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昭和52(あ)295 業務上過失傷害、競馬法違反

裁判所

昭和53年12月15日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 大阪高等裁判所

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2,947 文字

主文 原判決中被告人Bに関する部分を破棄する。本件を大阪高等裁判所に差し戻す。理由 弁護人根ケ山博の上告趣意は、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。しかしながら、職権をもつて調査するに、本件記録並びに当審において取調をした被告人Aに対する大阪地方裁判所昭和五二年(わ)第五三九二号、第五七三九号業務上過失傷害、犯人隠避教唆被告事件、大阪高等裁判所昭和五三年(う)第一〇五〇号業務上過失傷害、犯人隠避教唆被告事件及び被告人Bに対する大阪地方裁判所昭和五二年(わ)第五七四〇号犯人隠避被告事件の各記録によると、以下の事実が認められる。(一) 本件公訴事実のうち、被告人B(以下単に「被告人」ともいう。)に対する業務上過失傷害の事実の要旨は、「被告人は、自動車運転の業務に従事するものであるが、昭和四九年一一月六日午前零時五〇分頃、普通乗用自動車を運転して東大阪市a町b丁目c番d号先の交通整理の行われていない交差点を西から東に向かい直進するにあたり、同交差点手前に一時停止の標識が設置され、かつ左右の見通しも困難であつたのであるから、同交差点西詰の停止線の直前において一時停止して左右道路の交通の安全を確かめるべき業務上の注意義務があるのに、交通閑散なことに気を許して他車はないものと軽信し、同停止線の直前で一時停止せず左方道路の交通の安全を確かめることなく時速約四〇キロメートルで同交差点に進入した過失により、折から左方道路より時速約四〇キロメートルで同交差点に進入してきたC(当三二年)運転の普通乗用自動車の前部に自車左側面を激突させ、その反動により右C運転車両を東南方向に暴走させて同車左前部を同交差点南詰東側のガ- 1 -レージ塀に衝突させたほか、自車を東南方向に (当三二年)運転の普通乗用自動車の前部に自車左側面を激突させ、その反動により右C運転車両を東南方向に暴走させて同車左前部を同交差点南詰東側のガ- 1 -レージ塀に衝突させたほか、自車を東南方向に逸走させて同交差点東南角路外の電柱に衝突させ、よつて、右Cに対し加療七日間を要する頭部挫創の傷害を、自車の同乗者DことE(当一七年)に対し加療約三二一日間を要する脳挫傷等の傷害を、同F(当二二年)に対し加療約一七日間を要する頭部外傷Ⅱ型等の傷害を負わせたものである。 、その反動により右C運転車両を東南方向に暴走させて同車左前部を同交差点南詰東側のガ- 1 -レージ塀に衝突させたほか、自車を東南方向に逸走させて同交差点東南角路外の電柱に衝突させ、よつて、右Cに対し加療七日間を要する頭部挫創の傷害を、自車の同乗者DことE(当一七年)に対し加療約三二一日間を要する脳挫傷等の傷害を、同F(当二二年)に対し加療約一七日間を要する頭部外傷Ⅱ型等の傷害を負わせたものである。」というものであつて、第一審裁判所は、右公訴事実及び競馬法違反の公訴事実につき、ほぼそのとおりの事実を認定したうえ、刑法二一一条前段、競馬法三〇条三号、三二条を適用して、被告人を懲役一〇月及び罰金三万円に処する旨の判決を言い渡した。これに対し、被告人は量刑不当を理由に控訴の申立をしたが、原審裁判所は理由がないとして控訴棄却の判決を言い渡した。(二) 右の原判決に対し、被告人から本件上告が申し立てられたところ、右上告申立後、被告人は所轄警察署の警察官に対し「自分はGのため身代り犯人となつていたものである」旨申告し、当裁判所に対してもその旨の上申書を提出するに至つた。これらの事情により本件事故についてあらためて捜査がなされた結果、右GことAに対しては、昭和五二年一二月一五日業務上過失傷害の罪により、同月二七日犯人隠避教唆の罪により、被告人に対しては、同日犯人隠避の罪により、それぞれ大阪地方裁判所に公訴が提起され(同裁判所昭和五二年(わ)第五三九二号、第五七三九号、第五七四〇号)、同裁判所は審理の結果右公訴事実のすべてを有罪と認め、昭和五三年六月八日Aに対して懲役一年二月、同年八月二九日被告人に対して懲役一〇月(ただし、三年間刑の執行猶予)に処する旨の判決を言い渡した。右のうち、被告 理の結果右公訴事実のすべてを有罪と認め、昭和五三年六月八日Aに対して懲役一年二月、同年八月二九日被告人に対して懲役一〇月(ただし、三年間刑の執行猶予)に処する旨の判決を言い渡した。右のうち、被告人に対する判決については、被告人、検察官のいずれからも控訴がなく、すでに裁判が確定しており、Aに対する判決については、同人から量刑不当を理由とする控訴の申立があり(大阪高等裁判所昭和五三年(う)第一〇五〇号)、同裁判所は同年一一月一日理由不備を理由として第一審判決を破棄し、あらためて懲役一〇月に処する旨の判決を言い渡した。 月(ただし、三年間刑の執行猶予)に処する旨の判決を言い渡した。右のうち、被告人に対する判決については、被告人、検察官のいずれからも控訴がなく、すでに裁判が確定しており、Aに対する判決については、同人から量刑不当を理由とする控訴の申立があり(大阪高等裁判所昭和五三年(う)第一〇五〇号)、同裁判所は同年一一月一日理由不備を理由として第一審判決を破棄し、あらためて懲役一〇月に処する旨の判決を言い渡した。- 2 -(三) 右大阪地方裁判所昭和五二年(わ)第五三九二号、第五七三九号、第五七四〇号事件において取り調べられた各証拠によると、前記(一)記載の公訴事実のように昭和四九年一一月六日普通乗用車を運転して業務上過失傷害の罪を犯したのは、被告人ではなくてAであること、Aは当時公務執行妨害罪等による懲役八月執行猶予三年の刑の執行猶予期間中であつたため、執行猶予の取消をおそれて被告人に身代りを依頼し、被告人においてこれを承諾したものであること、被告人は、前記(一)のように起訴され、第一審で有罪の判決を受け、控訴も棄却されたうえ、Aに対して不信の念を抱くようになつたことなどから、真実を述べる気持となり、前記(二)のように所轄警察署の警察官に対し身代り犯人となつていた旨申告し、捜査の結果右のような真相が判明するに至つたこと、以上の事実を明らかに認めることができる。これらの事実に照らすと、本件業務上過失傷害の事実については、原判決後において、刑訴法四一一条四号、四三五条六号にいわゆる再審の請求をすることができる場合にあたる事由があることになり、かつ原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められるから、原判決中被告人Bに関 いて、刑訴法四一一条四号、四三五条六号にいわゆる再審の請求をすることができる場合にあたる事由があることになり、かつ原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められるから、原判決中被告人Bに関する部分は破棄を免れない。よつて、同法四一三条本文に従い、本件を原審である大阪高等裁判所に差し戻すこととし、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。検察官金吉聰公判出席昭和五三年一二月一五日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官栗本一夫裁判官大塚喜一郎裁判官吉田豊裁判官本林讓- 3 -

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