昭和51(オ)17 所有権移転仮登記抹消登記手続本訴等請求

裁判年月日・裁判所
昭和51年7月19日 最高裁判所第二小法廷 判決 その他 東京高等裁判所 昭和48(ネ)1838
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判決文本文1,808 文字)

主文 本件上告を棄却する。原判決主文に「被控訴人の本訴請求及び控訴人の反訴請求はいずれもこれを棄却する。」とあるのを「被控訴人の本訴請求中遺言無効確認請求及び控訴人の反訴請求はいずれもこれを棄却する。被控訴人の本訴請求中所有権移転仮登記抹消登記手続請求については訴を却下する。」と更正する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告代理人田中正司、同原誠の上告理由第一点について所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠に照らし正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は採用することができない。同第二点について遺言執行者は、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有し(民法一〇一二条)、遺贈の目的不動産につき相続人により相続登記が経由されている場合には、右相続人に対し右登記の抹消登記手続を求める訴を提起することができるのであり、また遺言執行者がある場合に、相続人は相続財産についての処分権を失い、右処分権は遺言執行者に帰属するので(民法一〇一三条、一〇一二条)、受遺者が遺贈義務の履行を求めて訴を提起するときは遺言執行者を相続人の訴訟担当者として被告とすべきである(最高裁昭和四二年(オ)第一〇二三号、同四三年五月三一日第二小法廷判決・民集二二巻五号一一三七頁)。更に、相続人は遺言執行者を被告として、遺言の無効を主張し、相続財産について自己が持分権を有することの確認を求める訴を提起することができるのである(最高裁昭和二九年(オ)第八七五号、同三一年九月一八日第三小法廷判決・民集一〇巻九号一一六〇頁)。右のように、遺言執行者は、遺言に関し、受遺者あるいは相続人のため、自己の名において、- 1 -原告あるいは被告となるのであるが、以上の各場合 九月一八日第三小法廷判決・民集一〇巻九号一一六〇頁)。右のように、遺言執行者は、遺言に関し、受遺者あるいは相続人のため、自己の名において、- 1 -原告あるいは被告となるのであるが、以上の各場合と異なり、遺贈の目的不動産につき遺言の執行としてすでに受遺者宛に遺贈による所有権移転登記あるいは所有権移転仮登記がされているときに相続人が右登記の抹消登記手続を求める場合においては、相続人は、遺言執行者ではなく、受遺者を被告として訴を提起すべきであると解するのが相当である。 言執行者は、遺言に関し、受遺者あるいは相続人のため、自己の名において、- 1 -原告あるいは被告となるのであるが、以上の各場合と異なり、遺贈の目的不動産につき遺言の執行としてすでに受遺者宛に遺贈による所有権移転登記あるいは所有権移転仮登記がされているときに相続人が右登記の抹消登記手続を求める場合においては、相続人は、遺言執行者ではなく、受遺者を被告として訴を提起すべきであると解するのが相当である。けだし、かかる場合、遺言執行者において、受遺者のため相続人の抹消登記手続請求を争い、その登記の保持につとめることは、遺言の執行に関係ないことではないが、それ自体遺言の執行ではないし、一旦遺言の執行として受遺者宛に登記が経由された後は、右登記についての権利義務はひとり受遺者に帰属し、遺言執行者が右登記について権利義務を有すると解することはできないからである。右と同旨の原審の判断は正当として是認することができる。そして、右のように受遺者を被告とすべきときに遺言執行者を被告として提起された訴は不適法としてこれを却下すべきであるところ、原判示によれば原判決も右と同旨であることが明らかである。そうすると、原判決主文中被控訴人の本訴請求はこれを棄却するとした部分は、明白な誤記であるから、本訴請求中、遺言無効確認請求はこれを棄却し、所有権移転仮登記抹消登記手続請求については訴を却下することとし、主文二項のとおり、更正する。右のとおりであるから、原判決に所論の違法はなく、論旨は採用することができない。よつて、民訴法一九四条、四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官本林 ない。よつて、民訴法一九四条、四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官本林讓裁判官岡原昌男裁判官大塚喜一郎- 2 -裁判官吉田豊裁判官栗本一夫- 3 -

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