- 1 -平成24年7月27日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成24年(ワ)第5946号損害賠償請求事件口頭弁論終結日平成24年6月5日判決東京都千代田区<以下略>原告株式会社エムヴィーアール東京都港区<以下略>被告 A訴訟代理人弁護士勝部環震主文 1 被告は,あん摩,マッサージ及び指圧の役務を提供するに当たり,上記役務に関する広告に別紙被告標章目録1ないし3記載の各標章を付して展示し,又は頒布してはならない。 2 被告は,前項の各標章を付したチラシ,ポイントカード,窓用シール及び宣伝物を廃棄せよ。 3 被告は,原告に対し,48万円及びこれに対する平成24年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 原告のその余の請求を棄却する。 5 訴訟費用は,これを10分し,その1を原告の負担とし,その余は被告の負担とする。 6 この判決の第1項ないし第3項は,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求 1 被告は,あん摩,マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はりの役務を提供するに当たり,上記役務に関する広告に別紙被告標章目録1ないし3記載の各標章を付して展示し,又は頒布してはならない。 - 2 - 2 主文第2項と同旨 3 被告は,原告に対し,85万円及びこれに対する平成24年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,後記第3の1(2)の登録商標の商標権者である原告が,別紙被告標章目録1ないし3記載の各標章(以下「被告各標章」と総称し,同目録1記載の標章を「被告標章1」,同目録2記載の標章を「被告標章2」,同目録3記載の標章を「被告標章 の商標権者である原告が,別紙被告標章目録1ないし3記載の各標章(以下「被告各標章」と総称し,同目録1記載の標章を「被告標章1」,同目録2記載の標章を「被告標章2」,同目録3記載の標章を「被告標章3」という。)は,原告の登録商標に類似する商標であって,被告がその経営する足裏マッサージを施術するマッサージ店の広告に被告各標章を使用する行為が原告の商標権の侵害に当たる旨主張して,被告に対し,商標法36条1項及び2項に基づき,被告の広告に被告各標章を付して展示すること等の差止め及び被告各標章を付したチラシ等の廃棄を求めるとともに,商標権侵害の不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。 第3 当事者の主張 1 請求原因(1) 当事者ア原告は,指圧・マッサージ施術所の企画及び運営業務等を目的とする株式会社である。 イ被告は,あん摩,マッサージ及び指圧等を業とする者である。 (2) 原告の商標権原告は,次の商標権(以下「本件商標権」といい,その登録商標を「本件登録商標」という。)の商標権者である。 登録番号商標登録第4875946号出願日平成16年10月29日設定登録日平成17年7月1日指定役務第44類 - 3 -「あん摩,マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり」登録商標別紙登録商標目録記載のとおり(3) 被告による商標権の侵害ア被告は,平成22年10月から,自ら経営する足裏マッサージを施術するマッサージ店のチラシ,ポイントカード,窓枠シール(窓用シール)等に被告各標章を付して使用している。 イ(ア) 本件登録商標は,別紙登録商標目録記載のとおり,人の左右の足裏を模したマークと「小町苑」の文字を上下二段に配して構成され,「コマチエン」との ール)等に被告各標章を付して使用している。 イ(ア) 本件登録商標は,別紙登録商標目録記載のとおり,人の左右の足裏を模したマークと「小町苑」の文字を上下二段に配して構成され,「コマチエン」との称呼が生じ,「コマチエン」が行う足裏マッサージの施術に関するものであるとの観念が生じる。 (イ)a 被告標章1は,別紙被告標章目録1記載のとおり,人の左右の足裏を模したマークの真横に,「麻布十番」,「KOMACHIEN」,「コマチエン」,「リラクゼーション」の横書の文字を上下四段に配して構成され,「コマチエン」との称呼が生じ,「KOMACHIEN」又は「コマチエン」が行う足裏マッサージの施術との観念が生じる。 b 被告標章2は,別紙被告標章目録2記載のとおり,人の左右の足裏を模したマークの真下に,「麻布十番」,「KOMACHIEN」,「コマチエン」,「リラクゼーション」の横書の文字を上下四段に配して構成され,「コマチエン」との称呼が生じ,「KOMACHIEN」又は「コマチエン」が行う足裏マッサージの施術との観念が生じる。 c 被告標章3は,別紙被告標章目録3記載のとおり,人の左右の足裏を模したマークの真下に,「KOMACHIEN」の横書の文字を配して構成され,「コマチエン」との称呼が生じ,「KOMACHIE - 4 -N」が行う足裏のマッサージの施術との観念が生じる。 (ウ) 前記(ア)及び(イ)のとおり,本件登録商標と被告各標章は,いずれも人の左右の足裏を模したマークを用いるなどの点で外観が類似し,「コマチエン」という同一の称呼と,「コマチエン」又は「KOMACHIEN」が行う足裏マッサージの施術という同一の観念を生じさせるものであるから,本件登録商標と被告各標章は類似する。 ウ被告が経営するマッサージ店で提供する「あん摩, マチエン」又は「KOMACHIEN」が行う足裏マッサージの施術という同一の観念を生じさせるものであるから,本件登録商標と被告各標章は類似する。 ウ被告が経営するマッサージ店で提供する「あん摩,マッサージ及び指圧」等の役務は,本件登録商標の指定役務に含まれる。 エ以上によれば,被告が提供する前記ウの役務に関する広告に被告各標章を付して展示等をする行為は,原告の本件商標権を侵害する行為とみなされる。 (4) 差止め等の必要性原告は,被告に対し,原告の本件商標権を侵害する行為を直ちに止めて,看板類等を自主的に撤去するよう再三にわたって警告したが(甲6の1,2),被告は,被告各標章を依然として原告に無断で使用し続けており,被告の侵害行為の差止め等をする必要性があることは明らかである。 (5) 原告の損害被告は,平成22年10月から平成24年2月までの17か月間,被告各標章を使用することにより本件商標権を侵害した。 被告の上記侵害行為により,原告が被った本件登録商標の「使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額」(使用料相当額)の損害額(商標法38条3項)は,被告が経営する店舗の前オーナーとの間で原告が締結した商標使用許諾契約に基づく本件登録商標の使用料が月額5万円(甲5の1)であったことからすると,85万円(5万円×17か月)となる。 (6) まとめよって,原告は,被告に対し,商標法36条1項及び2項に基づき,被告 - 5 -があん摩,マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はりの役務を提供するに当たり,その役務に関する広告に被告各標章を付して展示すること等の差止め及び被告各標章を付したチラシ等の廃棄を求めるとともに,商標権侵害の不法行為に基づく損害賠償として85万円及びこれに対する平成2 たり,その役務に関する広告に被告各標章を付して展示すること等の差止め及び被告各標章を付したチラシ等の廃棄を求めるとともに,商標権侵害の不法行為に基づく損害賠償として85万円及びこれに対する平成24年4月3日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。 2 請求原因に対する認否及び被告の主張(1) 請求原因事実はいずれも争う。 (2)ア被告は,平成23年3月1日以降,足裏マッサージのマッサージ店の前オーナーから,店舗の試し運営を任されていたが,正式に同店舗を引き継いだのは,同年9月28日であって,それより前の平成22年10月から被告が被告各標章を使用したことはない。 イ被告標章1又は2を付したチラシやポイントカードが,上記マッサージ店の店舗内に残っているが,前オーナーに断りなく,これらを処分することはできない。 また,被告標章3の窓用シールは,本件訴状の送達の日の翌日(平成24年4月3日)に外している。 いずれにせよ,被告は,平成24年4月3日以降,被告各標章を一切使用していない。 第4 当裁判所の判断 1 請求原因(1)及び(2)関係証拠(甲1の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因(1)及び(2)の事実が認められ,これに反する証拠はない。 2 請求原因(3)関係(1) 被告による被告各標章の使用の有無等原告は,被告は,平成22年10月から,自ら経営する足裏マッサージを - 6 -施術するマッサージ店のチラシ,ポイントカード,窓用シール等に被告各標章を付して使用している旨(請求原因(3)ア)主張する。 ア前記1の事実と証拠(甲3,5ないし7,9,10(枝番のあるものは枝番を含む。))及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められ,これを 付して使用している旨(請求原因(3)ア)主張する。 ア前記1の事実と証拠(甲3,5ないし7,9,10(枝番のあるものは枝番を含む。))及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められ,これを左右するに足りる証拠はない。 (ア) 原告は,平成22年(2010年)5月25日,Bとの間で,本件登録商標の使用に関し,商標使用許諾契約(以下「本件商標使用許諾契約」という。)を締結した。 本件商標使用許諾契約の契約書(甲5の1)には,次のような記載がある(なお,同契約書中,「甲」は原告,「乙」はBを指す。)。 「第1条(商標使用の許諾)1.甲は,甲所有の商標(小町苑)及び甲所有電話(03-<以下略>)についての使用権を,下記の通り乙に許諾する。 記① 本件商標登録出願番号:第4875946号商品の区分:第44類指定商品:あん摩,マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり② 実施許諾される地域(テリトリー):東京都港区<以下略>③ 実施期間:2年間(自2009年12月12日・至2011年12月11日)④ 免除期間:半年間(自2009年12月12日・至2010年5月23日)(以下略)」「第2条(商標使用に関する乙の義務)1.乙は,本件商標使用および甲所有の電話使用に付き,甲に対して - 7 -使用料として毎月50,000円を甲の指定する金融機関に現金で振り込むものとする。 (中略)5.乙は,本件商標使用及び甲所有電話の使用を第三者に譲渡してはならない。」「第4条(途中解約)1.乙が途中解約する場合,予め3ヶ月前までに甲に書面にて通知しなければならない。 (以下略)」(イ) Bは,本件商標使用許諾契約を締結した当時から,「東京都港区<以下略>」所在の店舗(以下「 1.乙が途中解約する場合,予め3ヶ月前までに甲に書面にて通知しなければならない。 (以下略)」(イ) Bは,本件商標使用許諾契約を締結した当時から,「東京都港区<以下略>」所在の店舗(以下「本件店舗」という。)において,「KOMACHIEN」という名称の足裏マッサージを施術するマッサージ店を経営していた。 (ウ) 原告とBは,平成22年6月28日,同年9月30日をもって,本件商標使用許諾契約を解約する旨の合意解約をした。 (エ) 被告は,平成23年3月1日,Bから,本件店舗における足裏マッサージを施術するマッサージ店の営業に係る事業譲渡を受けて,そのころから,同マッサージ店の経営を開始した。 本件店舗には,被告が上記マッサージ店の経営を開始したころから平成24年4月3日ころまでの間,本件店舗の窓ガラス(甲3の2)に窓用シールとして被告標章3が付されており,また,上記マッサージ店の広告のチラシ(甲3の3,4)やポイントカードに被告標章1及び2が付されていた。 イ前記アの認定事実によれば,被告は,平成23年3月1日ころから平成24年4月3日ころまでの間,本件店舗において,足裏マッサージを施術するマッサージ店の営業を行い,その間,被告標章1及び2を上記マッサ - 8 -ージ店の広告のチラシやポイントカードに,被告標章3を窓用シールとして本件店舗の窓ガラスにそれぞれ付すことにより被告各標章を使用したことが認められる。 この点に関し,原告は,被告は平成22年10月から上記マッサージ店において被告各標章を使用していた旨主張するが,平成23年3月1日より前に被告が被告各標章を使用していたことをうかがわせる証拠は提出されておらず,原告の上記主張は,採用することができない。 (2) 被告各標章と本件登録商標との類否ア本件 平成23年3月1日より前に被告が被告各標章を使用していたことをうかがわせる証拠は提出されておらず,原告の上記主張は,採用することができない。 (2) 被告各標章と本件登録商標との類否ア本件登録商標は,別紙登録商標目録記載のとおり,人の左右の足裏を模したマークと,「小町苑」の文字を上下二段に配して構成されており,そこからは「コマチエン」との称呼が生じ,「足裏」の観念が生じる。 イ(ア) 被告標章1は,別紙被告標章目録記載1のとおり,円で囲まれた人の左右の足裏を模した赤色のマークの真横に,「麻布十番」,「KOMACHIEN」,「コマチエン」,「リラクゼーション」の茶色の横書の文字を上下四段に配して構成されている。 そして,「麻布十番」は,本件店舗の所在する地名であり,また,「リラクゼーション」とは,「心身の緊張を解きほぐすこと。リラックスすること。」(広辞苑(第六版)2968頁)を意味し,被告が提供する役務であるマッサージ等の「効能」を表示するものであるといえるから,被告標章1の要部は,円で囲まれた人の左右の足裏を模した赤色のマークと「KOMACHIEN」及び「コマチエン」の文字であると認められ,そこからは「コマチエン」との称呼を生じ,「足裏」の観念が生じる。 そうすると,被告標章1の要部と本件登録商標とは,外観において人の左右の足裏を模したマークの部分が共通し,また,称呼及び観念において一致すること,被告が,本件店舗で「KOMACHIEN」という - 9 -名称の足裏マッサージを施術するマッサージ店を経営していたBから,事業譲渡を受けて,本件店舗でその経営を行う中で被告標章1が使用されてきたこと(前記(1)ア)を総合的に考慮すると,被告標章1と本件登録商標とがマッサージ等の役務に使用された場合には当該役務の出所の 業譲渡を受けて,本件店舗でその経営を行う中で被告標章1が使用されてきたこと(前記(1)ア)を総合的に考慮すると,被告標章1と本件登録商標とがマッサージ等の役務に使用された場合には当該役務の出所の誤認混同を生じさせるおそれがあるものといえるから,被告標章1は,全体として,本件登録商標と類似しているものと認められる。 (イ) 被告標章2は,別紙被告標章目録記載2のとおり,茶色の下地に,円で囲まれた人の左右の足裏を模した赤色のマークの真下に,「麻布十番」,「KOMACHIEN」,「コマチエン」,「リラクゼーション」の白抜きの横書の文字を上下四段に配して構成されている。 そして,前記(ア)と同様の理由により,被告標章2の要部は,円で囲まれた人の左右の足裏を模した赤色のマークと「KOMACHIEN」及び「コマチエン」の文字であると認められ,そこからは「コマチエン」との称呼が生じ,「足裏」の観念が生じる。 そうすると,被告標章2の要部と本件登録商標とは,外観において人の左右の足裏を模したマークの部分が共通し,また,称呼及び観念において一致すること,被告が,本件店舗で「KOMACHIEN」という名称の足裏マッサージを施術するマッサージ店を経営していたBから,事業譲渡を受けて,本件店舗でその経営を行う中で被告標章2が使用されてきたこと(前記(1)ア)を総合的に考慮すると,被告標章2と本件登録商標とがマッサージ等の役務に使用された場合には当該役務の出所の誤認混同を生じさせるおそれがあるものといえるから,被告標章2は,全体として,本件登録商標と類似しているものと認められる。 (ウ) 被告標章3は,別紙被告標章目録記載3のとおり,人の左右の足裏を模した橙色のマークの真下に,「KOMACHIEN」の橙色の横書の文字を配して構成されており,そこから いるものと認められる。 (ウ) 被告標章3は,別紙被告標章目録記載3のとおり,人の左右の足裏を模した橙色のマークの真下に,「KOMACHIEN」の橙色の横書の文字を配して構成されており,そこからは「コマチエン」との称呼が - 10 -生じ,「足裏」等の観念が生じる。 そうすると,被告標章3と本件登録商標とは,外観において人の左右の足裏を模したマークの部分が一致し,また,称呼及び観念においても一致すること,被告が,本件店舗で「KOMACHIEN」という名称の足裏マッサージを施術するマッサージ店を経営していたBから,事業譲渡を受けて,本件店舗でその経営を行う中で被告標章3が使用されてきたこと(前記(1)ア)を総合的に考慮すると,被告標章3と本件登録商標とがマッサージ等の役務に使用された場合には当該役務の出所の誤認混同を生じさせるおそれがあるものといえるから,被告標章3は,本件登録商標と類似しているものと認められる。 (エ) 以上によれば,被告標章は,いずれも本件登録商標と類似する商標(請求原因(3)イ(ウ))に該当することが認められる。 (3) 被告による本件商標権侵害の有無被告が本件店舗で経営する足裏マッサージを施術するマッサージ店で提供する「あん摩,マッサージ及び指圧」の役務は,本件登録商標の指定役務に含まれるものといえるから,請求原因(3)ウの事実が認められる。 上記認定事実と前記(1)イ及び(2)イ(エ)の認定事実を総合すると,被告による被告各標章の使用は,商標法2条3項8号,37条1号により,本件商標権を侵害する行為(請求原因(3)エ)とみなされる。 3 請求原因(4)関係①被告が,平成23年3月1日ころから平成24年4月3日ころまでの間,本件店舗で足裏マッサージを施術するマッサージ店の経営を行い,「あ (請求原因(3)エ)とみなされる。 3 請求原因(4)関係①被告が,平成23年3月1日ころから平成24年4月3日ころまでの間,本件店舗で足裏マッサージを施術するマッサージ店の経営を行い,「あん摩,マッサージ及び指圧」の役務を提供するに当たり,被告標章1及び2を上記マッサージ店の広告のチラシ等に,被告標章3を窓用シールとして本件店舗の窓ガラスにそれぞれ付すことにより被告各標章を使用したこと(前記2(1)イ),②その間,原告は,被告に対し,平成23年9月14日付け「通知書」及び同 - 11 -年10月12日付け「最終通知書」を送付し,被告が本件登録商標を原告に無断で使用していることが原告の有する本件商標権を侵害する違法な行為であるから,その使用を止めるよう求める旨の警告等をしたが,被告は,平成24年4月3日(訴状送達の日の翌日)ころに至るまで,被告各標章の使用を止めなかったこと(甲6の1,2,弁論の全趣旨),③被告は,被告標章1又は2を付したチラシ等が未だに本件店舗の中に残っていることを自認していること,以上の①ないし③を総合すると,被告において「あん摩,マッサージ及び指圧」の役務に被告各標章を使用するおそれがあるものといえるから,上記役務との関係において,原告主張の差止め及び廃棄の必要性(請求原因(4))があるものと認められる。 一方,被告が「カイロプラクティック,きゅう,柔道整復及びはり」の役務を提供していたことを認めるに足りる証拠はなく,これらの役務との関係では,原告主張の差止めの必要性は認められない。 4 請求原因(5)関係(1) ①前記2(3)認定のとおり,被告による被告各標章の使用は,本件商標権を侵害する行為とみなされること,②被告にはその侵害行為について過失があったものと推定されること(商標法39条におい 係(1) ①前記2(3)認定のとおり,被告による被告各標章の使用は,本件商標権を侵害する行為とみなされること,②被告にはその侵害行為について過失があったものと推定されること(商標法39条において準用する特許法103条)によれば,被告は,民法709条により,原告に対し,本件商標権侵害の不法行為に基づく損害賠償責任を負うというべきである。 (2) そこで,被告が賠償すべき原告の損害額(請求原因(5))について判断する。 ア原告は,被告が平成22年10月から平成24年2月までの17か月間被告各標章を使用して本件商標権を侵害した旨主張する。 しかしながら,前記2(1)イ認定のとおり,被告が平成23年3月1日ころから被告各標章を使用したことが認められるが,平成23年3月1日より前に被告が被告各標章を使用していたことは認められない。 - 12 -そうすると,原告の上記主張は,平成23年3月1日から平成24年2月末日まで12か月の限度で理由があるものと認められる。 イ次に,原告が本件店舗の前オーナーであるBとの間で締結した本件商標使用許諾契約では,本件登録商標の使用料及び電話使用料が1か月当たり合計5万円とされていたこと(前記2(1)ア(ア))及び弁論の全趣旨を総合すれば,本件登録商標の使用料相当額は,1か月当たり4万円と認めるのが相当である。 そうすると,平成23年3月1日から平成24年2月末日までの12か月に係る原告の商標法38条3項に基づく使用料相当額の損害額は,48万円(4万円×12か月)と認められる。 ウ以上によれば,原告は,被告に対し,本件商標権侵害の不法行為に基づく損害賠償として48万円及びこれに対する平成24年4月3日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を ,原告は,被告に対し,本件商標権侵害の不法行為に基づく損害賠償として48万円及びこれに対する平成24年4月3日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めることができる。 5 結論以上によれば,原告の請求は,被告があん摩,マッサージ及び指圧の役務を提供するに当たっての被告各標章の使用の差止め及び被告各標章を付したチラシ等の廃棄並びに48万円及びこれに対する平成24年4月3日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官大鷹一郎 - 13 - 裁判官高橋彩 裁判官上田真史 - 14 -(別紙) 被告標章目録 - 15 -(別紙) 登録商標目録
▼ クリックして全文を表示