平成21年(む)第2845号主文本件請求を棄却する。理由 本件請求の趣旨及び理由弁護人作成の「証拠開示裁決の申立書」( ただし,「一部取下げ書」により取り下げられた部分を除く。)記載のとおりであるが,その要旨は,留置人診療簿,投薬記録及び看守勤務日誌のうち被告人に関わる部分(以下「本件各文書」という。)は,刑事訴訟法316条の20第1項により検察官が開示をしなければならない証拠に該当するが,検察官はその開示に応じないので,その開示命令を求めるというものと解される。 当裁判所の判断弁護人は,平成20年8月12日ころまでに作成された被告人の供述調書は,警察官が,手術後間もない体調不良の被告人を長時間にわたり違法に取り調べた結果作成されたものであるか,検察官が,上記取調べによる心理的影響を切断する努力をせずに取り調べた結果作成されたものであるから,任意性がない旨の主張を予定しているところ,本件各文書はその主張に関連し,任意性の判断の上で重要であり,被告人の防御のために開示が必要である旨主張する。しかし,本件各文書は,弁護人の上記予定主張との関連性があるとしても,①検察官は,弁護人に対し,留置人出入簿のうち被告人に関わる部分や,被告人の診療日,診療先及び投薬状況等が記載された留置者診療状況等一覧表の添付された「捜査関係事項照会書に関する回答(回答)」と題する書面を既に開示したこと,②当裁判所は,弁護人の請求により,被告人の入通院先医療機関に対し,被告人の当時の病状等を照会しており,その回答が既に到着していることを考慮すると,被告人の防御の準備のために開示することが必要な証拠であるとは認められず,これを開示することが相当とはいえない。その他,弁護人が指摘する諸事情を考慮しても,上記判断を左右しない。よって,本件請求は理由がな 御の準備のために開示することが必要な証拠であるとは認められず,これを開示することが相当とはいえない。その他,弁護人が指摘する諸事情を考慮しても,上記判断を左右しない。よって,本件請求は理由がないから,刑事訴訟法316条の26第1項により,主文のとおり決定する。(裁判官・平手一男)
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