被告人 A 被告人 B主文被告人両名をそれぞれ懲役30年に処する。 被告人両名に対し,未決勾留日数中各400日を,それぞれその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)第1 被告人両名は,共謀の上,平成28年7月15日午後4時34分頃,名古屋市a区bc丁目d番e号fビルg階h号室C方において,同人(当時i歳)に対し,殺意をもって,持っていた自動装填式けん銃を用いて弾丸4発を発射し,そのうち3発を同人の左こめかみ,左上肢及び左胸部にそれぞれ命中させ,よって,同日午後6時15分頃,名古屋市a区jk丁目l番m号nにおいて,同人を顔面及び胸部銃創による出血性ショックにより死亡させて殺害した。 第2 被告人両名は,共謀の上,法定の除外事由がないのに,前記日時場所において,前記けん銃1丁を,それに適合する実包4発と共に携帯して所持した。 第3 被告人両名は,共謀の上,同日午後4時46分頃,名古屋市o区pq丁目r番s号t月極駐車場において,同所に駐車中のD所有の普通乗用自動車に,何らかの方法で点火して火を放ち,同車を焼損し,よって,同車に隣接して駐車中のE所有の普通乗用自動車に延焼させ,もって公共の危険を生じさせた。 第4 被告人Bは,法定の除外事由がないのに,同年8月中旬頃から同月30日までの間に,日本国内において,覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン又はその塩類若干量を自己の身体に摂取し,もって覚せい剤を使用した。 (事実認定に対する補足説明) 1 被告人らが,本件殺人,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件(以下「本件殺人等事件」という。)の犯人かどうかについてFの検察官調書を中心とする関係証拠によれば,本件殺人等事件に関し,① 本件当日(平成28年7月15日),Gが,事前の約束の上で被害者宅(エレベ 人等事件」という。)の犯人かどうかについてFの検察官調書を中心とする関係証拠によれば,本件殺人等事件に関し,① 本件当日(平成28年7月15日),Gが,事前の約束の上で被害者宅(エレベーターの設置されていないfビルのg階に位置する。)を訪れたところ,玄関付近で何者かに押し倒され,2人の男が被害者宅に立ち入ってきたこと,②2人の男は,いずれもけん銃様のもの(後に述べるところからすれば,少なくともうち一方は真正けん銃)を手にしており,最初に被害者宅に入った方の男が,その銃口でFの額を小突くなどしたこと,③その後,2人の男は,被害者がいた和室に向かったが,すぐにいずれかが,被害者に対し,けん銃を4発発砲し,うち3発を命中させ被害者を殺害したことが認められる。 これらの事実からすれば,この2人の男(以下「2人組の犯人」という。)が被害者を殺害しようとしてけん銃を準備し,共謀の上で判示第1及び第2の各犯行に及んだことは明らかである。 ところで,関係証拠によると,①Fは,けん銃の発射音を聞いて,すぐに被害者宅を逃げ出したが,その際,被害者宅のあるfビル前には車が止まっていたこと,②Fは,その車が立ち去るのを確認して被害者宅に戻り,午後4時38分頃,119番通報をしたが,その際,Gは,まだ被害者宅に残っていたこと,③防犯ビデオの映像から,この車(トヨタのセルシオと認められる。)は,午後4時32分頃,fビル前の路上に停車し,その直後,このセルシオ近くから2人の人物(その歩き方からしていずれもGとは考えられない。)が現れて,fビルへ向かい,午後4時35分頃,fビルの方から1人の人物が現れて上記セルシオへ近づき,その直後に上記セルシオが発進した状況が確認できること,以上の事実が認められる。 Gの検察官に対する供述についての検討 午後4時35分頃,fビルの方から1人の人物が現れて上記セルシオへ近づき,その直後に上記セルシオが発進した状況が確認できること,以上の事実が認められる。 Gの検察官に対する供述についての検討ア問題の所在検察官は,被告人両名が2人組の犯人であり,Gとともにセルシオでfビルに向かったと主張する。 この点について,Gは,その検察官調書(死亡による供述不能を理由とし て刑訴法321条1項2号前段により採用されたもの)において,①fビルへは,本件殺人等事件が起こる直前に,セルシオの助手席に乗ってきたこと,②セルシオには,Gのほかに,被告人A(運転席)と被告人B(後部座席)の2名が乗車していたこと,③被告人両名は,被害者宅へ行く目的でfビル前まで来たこと,④セルシオの車内で,被告人Aがけん銃のようなものをいじって,「つまっとる。」「外れとる。」「1個ずれとる。」などと言っていた旨供述する。 このうちfビルにセルシオの助手席に乗ってきたとのG供述(上記①)は,Gの被害者宅訪問のタイミングが,上記のセルシオの動きと整合する上,防犯ビデオの映像上,セルシオの助手席には,服装などからGと考えて矛盾ない人物が乗車していることが確認できるから,これを疑う余地はなく,Gは,セルシオの助手席に乗車してfビルに向かったものと認められる。 そのようにみたとき,けん銃を所持した2人組の犯人もGとともにセルシオに乗車してきたとみることには,十分な理由があるが,それが誰かを認定できる証拠は,被告人両名の関与をいうGの供述(上記②から④)のみであるといってよい。本件での事実認定上の最大の問題は,この供述が信用できるかである。 本件では,捜査機関において,Gの供述を得る前から2人組の犯人が被告人両名であるとの見立ての下に捜査が )のみであるといってよい。本件での事実認定上の最大の問題は,この供述が信用できるかである。 本件では,捜査機関において,Gの供述を得る前から2人組の犯人が被告人両名であるとの見立ての下に捜査が進められていた上,後に述べるとおり,警察でのGの取調べ手法には,不当な点があったことも指摘できる。 被告人両名の弁護人は,被告人両名の関与をいうGの供述は,捜査機関に迎合し,その見立てをG自身の記憶として供述した疑いがあるため信用できないと主張するので,この指摘を踏まえ,Gの供述が信用できるかを検討する。 イ Gの取調べ経過等関係証拠によると,以下の事実が認められる。 Gは,平成28年7月27日,窃盗の被疑事実(被害者宅においてF所有の携帯電話機1台を窃取したというもの。)で通常逮捕された。Gは,その後,同年8月17日までの勾留,同日から同年9月7日までの盗品等運搬を被疑事実とする逮捕・勾留(被告人両名と共謀の上,氏名不詳者が他から窃取してきたセルシオが盗品であることの情を知りながら,被害者宅先路上まで運搬したというもの。),同日から同月28日までの本件殺人等を被疑事実とする逮捕・勾留を経て,同日,本件殺人等事件の共同正犯として起訴された。なお,いずれの勾留にも接見等禁止が付されていた。 この間の検察庁での取調べに関しては,録音録画が残されているが,警察での取調べに関しては,録音録画のみならず,取調べ担当者による取調べメモといったものも残されていない。 警察でGの取調べを担当していたH警察官は,Gが窃盗で勾留中の平成28年8月11日頃から,Gの知人であるIらに対し,Gの差し入れの希望を携帯電話で伝える便宜を図っており(電話の履歴からしてGの取調べの最中に電話を受けていたことも認められる。),Gも差し入れに関しH 年8月11日頃から,Gの知人であるIらに対し,Gの差し入れの希望を携帯電話で伝える便宜を図っており(電話の履歴からしてGの取調べの最中に電話を受けていたことも認められる。),Gも差し入れに関しH警察官から便宜供与を受けていたことを分かっていた。 また,Gは,身柄拘束中に行われたきょうだいの三回忌の様子を非常に気にしていたところ,H警察官は,取調べ室内に持ち込んだ携帯電話で,Gのきょうだいの三回忌の様子を撮影した動画をGに見せる便宜を図っており,Gは,同年9月6日の検察庁での取調べの際,その旨を担当のJ検察官に話していた(なお,警察での取調べ状況に関して,Gが取調べ検察官あるいは接見した弁護人に対してした供述には,刑訴法321条1項3号但書の事由を認めてよい。)。 さらに,Gは,本件殺人等事件の被疑事実で逮捕されるまでに,本件殺人等事件については幇助犯で起訴され,比較的軽い刑に服すれば足りるのではないかとの期待を抱くようになっていたが,本件殺人等事件の共同正 犯として起訴された後はH警察官に対して強く反発する態度を自らの弁護人のK弁護士に見せるようになり,H警察官による取調べには,Gにそのような期待を抱かせるような言動があった(なお,両被告人の弁護人の指摘を踏まえて検討しても,K弁護士の供述から認められるGの発言や態度によって,同警察官が幇助犯で起訴するとの約束までしていたと認めることはできない。)。 ウ Gの供述の信用性についてGは,捜査段階で黙秘などしていないのに,本件殺人等事件に関して黙秘を勧めていた自らの弁護人には黙秘をしている旨の説明を続けていたことなどからすると,迎合的な供述態度を有することが窺われるところ,以上の警察での取調べは,Gの供述の真実性に影響を与えかねない不当なものであり,これだけをみれ は黙秘をしている旨の説明を続けていたことなどからすると,迎合的な供述態度を有することが窺われるところ,以上の警察での取調べは,Gの供述の真実性に影響を与えかねない不当なものであり,これだけをみれば,Gに対し,本件殺人等事件の犯人(2人組の犯人)が被告人両名であるとの捜査機関の見立てを察知させ,自身の記憶として供述させたのではないかと疑う余地を残すものである。 しかし,本件では,被告人両名の関与をいうGの供述には,そのような疑いを排斥し,信用性を肯定できる事情が認められる。 まず,もっとも重要なのは,Gが事件直後から周囲に被告人Aの関与を話していた点である。すなわち,証人L(以下「知人女性」という。)の証言によれば,Gは,本件殺人等事件の翌日に,知人女性に対し,事件当日にGを迎えに来たのが被告人Aであること,被告人Aがその車の中で銃の弾がずれていたことから,全部出して,もう一度詰め直していたことなどを話していた事実が認められる(被告人両名の弁護人は,この証言に関し,本件殺人等事件の関係者として事情聴取を受けたことで知人女性が動揺し,捜査機関に迎合し,事実と異なる供述をした可能性を指摘するが,知人女性が迎合し,あえて被告人Aにとって不利な虚偽供述をする動機は見当たらず,その供述内容も具体的で,迫真性のあるものであることに照らせば,弁護人指摘の可 能性はないといってよく,知人女性の上記供述は,信用できる。)。 また,Gが被告人Bの関与をいう点は,被告人Bが,本件前日(平成28年7月14日)の午後5時前頃から午後5時30分過ぎ頃までの間に,被告人A及びGと名古屋市内のホテル客室で会っただけではなく,その約2時間後には,Gと相前後してfビル前の路上に現れ,その周囲を見回す様子を示していたこと(甲110映像⑩に映っている黒っ での間に,被告人A及びGと名古屋市内のホテル客室で会っただけではなく,その約2時間後には,Gと相前後してfビル前の路上に現れ,その周囲を見回す様子を示していたこと(甲110映像⑩に映っている黒っぽい上衣と白っぽい下衣の人物は,その服装や歩き方などから,被告人Bであると認めてよい。)と整合するもので首肯し得る内容である。 さらに,Gは,窃盗事件での逮捕当初こそ,fビルまで一人で行ったと供述していたものの,同逮捕の4日目には,被告人両名が乗車するセルシオに乗ってfビルまで行ったことを認め,それ以降は,その供述を維持していた。 そうすると,Gが,本件当日,実際には別の人物とセルシオに乗って被害者宅へ向かったのに,捜査機関の見立ての影響を受けて,被告人両名の名前を出したものとは考えられない。また,Gの本件前日の行動などからしても,Gの記憶力に問題があったことは確かであるが,Gがセルシオに一緒に乗っていった人物を勘違いする状況にあったとも認められない。したがって,被告人両名の関与をいうGの供述は,Gの本来の記憶を供述したものとして,信用できる。 証拠排除についてなお,被告人両名の弁護人は,Gの検察官調書(乙11,18ないし22)は証拠排除されるべきであると主張する。要するに,H警察官の取調べ手法は,危険で違法なものであり,H警察官が公判廷で偽証をしていることからすれば,その違法の程度は著しく,J検察官は,個別に違法の影響を取り除く措置を取っていないから,違法は切断されず,Gの検察官調書に証拠能力は認められないというのである。 先に述べたとおり,H警察官の取調べ手法には不当なものがあったが,J 検察官は,Gの取調べに際し,毎回,警察と検察庁が違う組織であり,警察で話したことを検察庁でも話さなければならないわけでは 先に述べたとおり,H警察官の取調べ手法には不当なものがあったが,J 検察官は,Gの取調べに際し,毎回,警察と検察庁が違う組織であり,警察で話したことを検察庁でも話さなければならないわけではないことを説明し,Gが,J検察官の取調べの中で,警察官から聞いたことを自己の体験事実として供述した際には,Gの記憶に基づいて話すよう説明し,警察官から聞いた話とG自身の記憶として覚えている話とを意識的に区別して聴取するなど,定型的な遮断措置を講じていた。そして,Gが処分を決めるのは警察官ではなく検察官であることを繰り返しK弁護士から説明されており,GがH警察官が処分を決められるものと誤解していたとは認められないこと,検察官の取調べにおいてGが幇助犯として起訴されることを前提に供述をしていたような形跡もないこと,J検察官による取調べにおいて,Gが警察で述べた話とは異なる自身の記憶に従って供述しようとする態度も一応認められることからすれば,J検察官が,警察の取調べの不当性について,自ら気付く機会のあったものについても個別の対応をしていないことなどを踏まえても,虚偽排除の観点からみて,Gの検察官に対する供述の任意性を疑うべき事由があるものとはいえず,その他の弁護人の主張を踏まえても,人権擁護あるいは違法収集証拠排除の観点からみて,Gの供述の任意性を疑うべき事由も見いだせない。本件は,弁護人の援用する判例(最高裁昭和32年7月19日第二小法廷判決・刑集11巻7号1882頁)とは明らかに事案を異にするものである。 なお,弁護人は,H警察官あるいはJ検察官の偽証を指摘するが,本件において,H警察官の公判廷での供述内容が,J検察官の取調べに係るGの検察官調書の証拠能力に影響を及ぼすものではない。また,J検察官の公判供述には,Gから三回忌動画の話を 官の偽証を指摘するが,本件において,H警察官の公判廷での供述内容が,J検察官の取調べに係るGの検察官調書の証拠能力に影響を及ぼすものではない。また,J検察官の公判供述には,Gから三回忌動画の話を聞いた時期(実際には,Gの弁護人から警察による便宜供与について抗議の申し入れがある前に話を聞いていた。)を明確にすることを避けるような態度は見受けられたものの,偽証をしたわけではなく,J検察官の偽証を前提にGの検察官調書の証拠能力を論難する弁 護人の主張は失当である。 刑訴法321条1項2号前段により証拠能力が認められる場合と供述の任意性の関係については議論があるが,以上のとおり,Gの検察官に対する供述の任意性を疑うべき事由は認められないから,Gの検察官調書の証拠能力を否定するような事情はなく,同調書については,証拠排除しない。 結論 以上のGの検察官調書を中心とする関係証拠によれば,Gは,本件当日,被告人Aが運転し,後部座席に被告人Bが乗車するセルシオで,fビルに向かったが,被告人Aは,その途中でけん銃のようなものをいじっており,Gと被告人両名は,いずれも被害者宅に向かうためfビル前でセルシオから降りたことが認められるのであり,これらの事実からすれば,2人組の犯人は,被告人両名であることは優に認められ,被告人両名は,判示第1及び第2の各犯行に及んだ後,Gを被害者宅に残し,セルシオに乗ってfビル前を立ち去ったものと認められる。 なお,Gの検察官調書における供述によると,Gが前記各犯行について,被告人らと共謀まで遂げていたことには疑問が残るので,Gとの共謀は認定しない。 2 被告人両名が本件建造物等以外放火被告事件(以下「本件放火事件」という。)の犯人かどうかについて 関係証拠によれば,本件当日午後4時46分頃,判示第3の ので,Gとの共謀は認定しない。 2 被告人両名が本件建造物等以外放火被告事件(以下「本件放火事件」という。)の犯人かどうかについて 関係証拠によれば,本件当日午後4時46分頃,判示第3のt月極駐車場に停車中の普通乗用自動車(トヨタセルシオ,車台番号u,盗難車両であり車両前部に「vwx7204」との偽造ナンバープレートが装着されていた。以下「本件放火車両」という。)が燃えているのが発見されたが,その出火場所は,運転席座席シート付近であって,その出火場所に照らし,何者かが火を放ったことが認められる。 本件放火車両と,被告人両名がfビル前から乗り去ったセルシオの同一性 をみると,①本件放火車両と防犯ビデオ映像上で確認できるfビル前のセルシオを比較すると,車両の車種等及び塗色は同一で,外観もよく似ており,②fビル前のセルシオの後部ナンバープレートの4桁の数字を「7204」とみることについて,特段支障となる点はない(検察官は,防犯ビデオの映像から,4桁の数字が「72●4」と確定的に判読できることを前提に,両車両の同一性を論じるが,そのような確定的判読は無理である。)。さらに,③fビルから放火場所までは直線距離で約2.1キロメートルの距離であるところ,被告人両名は,本件当日午後4時35分頃,セルシオでfビル前を立ち去った後,午後4時50分頃には放火現場から約200メートル離れた場所にある喫茶店に入店していたことも認められるのであり,同喫茶店付近までセルシオで来たことも認められる。 そうすると,このような近接した時間に被告人両名の近辺で非常によく似たセルシオ(fビルから乗ったセルシオと本件放火車両)が2台も存在するような偶然は考え難いことから,本件放火車両は,被告人両名がfビル前から乗ったセルシオであると認められる。そして 辺で非常によく似たセルシオ(fビルから乗ったセルシオと本件放火車両)が2台も存在するような偶然は考え難いことから,本件放火車両は,被告人両名がfビル前から乗ったセルシオであると認められる。そして,被告人両名には,いずれも証拠隠滅のために放火する動機もあることから,被告人両名が,判示第3の犯行に及んだものと認められる。 3 被告人Bの覚せい剤取締法違反について被告人Bは,平成28年8月30日に逮捕された後,同月31日に採尿され,その尿から,覚せい剤であるフェニルメチルアミノプロパン及び代謝物と考えられるフェニルアミノプロパンが検出されたことから,被告人Bは,判示第4の期間に覚せい剤を身体に摂取したものと推認することができる。そして,本邦において覚せい剤が厳しい規制を受けており,通常の社会生活において身近に存在するものではないことを考慮すれば,自己の意思によらずに体内に摂取されたとは考えられず,被告人Bが覚せい剤であると分かって摂取したものと推認でき,判示第4の事実が認められる。 (法令の適用)罰条判示第1の行為(被告人両名について) 刑法60条,199条判示第2の行為(被告人両名について) 刑法60条,銃砲刀剣類所持等取締法31条の3第2項,1項,3条1項判示第3の行為(被告人両名について) 刑法60条,110条1項判示第4の行為(被告人Bについて) 覚せい剤取締法41条の3第1項1号,19条刑種の選択(被告人両名について)判示第1の罪有期懲役刑を選択累犯加重(被告人両名について) 各罪につきいずれも刑法56条1項,57条(ただし,判示第1及び第2については同法14条2項の制限に従う。)併合罪の処理(被告人両名について) 刑法45 (被告人両名について) 各罪につきいずれも刑法56条1項,57条(ただし,判示第1及び第2については同法14条2項の制限に従う。)併合罪の処理(被告人両名について) 刑法45条前段,47条本文,10条(最も重い判示第1の罪の刑に同法14条2項の制限内で法定の加重)未決勾留日数の算入(被告人両名について) 刑法21条訴訟費用の不負担(被告人両名について) 刑事訴訟法181条1項ただし書(量刑の理由)量刑判断の中心となる判示第1の事実についてみると,被告人らは,無防備な被害者に対して至近距離からけん銃を用いて弾丸4発を発射したものであり,態様は極めて危険で,明確な殺意に基づく冷酷な犯行である。犯行に当たって被害者と面識のあるGを利用し,被害者宅に入った後は短時間のうちに予定した殺害を遂行し,犯行後の放火による証拠隠滅についてもあらかじめ計画するなど,その計画性も高 い。突然家族を奪われた被害者遺族が,厳しい処罰を求めるのも当然の感情として理解できるものであり,犯行が近隣に大きな不安を与えたことも優に認定できる。 判示第3の放火の危険性も看過できないものである。 もっとも,判示第1と同種の事案で多く量刑の重要な要素とされる犯行の組織性などの立証は特にされておらず,被告人らに対し,組織的な犯行への加担などの非難を加えることはできない。 そうすると,被告人両名の刑事責任を,複数名が共謀の上,銃器を用いて被害者1名を殺害したことを中心とする事案(組織的殺人の事案を含む。)の中で位置づけてみたとき,その刑事責任が相当重い部類に属することは明らかであるものの,当然無期懲役刑に処すべきというような最も重い部類に属するとはいえない(なお,検察官が論告において死刑選択の許される基準(いわゆる永山基準)を援用し 任が相当重い部類に属することは明らかであるものの,当然無期懲役刑に処すべきというような最も重い部類に属するとはいえない(なお,検察官が論告において死刑選択の許される基準(いわゆる永山基準)を援用し,被告人らが無期懲役を免れないと論ずるのは,本件に適切とはいえない。)。 以上の諸点を踏まえると,被告人両名をそれぞれ有期懲役の上限である主文の刑に処するのが相当である。 (求刑被告人両名についていずれも無期懲役)平成30年2月28日名古屋地方裁判所刑事第5部 裁判長裁判官奥山豪 裁判官小川貴紀 裁判官横井千穂
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