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主文 本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。理由 本件抗告の趣旨および理由は末尾添付抗告理由書記載のとおりである。本件記録に綴付されている東京地方裁判所昭和三十二年(ヨ)第四、八二三号不動産仮差押事件の記録によれば、抗告人は昭和三十四年六月二十五日右事件の仮差押債権者であるAからその被保全権利である債務者B外一名に対する金四百八十万円の債権(東京地方裁判所昭和三十二年(ワ)第七、一四五号事件の和解調書に基く)の譲渡を受け、且つ同年九月七日右Aが右債務者に対してなした右事件の不動産仮差押決定について、承継執行文の附与を受け、仮差押債権者としての地位をも承継したこと、およびAが同年十月一日東京地方裁判所に対し弁護士Cを代理人として上記仮差押決定執行の取消を申請し、同日同裁判所は右申請に基いて仮差押決定の執行を取消す旨の決定がなされ、引き続きその旨の登記手続がなされたことが認められる。上記仮差押決定執行の取消決定は、既に仮差押債権者としての地位を失い、その執行の取り消しを求める権限を有しない、Aの申請に基いてなされたものであるといわなければならない。従つて、東京地方裁判所がなした上記認定の仮差押決定の執行を取消す旨の決定は違法なものといわなけれ<要旨>ばならない。しかしながら、右取消決定が違法であるとはいえ、仮差押の執行手続はそれに基いて完全に終了</要旨>してしまうので、抗告人主張のように、実質的にはまだ終了していないと解する余地はない。従つて、抗告人は右仮差押決定の執行手続についての執行処分に対しては異議の申立は許されないといわなければならない。もつとも、このように解すると、本件の場合の抗告人は、債権差押及び転付命令が違法であつた場合のように、実体法上もそ 行手続についての執行処分に対しては異議の申立は許されないといわなければならない。もつとも、このように解すると、本件の場合の抗告人は、債権差押及び転付命令が違法であつた場合のように、実体法上もその違法であることを争う機会すら有しないことになり、もし、その違法な処分によつて損害が生ずれば、その違法なことをなした者に対し損害賠償を求める外方法はないことになるが、本来執行の方法に関すること自体については、執行終了後いつまでも争えるとすることは必ずしも適当でない。 いわなければならない。もつとも、このように解すると、本件の場合の抗告人は、債権差押及び転付命令が違法であつた場合のように、実体法上もその違法であることを争う機会すら有しないことになり、もし、その違法な処分によつて損害が生ずれば、その違法なことをなした者に対し損害賠償を求める外方法はないことになるが、本来執行の方法に関すること自体については、執行終了後いつまでも争えるとすることは必ずしも適当でない。執行の終了行為自体については、個々の執行方法とは異り争い得ると解するとすれば、いつまでたつても異議の申立てができるということになつて、反つて、執行手続をいつまでも不安定にさせるから法的安定の面から考えて妥当なこととはいえないから、執行終了行為自体についても争えないと解するを相当とする。よつて、抗告人のなした本件執行方法についての異議申立は不適法なもので、これを却下した原決定は相当で、本件抗告は理由がないからこれを棄却し、抗告費用を抗告人をして負担させ、主文のとおり決定する。(裁判長判事村松俊夫判事伊藤顕信判事杉山孝)
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