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昭和38(オ)145 損害賠償請求

裁判所

昭和39年9月22日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 広島高等裁判所 松江支部

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1,614 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人らの負担とする。理由 上告代理人和田珍頼の上告理由一について。上告人Aが本件強制執行の過程で判示の競売期日延期等を約した旨の原審認定は、挙示の証拠に照らして肯認できなくはなく、その認定が証拠に基づかないということはできない。しかして、右約束が、同上告人に代理権があるため、本人たる上告金庫にその効力が及び、従つて右約束を履践しないときは、その契約違反の責任を上告金庫において負担すべきこと勿論であるにしても、上告人Aが右強制執行に際して為した行為にして民法七〇九条の要件に該当する限り、上告人Aは不法行為の責を負い、かつ、上告金庫は、上告人Aを使用して右強制執行を担当せしめていた関係から、同法七一五条による使用者責任を負担すべきことも当然であつて、被上告人の本訴請求は、まさに右の不法行為を原因とするものであるから、原判決には上告金庫の前記契約違反に関連しての所論の違法は認められない。よつて論旨は採用できない。同二、三について。強制執行が執行機関の行為として執行法上適法である場合であつても、債権者と債務者間の実体私法上の関係において、その執行の申立ないし追行若しくは執行の結果につき債権者に故意又は過失が認められて民法七〇九条の要件に該当する限りは、その債権者は、不法行為による損害賠償の責任を負担すべきものである。しかして、上告人Aは、昭和三二年一二月二七日前叙の弁済期の延期、競売期日延期等の約束を為しながら、その直後生じた私事に原因して立腹し、報復のため執行吏の競売手続を利用して被上告人の本件物件に対する所有権を失わしめて経済的打撃を- 1 -与えるべく、前記合意に背き、同日執行吏に対し競売実施方を申入れて執行吏をして競売を実施させ 報復のため執行吏の競売手続を利用して被上告人の本件物件に対する所有権を失わしめて経済的打撃を- 1 -与えるべく、前記合意に背き、同日執行吏に対し競売実施方を申入れて執行吏をして競売を実施させ、被上告人をして本件物件の所有権を喪失せしめたものであつて、被上告人としては延期された同年一二月三一日当時なら本件債務残額を弁済して本件競売の実施を防止することが不可能ではなかつた旨の原審認定は、挙示の証拠に照らし肯認できないわけではない。 して被上告人の本件物件に対する所有権を失わしめて経済的打撃を- 1 -与えるべく、前記合意に背き、同日執行吏に対し競売実施方を申入れて執行吏をして競売を実施させ、被上告人をして本件物件の所有権を喪失せしめたものであつて、被上告人としては延期された同年一二月三一日当時なら本件債務残額を弁済して本件競売の実施を防止することが不可能ではなかつた旨の原審認定は、挙示の証拠に照らし肯認できないわけではない。右原審認定のもとでは、本件競売は、執行吏の職務執行行為としては適法であるとしても、上告人Aとしては、被上告人をして本件物件の所有権を喪失せしめたことにつき故意に被上告人の権利を侵害したものとして不法行為による損害賠償の責に任ずべきものといわなければならないとした原審判断も是認することができる。しかりとすれば、上告人Aが不法行為者として賠償の責に任ずべきは、本件物件の所有権喪失による被上告人の損害であり、その損害は不法行為時における右物件の客観的価格を標準として決定すべきは当然で、ただ判示競売代金は損益相殺の理により右価格より控除されるものにすぎず、その操作の問に同上告人につき特別な予見可能性を要するものではない。従つて原判決に各所論の違法は認められないのであつて、論旨はすべて採用できない。よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官柏原語六裁判官横田正俊裁判官田中二郎- 2 - 横田正俊裁判官 田中二郎

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