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昭和28(あ)487 郵便法違反

裁判所

昭和33年1月16日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所

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707 文字

主文 本件上告を棄却する。理由 弁護人田村堅三の上告趣意第一点は、被告人の行為は、国家の郵便事務が終戦後その機能を失い、遅延紛失甚だしく国民一般が多大の困惑を感じていた際、当時の郵便制度の欠陥を救済せんがため、商社公団の要望に応え、利用者に多大の利便を与えたものであるから、刑罰権を発動することは、これら商社公団の有する憲法二五条に保障された生存権を否認することを是認する結果になり、被告人がその生存権を実現したことを理由として非難することは、違憲である、というに帰着する。しかし、憲法二五条一項は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るよう国政を運営すべきことを、国家の責務として宣言したものである。だが、国家は、個々の国民に対して、具体的・現実的にかかる生活権を保障する義務を有するものでない。言いかえれば、個々の国民は、直接国家に対して具体的・現実的にかかる生活権の保障を要求する権利を有するものということはできない。したがつて本件の場合において、所論商社公団は、憲法二五条によつて所論の生存権が保障されているとみることはできない。これ大法廷判例の趣旨とするところである(集二巻一〇号一二三五頁)。それ故、本件違憲の論旨は、採ることを得ない。同第二点は、違憲をいうが、その実質は原審が適法にした証拠の取捨判断を非難するに帰し、適法な上告理由と認めることができない。よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。昭和三三年一月一六日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔- 1 -裁判官入江俊 裁判長裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔- 1 -裁判官入江俊郎- 2 -

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