- 1 -主文原略式命令を破棄する。 本件公訴を棄却する。 理由 甲府簡易裁判所は,平成19年7月11日,「被告人は,平成19年5月12日午後3時20分ころ,山梨県南アルプス市鏡中條2106番地付近道路において,指定最高速度(60㎞毎時)を30㎞毎時超える90㎞毎時の速度で普通乗用自動車を運転して進行したものである。」との事実を認定した上,道路交通法22条1項,4条1項,118条1項1号,同法施行令1条の2,刑法18条,刑訴法348条を適用して,被告人を罰金6万円に処する旨の略式命令を発付し,同略式命令は,同年7月31日確定した。 しかしながら,一件記録によると,本件違反場所は,自動車専用道路の指定を受けていた区間内にあるから,被告人の速度超過は,道路交通法125条1項により反則行為となると認められる。したがって,被告人に対しては,同法130条により,同法127条の通告をし,同法128条の納付期間が経過した後でなければ公訴を提起することができない。しかるに,甲府区検察庁検察官事務取扱検察事務官が上記の反則行為に関する処理手続を経由しないまま公訴を提起したのであるから,甲府簡易裁判所としては,刑訴法463条1項,338条4号により公訴棄却の判決をすべきであったにもかかわらず,公訴事実どおり前記事実につき有罪を認定して略式命令を発付したものであって,原略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益であることが明らかである。 なお,被告人は,原略式命令確定後に本邦を出国し非常上告申立て時において再- 2 -入国していないことが認められるが,非常上告制度の目的等に照らすと,このような場合においても,検事総長は最高裁判所に非常上告をすることができる。 よって,本件非常上告は理由があるから,刑訴法458条1号により原略式命令を破棄し,同 ,非常上告制度の目的等に照らすと,このような場合においても,検事総長は最高裁判所に非常上告をすることができる。 よって,本件非常上告は理由があるから,刑訴法458条1号により原略式命令を破棄し,同法338条4号により本件公訴を棄却することとし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。 検察官三浦守公判出席(裁判長裁判官櫻井龍子裁判官宮川光治裁判官金築誠志裁判官横田尤孝裁判官白木勇)
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