平成13(ワ)1924 パイナップルカンパニー賃金請求

裁判年月日・裁判所
平成14年10月16日 神戸地方裁判所
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判決文本文10,482 文字)

判決平成14年10月16日神戸地方裁判所平成13年(ワ)第1924号未払賃金等請求事件 主文 1 被告は原告に対し,145万8079円及びこれに対する平成13年8月20日から支払済みまで年14.6パーセントの割合による金員を支払え。 2 被告は原告に対し,145万8079円及びこれに対する本裁判確定の日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 4 この判決は,1,3項に限り仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,291万6158円及び内145万8079円に対する平成13年8月20日から支払済みまで年14.6パーセント,内145万8079円に対する本裁判確定の日から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 争いのない事実等(末尾に証拠の標目の記載のない事実は当事者間に争いがない)(1) 当事者被告会社は,コンピューターを利用した情報サービスの提供,コンピューターのソフトウェアの開発並びに販売等を目的とする株式会社である。 原告は,被告会社に平成12年7月1日入社し,インターネット業務全般及び経理財務等の業務に従事した後,平成13年7月31日に退職した。 (2) 割増賃金計算の基礎となる賃金(労働基準法37条4項,同法施行規則21条)原告の給与は月給制であり,毎月末日締切,翌月20日払いであった。 原告の給与明細書(甲3の1ないし11)によって認められる原告の給与の内,割増賃金の基礎 則21条)原告の給与は月給制であり,毎月末日締切,翌月20日払いであった。 原告の給与明細書(甲3の1ないし11)によって認められる原告の給与の内,割増賃金の基礎となる賃金は以下のとおりである。 ア平成12年7月から10月まで25万円(基本給25万円)イ平成12年11月から平成13年1月まで30万円(基本給30万円)ウ平成13年2月及び3月36万円(基本給28万円,PC手当2万円,諸経費1万円,責任者手当5万円の合計)エ平成13年4月ないし7月35万円(基本給32万円,マネージャー手当3万円の合計) 2 争点(1) 原告の管理監督者性ア被告会社の主張原告は,以下の事情に照らすと,いわば被告会社の総務部長というべき立場にあったのであって,労働条件の決定その他の労務管理について経営者と一体的な立場にあり,自己の勤務について自由裁量の権限を有し,出勤・退勤について厳格な制限を受けない地位にあったのであり,労働基準法が規制する労働時間の枠を超えて活動することが当然とされる程度に企業経営上重要な職務と責任を有し,現実の勤務形態もその規制になじまないような立場にあったといえる。 よって,原告は,労働基準法41条2号に規定する管理監督者に当たるので,時間外割増賃金請求権は発生しない。 (ア) 財務・経理の責任者として採用されたこと被告会社には従前,財務・経理の責任者となるべきものがいなかった。そこで,被告会社は,原告の申告した,経営学科卒業,簿記検定2級,税理士事務所5年勤 任者として採用されたこと被告会社には従前,財務・経理の責任者となるべきものがいなかった。そこで,被告会社は,原告の申告した,経営学科卒業,簿記検定2級,税理士事務所5年勤務といった資格,学歴,職歴をみて,財務・経理の責任者として原告を迎え入れたのである。 (イ) 担当した職務内容が重要であったこと原告は,被告会社に入社後,会計業務一般を行った他,平成12年9月の新株引受権付社債の発行,同年11月の増資,株式上場のための資料作成に携わり,被告代表者代表取締役a(以下「被告代表者」という)と共に証券会社やベンチャーキャピタルとの交渉にも当たった。また,平成13年初めころには,就業規則を制定し,人事制度を改定するためのプロジェクトの議長も担当した。さらに,取締役会にも出席して議事録を作成し,財務・経理に関する報告を行い,取締役と各部門責任者の合同会議,各部門責任者の会議にも経営企画室の責任者として出席した。 (ウ) 部下の人事考課に関与していたこと原告が議長となって制定された新しい人事考課制度は,部門責任者が,各従業員から提出された目標管理シートの目標設定が妥当かどうかをチェックして必要があれば修正を指示し,半年後にその達成度を評価するというものであった。 そして,原告は,部門責任者として,部下であるb,c,dらに対する上記の人事考課をする立場にあった。 (エ) 高額の給与を得ていたこと原告は,被告会社における就労期間を通じて経営企画室の従業員中最高給を得ており,時期によっては取締役よりも高い給与を得ていた。 (オ) 就業時間管理が緩やかであったこと 原告は,被告会社における就労期間を通じて経営企画室の従業員中最高給を得ており,時期によっては取締役よりも高い給与を得ていた。 (オ) 就業時間管理が緩やかであったこと原告が入社してから平成12年末ころまでは,被告会社では,全従業員について,フルフレックスと称して,残業代を支給しない代わりに就業時間を自主管理に任せる方針を取っていた。従って,会社による就業時間管理は緩やかであった。タイムカードに打刻させていたのは労基署の指導に従っていたに過ぎない。 平成13年初めころからは,従業員一般に対しては,所定の就業時間を守るように指示するようになった。しかしながら,原告は,経営企画室の責任者であったから,部下の就業時間を管理する立場にあり,自己の就業時間の調整について誰に許可を求める必要もなかった。 以上の次第で,原告の就業時間管理は極めて緩やかなものであった。 イ原告の認否原告が被告会社の管理監督者に当たるという主張は否認する。 (ア) 財務・経理の責任者として採用されたという主張は否認する。 現に原告は,当初,3か月間の期間限定で採用されているのであって,正社員の上司として採用されたということはあり得ないことである。 (イ) 担当した職務内容が重要であったという主張は否認する。 原告は,平成13年2月以降,経営企画室の責任者と指名されたものの,その当時もまだ6か月の期間限定社員であったし,AないしEの評価ランクのCランクと評価されていたのであって,そのような者が経営に参画して経営者と一体的立場にあったとは到底考えられない。また,取締役会に参加していたこ か月の期間限定社員であったし,AないしEの評価ランクのCランクと評価されていたのであって,そのような者が経営に参画して経営者と一体的立場にあったとは到底考えられない。また,取締役会に参加していたことは認めるが,議事録を取ったり,数字面や増資関係の報告をしたのみである。就業規則を制定し,人事制度を改定するためのプロジェクトの議長も担当したことは認めるが,提案や決定を行ったわけではない。取締役と各部門責任者の合同会議,各部門責任者の会議に出席したことは認めるが,経理担当者として出席しただけである。 (ウ) 部下の人事考課に一部関与していたことは認める。 しかしながら,原告は,経理担当のe及びbの人事考課に1度だけ関与したことがあるだけである。 (エ) 高額の給与を得ていたことは否認する。 原告が被告代表者と同等の特別な給与を支給されていたとはいえないし,他の部署と原告の給与を比較しても決して高額ではない。 (オ) 就業時間管理が緩やかであったという主張は否認する。 原告に自己の勤務について自由裁量的権限は全くなく,他の従業員と同じ扱いであった。 (2) 割増賃金の単価の計算方法ア原告の主張被告会社は月曜日から金曜日までの週5日勤務であり,一日当たりの所定労働時間は午前9時から午後6時まで(昼休憩時間が1時間)の8時間である。 また,祝日,夏期休暇,年末年始休暇が休日であった。 従って,以上を前提に割増賃金の単価を計算すべきである。 イ被告会社の反論被告会社の一月における所定労働時間は176時間であるから(平日8時間×21日+隔週土曜日4時 って,以上を前提に割増賃金の単価を計算すべきである。 イ被告会社の反論被告会社の一月における所定労働時間は176時間であるから(平日8時間×21日+隔週土曜日4時間×2日),これを前提に,割増賃金の単価を計算すべきである。 (3) 原告の残業時間ア原告の主張原告の残業時間は,被告会社に備え付けられていたタイムカードによって計算すべきである。 そうすると,原告の残業時間は,別紙原告の請求のとおりである。 イ被告会社の認否原告の主張する残業時間は争う。 原告の就業時間の管理は極めて緩やかなものであったことからすると,原告のタイムカードの記載が直ちに原告の就業時間を示すものであるかどうかは疑問がある。 仮に機械による打刻部分は正確であるとしても,手書き部分については正確性を欠くものである。 (4) 原告の請求ア原告の主張原告の求める残業代金は別紙原告の請求のとおりである。 原告は,未払賃金と同額の付加金(労働基準法114条)の支払いも求める。 よって,原告は,未払賃金145万8079円及びこれに対する平成12年7月分から同13年6月分の未払賃金については弁済期(原告の退職日)を経過した後であり,平成13年7月分の未払賃金については弁済期である平成13年8月20日から支払済みに至るまで,賃金の支払の確保に関する法律6条1項及び同法施行令1条の規定する年14.6パーセントの割合による遅延損害金並びに労働基準法114条に基づく付加金145万8079円及びこれに対する本裁判確定の日から支払済みまで民法所 する法律6条1項及び同法施行令1条の規定する年14.6パーセントの割合による遅延損害金並びに労働基準法114条に基づく付加金145万8079円及びこれに対する本裁判確定の日から支払済みまで民法所定の年5パーセントの割合による遅延損害金の各支払いを求める。 イ被告会社の認否原告の請求は争う。 第3 争点に対する判断 1 原告の管理監督者性被告会社は,原告が,財務・経理の責任者として採用されたこと,原告の担当した職務内容が重要であったこと,部下の人事考課に関与していたこと,高額の給与を得ていたこと,就業時間管理が緩やかであったことを根拠に,原告は労働基準法41条2号に定める管理監督者に当たるので,時間外割増賃金請求権は発生しないと主張する。 そこでまず,原告の採用の経緯についてみるに,確かに,証拠(甲8,乙7の1ないし3,被告代表者本人)によれば,被告会社は,原告の経歴をみて原告を経理担当として採用したことが認められるものの,原告の採用当初の雇用契約書(乙3)によれば,雇用期間は平成12年7月1日から9月30日までの3か月間に限定され,勤務内容によっては正社員として契約する可能性ありと記載されていることからすると,被告会社は当初,雇用期間3か月と定めて原告を仮採用しているのであって,かかる採用形態からすると,被告会社が採用当初から原告を経営者と一体の立場の者として採用したという事実は認めることができない。 次に,原告の職務内容についてみるに,証拠(乙5,6,8,原告本人,被告代表者本人)によれば,原告は,一時期,被告会社の財務,経理,人事,広報,PR,総務等の各部門を統括する経営企画室の長であったことが認められるものの,その期間は平成13年2月から5月まで3か月間に 告代表者本人)によれば,原告は,一時期,被告会社の財務,経理,人事,広報,PR,総務等の各部門を統括する経営企画室の長であったことが認められるものの,その期間は平成13年2月から5月まで3か月間に過ぎず,それ以前は経理担当の責任者,それ以後はサーバーサービス事業部のマネージャーを務めていたに過ぎない。また,原告が被告会社の取締役会に参加していたことには争いがないが,証拠(原告本人,被告代表者本人)によれば,原告は単に議事録を作成し,財務や増資の状況報告をしていたに過ぎない。さらに,被告会社の各部門の責任者が出席する会議や,取締役と各部門の責任者が出席する会議(ブリッジミーティング)に原告が参加していたことには争いがないが,経営企画室の長であった3か月間以外は,経理担当の責任者として参加していたに過ぎない。さらに,原告が,被告会社の就業規則を制定するための会議の議長を務めていたことにも争いがないが,原告本人の供述によれば,同会議においては,被告代表者が意見を述べることが多く,原告の役割は主に皆の意見のまとめ役であったに過ぎないと認められる。以上のような原告の従事していた職務内容に加えて,原告は,平成13年4月5日に初めて雇用期間を定めない社員になるまでは(乙6),雇用期間を限定された立場の契約社員であったと認められること(乙3ないし5)を併せ考えると,原告が,被告会社の経営者と一体の立場にあったとか,経営に参画していたと認めることはできない。 さらに,被告会社は,原告が,経営企画室の長として,経営企画室の社員の人事考課に関与していたと主張するが,証拠(乙10,原告本人,被告代表者本人)によれば,原告が関与したのは,平成13年4月における経営企画室の正社員2,3名について,これらのものが提出した目標管理シートをチェックして適切 と主張するが,証拠(乙10,原告本人,被告代表者本人)によれば,原告が関与したのは,平成13年4月における経営企画室の正社員2,3名について,これらのものが提出した目標管理シートをチェックして適切な目標設定をしているかをチェックしただけであることが認められる。 加えて,被告会社は,原告が高額の給与の支給を受けていたと主張するが,被告会社の作成した「役員報酬・経営企画室従業員賃金比較表」(乙10)によれば,確かに,原告の就業期間(平成12年7月から同13年7月まで)において,平成12年11月分から同13年3月分までは,原告は,非常勤取締役2名の報酬(30万円)と同額ないしそれ以上(最高で36万0500円)の給与を受け取っていることが認められるものの,他の正社員の給与(概ね20万円ないし30万円)と比較して著しく高額であるともいえないから,これをもって,原告のみが経営者と同程度の給与の支給を受けていたと認めることはできない。 最後に,被告会社は,原告の就業時間の管理が緩やかであったと主張し,被告代表者本人も同趣旨の供述をするけれども,原被告間の雇用契約書には,原告の就業時間は9時から18時まで(休憩時間午後12時から13時)と明確に定められていること(乙3ないし6),原告は,出社時刻,退社時刻をタイムカードに打刻して被告会社に提出していたこと(乙2),平成13年7月分の原告の給与からは,欠勤控除として1万5802円が控除されていること(甲3の11)がそれぞれ認められるのであって,これらの事実に照らすと被告代表者の供述を信用することはできず,かえって,被告会社は,原告の就業時間を管理していたことが認められる。 以上の次第で,原告が経理担当として採用されたに過ぎず,平成13年4月5日の契約更新までは雇用期間も ことはできず,かえって,被告会社は,原告の就業時間を管理していたことが認められる。 以上の次第で,原告が経理担当として採用されたに過ぎず,平成13年4月5日の契約更新までは雇用期間も限定されていたこと,原告が従事してきた業務内容も被告会社の経営に参画するものとは認められないこと,原告の待遇も経営者や役員と同等とは認められないこと,原告が就業時間を管理されていたと認められることなどを総合すると,原告が,経営者と一体的な立場にあるとは認められないから,原告が,労働基準法41条2号の定める「監督若しくは管理の地位にある者」であるとは認められない。 従って,被告会社は,原告に対し,労働基準法の定める割増賃金を支払う義務がある。 2 割増賃金の単価の計算方法労働基準法施行規則19条1項4号によれば,割増賃金の計算の基礎となる1時間当たりの単価は,原告のような月給制の場合,基礎となる賃金を月における所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なる場合には,1年間における1か月平均所定労働時間数)で除した金額と定められている。 そこで,まず,1日当たりの所定労働時間は,雇用契約書(乙3ないし6)によれば8時間(午前9時から午後6時まで。ただし,午後12時から午後1時までは休憩時間)であると認められる。 そして,上記各雇用契約書をみると,被告会社においては,平成13年4月5日付の雇用契約書(乙6)で,休日は「土曜日・日曜日・祝日・夏期休暇・年末年始休暇年間休日122日」と明確に定められるまでは,「週5日勤務」としか定められていなかったことが認められる(乙3ないし5)。しかしながら,原告のタイムカード(乙2)から認められる原告の出勤状況に照らすと,以前から,被告会社においては,休日は,土 「週5日勤務」としか定められていなかったことが認められる(乙3ないし5)。しかしながら,原告のタイムカード(乙2)から認められる原告の出勤状況に照らすと,以前から,被告会社においては,休日は,土曜,日曜,国民の祝日及び夏期休暇(8月14,15日),年末年始休暇(12月29日から1月3日まで)であったことが認められる。 そこで,前記争いのない事実等においてみたとおりの割増賃金の基礎賃金を前提に,1時間当たりの割増賃金の単価を算出する(以下,小数点以下四捨五入)。 (1) 平成12年7月から10月まで平成12年7月以降1年間における休日は122日であるから,1か月平均所定労働時間は162時間である((365日-122日)×8時間÷12か月=162時間)。 よって,割増賃金の単価は1543円となる(25万円÷162時間=1543円)。 (2) 平成12年11月から平成13年1月平成12年11月以降1年間の休日は121日であるから,1か月平均所定労働時間は163時間である((365日-121日)×8時間÷12か月=163時間)。 よって,割増賃金の単価は1840円となる(30万円÷163時間=1840円)。 (3) 平成13年2月及び3月平成13年2月以降1年間の休日は121日であるから,1か月平均所定労働時間は163時間である((365日-121日)×8時間÷12か月=163時間)。 よって,割増賃金の単価は2209円となる(36万円÷163時間=2209円)。 (4) 平成13年4ないし7月平成13年4月以降1年間の休日は122日であるから,1か月平均所定労働時間は162時間である( となる(36万円÷163時間=2209円)。 (4) 平成13年4ないし7月平成13年4月以降1年間の休日は122日であるから,1か月平均所定労働時間は162時間である((365日-122日)×8時間÷12か月=162時間)。 よって,割増賃金の単価は2160円となる(35万円÷162時間=2160円)。 3 原告の残業時間原告が被告会社に勤務していた間の,原告の出退勤時間はタイムカード(乙2)に記載されたとおりであると認められる。 もっとも,被告会社は,同タイムカードの記載中,原告が手書きした時刻の部分については信用できないと主張する。しかしながら,原告の供述によれば,同手書き部分は,原告が被告会社に寄らずに訪問先に直接出向くなどしたために打刻機を使用できなかった場合に,後に自ら記載したものであること,その記載内容をみても,格別,自己に有利に時間外労働になるようにばかり記載されてはおらず,格別不自然,不合理な内容であるとは窺えないこと,被告会社は,手書き部分について,これに代わる証拠を提出しないことを総合すると,上記タイムカードは,手書き部分を含め,原告の出退勤状況を記載したものとして信用することができる。 そして,上記タイムカードに記載された原告の出退勤時間を元に,時間外労働時間を算出すると,別紙原告の時間外労働状況一覧表のとおりと認められる。 なお,別紙原告の時間外労働状況一覧表記載の時間外労働及び休日労働は,深夜(午後10時以降)にまたがる場合は,深夜労働を含んだ時間である。また,休日出勤の場合も,平日と同様に,午後12時から午後1時までの間は休憩を取ったものとして労働時間を算定した。 そうすると,原告の従事した時間外労働時間は 深夜労働を含んだ時間である。また,休日出勤の場合も,平日と同様に,午後12時から午後1時までの間は休憩を取ったものとして労働時間を算定した。 そうすると,原告の従事した時間外労働時間は以下のとおりとなる。 時間外労働深夜労働休日労働平成12年7月 39時間37分平成12年8月 43時間28分 2時間02分平成12年9月 43時間36分平成12年10月 39時間45分平成12年11月 34時間43分 50分 6時間18分平成12年12月 55時間39分 39分 9時間00分平成13年1月 39時間21分 35分 11時間07分平成13年2月 50時間19分 4時間05分平成13年3月 52時間21分 4時間42分 11時間26分平成13年4月 68時間17分 3時間34分 17時間40分平成13年5月 63時間17分 1時間11分 7時間47分平成13年6月 44時間40分 2時間14分 6時間38分平成13年7月 14時間21分 1時間00分 4 以上を前提に未払残業代金を計算する。 (1) 平成12年7月時間外 1543円×39時間37分×1.25= 7万6411円(2) 平成12年8月時間外 1543円×43時間28 (1) 平成12年7月時間外 1543円×39時間37分×1.25= 7万6411円(2) 平成12年8月時間外 1543円×43時間28分×1.25= 8万3836円深夜 1543円× 2時間02分×1.25= 3922円(3) 平成12年9月時間外 1543円×43時間36分×1.25= 8万4094円(4) 平成12年10月時間外 1543円×39時間45分×1.25= 7万6668円(5) 平成12年11月時間外 1840円×34時間43分×1.25= 7万9848円深夜 1840円× 50分×1.25= 1917円休日 1840円× 6時間18分×1.35= 1万5649円(6) 平成12年12月時間外 1840円×55時間39分×1.25=12万7995円深夜 1840円× 39分×1.25= 1495円休日 1840円× 9時間00分×1.35= 2万2356円(7) 平成13年1月時間外 1840円×39時間21分×1.25= 9万0505円深夜 1840円× 35分×1.25= 1342円休日 1840円×11時間07分×1.35= 2万7614円(8) 平成13年2月時間外 2209円×50時間19分×1.25=13万8937円休日 1840円×11時間07分×1.35= 2万7614円(8) 平成13年2月時間外 2209円×50時間19分×1.25=13万8937円休日 2209円× 4時間05分×1.35= 1万2177円(9) 平成13年3月時間外 2209円×52時間21分×1.25=14万4551円深夜 2209円× 4時間42分×1.25= 1万2978円休日 2209円×11時間26分×1.35= 3万4096円(10) 平成13年4月時間外 2160円×68時間17分×1.25=18万4365円深夜 2160円× 3時間34分×1.25= 9630円休日 2160円×17時間40分×1.35= 5万1516円(11) 平成13年5月時間外 2160円×63時間17分×1.25=17万0865円深夜 2160円× 1時間11分×1.25= 3195円休日 2160円× 7時間47分×1.35= 2万2696円(12) 平成13年6月時間外 2160円×44時間40分×1.25=12万0600円深夜 2160円× 2時間14分×1.25= 6030円休日 2160円× 6時間38分×1.35= 1万9343円(13) 平成13年7月時間外 2160円×14時間21分×1.25= 3万8745円深夜 2160円× 時間38分×1.35= 1万9343円(13) 平成13年7月時間外 2160円×14時間21分×1.25= 3万8745円深夜 2160円× 1時間00分×1.25= 2700円(14) 合計 166万6076円 5 結論以上の次第で,原告に支払うべき未払賃金の額は166万6076円であって,原告の請求する金額145万8079円を超えるから,原告の未払賃金請求を全て認容する。 また,原告は,145万8079円の付加金の支払いも求めるので,これも全て認容する。 なお,原告は,付加金請求についても仮執行宣言を求めるが,付加金請求権は,裁判所の判決の確定によって初めて発生するものであるから,仮執行宣言を付することはできない。 神戸地方裁判所第4民事部裁判官太田敬司

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