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昭和27(オ)1075 預託金返還請求

裁判所

昭和30年11月29日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 広島高等裁判所

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1,743 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人柴田武、同花岡隆治の上告理由第一点及び第四点について。保険業法五条が、保険会社は他の事業を営むことができないと規定していること、また銀行法一条二項及び二条によれば、営業として預金の受入をなす者は銀行と看做されること、銀行業は主務大臣の免許を受けなければこれを営むことを得ないものとされていることは、いずれも所論のとおりであるけれども、これらの禁止規定は、金員の受託行為そのものに関するものではなく、金員の受託を営業としてなす場合に関するものであることは、明文上疑を容れないのであるから、保険会社が金員の受託を営業としてではなく、単なる寄託としてなす場合までをも禁止する趣旨を含むものと解すべきではない。そして、上告会社は保険業法により設立され営利を目的としないいわゆる中間法人であつて、もとより商法上の会社ではないが、その権利能力については会社の権利能力に準ずべきところ、会社は定款に定めた目的の範囲内において権利を有し義務を負うものであるが、或る行為が会社の目的の範囲内に属するかどうかは、その行為が会社目的自体に包含されない場合であつても、目的遂行に必要な行為であるか否かによるのであり、その目的遂行に必要なりや否やは、問題となつている行為が、会社の定款記載の目的に現実に必要であるかどうかの基準によるべきではなく、客観的抽象的に必要であり得べきかどうかの基準に従つて決すべきものであることは、すでに当裁判所の判示したとおりである(昭和二四年(オ)六四号同二七年二月一五日第二小法廷判決、昭和二八年(オ)八九〇号同三〇年三月二二日第三小法廷判決)。ところで原判決の認定するところによれば、上告会社D支部長Eは、上告会社の代理 (昭和二四年(オ)六四号同二七年二月一五日第二小法廷判決、昭和二八年(オ)八九〇号同三〇年三月二二日第三小法廷判決)。 きかどうかの基準に従つて決すべきものであることは、すでに当裁判所の判示したとおりである(昭和二四年(オ)六四号同二七年二月一五日第二小法廷判決、昭和二八年(オ)八九〇号同三〇年三月二二日第三小法廷判決)。ところで原判決の認定するところによれば、上告会社D支部長Eは、上告会社の代理 (昭和二四年(オ)六四号同二七年二月一五日第二小法廷判決、昭和二八年(オ)八九〇号同三〇年三月二二日第三小法廷判決)。ところで原判決の認定するところによれば、上告会社D支部長Eは、上告会社の代理人として、たまたま被上告人より本件- 1 -金員の預託を受けたものであつて、その受託は業としてした趣旨の認定ではないと認められるので、原判決の判示は前記法律に違反したものではない。そして、生命保険事業を営むことを目的とする会社であつても、時に金員の預託を受けることの如きは、これを客観的抽象的に見て、会社目的の遂行に必要な行為となり得ると解するのが相当であるから、本件の場合における金員の受託が、所論のように上告会社の目的に現実には必要でなかつたとしても、会社目的の範囲内に属するものということを妨げない。されば、原判決の説明の文言には多少適切でないところがあるとしても、結論においては正当であつて、原判決は論旨引用の当裁判所判例の趣旨と相反する判断をしたものではないので、論旨は採用することができない。同第二点について。所論は、被上告人が訴外Eに本件金員受託の代理権限ありと信じたことに過失があつたことを認めるに足る証拠がないと判示した原判決の認定を非難するに帰するのであるが、原判決には所論の違法はなく、論旨は理由がない。同第三点について。所論の事実は、原判決挙示の証拠、特に被上告本人の第一審における供述によつて認め得られるので、原判決には所論のような採証法則の違反はない。よつて、本件上告を理由ないものとし、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官島保裁判官河村 裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三裁判官本村善太郎- 2 -

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