- 1 -主文本件各上告を棄却する。 理由 被告人Aの弁護人弘中惇一郎ほかの上告趣意は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であり,被告人Bの弁護人山田有宏ほかの上告趣意は,事実誤認,単なる法令違反の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。 なお,被告人Aの弁護人らの所論にかんがみ,職権で検討するに,原判決及びその是認する第1審判決の認定によれば,本件の事実関係は,次のとおりである。 すなわち,被告人Aは,参議院議員在職中の平成8年1月ころ,いわゆる職人を育成するための大学(以下「職人大学」という。)の設置を目指す財団法人の会長理事で,中小企業の社会的・経済的な発展向上を目的とする政治団体の実質的主宰者であるCから,参議院本会議において内閣総理大臣の演説に対して所属会派を代表して質疑するに当たり,国策として職人大学の設置を支援するよう提案するなど職人大学設置のため有利な取り計らいを求める質問をされたい旨の請託を受け,さらに,同年6月上旬ころ,他の参議院議員を含む国会議員に対しその所属する委員会等における国会審議の場において国務大臣等に職人大学設置のため有利な取り計らいを求める質疑等の職人大学設置を支援する活動を行うよう勧誘説得されたい旨の請託を受けた。そして,被告人Aは,これら各請託を受けたことなどの報酬として供与されるものであることを知りながら,また,被告人Bは,被告人Aが上記勧誘説得の請託を受けたことなどの報酬として供与されるものであることを知りながら,被告人両名は,共謀の上,Cらから,同月から平成10年7月まで前後合計2- 2 -6回にわたり,被告人Aが実質的に賃借して事務所として使用しているビルの部屋の賃料相当額合計2288万円の振込送金又は交付を受けた。さらに,被告 から,同月から平成10年7月まで前後合計2- 2 -6回にわたり,被告人Aが実質的に賃借して事務所として使用しているビルの部屋の賃料相当額合計2288万円の振込送金又は交付を受けた。さらに,被告人Aは,平成8年10月2日ころ,同様の趣旨でCから現金5000万円の交付を受けた。 以上のような事実関係によれば,被告人Aは,その職務に関し,Cから各請託を受けて各賄賂を収受したものにほかならないのであって,これと同旨の原判断は相当である。 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官藤田宙靖裁判官堀籠幸男裁判官那須弘平裁判官田原睦夫裁判官近藤崇晴)
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