主文 本件上告を棄却する。理由 被告人本人の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、いずれも適法な上告理由にあたらない。弁護人野崎研二の上告趣意のうち、憲法三六条違反をいう点は、被告人に確定的殺意があつたとする原審の認定にそわない事実関係を前提とする違憲の主張であり、その余は、事実誤認、量刑不当の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。また、記録を調べても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。(本件の殺人、同未遂の所為は、強盗殺人、強盗、窃盗の罪で無期懲役刑に服した被告人が仮出獄を許されて結婚生活に入つたものの、妻に再三暴力を振るつて家出され、その行方を探し求めるうち、これまで妻をかばつていた同女の姉夫婦が妻の家出先を知つているのではないかと考えて同家を襲い、殺意をもつて同夫婦とその子供二人を所携の出刃庖丁及び登山ナイフで突き刺し、よつて姉婿を殺害し、その余の三人に負傷させたが殺害の目的を遂げなかつたという、極めて兇悪な犯行であつて、その動機、態様、被害者らに与えた物心両面にわたる打撃及び被告人の前科歴等を考慮すると、被告人の刑責はまことに重く、原審の維持した第一審判決の科刑はやむを得ないものとして、当審もこれを是認せざるを得ない。)よつて、刑訴法四一四条、三九六条、一八一条一項但書により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。検察官廣石正雄公判出席昭和五四年七月一〇日最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官江里口清雄- 1 -裁判官高辻正己裁判官環昌一裁判官横 清雄- 1 -裁判官高辻正己裁判官環昌一裁判官横井大三- 2 -
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