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昭和39(行ツ)103 町長選挙無効訴訟

裁判所

昭和40年5月21日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和38(ナ)24

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1,673 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人D名義、同長戸路政行の上告理由一及び二について。本件町長選挙においては、公職選挙法一九四条及び同法施行令一二七条による選挙運動費用額は一八四、〇〇〇円であるべきところ、八四、〇〇〇円と誤算して告示されたというのである。それがいわゆる選挙の規定に違反することはいうまでもなく、しかもこのように告示額が正しい法定費用額の半にも満たない著しい誤算の存する場合においては、各候補者が告示の費用額をもつてできるだけ効果的な運動方法を採用したとしても、到底正しい費用額のもとの運動効果と同様ではありえないから、その違法は各候補者の得票数に影響し、その選挙の結果、すなわち当落に異動を生ずる可能性をもつことを否定しがたい。論旨は、本件選挙が一〇二二票にのぼる当落得票差を生じた事実に徴し、たとえそれが正しい運動費用額によつて行なわれたとしても、費用制限は各候補者に対して同一である以上、次点者たる被上告人Bが当選したであろうという蓋然性は認めがたいものとし、かかる蓋然性の見出せないかぎり、本件告示の違法は選挙の結果に異動を及ぼす虞れのないものと主張する。しかし前叙のような著しい誤算のある告示のもとにおいては、右の得票差を生じた事情から直ちに所論のようにBに当選の蓋然性はないと断じがたいのみならず、その違法の各候補者の得票数の増減に及ぼす影響の程度、範囲をみだりに憶測することは許さるべきではないから、その違法にかかわらず当落に異動を及ぼす可能性のないことを確実と肯認するに足りる具体的事情の認むべきもののないかぎり、選挙は無効と判定せざるをえない。なお論旨は、原判決が本件告示の瑕疵は、当選人Eに比すればいわゆる新人候補- 1 - 可能性のないことを確実と肯認するに足りる具体的事情の認むべきもののないかぎり、選挙は無効と判定せざるをえない。 程度、範囲をみだりに憶測することは許さるべきではないから、その違法にかかわらず当落に異動を及ぼす可能性のないことを確実と肯認するに足りる具体的事情の認むべきもののないかぎり、選挙は無効と判定せざるをえない。なお論旨は、原判決が本件告示の瑕疵は、当選人Eに比すればいわゆる新人候補- 1 - 可能性のないことを確実と肯認するに足りる具体的事情の認むべきもののないかぎり、選挙は無効と判定せざるをえない。なお論旨は、原判決が本件告示の瑕疵は、当選人Eに比すればいわゆる新人候補- 1 -である被上告人Bにより多くの不利益をもたらし、不公正な選挙をした結果を招来したものとして、これを違法の選挙の結果に異動を及ぼす虞れのあることの理由としたのを非難する。本件告示による選挙運動費用額の違法な制限は、各候補者の均しくうけるところであるにしても、候補者それぞれの個人的事情その他により各自の現実に被る影響に差異の存することはいうまでもないが、B候補が新人候補なるが故に本件告示の違法が同人に対しより不利益に影響したもののごとく一概に断じうべきものではない。しかし本件選挙については、前叙のように、その違法の当落に異動を及ぼす可能性を否定しがたいものが認められ、原判決もまた「本件選挙が正しい法定選挙費用の下で行われたとすれば、原告Bが当選したと断定することが出来ないと同様に当選しなかつたと断定することもできない」旨を説示して、このようなBの当選の可能性の存在をもつて、違法が選挙の結果に異動を及ぼす虞あるものとしているのである。従つて原判決の前示判示部分は相当でないとしても、本件選挙を無効とした原判決の判断の結果を動かすに足りない。結局原判決は正当であつて、論旨はいずれも採用することができない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介裁判官 奥野健一裁判官山田作之助裁判官草鹿浅之介裁判官城戸芳彦裁判官石田和外- 2 -

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