昭和26(う)345 労働基準法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和27年3月29日 名古屋高等裁判所 破棄自判
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🤖 AI生成要約2026/3/13

【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する      被告人を罰金二千円に処する      右罰金を完納することができないときは金四百円を一日に換算した期間 被告人を労役場に留置する      訴訟費用

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判決文本文3,478 文字)

主文 原判決を破棄する被告人を罰金二千円に処する右罰金を完納することができないときは金四百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する訴訟費用は全部被告人の負担とする 理由 本件控訴の趣意及びこれに対する答弁は夫々検察官提出に係る控訴趣意書及び弁護人大野正直竝びに同森健連名提出に係る答弁書の各記載を引用する仍て原判決によれば原審は本件公訴事実に対し労働基準法第五十四条第一項所定の設備とは原動力、動力によつて運転する産業用機械及び製造、加工、運搬、貯蔵、移転用装置例えば金属延圧、鋳造用機械、紡織機、木工用機械、化学機械及び装置、土木用機械が之に含まれるのであるが本件において被告人が湯沸器の様に冷水を炉の余熱で温水にしてこれを硫酸水の中に入れるに使用する為に単に鉄材を焼く炉の余熱を利用する目的で炉の上に設置したものの如きは前段の設置とは言い難く結局労働基準法第五十四条第一項所定の届出を要する設備とは前示の如き大規模のものをいうのであつてあらゆるものを届出させる趣旨ではない而して本件湯沸器は被告人方工場と同一作業をするA工業株式会社に設置してあつたのをBに於て同一の設計にて製造して設置したもので右A工業株式会社に於ても何等届出を要しないものとして届出をなさないばかりでなく労働基準監督署員が臨検する都度之を実見しているが何等届出を求めたこともなく被告人も又徒つて何等届出の要なきものと確信して届出をしなかつたのであつて本件の如き湯沸器の設置は前示説明の様に労働基準法第五十四条第一項の事業場の設備の変更とはいい難いばかりでなく労働基準監督署員が不問に附していた点から見ても偶々災害があつたからとて被告人に対してのみかかる届出遅滞の責任を問うことは法の趣旨に反するし更に 四条第一項の事業場の設備の変更とはいい難いばかりでなく労働基準監督署員が不問に附していた点から見ても偶々災害があつたからとて被告人に対してのみかかる届出遅滞の責任を問うことは法の趣旨に反するし更に本件湯沸器が蒸汽罐に準ずるものとしても伝熱面積が〇、八平方米内径二五ミりメートルの大気に開放せる蒸気管を有しているから労働基準法第四十二条労働安全衛生規則第二百二十六条の規定に反するものとも<要旨>認められないとの理由を以て被告人に無罪の言渡をしているのであるが凡そ労働基準法がある一定の事項につ</要旨>いて届出又は認可を要するとするのは労働者のためその作業過程等において生ずべき有害、危険に対し予防的措置を完うし以てその安全と衛生とを保持しようとするにあることはその立法の趣旨から考えても明かであつて同法第五十四条第一項に届出を要する所謂設備の設置乃至その変更もその趣旨に沿うてこれを理解すべきであり従つてその届出を要する場合は普通に設備の設置乃至その変更と思われる一切の場合をいうものとはなし得ないが原審のようにその規模の大小によつてのみその届出の要否を決定すべきものとすることは誤であるとせねばならない昭和二十四年六月二十一日附労働省労働基準局長の労働基準法第五十四条の届出についてと題する通達二によれば同法条第一項の「設備」とは原動力、動力によつて運転する産業用機械及び製造、加工、運搬、貯蔵又は移送用装置をいう趣旨であつて例へば金属圧延、鋳造用機械、紡績機械、木工用機械、化学機械及び装置、土木用機械等がこれに含まれるとあり或は原審が右の「動力によつて運転する」との制限を製造、加工その他の装置に迄も及ぶと解し待つて所謂設備は大規模のものに限ると解したとも見られるのであるが右の「動力によつて運転する」とは文理解釈上産業用機械のみに附せられた制限であ する」との制限を製造、加工その他の装置に迄も及ぶと解し待つて所謂設備は大規模のものに限ると解したとも見られるのであるが右の「動力によつて運転する」とは文理解釈上産業用機械のみに附せられた制限であることが明かであり且つ検察官論旨のように動力によつて運転するのでもなく且つその規模は大きくないにしても爆発や有毒瓦斯発生等労働者の安全衛生のため予防的の監督を要する固定的装置等の多いことを考えても届出は大規模の場合に限るとするのは失当であり又その届出が労働者の安全衛生の見地から考慮されているものであることは右通達五の(イ)においてもこれを窺うに難くないのである次に原審がA工業株式会社に設置されていた湯沸器と本件被告人方湯沸器(高さ直径夫々約二尺四、五ミリの銅板を電気溶接したもの)と同一構造であつたとする点についても原審認定のように本件湯沸器はBがA工業株式会社の湯沸器の構造を参考として製造したことは知り得るが原審鑑定人Cの鑑定の結果、Dの労働基準監督官に対する供述調書、Bの労働基準監督官竝びに検察事務官に対する各供述調書及び当審における証人Bの供述によつて明かなように本件湯沸器の蒸気管は内径一九ミリメートルでコツクによつて密閉し得る装置となつているのに反しA工業株式会社の湯沸器の蒸気管は内径二五ミリメートルの大気に開放せられ密閉し得る装置がなくその両者を同一なりとするのはその湯沸器の内部における蒸気の圧力を大気の気圧以上に高めうるか否か即ち爆発の危険率において重大な差異のあることを看過するものであつてA工業株式会社がその湯沸器について届出をせず又は労働基準監督署員がその届出を督促しなかつたということは本件湯沸器の届出義務に影響のないこととせねばならない而して更に木件湯沸器は炉の余熱を利用するものであることは争のないところであるが一件記録上 労働基準監督署員がその届出を督促しなかつたということは本件湯沸器の届出義務に影響のないこととせねばならない而して更に木件湯沸器は炉の余熱を利用するものであることは争のないところであるが一件記録上明かなようにその炉から数間離れた箇所に存する硫酸槽及び石灰槽の温度をたかめ硫酸等の凝固を防ぐために蒸気を発生しこれを蒸気管で右硫酸糟及び石灰槽へ導入する装置となつているもので単に炉そのものの一部分という様なものではなくこれと別個の所謂加工装置であり固より大規模なものでもなく又動力によつて運転するものでもないが右の如く密閉装置を有しよつてその内部の圧力を大気の気圧以上にたかめうる結果前掲各証拠によつてBがその取扱方に注意を要望していたことが認められる様に災害発生を伴う爆発の危険を有する装置としてその設置は労働基準法第五十四条第一項の設備としてこれが工事着手十四日前までに届出を要するものであつたことは明かであるとせねばならない以上説明のように論旨に理由があり原審判決には判決に影響を及ぼすこと明かな法令適用の誤竝びに事実の誤認があつて刑事訴訟法第三百七十九条によつて破棄を免れない而して本件は一件記録及び原審並びに当審において取調べた証拠によつて直に判決し得られるから同法第四百条但書に則つて更に判決する(事実)被告人は当時七、八名の労働者を使用し常時三馬力以上の原動機を使用し鋼材の引抜加工をしている名古屋市a区b町c丁目d番地所在E製鋲株式会社F工場の工場長として同工場の管理監督の権を有するものであるが昭和二十四年五月頃同工場内にその作業行程の必要上即ち鋼材の引抜加工に必要な硫酸等の温度をたかめるために蒸気を発生しこれを蒸気管で硫酸槽等へ導入する高さ、直径夫々約二尺で三方コツクによつて密閉し得る蒸気管を備えた湯沸器一台を設置したものであ 必要上即ち鋼材の引抜加工に必要な硫酸等の温度をたかめるために蒸気を発生しこれを蒸気管で硫酸槽等へ導入する高さ、直径夫々約二尺で三方コツクによつて密閉し得る蒸気管を備えた湯沸器一台を設置したものであるが事業場における設備の設置についてけその工事着手前十四日前までに所轄労働基準監督署長に届出つべきに拘らずその手続をなさなかつたものである(証拠)一、 労働基準監督官に対するDの第一、二回供述調書一、 検察事務官に対するDの供述調書一、 労働基準監督官に対するBの第一回供述調書一、 検察事務官に対するBの供述調書一、 当審における証人B、同G、同H及び同Iの各供述一、 原審第一回公判調書における被告人の供述記載(適条)労働基準法第五十四条第一項第百二十条労働安全衛生規則第五十五条第一号罰金等臨時措置法第二条第一項刑法第十八条刑事訴訟法第百八十条第一項(裁判長判事河野重貞判事山田市平判事小沢三朗)

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