平成14(ワ)523 不当利得金返還請求事件

裁判年月日・裁判所
平成14年5月31日 大阪地方裁判所
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判決文本文2,583 文字)

平成14年(ワ)第523号不当利得金返還請求事件判決 主文 1 被告は,原告に対し,金2816万5892円及びこれに対する平成14年2月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は,被告の負担とする。 3 この判決は,仮に執行することができる。 事実 第1 請求主文同旨。 第2 事案の概要本件は,被告が,平成4年度から平成13年度までの間,再生債務者ナイス・ミドル・スポーツ倶楽部株式会社(以下,再生債務者という)から,社員でないのに,社員として賃金の支給を受け,源泉所得税を控除した金額について不当に利得していたとして,返還請求(社会保険料等については,予備的に不法行為に基づく損害賠償請求)された事案である。 第3 請求原因 1 再生債務者は,平成13年4月16日,当庁に対し,債権者から民事再生手続開始の申立てを受け,同年7月16日,民事再生手続開始決定を受け,原告が管財人に選任された。 2 被告に対し,再生債務者の社員であったとして,以下のとおりの賃金が支払われている。 ① 平成4年度総支給額 200万円社会保険料等 19万6927円源泉所得税  6万1613円手取り額 174万1460円② 平成5年度総支給額 200万円社会保険料等 21万3564円源泉所得税  6万7100円手取り額 171万9336円③ 平成6年度総支給額 248万0938円社会保険料等 24万3670円源泉所得税  8万9028円手取り額 214万8240円④ 平成7年度総支給額 301万円社会保険料等 34万1636円 38円社会保険料等 24万3670円源泉所得税  8万9028円手取り額 214万8240円④ 平成7年度総支給額 301万円社会保険料等 34万1636円源泉所得税  10万5630円手取り額 256万2734円⑤ 平成8年度総支給額 335万5000円社会保険料等 34万7050円源泉所得税  13万3740円手取り額 287万4210円⑥ 平成9年度総支給額 360万5000円社会保険料等 35万9920円源泉所得税  14万7013円手取り額 309万8067円⑦ 平成10年度総支給額 381万円社会保険料等 37万0598円源泉所得税  13万1834円手取り額 330万7568円⑧ 平成11年度総支給額 393万7500円社会保険料等 39万9952円源泉所得税  13万4392円手取り額 340万3156円⑨ 平成12年度総支給額 421万2500円社会保険料等 43万5657円源泉所得税  15万7000円手取り額 361万9843円⑩ 平成13年度総支給額 81万円社会保険料等 11万1810円源泉所得税  2万7696円手取り額 67万0494円⑪ 以上合計総支給額 2922万0938円社会保険料等 302万0784円源泉所得税  105万5046円手取り額 2514万5108円 3 しかし,被告が再生債務者の社員として勤務した事実はない。 4 しかも,被告は,再生債務者の社員として社会保険等に加入し,保険制度上の利益を享受したもので,その社会保険料等は,再生債務 5108円 3 しかし,被告が再生債務者の社員として勤務した事実はない。 4 しかも,被告は,再生債務者の社員として社会保険等に加入し,保険制度上の利益を享受したもので,その社会保険料等は,再生債務者から支給された上記賃金から支払われていた。 5 したがって,被告が再生債務者から支給を受けた総支給額(2922万0938円)から,源泉所得税額(105万5046円)を控除した残額(2816万5892円)について,再生債務者に対する関係で不当利得を構成する。 6 仮に,社会保険料等(302万0784円)について不当利得を構成しないとしても,被告は,再生債務者に勤務していないにもかかわらず,社員として社会保険に加入し,その保険料を再生債務者に負担させていたのであるから,再生債務者に対する不法行為を構成することになる。したがって,再生債務者は,被告に対して,支払った社会保険料等に相当する金額について,損害賠償請求権を有する。 第4 被告の認否及び反論 1 請求原因1項は,知らない。 2 同2項は,認める。 3 同3項は,認める。 4 同4項ないし6項は,争う。 5 被告は,再生債務者の実質的オーナーであった父Aから,前記総支給額を給与(社会保険料等を含む)名目で贈与されたものである。したがって,法律上の原因があり,不当利得に当たらないし,不法行為でもない。 理由 第1 請求原因について 1 請求原因1項ないし4項について同2項及び3項は,争いがなく,同1項及び4項は,弁論の全趣旨により認められる。 2 同5項について同1項ないし4項の事実からすると,被告は,社員でもないのに社員として賃金の支給を受け,社会保険にも加入し,その保険料も再生債務者が負担していたことになるから,被告が再生債務者から支給を受けた総支給額(292 し4項の事実からすると,被告は,社員でもないのに社員として賃金の支給を受け,社会保険にも加入し,その保険料も再生債務者が負担していたことになるから,被告が再生債務者から支給を受けた総支給額(2922万0938円)から,源泉所得税額(105万5046円)を控除した残額(2816万5892円)について,再生債務者に対する関係で不当利得を構成することは,明らかである。 第2 被告の主張について被告は,再生債務者から支給を受けた総額について,再生債務者の実質的オーナーであった父Aから,給与名目で贈与を受けたものであるから,法律上の原因があり,不当利得には当たらないと主張する。 しかし,Aは,再生債務者の役員でも,株主でもない(弁論の全趣旨)のであるから,仮に,被告主張のとおり,Aから,給与名目で贈与を受けたとしても,再生債務者に対する関係では,支給を受けた金員を保持しうる理由にはならない。 したがって,被告の主張は採用できない。 第3 結論以上のとおりであるから,原告の請求は理由がある。 大阪地方裁判所第12民事部裁判長裁判官中村隆次裁判官宮武康裁判官藪崇司

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