告製品1のように外観からその特徴などを理解することができない製品にとっては,顧客,特に新規の顧客に対して製品の特徴や有用性を伝える手段としても,重要な役割を果たすものといえる。そのため,それら費用の合計●●●●●●●●円は,被告製品1の売上高との関係において,変動費に当たるといえる。 (ウ) 小括以上より,本件特許権1等の侵害により被告の得た利益は,5697万0427円(=●●●●●●●●●円-●●●●●●●●円)である。 エ寄与度特許法102条2項により,特許権(あるいは独占的通常実施権)を侵害した者がその侵害行為により利益を受けているときは,その利益の額が損害額と推定されるが,特許発明の実施が当該利益に寄与した度合によっては,上記損害額の推定の一部が覆滅されるものと解される。 この点,前記イでも論じたとおり,本件特許発明1は,着色漆喰組成物の着色を均一かつ安定的にし,当該漆喰組成物の使用時に形成される着色漆喰塗膜の色むらを防止するという作用効果を有する。これは,塗壁材と- 33 -しての用途を有する着色漆喰組成物にとって,その有用性を高め,商品価値に直結するものであり,被告製品1の販売による利益に寄与していることは確かである。 しかし,本件特許発明1は,物の発明でも,物を生産する発明の方法でもなく,単純方法の発明であるから,物の販売による利益への るものであり,被告製品1の販売による利益に寄与していることは確かである。 しかし,本件特許発明1は,物の発明でも,物を生産する発明の方法でもなく,単純方法の発明であるから,物の販売による利益への寄与度については,低く評価せざるを得ない。 また,被告製品1を紹介するウェブサイト(甲25)及びカタログ(甲26)は,本件特許発明1で特定されている含有成分やそれに伴う着色の均一性や安定性,製品使用時に形成される着色漆喰塗膜の色むら防止といった作用効果を,被告製品1の特徴として挙げていなかった。むしろ,それらウェブサイトやカタログは,被告製品1につき,漆喰が有する調湿機能などを基本としつつ,酸化チタンを配合することによる防臭機能や,銀イオンを含有することによる抗菌機能などを特徴として強調しており,この点が現に一定の需要を喚起したこともうかがわれる(乙50~52)。 以上の事情に加え,競業他者の存在(甲33,乙12,13)も考慮し,60%の範囲で,特許法102条2項の推定が覆滅されると認めるのが相当である。 なお,被告は,被告製品1の販売による利益には,被告の信用や顧客との信頼関係の寄与が大きい旨主張するが,前記ウ記載のカタログ等の製作や広告掲載のほか,被告において,その信用を高めるためにいかなる活動を行ったのか具体的かつ客観的に裏付ける証拠はない。被告の営業活動については,既に広告宣伝に要する費用として粗利の1割を超す額を利益から控除しているのであり,寄与度としてさらに考慮すべき事情を認めることはできない。 また,被告は,平成24年8月に被告製品1の製造を中止し,石灰を含有しない製品へと設計変更した後,着色安定化作用はむしろ高まり,設計- 34 -変更前と比べて売上げの減少も見られない(乙53,54,79~87)とも主張するが,着 製品1の製造を中止し,石灰を含有しない製品へと設計変更した後,着色安定化作用はむしろ高まり,設計- 34 -変更前と比べて売上げの減少も見られない(乙53,54,79~87)とも主張するが,着色安定化作用の有無及び違いの程度を裏付けるに足りる証拠はない上,設計変更後の売上げがどのようにして維持されたかの具体的経過も明らかでなく,本件特許発明1の寄与度が低いことを示す事情とはいえない。 したがって,特許法102条2項により,本件特許権1等の侵害によって原告が被った損害額(逸失利益)は,2278万8170円(=5697万0427円×(1-0.6),1円未満切捨て)と算定される。 (2) 本件特許権2の侵害による損害について原告は,本件特許2が設定登録された平成19年6月29日以降,被告製品1の製造販売が中止された平成24年7月31日までの期間,つまり,本件特許権1の侵害と本件特許権2の侵害とが重複する期間については,特許法102条2項のもと,いずれか高く算定される方法により損害額を認定すべきである旨主張する。 ところで,本件特許発明2-1及び同2-2は,着色漆喰組成物によって形成される着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制するとの作用効果を有する。すなわち,本件明細書2にも記載されているとおり,従来の着色漆喰物には,「一般に着色剤は石灰中で均一に分散されにくいため石灰に配合した場合に色分かれを生じやすく,これが着色漆喰塗膜の色むらの原因となる」(段落【0004】)との課題があったが,着色漆喰組成物の含有成分を本件特許発明2-1及び同2-2で特定されるとおりとすることにより,「漆喰組成物を均一かつ安定に着色することができ」,「・・・当該着色方法によると,塗膜を形成した場合でも色飛びや色むらが有意に抑制され」(段 明2-1及び同2-2で特定されるとおりとすることにより,「漆喰組成物を均一かつ安定に着色することができ」,「・・・当該着色方法によると,塗膜を形成した場合でも色飛びや色むらが有意に抑制され」(段落【0010】)るというものである。 つまり,本件特許権2の間接侵害により被告製品1が備える作用効果と商品価値,それに伴って被告が得た経済的利益は,本件特許権1の侵害に- 35 -よるものと実質において異なるところはない。また,本件特許発明2-1及び同2-2は,単純方法の発明であり,しかも被告製品1の製造販売はその特許権を直接侵害するものではなく,間接侵害するにとどまるため,物の発明に係る特許権や物を生産する方法の発明に係る特許権を直接侵害する場合と比べ,販売による利益への寄与度を低く評価せざるを得ない点も,本件特許権1と同様である。 そのため,本件特許権2の侵害による損害額は,既に本件特許権1の侵害による損害額の算定において評価し尽くされているというべきであり,別途の計算をするまでもなく,本件特許権1等及び本件特許権2の侵害による損害額(逸失利益)は,前記(1)で算定された2278万8170円である。 (3) 弁護士費用前記(1)及び(2)で認定した損害額,差止請求についても認容すべきこと,本件訴訟の難易度など諸般の事情を考慮し,原告の負担する弁護士費用は,400万円の範囲で本件特許権1等及び本件特許権2の侵害と相当因果関係のある損害と認められる。 (4) 損害額の合計以上より,本件特許権1等及び本件特許権2の侵害によって原告が被った損害額の合計は2678万8170円である。 なお,原告は,平成23年5月29日までに発生した損害については同日から,同月30日から平成24年7月31日までに生じた損害については同日か が被った損害額の合計は2678万8170円である。 なお,原告は,平成23年5月29日までに発生した損害については同日から,同月30日から平成24年7月31日までに生じた損害については同日からの遅延損害金を請求しているが,各期間の損害は,上記合計損害額を各期間の被告製品1の粗利によって案分することで算定するのが相当である。 被告製品1の粗利は,平成19年2月9日から平成23年5月29日までが5200万5296円(乙17~21),同月30日から平成24年- 36 -7月31日までが1303万3440円(乙21,45,46)であるところ,これら金額で2678万8170円を案分すると,平成23年5月29日までに発生した損害は2141万9954円(1円未満四捨五入),同月30日から平成24年7月31日までに発生した損害は536万8216円(1円未満四捨五入)と算定される。 5 争点2-1(不正競争行為(不正競争防止法2条1項13号)該当性)について被告が製造販売していた被告製品2は,商品名を「しっくいHR」(被告表示2)とするものであるが,石灰を含有していなかった。また,被告は,被告製品1と同じ「しっくいペイントAg+」(被告表示1)の商品名で,石灰を含有しない内装左官仕上材(被告製品1’)を製造販売したことがある。このように石灰を含有しない製品について,「しっくい」の文字を含む商品名である被告表示1又は被告表示2を付することが,不正競争防止法2条1項13号の定める不正競争行為(品質等誤認惹起行為)に当たるかを,以下検討する。 (1) 漆喰の意味掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,「漆喰」の用語について,以下の事実が認められる。 漆喰について,法令上の定義はないが,日本漆喰協会では,漆喰を消石灰あるいはドロマイトプ (1) 漆喰の意味掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,「漆喰」の用語について,以下の事実が認められる。 漆喰について,法令上の定義はないが,日本漆喰協会では,漆喰を消石灰あるいはドロマイトプラスターを主たる固化剤とする塗壁材料(屋根漆喰も含む)で,全重量比で消石灰及びドロマイトプラスターの重量が30%以上のものと定義している(乙10)。日本漆喰協会会長が用語監修をした書籍も,漆喰とは消石灰を原料とする塗壁材であり,「漆喰」という言葉が「石灰」という言葉の唐音に当て字されたものと言われている旨説明するほか,石灰石にマグネシウムなどが化合したドロマイトを原料とする左官材をドロマイト漆喰と呼ぶ旨説明しており(甲33),他の建築関- 37 -連の文献やウェブサイトにも同旨の記載がある(甲34,56,57,乙3)。 また,「広辞苑(第4版)」(岩波書店)において,「(「石灰」の唐音という)わが国独特の塗壁材料。消石灰にふのり・苦汁などを加え,これに糸屑・粘土などを配合して練ったもの。広義には,石膏・石灰・セメントなどをそのまま,または砂などをまぜて作ったモルタル漆喰をもいう。 白土。」と説明されている(乙9)ほか,「日本国語大辞典(第2版)」(小学館)などにおいても,漆喰は「石灰」の唐音であるなど同旨の記載がされている(甲55,58)。 (2) 市場の実情被告は,市場の実情としては,上記(1)で認定の定義などに該当しない製品も,石灰を原料とする塗壁材たる漆喰と同様の機能を備えているものは,漆喰として扱われ,表示されている旨主張する。 しかし,その根拠とする製品のうち「アレスシックイ」(乙11)は,消石灰を含有する製品であり,被告主張の根拠になるものではない。また,商品名を「水性しっくい風かべ塗料」とする製品(乙12)は,石灰を含 かし,その根拠とする製品のうち「アレスシックイ」(乙11)は,消石灰を含有する製品であり,被告主張の根拠になるものではない。また,商品名を「水性しっくい風かべ塗料」とする製品(乙12)は,石灰を含有するか否かが不明である上,「風」の文字を「しっくい」の後に加えることで,漆喰そのものではないことを示唆しているため,やはり被告主張の根拠とはならない。一方,商品名を「漆喰美人」とする製品(乙13)は,石灰を含有していないにもかかわらず,「漆喰」の文字を含む商品名が付されているが,同製品に係るウェブサイトでは,同製品について,「漆喰のように美しく」,「漆喰より調湿する素材にしたかった」など,同製品が漆喰ではないことを前提とした説明がされており,石灰を含有しなければ漆喰ではないとの理解に立っているといえる。 他に被告の上記主張を認めるに足りる証拠はない。 (3) 「しっくい」の文字を含む商品名が品質等について誤認させるような- 38 -表示に当たるか上記(1)及び(2)の事情に照らせば,被告製品1’及び被告製品2の需要者及び取引者は,商品名に「しっくい」の文字が含まれていれば,「しっくい風」など漆喰そのものでないことを示す文字等と一体の場合でない限り,石灰又はドロマイトプラスターを含有するものと認識するのが通常と考えられる。 ところが,被告製品2は,その具体的成分は必ずしも明らかでないものの,石灰又はドロマイトプラスターを含有するものでない(弁論の全趣旨)にもかかわらず,「しっくい」の文字を含み,かつ,漆喰そのものでないことを示す文字等を含まない「しっくいHR」との表示(被告表示2)が付されていた。そのため,被告は,需要者及び取引者に対し,石灰又はドロマイトプラスターを含有する製品である旨その内容について誤認させるような表示を を含まない「しっくいHR」との表示(被告表示2)が付されていた。そのため,被告は,需要者及び取引者に対し,石灰又はドロマイトプラスターを含有する製品である旨その内容について誤認させるような表示をしたといえるから,不正競争防止法2条1項13号の定める不正競争行為を行ったといえる。 また,被告は,やはり石灰又はドロマイトプラスターを含有するものでない被告製品1’に,「しっくい」の文字を含み,かつ,漆喰そのものでないことを示す文字等を含まない「しっくいペイントAg+」との表示(被告表示1)を付したものである。この行為も,需要者及び取引者に対し,石灰又はドロマイトプラスターを含有する製品である旨その内容について誤認させるような表示をしたものとして,不正競争防止法2条1項13号の定める不正競争行為に当たるといえる。 6 争点2-2(原告は不正競争によって営業上の利益を侵害され又は侵害されるおそれがある者か)について証拠(甲29,30,42~47,59)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,被告製品1’及び被告製品2と市場において競業する製品を製造,販売していることが認められるところ,被告の前記5の不正競争行為によ- 39 -って,「営業上の利益を侵害され,又は侵害されるおそれがある者」(不正競争防止法3条1項)に該当する。したがって,原告は,被告に対し,不正競争行為の差止めを請求することができる地位を有する。 ところで,被告は,被告表示2を付した製品について,平成24年8月1日ころ以降,販売をしていないと主張するが,本件訴訟における被告の主張内容,経過などからして,なお侵害のおそれは消失しておらず,また,被告表示2を付した製品の在庫が残存している可能性も否定できないため,差止め及び廃棄の必要性が認められる。 また,被告による被告表 張内容,経過などからして,なお侵害のおそれは消失しておらず,また,被告表示2を付した製品の在庫が残存している可能性も否定できないため,差止め及び廃棄の必要性が認められる。 また,被告による被告表示1を付した被告製品1’の販売は,平成22年9月の試験的な販売のみにとどまり,平成24年8月1日以降は,被告表示1の使用自体が行われていないが,原告に対する平成23年3月25日付けの書面において,被告表示1を付した製品につき,「今後はまったく『石灰』を含まない配合とすることといたしました。」と述べていた(甲11)ことのほか,本件訴訟における被告の主張内容,経過などからして,なお侵害のおそれは消失しておらず,やはり差止めの必要性が認められる。 ただし,原告は,内装仕上材の構成を特に限定することなく,被告表示1の使用を差し止めるよう求めているが,不正競争防止法2条1項13号の定める不正競争行為に当たるのは,あくまで石灰又はドロマイトプラスターを含有しない内装仕上材について,被告表示1を使用することであり,石灰を含有する被告製品1に被告表示1を使用することが不正競争防止法上禁じられるわけではない。そのため,被告表示1に係る差止めについては,その対象を「石灰を含有しない内装仕上材」と限定するのが相当である(一方,被告表示2については,一貫して石灰又はドロマイトプラスターを含有しない製品に使用されていたものであるから,対象製品の構成を主文において限定する必要はない。)。 7 結論- 40 -以上の次第で,本件特許権1が物を生産する方法の発明であることを前提とする請求の趣旨1の(1) 及び(2) の請求は理由がないが,本件特許権1が単純な方法の発明であることを前提とする請求の趣旨1の(3) の予備的請求は理由があるから認容し(主文第1項),本件 前提とする請求の趣旨1の(1) 及び(2) の請求は理由がないが,本件特許権1が単純な方法の発明であることを前提とする請求の趣旨1の(3) の予備的請求は理由があるから認容し(主文第1項),本件特許権2の間接侵害に基づく請求の趣旨2の(1) 及び(2) の請求は,原告が被告製品目録1として特定した製品のうち,被告製品1(「しっくいペイントAg+」の商品名を有するもの)についてのみ認容し(主文第2項,第3項),請求の趣旨3の損害賠償請求については主文第4項の限度で認容し,不正競争防止法2条1項13号の不正競争行為を理由とする請求の趣旨4の(1) ないし(3) の請求については,被告表示2を付した被告製品2については理由があるが(主文第6項,第7項),被告表示1を付した内装仕上材については,石灰を含有しないものについてのみ理由があるから,その限度で認容し(主文第5項),その余の請求はいずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担については主文第9項のとおり,仮執行の宣言については主文第10項のとおり定めることとする。 大阪地方裁判所第21民事部 裁判長裁判官谷有恒 裁判官松阿彌 隆 裁判官松川充康- 41 -被告方法目録1 消石灰を含有する白色成分,着色顔料である無機系顔料,アクリル樹脂エマルション及び水を含有する着色漆喰組成物の着色安定化方法であって,当該着色漆喰組成物がメチルセルロースを含有し,上記白色成分として消石灰と酸化チタンを組み合わせて用いることを特徴とする方法。 - 42 -被告方法目録2 消石灰,アクリル樹脂エマルション及び水を含有する着色漆喰組成物によって形成される着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びに ンを組み合わせて用いることを特徴とする方法。 - 42 -被告方法目録2 消石灰,アクリル樹脂エマルション及び水を含有する着色漆喰組成物によって形成される着色漆喰塗膜の色飛びまたは色飛びによる白色化を抑制する方法であって,上記漆喰組成物の着色に白色顔料として酸化チタンと着色顔料として酸化金属またはカーボンブラックを組み合わせて用いる方法。 - 43 -被告製品目録1 1 商品名「しっくいペイントAg+」ただし,上記商品名は,対象を限定する趣旨ではなく,補充的に説明するものであり,下記2記載の構成を有する着色漆喰組成物であれば,上記商品名のものに限定されない。 2 構成白色顔料として酸化チタン,着色顔料として酸化金属またはカーボンブラック,石灰,アクリル樹脂エマルション,メチルセルロース及び水を含有する着色漆喰組成物。 - 44 -被告表示目録1 しっくいペイントAg+- 45 -被告表示目録2 しっくいHR - 46 -別紙粗利額計算書 (省略)同販売費及び一般管理費計算表 (省略)同利益額計算表 (省略)
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