令和3(ネ)605 新安保法制違憲国賠訴訟控訴事件

裁判年月日・裁判所
令和5年6月27日 福岡高等裁判所 棄却 長崎地方裁判所 平成28(ワ)159
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判決文本文9,764 文字)

1主 文1 本件各控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実及び理由第1 控訴の趣旨51 原判決を取り消す。 2 被控訴人は、控訴人らに対し、各10万円を支払え。 第2 事案の概要(以下、特に断らない限り、略称は原判決の例による。)1ア 内閣は、平成26年7月1日、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する安全保障法制の整備のための基10本方針を閣議決定し(平成26年7月閣議決定)、また、平成27年5月14日、「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」(平和安全法制整備法)及び「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」(国際平和支援法)に係る法律案を閣議決定して(平成27年5月閣議決定)、同月15日、同法律案を国会15に提出し、その後、衆議院本会議及び参議院本会議で可決され、同年9月19日、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(平和安全法制関連2法)が成立した(本件各行為)。 イ 被控訴人は、平成28年11月から平成29年3月まで、南スーダン国際平和協力業務実施計画に駆け付け警護を追加する旨の閣議決定により駆け付け警護の20任務が付与された自衛隊の部隊を南スーダン共和国(南スーダン)へ派遣し(本件駆け付け警護の任務付与)、また、平成29年5月、防衛大臣の武器等防護の警護実施命令により、海自護衛艦に米海軍艦船の防護を実施させた(本件武器等防護の実施。以下、本件駆け付け警護の任務付与と併せて「本件駆け付け警護の任務付与等」といい、本件各行為と併せて「本件各行為等」ということがある。)。 衛艦に米海軍艦船の防護を実施させた(本件武器等防護の実施。以下、本件駆け付け警護の任務付与と併せて「本件駆け付け警護の任務付与等」といい、本件各行為と併せて「本件各行為等」ということがある。)。 25ア 本件は、控訴人らが、本件各行為等は、いずれも憲法前文、9条、13条、 296条1項に違反して違憲である、控訴人らは、本件各行為等により、その平和的生存権、人格権、憲法改正、決定権を侵害され精神的苦痛を被ったなどと主張して、被控訴人に対し、国賠法1条1項に基づき、慰謝料各10万円の支払を求める事案である。 イ 原審は、控訴人らの主張する平和的生存権、人格権及び憲法改正、決定権が、5本件各行為との関係で、国賠法上保護された権利又は法的利益に当たり、これが本件各行為により侵害されたとはいえない、控訴人らの主張する上記の各権利が、国賠法上保護された権利又は法的利益に当たり、これが本件駆け付け警護の任務付与等により侵害されたとはいえないとして、控訴人らの請求をいずれも棄却し、控訴人らは、これを不服として控訴を提起した。 10第1審原告らの一部は,控訴を提起していない。また,控訴人らの一部は,当審において,その訴えを取り下げた。 2 前提事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、次のとおり補正し、3のとおり当審における控訴人らの補充主張を加えるほかは、原判決「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」の1から3まで(原判決2頁12行目から25頁10行15目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 原判決2頁15行目の「「脅威が」を「「我が国を取り巻く安全保障環境は根本的に変容するとともに、更に変化し続け、我が国は複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面している。」、「冷戦終結後の四半世紀だけをとっても、グローバル 威が」を「「我が国を取り巻く安全保障環境は根本的に変容するとともに、更に変化し続け、我が国は複雑かつ重大な国家安全保障上の課題に直面している。」、「冷戦終結後の四半世紀だけをとっても、グローバルなパワーバランスの変化、技術革新の急速な進展、大量破壊兵器や弾道ミサイ20ルの開発及び拡散、国際テロなどの脅威により、アジア太平洋地域において問題や緊張が生み出されるとともに、脅威が」に改め、17行目の「情勢認識に基づき、」の次に「「政府の最も重要な責務は、我が国の平和と安全を維持し、その存立を全うするとともに、国民の命を守ることである。」、「我が国を取り巻く安全保障環境の変化に対応し、政府としての責務を果たすためには、まず、十分な体制をもっ25て力強い外交を推進することにより、安定しかつ見通しがつきやすい国際環境を創 3出し、脅威の出現を未然に防ぐとともに、国際法にのっとって行動し、法の支配を重視することにより、紛争の平和的な解決を図らなければならない。」、」を加える。 原判決3頁8行目の「一体化の問題」を「「武力の行使との一体化」の問題」に改め、22行目末尾に「、「この『武力の行使』には、他国に対する武力攻撃が5発生した場合を契機とするものが含まれるが、憲法上は、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち、我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるものである。」」を加える。 原判決3頁26行目の「従前は、次の三要件を示していた」を「従前、武力行使を行うことが許されるのは、我が国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合10に限られ、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないとの見解に基づき、次の三要件(以下「旧三要件」と 迫、不正の侵害に対処する場合10に限られ、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないとの見解に基づき、次の三要件(以下「旧三要件」という。)を示してきた」に改める。 原判決4頁4行目の「平成26年7月閣議決定に際して、」の次に「従前の認識を改め、我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち、我が国を防衛す15るためのやむを得ない自衛の措置として、一部、限定された場合において他国に対する武力攻撃が発生したことを契機とする武力の行使、すなわち集団的自衛権の行使は、憲法上許容されるとの見解に基づき、」を、13行目の「甲B1」の次に「、甲B128の2、4、6、8、12、25」をそれぞれ加える。 原判決11頁19行目の「「一つの宿営地を」を「駆け付け警護について、20「自衛隊の施設部隊の近傍でNGO等の活動関係者が襲われ、他に速やかに対応できる国連部隊が存在しない、といった極めて限定的な場面で、緊急の要請を受け、その人道性及び緊急性に鑑み、応急的かつ一時的な措置としてその能力の範囲内で行うものである。」と、また、宿営地の共同防護について、「国連PKO等の現場では、複数の国の要員が協力して活動を行うことが通常となっており、南スーダン25においても、一つの宿営地を」に改める。 4原判決13頁8行目の「従来確立し、」の次に「慣習法となり、」を加え、9行目の「解釈の」を「解釈(政府見解)の」に、11行目から12行目にかけての「否定するものである」を「否定するもので、憲法9条に違反することは明白である」に、同行目から13行目にかけての「自衛隊を出動させて戦争をすることを」を「自衛隊を出動させ海外で武力を行使することを」にそれぞれ改める。 5原判決14頁17 9条に違反することは明白である」に、同行目から13行目にかけての「自衛隊を出動させて戦争をすることを」を「自衛隊を出動させ海外で武力を行使することを」にそれぞれ改める。 5原判決14頁17行目の「立法内容が」を「国会議員が立法過程において遵守すべき行為規範又は職務上の法的義務に違反し、その立法内容が」に改める。 原判決15頁4行目の「本件各行為の違憲の程度は甚だしく、明白であるから」を「本件の重大性、違憲の程度、影響の範囲、本件で問題とされる権利の性質、判決により憲法適合性に係る判断を示す効果に加え、不確実ではあるものの、大規10模かつ甚大で不可逆的な損害が発生するおそれがあることや、本件各行為により武力行使の発動基準が曖昧となり、国民の権利ないし利益の侵害に係る具体的危険の発生を予見することが、極めて困難な状況となっていることにも照らすと」に改める。 原判決15頁14行目の「複合的権利であり、」の次に「その内容も、「戦15争や軍隊に生命、安全、健康などを奪われたり脅かされたりしない権利」と極めて明確であって、」を加える。 原判決15頁20行目の「もちろん、」の次に「具体的な権利ないし利益を侵害するには至っていないものの、」を、21行目末尾に「仮にそうでないとしても、平和安全法制関連2法の制定により、我が国に対する武力攻撃が発生していな20い場合でも、アメリカ合衆国と共に武力行使をすることが可能となり、その当然の帰結として、我が国が武力攻撃の対象となること、そして、国民はいつ発生するか分からない武力攻撃に怯えざるを得ないことからすると、控訴人らの具体的な権利ないし利益は現に侵害されているというべきである。」をそれぞれ加える。 原判決24頁9行目の「武器等防護は、」の次に「「武力攻撃に至らない事25態 得ないことからすると、控訴人らの具体的な権利ないし利益は現に侵害されているというべきである。」をそれぞれ加える。 原判決24頁9行目の「武器等防護は、」の次に「「武力攻撃に至らない事25態」で、」を加える。 53 当審における控訴人らの補充主張① 政府が、⒜ 令和4年12月、国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画のいわゆる防衛3文書を改定して、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を明記し、⒝ 平和安全法制関連2法の施行後、海自護衛艦の攻撃型空母への改造、スタンド・オフ・ミサイル、敵基地攻撃能力を有する戦闘攻撃機等の整備、保5有、自衛隊と米軍との連携強化、統合化、一体化を進めて、我が国の専守防衛政策を大転換させたこと、② 被控訴人が、平成29年以降、米海軍等との共同訓練に自衛隊を派遣し、存立危機事態を想定した実動訓練も実施していること、③ 政府が、令和4年12月、来年度の防衛予算を過去最大の6兆8000億円程度とする方針を決定し、新「防衛力整備計画」において、今後5年間で防衛費をGDPの2%10にまで増額する方針を示したことに加え、ロシアによるウクライナ侵攻や、いわゆる台湾有事、北朝鮮有事等に係る情勢に鑑みると、我が国が戦争に巻き込まれる危険は増大していて、本件各行為により、我が国が他国等による武力行使の対象とされる蓋然性は高くなっている。 第3 当裁判所の判断151 当裁判所も、控訴人らの請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、次のとおり補正するほかは、原判決「事実及び理由」欄の「第3 当裁判所の判断」の1及び2(原判決25頁12行目から32頁6行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 原判決25頁26行目の「そこで、本件各行為の憲法適合性判断に先立ち」20を「 判所の判断」の1及び2(原判決25頁12行目から32頁6行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。 原判決25頁26行目の「そこで、本件各行為の憲法適合性判断に先立ち」20を「そうすると、裁判所は、具体的な法律上の争訟について裁判を行うために必要な範囲で、適用法上の憲法適合性の審査を行うのが相当であるところ、控訴人らは、本件各行為により、控訴人らの権利(ないし利益)が侵害された旨の主張をすることから」に改める。 原判決26頁12行目から13行目にかけての「平和的生存権の根拠として」25から14行目末尾までを「平和的生存権は、憲法前文、9条、13条等の憲法第3 6章の諸規定又はこれらを根拠とする複合的権利であり、具体的権利性及び裁判規範性を有する旨の主張をする。」に改める。 原判決26頁15行目の「憲法9条は」を「イ 憲法9条は」に、18行目から19行目にかけての「個々の国民に対する具体的な権利の根拠となるものではない」を「国民の権利ないし法的利益を直接保障するものではないから、同条を根5拠として、控訴人らの主張する平和的生存権が具体的権利性及び裁判規範性を有するということはできない」にそれぞれ改める。 原判決26頁21行目の「記載されているが」を「うたわれているが、憲法前文にいう「平和」とは、理念ないし目的としての抽象的概念であって、それ自体が独立して、具体的な法律上の争訟において裁判を行うための判断基準となるもの10ではないし、そもそも、憲法前文において、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」とうたわれているとおり」に改める。 原判決26頁24行目から26行目までを次のとおり改める。 「 さらに、憲法13条は、憲法上明示的に列挙されて げてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」とうたわれているとおり」に改める。 原判決26頁24行目から26行目までを次のとおり改める。 「 さらに、憲法13条は、憲法上明示的に列挙されていない個人の人格的利益15を新しい人権として保障する根拠とはなり得るものの、前記のとおり、控訴人らが平和的生存権として主張する平和は、理念ないし目的としての抽象的概念であり、平和を達成する手段や方法も一義的に定まるものでないことに照らすと、控訴人らの主張する平和的生存権の内容や、成立要件、法的効果を具体的に確定するのは困難であり、憲法13条や憲法第3章の諸規定をもって、控訴人らの主張する平和的20生存権が具体的な権利ないし法的利益として保障されているということはできない。 そして、以上の判断は、憲法前文、9条、13条等の憲法第3章の諸規定を併せ考慮しても、左右されない。控訴人らは、平和的生存権は、憲法前文、9条、13条により保障された「戦争や軍隊に生命、安全、健康などを奪われたり脅かされたりしない権利」であり、その内容は極めて明確であって、具体的権利性及び裁判規25範性を有する旨の主張をするが、かかる主張を踏まえても、控訴人らの主張する平 7和的生存権の内容や、成立要件、法的効果は不明確であるといわざるを得ず、採用できない。」原判決26頁26行目末尾を改行の上、次のとおり加える。 「人格権の侵害について」原判決27頁1行目から2行目までを次のとおり改める。 5「ア 控訴人らは、本件各行為により、控訴人らの人格権、すなわち、① 生命権、身体権及び精神に関する利益、② 平穏生活権、③ 主権者として蔑ろにされない権利が侵害された旨の主張をすることから、以下検討する。 イ 生命権、身体権及び精神に関する利益、並び なわち、① 生命権、身体権及び精神に関する利益、② 平穏生活権、③ 主権者として蔑ろにされない権利が侵害された旨の主張をすることから、以下検討する。 イ 生命権、身体権及び精神に関する利益、並びに、平穏生活権について」原判決27頁9行目から10行目にかけての「増大した旨主張するが」から1013行目末尾までを「増大した旨の主張をする。しかしながら、本件各行為自体は、控訴人らの生命、身体の安全を侵害し、その生活の平穏を侵害するものではないし、本件全証拠によるも、本件各行為により、現に控訴人らの生命及び身体の安全が侵害され、その生活の平穏が侵害されたとは認められないのであって、本件各行為により、我が国が戦争に巻き込まれ、他国等による武力行使の対象とされることにつ15いて、不安や恐怖の念を抱いたとしても、これをもって、控訴人らに損害賠償の対象となり得るような法的利益の侵害があったということはできない。」に改める。 原判決27頁16行目の「A」を「A」に、20行目の「原告らの平和的生存権は」を「控訴人らの主張する上記の人格権は」に、22行目の「実際には」から25行目末尾までを「かかる主張を踏まえても、本件各行為により、現に控訴人20らの生命及び身体の安全が侵害され、その生活の平穏が侵害されたとも、その具体的な危険が発生したとも認めることはできない。」にそれぞれ改める。 原判決27頁26行目の「前記第2の3(原告らの主張)ウ、エの」を「前記第2の3エの」に、28頁2行目から3行目にかけての「本件全証拠及び弁論の全趣旨によっても」を「本件全証拠によるも」に、4行目の「権利が制限25され」から6行目末尾までを「権利が制限され、義務を課される具体的な危険が発 8生したと認めることはできない。」にそれぞれ改める。 も」を「本件全証拠によるも」に、4行目の「権利が制限25され」から6行目末尾までを「権利が制限され、義務を課される具体的な危険が発 8生したと認めることはできない。」にそれぞれ改める。 原判決28頁6行目末尾を改行の上、次のとおり加える。 「 控訴人らは、我が国が戦争に巻き込まれる危険は増大していて、本件各行為により、我が国が他国等による武力行使の対象とされる蓋然性は高くなっている旨の主張をする。そして、① 内閣が、令和4年12月、防衛3文書を改定して、敵5基地攻撃能力の保有を明記するとともに、令和5年度から5年間の防衛費総額を大幅に増額する方針を閣議決定したこと、また、北朝鮮が、防衛3文書の改定を批判する談話を発表し、中国が、防衛3文書の改定に合わせ、南西諸島攻撃を想定した訓練を実施したこと(甲B153の6、7、甲C55、甲C56)、② 平成29年5月以降、海自護衛艦による米海軍艦船等の防護が実施されていること(甲B11025、甲B129の5、8、甲B144、証人B)、③ 平成29年3月以降、北朝鮮によるミサイルの発射を想定した住民避難訓練等が実施されていること(甲B129の6、9、10、11、12、13、15)、④ 令和3年4月、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を明記した日米首脳共同声明が発表されたこと(甲B125、甲B144、甲C41、42、証人B)は認められるが、かかる事情を踏ま15えても、本件各行為により、控訴人らに損害賠償の対象となり得るような権利ないし法的利益の侵害があった、あるいは、侵害される具体的な危険が発生したと認めるのは困難である。」原判決28頁9行目の「平和的生存権を」を「人格権を」に、13行目の「平和的生存権に」を「控訴人らの主張する人格権に」にそれぞれ改める。 20原判 険が発生したと認めるのは困難である。」原判決28頁9行目の「平和的生存権を」を「人格権を」に、13行目の「平和的生存権に」を「控訴人らの主張する人格権に」にそれぞれ改める。 20原判決28頁14行目の「付随的違憲審査制が」から20行目の「できず」までを「多数決原理に基づく代表民主制を採用する我が国において、国民各人の思想や信条と異なる立法等がされることは憲法の予定するところであって、自己の思想や信条と異なる閣議決定や立法がされたことにより、自己の心情、感情を害し、不安や恐怖の念を抱いたとしても、これを被侵害利益として、直ちに損害賠償を求25めることはできないというべきである。そして」に、21行目の「受ける精神的苦 9痛も」から22行目末尾までを「、不安や恐怖の念を抱いたとしても、これをもって、国賠法上保護され、損害賠償の対象となり得るような権利ないし法的利益の侵害があったということはできない。」にそれぞれ改める。 原判決28頁23行目の「前記第2の3」から24行目の「eのように、」までを削り、24行目から25行目にかけての「個別的、具体的な現実の精神的苦5痛である旨主張する」を「具体的、個別的な現実の精神的苦痛であり、損害賠償の方法による救済が認められるべきである旨の主張をする」に改める。 原判決29頁4行目の「各本人」を「、控訴人C、控訴人D各本人」に、7行目から8行目にかけての「多大な精神的苦痛を感じたことが認められる」を「本件各行為により、自己の心情を害され、我が国が戦争に巻き込まれ、他国等による10武力攻撃の対象とされることにつき、強い不安や恐怖の念を抱き、強い憤りを感じたことが認められ、かかる控訴人らの実体験に基づく供述等は、それ自体傾聴に値するものである」にそれぞれ改める。 原判決 武力攻撃の対象とされることにつき、強い不安や恐怖の念を抱き、強い憤りを感じたことが認められ、かかる控訴人らの実体験に基づく供述等は、それ自体傾聴に値するものである」にそれぞれ改める。 原判決29頁9行目から11行目までを次のとおり改める。 「 しかしながら、控訴人らの主張する平和は、理念ないし目的としての抽象的15概念であり、平和を達成する手段や方法も一義的に定まるものでないこと、本件各行為により、控訴人らに損害賠償の対象となり得るような権利ないし法的利益の侵害があったとも、侵害される具体的な危険が発生したともいえないこと、多数決原理に基づく代表民主制を採用する我が国において、国民各人の思想や信条と異なる立法等がされることは憲法の予定するところであることは、前記のとおりであって、20やはり、本件各行為により、自己の心情、感情を害され、不安や恐怖の念を抱いたとしても、これを被侵害利益として、直ちに損害賠償を求めることはできないというべきである。」原判決29頁12行目から30頁16行目までを削る。 原判決30頁17行目を次のとおり改める。 25「主権者として蔑ろにされない権利の侵害について」 10原判決30頁20行目の「後記のとおり」を「後記のとおり」に改める。 原判決31頁1行目の「」を「」に、4行目の「憲法96条は」から5行目の「定めるところ」までを「憲法96条1項は、憲法改正の手続について、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又5は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」と定めるところ」にそれぞれ改める。 原判決31頁11行目の を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又5は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」と定めるところ」にそれぞれ改める。 原判決31頁11行目の「そのような実質的改正が」から18行目末尾までを「憲法96条1項は、憲法の改正は、国会が発議し、国民に提案してその承認を経なければならない旨を定めるのであって、かかる規定の趣旨に鑑みると、憲法は、10憲法改正を発議し国民に提案するか否かを、国会に委ねているというべきであって、憲法が、国民各人に対して、憲法改正、決定権という具体的な権利を保障しているとは解されず、控訴人らの主張する憲法改正、決定権について、国賠法上保護され、損害賠償の対象となり得るような権利ないし法的利益の侵害があったということはできない。」15原判決31頁24行目の「及び弁論の全趣旨」を削る。 2 よって、原判決は相当であり、本件各控訴は理由がないから、いずれもこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所第1民事部 20 裁判長裁判官 森 冨 義 明 裁判官 野々垣 隆 樹25 11 裁判官伊賀和幸は、差支えにつき、署名押印することができない。 裁判長裁判官 森 冨 義 明5

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