主 文 本件抗告を棄却する。 抗告費用は抗告人の負担とする。 理 由 抗告代理人野村務、同岡本栄市の抗告理由について 民事事件について特別抗告をすることが許されるのは、民訴法三三六条一項所定 の場合に限られるところ、本件抗告理由は、違憲をいうが、その実質は原決定の単 なる法令違反を主張するものであって、同項に規定する事由に該当しない。 なお、民訴法三三七条に規定する許可抗告制度は、法令解釈の統一を図ることを 目的として、高等裁判所の決定及び命令のうち一定のものに対し、法令の解釈に関 する重要な事項が含まれる場合に、高等裁判所の許可決定により、最高裁判所に特 に抗告をすることができることとしたものであり(最高裁平成一〇年(ク)第三七 九号同年七月一三日第三小法廷決定・裁判集民事一八九号登載予定参照)、最高裁 判所への上訴制限に対する例外規定である。高等裁判所のした保全抗告についての 決定に法令の解釈に関する重要な事項が含まれ、法令解釈の統一を図る必要性が高 いことは、執行抗告等についての決定と同様であるから、許可抗告制度の前記立法 趣旨に照らせば、同条一項ただし書は、高等裁判所のした保全抗告についての決定 を許可抗告の対象から除外する趣旨の規定ではないと解するのが相当である。この 点についての原審の判断は、法令の解釈を誤ったものというべきであるが、原決定 に憲法の違反があるとはいえない。 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 平成一一年三月一二日 最高裁判所第一小法廷 裁判長裁判官 遠 藤 光 男 - 1 - 裁判官 小 野 幹 雄 裁判官 井 嶋 一 友 長裁判官 遠 藤 光 男 - 1 - 裁判官 小 野 幹 雄 裁判官 井 嶋 一 友 裁判官 藤 井 正 雄 裁判官 大 出 峻 郎 - 2 -
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