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昭和36(ラ)44 競落不許可決定に対する即時抗告事件

裁判所

昭和36年6月16日 名古屋高等裁判所

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1,612 文字

主文 本件抗告を棄却する抗告費用は抗告人の負担とする 理由 抗告人の抗告の趣旨及び抗告理由は別紙記載のとおりである。記録によると、本件競売の基本である抵当権は共に債務者である相手方Aの所有に属する本件土地及び建物に対する共同担保の抵当権であつて、その債権額は計二二一八、〇九二円であること、債権者である相手方Bは、競売申立人としてその申立書に既に、「本件土地建物に対しては後日の紛争を避くるため一括競売に付せられたい」旨記載し、別に一括競売申立と題する書面を提出し、同書面に「本件不動産は同一敷地内に建物建設せられ、これを各別に競売する時は競売価格が低廉になるばかりでなく敷地と其の地上の建物と競落人を異にする時は後日地代其の他の事由により紛争の因になる恐れがあるから、土地建物を全部一括して競売せられたい」旨、競売裁判所に申出でて居ること、原裁判所は本件不動産について鑑定人Cに命じた評価鑑定の結果に基き「不動産の表示」を「伊勢市a町b番c、宅地弐拾坪弐合九勺公課金四、四〇八円也此の最低競売価額金壱百四拾万円也同上b番家屋番号同所d番のe、f、木造セメント瓦葺弐階建店舗公課金四、五〇〇円也建坪拾弐坪五合、弐階坪拾弐坪五合此の最低競売価額金五拾万円也右建物に附属する建物建具その他従物定着物等一切有姿のまま」と競売期日の公告に掲げ、その競売期日に本件競売記録を各人の閲覧に供し本件競売物中建物の部分のみについて抗告人の競買申出があり、本件土地については競買の申出がなかつたので、原裁判所が抗告人摘示の理由によつて本件競落を許さなかつたことが認めら<要旨>れる。従つて本件競売物件である土地及び其の地上に在る建物は共に債務者の所有に属し且本件抵当権も亦右</要旨>土地及び建物を一括して設定せられたも 由によつて本件競落を許さなかつたことが認めら<要旨>れる。従つて本件競売物件である土地及び其の地上に在る建物は共に債務者の所有に属し且本件抵当権も亦右</要旨>土地及び建物を一括して設定せられたものである場合であるから、若しこれを分離して個々に競売するときは、一括して競売する場合に比し、甚しい価額の低落を来し抵当権者並に債務者所有者等の利害関係人に大きな損害を与える結果となることが明白に予測される場合であるということが出来る。 たことが認めら<要旨>れる。従つて本件競売物件である土地及び其の地上に在る建物は共に債務者の所有に属し且本件抵当権も亦右</要旨>土地及び建物を一括して設定せられたものである場合であるから、若しこれを分離して個々に競売するときは、一括して競売する場合に比し、甚しい価額の低落を来し抵当権者並に債務者所有者等の利害関係人に大きな損害を与える結果となることが明白に予測される場合であるということが出来る。このような場合には、競売裁判所は、競売制度が裁判所の関与によつて公正になるべく高価に抵当物を売却し抵当債権を満足せしむることを目的とする制度であることから、強いて個別に競売することなく、競売申立人の申立にかかる一括競売の方法によるべきである。(東京高等昭和三三年(ラ)第七一〇号不動産競落許可決定に対する即時抗告申立事件昭和三四年二月二四日決定、下級裁判所民事裁判例集第一〇巻第二号三九六頁以下参照)本件については他に一括競売を不当若しくは不便とする事由が見当らないのであるから、競売裁判所が競落期日に出頭せる債権者の異議申出を認容し分割競売を許すべきでないとして競落不許可の決定したことは本件記録に徴し明白であるので、本件抗告は失当である。その他記録を精査しても、原決定を違法ならしめる欠点を見出すことができないので、本件抗告は理由ないと認め、これを棄却すべく、民事訴訟法第四一四条、第三八四条、第八九条、第九五条に従い、主文の通り決定する。(裁判長判事県宏判事越川純吉判事奥村義雄)

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