【DRY-RUN】○ 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実 第一 当事者の求めた裁判 一 原告 1 被告が原告の昭和四七年六月一〇日から昭和四八年五月三一日までの事業年度
○ 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 ○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告 1 被告が原告の昭和四七年六月一〇日から昭和四八年五月三一日までの事業年度分の法人税について昭和四九年一二月二七日付でした更正(昭和五一年三月三一日付裁決によつて維持された部分)を取り消す。 2 被告が原告の昭和四八年六月一日から昭和四九年五月三一日までの事業年度分の法人税について昭和五二年六月二九日付でした第三次更正及び過少申告加算税の賦課決定を取り消す。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 との判決二被告主文と同旨の判決第二当事者の主張一原告の請求原因 1 原告は広告業を営む青色申告法人であるが、原告の昭和四七年六月一〇日から同四八年五月三一日までの事業年度(以下「第一事業年度」という。)分の法人税について原告がした確定申告、これに対して被告がした更正及び国税不服審判所長が原告の審査請求についてした裁決の経緯は別表一1記載のとおりであり、原告の昭和四八年六月一日から同四九年五月三一日までの事業年度(以下「第二事業年度」という。)分の法人税について原告がした確定申告、これに対して被告がした第三次更正(以下第一事業年度分の更正及び第二事業年度分の第三次更正を合わせて「本件各更正」という。)及び過少申告加算税の賦課決定(以下「本件決定」という。)の経緯は別表一2記載のとおりである。 2 しかしながら本件各更正(第一事業年度に係る更正については審査裁決で維持された部分。以下同じ。)はいずれも原告の所得を過大に認定したものであるから違法であり、従つて右違法な更正を前提としてされた本件決定も違法である。 よつて、本件各更正及び本件決定の取消しを求める。 二原告の請求原因に対する被告の認否及び主張 1 請求原因に対する であるから違法であり、従つて右違法な更正を前提としてされた本件決定も違法である。 よつて、本件各更正及び本件決定の取消しを求める。 二原告の請求原因に対する被告の認否及び主張 1 請求原因に対する認否請求原因1の事実は認めるが、同2の主張は争う。 2 被告の主張以下に述べるとおり、原告の第一事業年度の欠損金額は一万九六七三円、第二事業年度の所得金額は二三〇〇万六六二七円であるから、右金額の範囲内でされた本件各更正は適法であり、従つて右適法な第二事業年度の第三次更正を前提とする本件決定も適法である。 (第一事業年度)(一) 原告の第一事業年度の欠損金額は次のとおり一万九六七三円となる。 申告欠損金額四九万二一四八円地代家賃中損金と認められないもの三三万七六〇〇円交際費等の損金不算入額一三万四八七五円(差引)欠損金額一万九六七三円(二) 右各区分の内容は次のとおりである。 (1) 申告欠損金額原告の法人税確定申告書に記載された金額である。 (2) 地代家賃中損金と認められないもの原告はその代表取締役であるAが居住する家屋の昭和四八年四月分及び五月分の家賃三三万七六〇〇円を出捐し、右金額を地代家賃勘定に計上して損金経理していたが、右家屋の賃貸借契約の契約書の記載状況、右以外の月分の家賃は右A個人が支払つていたこと及び右賃貸借契約に係る敷金を原告が支出していないこと等から右家屋の借主は右A個人であつたと認められ、従つて原告は右家賃を出捐することによつて右Aに対しその出捐した金額相当額の経済的利益を供与したものというべきであつて、しかも前述のとおり右以外の月分の家賃は右A個人が支払つていたのであるからその経済的利益の供与は臨時的である。従つて、右経済的利益の供与は法人税法第三五条第四項 益を供与したものというべきであつて、しかも前述のとおり右以外の月分の家賃は右A個人が支払つていたのであるからその経済的利益の供与は臨時的である。従つて、右経済的利益の供与は法人税法第三五条第四項に規定する役員賞与に該当するというべきであり、同条第一項によりその損金算入は認められない。 (3) 交際費等の損金不算入額原告は別表二記載の各金額を福利厚生費として損金経理していた。 ところで、福利厚生費とは運動会、演芸会、旅行等従業員のいわゆるレクリエーシヨン活動に通常要する費用、会社の創立記念日等に際し従業員におおむね一律に社内において供与される通常の飲食に要する費用、及び従業員の親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従つて支給される金品に要する費用等をいうものと解されているから、社内での飲食、すなわち事務室等実際に従業員が法人の業務に従事している場所で行なう飲食のみが通常要する費用として福利厚生費にあたるものというべきであつて、従業員の慰安等のために社外の飲食店等で行なう宴会等に要する費用は、個々の会社の立地条件等を考慮することなく一律に昭和四八年法律第一六号による改正前の租税特別措置法第六三条第四項に定める交際費等(以下「交際費等」という。ただし、第二事業年度については右法律第一六号による改正後の租税特別措置法第六二条第四項に定める交際費等のことをいう。)に該当するものと解すべきところ、別表二の番号(1)ないし(4)はいずれも社外で行なわれた忘年会等の費用であるから交際費等に該当するというべきである。 また、役員、従業員の残業、休日出勤の際に提供される食事代は福利厚生費としてではなく役員、従業員に対する給与としてその損金算人が認められるものであるが、従業員等の慰安のために酒食を提供する行為に要する費用はその目的からして交際費等に該当すると れる食事代は福利厚生費としてではなく役員、従業員に対する給与としてその損金算人が認められるものであるが、従業員等の慰安のために酒食を提供する行為に要する費用はその目的からして交際費等に該当するというべきところ、別表二の番号(5)は一部従業員が酒類を伴う飲食をした費用であるから交際費等に該当するものである。 ところで、原告は確定申告に際して交際費等の額を四九九万〇五八五円、交際費等の損金不算入額を六八万〇二八四円としていた。従つて、原告の第一事業年度の交際費等の額は右四九九万〇五八五円と別表二の一九万二六七九円との合計である五一八万三二六四円となり、右金額に基づいて交際費等の損金不算入額を算出すると別紙計算書記載のとおり八一万五一五九円となるから、右金額と前記六八万〇二八四円との差額一三万四八七五円を申告欠損金額から控除すべきである。 (第二事業年度)(三) 原告の第二事業年度の所得金額は次のとおり二三〇〇万六六二七円となる。 申告所得金額一四〇七万四二三三円役員報酬中役員賞与に該当するもの三九四万円地代家賃中損金と認められないもの四〇〇万四〇〇〇円交際費等の損金不算入額五一万五九一九円繰越欠損金過大計上分四七万二四七五円(合計)所得金額二三〇〇万六六二七円(四) 右各区分の内容は次のとおりである。 (1) 申告所得金額原告の法人税確定申告書に記載された金額である。 (2) 役員報酬中役員賞与に該当するもの原告代表取締役A及び原告の取締役であるB外三名に対する給与額(家賃分を除く。)の変遷は別表三記載のとおりであつて、昭和四九年四月分及び五月分の給与額はCに対するものを除いて前後の月と比較して倍額に、右Cに対する給与額も前後の月に比ぼて一五万円増加しており、しかも右 除く。)の変遷は別表三記載のとおりであつて、昭和四九年四月分及び五月分の給与額はCに対するものを除いて前後の月と比較して倍額に、右Cに対する給与額も前後の月に比ぼて一五万円増加しており、しかも右増額分は預り金として経理がなされていた。 ところで、法人税法第三五条第四項は役員に対する臨時的な給与は賞与に該当すると規定しているが、右条項によつて賞与とされていない臨時的でない給与、すなわち定期の給与とは、あらかじめ定められた支給基準(慣習によるものを含む。)に基づいて、毎日、毎週、毎月のように月以下の期間を単位として規則的に反覆又は継続して支給される給与をいうが、これらの給与であつても特定の月だけ増額支給された場合における当該給与については、当該特定の月において支給された額のうち各月において支給される額をこえる部分の金額は臨時的な給与にあたるというべきである。 右に述べた基準によれば、臨時的な給与として法人税法第三五条第四項に規定する賞与に該当する金額は、原告代表取締役Aについては一六八万円、取締役Bについては八六万円、同Dについては六〇万円、同Eについては五〇万円、同Cについては三〇万円であり、右各金額の合計三九四万円は法人税法第三五条第一項により損金の額に算入されない。 (3) 地代家賃中損金と認められないもの原告は役員四名に借上社宅を貸与していたとして昭和四八年六月から同四九年四月までの右家屋の家賃として別表四記載の金額を右役員に対する未払金として地代家賃勘定に計上し、損金経理していた。 しかしながら、右期間中の家賃は各役員が支払済であつたこと及び各賃貸借契約書の記載状況から右各家屋の借主は各役員個人であつたと認められたこと、代表取締役Aを除く各役員に対しては月額二万円の住宅手当が支給されていたこと、原告は昭和四八年四月一八日付で五 と及び各賃貸借契約書の記載状況から右各家屋の借主は各役員個人であつたと認められたこと、代表取締役Aを除く各役員に対しては月額二万円の住宅手当が支給されていたこと、原告は昭和四八年四月一八日付で五〇〇万円の増資をしたが、その資金の調達及び前記未払金に関する原告の帳簿上の処理は別表五記載のとおりであつて右四〇〇万四〇〇〇円の未払金のうち三〇〇万円は増資に振り替えられ残りの一〇〇万四〇〇〇円は預り金として処理されているのみならず、右未払金計上額と各家屋の賃料額は一致していないのであるから、右未払金の計上は増資を目的としてなされたものであると認められること、未払金計上前の原告の帳簿には右家賃の支払いの意思を明らかにする記録が何もないことから、右未払金の計上は一部役員の家賃負担を目的としたものということはできず、右未払金の計上によつて原告は各役員に対して未払金相当額の債務の負担という経済的利益を供与したものというべきであつて、しかも右経済的利益の供与は臨時的なものであるから、右経済的利益の供与は法人税法第三五条第四項にいう役員賞与に該当し、同条第一項によつてその損金算入は認められない。 (4) 交際費等の損金不算入額原告は第二事業年度における交際費等の額を八九七万五九九二円、交際費等の損金不算入額を四六五万一九〇一円と計算して法人税の確定申告をした。しかしながら、原告の第二事業年度における交際費等の額は別表六1記載のとおりであり、右金額に基づいて損金不算入額を算出すると別紙計算書記載のとおり五一六万七八二〇円となるから、右金額と前記四六五万一九〇一円との差額五一万五九一九円を申告所得金額に加算すべきである。 なお、別表六1の詳細は次のとおりである。 (1) 諸会費勘定中交際費等の額原告が諸会費として損金経理していた金額のうちには別表六2記載の との差額五一万五九一九円を申告所得金額に加算すべきである。 なお、別表六1の詳細は次のとおりである。 (1) 諸会費勘定中交際費等の額原告が諸会費として損金経理していた金額のうちには別表六2記載のとおり交際費等の額三万四五四五円が含まれていた。右のうち番号(1)、(2)は役員及び一部の従業員が社外において酒類を伴う飲食をした費用であつて交際費等に該当するものである。 (2) 会議費勘定中交際費等の額原告は別表六3記載の各金額は会議費に該当するとして損金経理していたが、右はいずれも原告の役員及び一部従業員が社外において酒類を伴う飲食をした費用であつて前記(1)に述べたとおり交際費等に該当するものである。 (3) 交通費勘定中交際費等の額原告は別表六4記載の各金額は交通費に該当するとして損金経理していたが、右のうち番号(1)ないし(10)は原告の役員或いは従業員が銀座において深夜飲食した後の帰宅費用であると認められるから交際費等の支出に伴う費用として交際費等に該当するというべきであるし、また番号(11)は原告の関与税理士を社外において接待した後の同人の帰宅費用であると認められるから交際費等に該当するものであるし、さらに番号(12)は原告の得意先を接待した後の原告の従業員の帰宅費用であると認められるから交際費等の支出に伴う費用として交際費等に該当するものである。 (4) 福利厚生費勘定中交際費等の額原告は別表六5記載の各金額は福利厚生費に該当するとして損金経理していたが、右はいずれも原告の役員及び一部従業員が社外において酒類を伴う飲食をした費用であつて交際費等に該当するものである。 (5) 繰越欠損金中過大計上分前記(一)で述べたとおり原告の第一事業年度における欠損金額は一万九六七三円であるから、第二事業年度において損金の額に算入すること あつて交際費等に該当するものである。 (5) 繰越欠損金中過大計上分前記(一)で述べたとおり原告の第一事業年度における欠損金額は一万九六七三円であるから、第二事業年度において損金の額に算入することができる欠損金額は右一万九六七三円であるところ、原告は繰越欠損金として四九万二一四八円を計上し損金経理していたのであるから、その差額四七万二四七五円を申告所得金額に加算すべきである。 三被告の主張に対する原告の認否及び反論 1 被告の主張に対する認否被告の主張(一)のうち申告欠損金額は認める。 同(二)(1)の事実は認める。 同(二)(2)のうち、原告が被告主張のように家賃を出捐し右金額について損金経理をしていたことは認めるが、原告が敷金を支出していないとの点及びA個人が借主であつたとの点は否認する。 同(二)(3)のうち、原告が別表二記載の各金額を福利厚生費として損金経理したこと、同表の支払年月日、支払金額及び支出内容、別紙計算書記載の資本金の額並びに第一事業年度については当該年度が交際費等の損金不算入額の計算における基準年度となることは認める。 同(三)のうち申告所得金額は認める。 同(四)(1)の事実は認める。 同(四)(2)のうち、原告の役員に対する給与額(家賃分を除く。)の変遷が別表三記載のとおりであることは認める。 同(四)(3)のうち、原告が被告主張のように損金経理したこと、原告代表取締役を除く各役員に対して月額二万円の住宅手当を支給していたこと及び原告が昭和四八年四月一八日付で五〇〇万円の増資をし、これに関する帳簿上の処理が別表五記載のとおりなされ未払金のうち一〇〇万四〇〇〇円が預り金として処理されていたことは認めるが、各家屋の借主が各個人であつたとの点及び増資の目的で未払金の計上がなされたとの点は否認する。 同(四)(4)冒頭の おりなされ未払金のうち一〇〇万四〇〇〇円が預り金として処理されていたことは認めるが、各家屋の借主が各個人であつたとの点及び増資の目的で未払金の計上がなされたとの点は否認する。 同(四)(4)冒頭の主張のうち、別紙計算書記載の資本金の額は認める。 同(四)(4)(1)のうち、原告が別表六2記載の各金額を諸会費として損金経理したこと、同表の支払年月日、支払金額及び支出内容並びに同表の番号(3)、(4)が交際費等に該当することは認める。 同(四)(4)(2)のうち、原告が別表六3記載の各金額を会議費として損金経理したこと並びに同表の支払年月日、支払金額及び支出内容は認める。 同(四)(4)(3)のうち、原告が別表六4記載の各金額を交通費として損金経理したこと並びに同表の乗車年月日、乗車時間、支払金額及び乗車経由は認める。 同(四)(4)(4)のうち、原告が別表六5記載の各金額を福利厚生費として損金経理したこと、同表の支払年月日、支払金額及び支出内容並びに同表の番号(15)が交際費等に該当することは認める。 同(四)(5)の主張は争う。 2 原告の反論(一) 地代家賃について(1) 昭和四八年三月一二日開催の取締役会において原告の役員が居住する家屋の同年六月以降の家賃は原告が負担する(その趣旨は原告が賃貸借契約を締結し社宅として役員の居住の用に供する。)旨決議されたことに伴い、原告代表取締役Aについては暫定処置としてその実施時期を早め同年四月から他の役員については同年六月からその居住家屋を社宅として各人に貸与していたものであるから、右家屋の家賃は原告の経費としてその損金算入が認められるべきである。 (2) これに対して被告は各入居者個人が借主であること、原告代表者取締役を除く他の役員に対して住宅手当が支給されていたこと、原告の帳簿上の処理状況から前 としてその損金算入が認められるべきである。 (2) これに対して被告は各入居者個人が借主であること、原告代表者取締役を除く他の役員に対して住宅手当が支給されていたこと、原告の帳簿上の処理状況から前記家賃についての未払金計上は増資を目的としてなされたものと認められることを根拠として、右家賃の損金算入を否認するが、次に述べるとおり右主張は失当である。 (1) 各賃貸借契約書の記載状況からA、D、Bが入居していた家屋については原告がその借主であることは明白であるし、Eが入居していた家屋についても昭和四八年六月以降は実質的借主は原告に変更されており、賃貸借契約更新時には賃借名義人も原告に改められている。また、家賃については原告が各入居者を介して支払いそれを期末に一括処理したものであるから、各入居者個人が支払つていたということはできないし、Aが入居していた家屋の敷金も原告代表取締役である同人が原告名義で差し入れたものであるから右支払いも原告がなしたものというべきである。従つて、各入居者個人が借主であるという被告の主張は失当である。 また、仮に各入居者個人が借主であつたとしても、原告の各入居者に対する家賃の支払義務は前記取締役会決議に基づき各月毎に発生していたものであるから役員に対する定期の給与というべく、その損金算入は認められるべきである。 (2) 原告は役員を含めた全従業員に対して借家住いか否かを問わず一率に住宅手当を支給していたのであるから右住宅手当は実費弁償としての性格はなく実質的には本給の一部となつていたものである。従つて、右住宅手当が支給されていたからといつて役員が居住していた家屋の家賃の損金算入が否認される理由とはならない。 (3) 原告が支払家賃の未払金計上をしたのは、原告の役員たる株主が増資資金を他から借入れざるをえなかつたため原告 たからといつて役員が居住していた家屋の家賃の損金算入が否認される理由とはならない。 (3) 原告が支払家賃の未払金計上をしたのは、原告の役員たる株主が増資資金を他から借入れざるをえなかつたため原告が各役員に対して右借入金返済のため増資払込金相当額を貸付け、右貸付金債権と各役員が原告に代わつて家賃を支払つたことによつて生じた家賃相当額の債務とを各月毎に相殺していたのであるが、経理の処理上期末に一括処理したものに過ぎず、増資を目的としてなされたものではない。このことは昭和四八年四月一八日に原告の増資払込がなされ、同四九年四月二四日に右未払金計上がなされたこと、同年五月以降も各役員に対して家賃相当額を支給していたことからも明らかである。 なお、原告の帳簿上の処理は本来別表七のとおりすべきであつたが、昭和四九年当時は未熟な女子社員が一人で経理をしていたため別表五のように処理してしまつたのである。 (二) 役員報酬について原告が昭和四九年四月に役員報酬を大幅に増額したのは、仮に増額しないと従業員の最高所得者の第二事業年度の所得総額が役員のそれを上回るという現象が生ずること、オイル・シヨツクによる急激な物価上昇に対処する必要があつたこと、昭和四八年七月の株主総会決議によつて役員報酬の支払限度額が三五〇〇万円に改訂されたこと等による。 ところで、被告は前後の月との比較に基づき昭和四九年四月分、五月分の役員報酬中同年四月に増額された部分は臨時的な給与にあたるとしてその損金算入を否認するが、同年四月に引き上げられた役員報酬額を支給することができたのは第二事業年度においては四月分、五月分だけであつて、右二月分はあらかじめ定められた基準に基づいて月を単位として規則的に支給されたものであるから臨時的な給与に該当しないというべきである。また、同年六月以降役員報 度においては四月分、五月分だけであつて、右二月分はあらかじめ定められた基準に基づいて月を単位として規則的に支給されたものであるから臨時的な給与に該当しないというべきである。また、同年六月以降役員報酬額を減額したのは新事業年度における収益の見通しの悪化に基づくものであるが、新事業年度の役員報酬額と比較することは法人における事業年度区分の原則及び役員報酬の性質に鑑み妥当ではない。 なお、昭和四八年四月の役員報酬増額の決定はさかのぼつて役員報酬額を引き上げるものではなく、第二事業年度における役員報酬額の合計は二九九一万円となるから、前記株主総会決議で改訂された三五〇〇万円の範囲内にあたるものである。 (三) 交際費等について(1) 交際費等とは法人の外部の者に対する接待、きよう応等のために要した費用であり、法人の内部の者は法人の事業に関係のある者等にあたらないからそれらの者に対する接待、きよう応等のために支出された費用は交際費等に該当しないと解すべきところ、別表二、同六2(番号(3)、(4)は除く。)、同六3、同六5(番号(15)は除く。)の各費用はいずれも原告の役員或いは従業員の飲食のために支出されたものであるから、交際費等には該当しないというべきである。 また、仮に法人の内部の者に対する接待、きよう応等と同種の行為のために支出された費用が交際費等に該当することがあるとしても、次に述べるとおり別表二、同六2(番号(3)、(4)は除く。)、同六3、同六5(番号(15)は除く。)の各費用は交際費等には該当しないというべきである。すなわち、別表二のうち番号(1)は社外で行なわれた忘年会の費用(出席者は約一五名)、番号(2)は右忘年会の二次会の費用(出席者は一四名)、番号(3)は社外で行われた御用納めの宴会の費用(出席者は約一五名)、番号(4)は社 号(1)は社外で行なわれた忘年会の費用(出席者は約一五名)、番号(2)は右忘年会の二次会の費用(出席者は一四名)、番号(3)は社外で行われた御用納めの宴会の費用(出席者は約一五名)、番号(4)は社外で行われた会社創立記念日の社員慰労会の費用であるが、右のものはいずれもその出席者数を考慮すれば極めてつつましいものというべきであつて右各種宴会に通常要する費用として交際費等には該当しないものであるし、また被告が交際費等に該当するとしたもののなかには原告の役員或いは従業員の残業或いは休日出勤の際の食事代が含まれているが、原告は残業手当を支給する代わりに右のような食事代を負担することにしていたのであるから右食事代は交際費等には該当しないものである。 なお、被告は社外で行なわれた宴会等の費用は交際費等に該当すると主張するが、原告の立地条件、福利厚生設備等を考慮することなく、社内で飲食のできない原告に右基準を適用することは不当である。 (2) 別表六4のうち番号(11)は事務打合せ後の税理士の帰宅費用、番号(12)は得意先を接待した後の原告の従業員の帰宅費用、その余のものは原告の役員或いは従業員が残業した後の帰宅費用であるが、原告は日中の業務及び残業後の帰宅にはハイヤーを利用することを認めていたのであるから、右各帰宅費用は交際費等には該当しないというべきである。被告は、別表六4のうち番号(11)を除くその余のものについて飲食した後の帰宅費用であるから交際費等に該当すると主張するが、帰宅前の飲食の有無によつてその経費の性格がわかるものではない。 四原告の反論に対する被告の認否及び再反論 1 原告の反論(一)に対して(一) 原告の反論(一)のうち、昭和四九年五月以降各役員に対して家賃相当額を支給していたとの点及びEが入居していた家屋について賃貸借更新時に 対する被告の認否及び再反論 1 原告の反論(一)に対して(一) 原告の反論(一)のうち、昭和四九年五月以降各役員に対して家賃相当額を支給していたとの点及びEが入居していた家屋について賃貸借更新時に賃借名義人を原告に改めたとの点は否認する。 (二) 原告代表取締役Aが入居していた家屋の敷金を原告が支出したというのであれば右敷金を支出した日を含む事業年度すなわち第一事業年度の末日(昭和四八年五月三一日)現在の貸借対照表中の資産勘定欄にこれを敷金等として計上しているはずであるのに何らそのような処理をしていないのみならず、右賃貸借契約の仲介入である株式会社小林ハウジングに対する仲介手数料一七万六〇〇〇円も右A個人が支払つており、かつ原告の経費として処理されていないのであるから、原告が右家屋の賃借人であるということはできない。 (三) 原告の主張する取締役会決議は、取締役の一人であるCに対しては家賃相当額を支給した事実が存しないこと、右取締役会議事録には未だ取締役に就任しておらず、また右取締役会に出席していなかつたDの記名捺印があることに照らすと、その存在自体疑わしいというべきである。 (四) 仮に原告が各役員に対して毎月支給すべき家賃と原告の各役員に対する貸付金とを各月毎に相殺していたというのであれば各役員に対する報酬の支払額にこれを加算した上で所得税額を算出した右税額の源泉徴収をすべきであつたのにこれをしていなかつたのであるから、原告の主張は失当である。 2 原告の反論(三)に対して原告は租税特別措置法第六二条第四項(第一事業年度については昭和四八年法律第一六号による改正前の租税特別措置法第六三条第四項)に定める「事業に関係のある者等」の範囲に従業員等が含まれない旨主張するが、同項のかつこ書きが本文をうけて従業員を対象とするもののうち特定の支 律第一六号による改正前の租税特別措置法第六三条第四項)に定める「事業に関係のある者等」の範囲に従業員等が含まれない旨主張するが、同項のかつこ書きが本文をうけて従業員を対象とするもののうち特定の支出のみを交際費等に該当しない旨規定していることからも明らかなように、同項は従業員等が「事業に関係のある者等」に含まれることを当然の前提としているのであつて、原告の右主張は失当である。 第三証拠関係(省略)○ 理由一請求原因1の事実は当事者間に争いがない。 二そこで、本件各更正が原告の所得を過大に認定したものか否かについて判断する。 (第一事業年度) 1 被告の主張(一)のうち申告欠損金額については当事者間に争いがない。 2 被告の主張(二)(2)について(一) 原告がその代表者であるAの居住する家屋の昭和四八年四月分及び五月分の家賃三三万七六〇〇円を出損し、右金額を地代家賃勘定に計上して損金経理していたことについては当事者間に争いがない。 (二) ところで、法人税法によれば、その損金算入が認められる役員報酬とは、役員に対する給与(債務の免除による利益その他の経済的利益を含む。)のうち役員賞与及び退職給与以外のものをいい(第三四条)、損金算入が認められない役員賞与とは、役員に対する臨時的な給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)のうち他に定期の給与を受けていない者に対し継続して毎年所定の時期に定額(利益に一定の割合を乗ずる方法により算定されることとなつているものを除く。)を支給する旨の定めに基づいて支給されるもの及び退職給与以外のものをいう(第三五条第一項、第四項)とされているから、他に定期の給与を受けていない者に対し継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づいて支給されるもの及び退職給与以外の役員に対する給与( のをいう(第三五条第一項、第四項)とされているから、他に定期の給与を受けていない者に対し継続して毎年所定の時期に定額を支給する旨の定めに基づいて支給されるもの及び退職給与以外の役員に対する給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)は、それが定期的なものであるか臨時的なものであるかによつてその損金算入の可否が決せられることになる。 ところで、原告は、Aの居住する前記家屋は、原告が賃借していた借上社宅である旨主張し、右家屋についての昭和四八年三月二〇日付貸室賃貸借契約書(甲第二号証の一)の借主欄には「代表取締役A」と、敷金預り証の部分には「(株)インターイメージ代表者A」とそれぞれ記載されているし、証人Dの証言(第一回)中には前記原告の主張に合致する部分がある。しかしながら、右賃貸借契約書のA名下の印影は、原告会社の代表取締役印ではなく、A個人の印鑑によるものであるし、借主欄には原告会社名の表示がない等当初から代表者の資格で記載されたものとしては不審な点が少なくないのみならず、昭和四八年四月分及び五月分を除き、その他の月分の賃料を原告が直接賃貸人に支払つたことのないこと(右事実については原告は明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。)、成立に争いのない乙第二号証及び弁論の全趣旨により原告が第一事業年度の決算報告書の貸借対照表中に右賃貸借について差し入れられた敷金を資産として計上していないと認められること、前記Dの証言及び弁論の全趣旨により原本の存在及び真正に成立したことが認められる甲第八号証の三並びに弁論の全趣旨により昭和四九年六月からAに一か月金一六万八八〇〇円が住宅手当として支払われていると認められること等を考慮し、なお、後記認定のとおりCを除く他の三名の取締役が居住する家屋の賃借人も原告ではなく各取締役個人 四九年六月からAに一か月金一六万八八〇〇円が住宅手当として支払われていると認められること等を考慮し、なお、後記認定のとおりCを除く他の三名の取締役が居住する家屋の賃借人も原告ではなく各取締役個人であると認められることもしんしやくすれば、Aの居住する家屋の賃借人は原告ではなく、A個人であると認めるのを相当とする。右認定に抵触する前記Dの証言は採用せず、他にこの認定を左右する証拠は存在しない。 そうして、法人がその役員の居住する家屋の家賃を負担した場合、その家屋の借主が入居者たる役員であればその家賃の負担は当該役員に対する給与の支給にあたることは明らかであるから、その家賃の負担が定期的であるか或いは臨時的であるかによつてその損金算入の可否が決せられることになる。 (三) そこで、前記(一)で述べた家賃の負担が定期的であるか臨時的であるか検討するに、証入Dの証言(第一回)によつて真正に成立したと認められる甲第二号証の一及び同証言によると前記Aは昭和四八年三月二〇日に花房山ハイツに入居したことが認められるところ、同年四月分及び五月分の家賃は原告が負担し(前記(一)記載のとおりこの事実は当事者間に争いがない。)、後記7(一)認定のとおり同年六月分から昭和四九年五月分までは右A個人が家賃を負担していたのであるから、原告が昭和四八年四月分及び五月分の家賃を負担したことは臨時的であるといわざるをえず、その損金算入を認めることはできない。 (四) 原告は、昭和四八年三月一二日に開催された取締役会において原告の役員が居住する家屋の同年六月以降の家賃は原告が負担する旨決議されたことに伴い原告代表取締役についてはその実施時期を早め同年四月から貸与することとしていたのであるからその家賃は原告の経費として損金算人が認められるべき旨主張するが、後記7(二)認定のと 旨決議されたことに伴い原告代表取締役についてはその実施時期を早め同年四月から貸与することとしていたのであるからその家賃は原告の経費として損金算人が認められるべき旨主張するが、後記7(二)認定のとおり右取締役会決議の存在を認めることができないのみならず、仮にこの点は措くとしても、取締役会決議に基づき役員に対して家賃相当額を負担することとしたとしても、その負担が臨時的なものであれば損金算入は認められないのであるから、原告の右主張を採用することはできない。 3 被告の主張(二)(3)について(一) 原告が別表二記載の各金額を福利厚生費として損金経理したこと並びに同表の支払年月日、支払金額及び支出内容については当事者間に争いがない。 (二) ところで、交際費等とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、きよう応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの(もつぱら従業員の慰安のために行なわれる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用その他政令で定める費用を除く。)をいう。」と規定されている(昭和四八年法律第一六号による改正前の租税特別措置法第六三条第四項)。そうして、一定限度を超える交際費等の損金算入を否認する趣旨が法人の濫費抑制の点にあることを考慮すれば、法人が従業員等の慰安のために忘年会等の費用を負担した場合、それが法人が社員の福利厚生のため費用全額を負担するのが相当であるものとして通常一般的に行なわれている程度のものである限りその費用は交際費等に該当しないが、その程度を超えている場合にはその費用は交際費等に該当すると解するのが相当である。そして、忘年会等が右のような意味で通常一般的に行なわれている程度のものか否かは個々の忘年会等の具体的態様、すなわち開催 程度を超えている場合にはその費用は交際費等に該当すると解するのが相当である。そして、忘年会等が右のような意味で通常一般的に行なわれている程度のものか否かは個々の忘年会等の具体的態様、すなわち開催された場所、出席者一人あたりの費用、飲食の内容等を総合して判断すべきであつて、社外で行なわれたか否かということだけで判断すべきではない。 また、法人が役員或いは従業員に対して食事代を負担した場合に、通常の食事に要した費用は右役員等に対する給与等としてその損金算入が認められる場合もあるが、通常の食事の程度を超えるものに要した費用は役員等に対する慰安のための費用として交際費等に該当すると解するのが相当であり、法人が残業手当を支給することなく残業或いは休日出勤の際の食事代を負担している場合にも右と異なる解釈をする必要はない。そして、通常の食事か否かは個々の食事の具体的態様、すなわち食事の場所、一人あたりの費用、飲酒の有無及び飲酒代が食事代に占める割合等を総合して判断すべきであつて、飲酒も重要な目的であると認められる場合や全体の費用のうちの相当部分が飲酒に関するもので占められているような場合には通常の食事とはいえないが、飲酒を伴なうものがすべて右の意味での通常の食事に当たらないと解するのは相当でない。 なお、原告は法人の内部の者は前記条項の「事業に関係のある者等」に該当しない旨主張するが、右条項は法人の役員、従業員も「事業に閏係のある者等」に含まれることを前提とし、特にかつこ書きを設けて従業員を対象とするもののうちもつぱら従業員の慰安のために行なわれる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用その他政令で定ぬる費用のみを交際費等から除外していると解すべきであるから、原告の主張は失当である。 (三) そこで別表二記載の各費用が交際費等に該当するか否か検 演芸会、旅行等のために通常要する費用その他政令で定ぬる費用のみを交際費等から除外していると解すべきであるから、原告の主張は失当である。 (三) そこで別表二記載の各費用が交際費等に該当するか否か検討する。 (1) 番号(1)及び(2)について番号(1)は銀座アスターで行なわれた忘年会の費用、(2)はサロン・タカナワで行なわれた右忘年会二次会の費用であつて(このことは前記(一)のとおり当事者間に争いがない。)、成立に争いのない乙第五号証、証人Dの証言(第一回)によつて原本の存在及び成立が認められる甲第八号証の一によれば、昭和四七年一二月当時原告から給与の支払いを受けていた者の人数は代表取締役A外一〇名であつたから右忘年会には右の人数程度の者が出席したものと推認され、また二次会出席者は一〇名であつたと認められるから、一人あたりの費用は合計約九〇〇〇円余となる。右認定の事実によれば、法人が福利厚生費としてこのような忘年会二次会の費用を負担すること自体不相当というべきであるのみならず、その点は仮に措くとしても、右忘年会及び二次会の費用は一般に福利厚生費として認められる範囲を超えていると解するのが相当であるから、番号(1)及び(2)は交際費等に該当するというべきである。 (2) 番号(3)について番号(3)はホテル・ニユーオータニで行なわれた御用納めの会の費用であつて(このことは前記(一)のとおり当事者間に争いがない。)、前掲甲第八号証の一、成立に争いのない乙第八号証ないし第一〇号証によれば、右会に出席した人数は一二名程度であつて、出席者一人あたりの費用は約二四〇〇円余となること及び食事に要した者用が二万一六〇〇円、飲酒に要した費用が八〇二六円であることが認められる。右認定の事実によれば、右御用納めの会に要した費用は一般に福利厚生費として認め 用は約二四〇〇円余となること及び食事に要した者用が二万一六〇〇円、飲酒に要した費用が八〇二六円であることが認められる。右認定の事実によれば、右御用納めの会に要した費用は一般に福利厚生費として認められる範囲を超えていると解するのが相当であるから、番号(3)は交際費等に該当するというべきである。 (3) 番号(4)について番号(4)は社外で行なわれた会社創立記念パーテイの費用であつて(このことは前記(一)のとおり当事者間に争いがない。)、前掲甲第八号証の一によれば昭和四八年五月当時原告から給与の支払いを受けていた者の人数は代表取締役A外一三名であり、右パーテイには右の人数程度の者が出席したものと推認されるから、一人あたりの費用は約二七〇〇円余となる。右認定の事実によれば、右会社創立記念パーテイに要した費用は一般に福利厚生費として認められる範囲を超えていると解するのが相当であるから、番号(4)は交際費等に該当するというべきである。 (4) 番号(5)について前記(一)のとおり番号(5)が社員飲食代であることについては当事者間に争いがなく、成立に争いのない乙第六号証、第七号証及び弁論の全趣旨によれば、番号(5)はサロン・タカナワで昭和四七年一一月二一日に二名でした飲食の費用一万一四四〇円と同所で同月二二日に二名でした飲食の費用一万一一三〇円との合計であることが認められる。右事実によれば、右飲食はその場所、金額からみて通常の食事の程度を超えていると認めるのが相当であり、その費用は交際費等に該当するというべきである。 (四) 原告が交際費等の額を四九九万〇五八五円、交際費等の損金不算入額を六八万〇二八四円として確定申告したことについては原告において明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。 そして、前記(三)で述べたとおり、原告が福利厚生 〇五八五円、交際費等の損金不算入額を六八万〇二八四円として確定申告したことについては原告において明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。 そして、前記(三)で述べたとおり、原告が福利厚生費としていたもののうち一九万二六七九円は交際費等に該当するのであるから、原告の交際費等の額は五一八万三二六四円となる。右金額について、昭和四八年法律第一六号による改正前の租税特別措置法第六三条第一項、第二項、第三項及び第五項、昭和四八年政令第九四号による改正前の租税特別措置法施行令第三八条の三第一項の各規定によりその損金不算入額を算出すると、別紙計算書第一事業年度欄記載のとおり八一万五一五九円(円未満切捨て)となる(別紙計算書記載の資本金の額並びに第一事業年度が交際費等の損金不算入額計算における基準年度となることについては当事者間に争いがない。)。従つて、右金額と前記六八万〇二八四円との差額である一三万四八七五円を申告欠損金額から減ずべきである。 4 以上述べたところから原告の第一事業年度の欠損金額を算出すると一万九六七三円となる。従つて、第一事業年度分の更正には原告主張の違法はない。 (第二事業年度) 5 被告の主張(三)のうち、申告所得金額については当事者間に争いがない。 6 被告の主張(四)(2)について(一) 原告がその代表取締役であるA及び役員であるB外三名に対して支給した給与額(家賃分は除く。)の変遷が別表三記載のとおりであることについては当事者間に争いがない。 右当事者間に争いがない事実に証人Dの証言(第一回)によつて原本の存在及び成立が認められる甲第八号証の二及び三、同証人並びに証人Fの各証言を合わせると、昭和四九年六月以降は各役員が入居していた家屋の家賃分を原告が負担し、右家賃分として毎月Aには一六万八八〇〇円、Bには七万六〇〇 められる甲第八号証の二及び三、同証人並びに証人Fの各証言を合わせると、昭和四九年六月以降は各役員が入居していた家屋の家賃分を原告が負担し、右家賃分として毎月Aには一六万八八〇〇円、Bには七万六〇〇〇円、Dには七万円、Eには五万円を支払い、右家賃分を含んだ給与額が給与台帳に記載されており、その金額の変遷は別表八記載のとおりとなることが認められる。 右認定の事実から明らかなとおり、昭和四九年四月分及び五月分の役員に対する給与は前後の月に比べて異常に高額であり、このような増減は役員報酬としては通常考えられないことであつて、証人Fの証言によつて認められる原告が各役員に対して支給した昭和四九年四月分及び五月分の給与のうち増額部分が預り金として経理されていたことを合わせ考えるならば、他に右給与の増減を合理化する特段の事情がない限り、役員に対する昭和四九年四月分及び五月分の給与のうち同年三月分との差額は臨時的な給与であると解するのが相当である。 (二) ところで、原告は前記給与の増額の理由として、(1)役員に対する給与を増額しないと従業員の所得が役員のそれを上回るという現象が生ずること、(2)いわゆるオイルシヨツクによる急激な物価上昇に対処する必要があつたこと、(3)昭和四八年七月の株主総会決議によつて役員報酬の支給限度額が三五〇〇万円に改訂されたことを主張し、前記給与の減額の理由として新事業年度における収益見通しの悪化を主張するが、仮にこれらの事実が認められるとしても、前記異常な給与の増減を合理化する事情としては不十分といわざるをえない。 (三) 従つて、原告が各役員に対して支給した昭和四九年四月分及び五月分の給与のうち同年三月分の給与との差額、すなわちAについては月額八四万円、Bについては月額四三万円、Dについては月額三〇万円、Eについては月額二五 告が各役員に対して支給した昭和四九年四月分及び五月分の給与のうち同年三月分の給与との差額、すなわちAについては月額八四万円、Bについては月額四三万円、Dについては月額三〇万円、Eについては月額二五万円、Cについては月額一五万円の各二月分合計三九四万円は臨時的な給与としてその損金算入は認められない。 (四) なお、原告は昭和四九年四月分及び五月分の役員に対する給与はあらかじめ定められた基準に基づいて月を単位として規則的に支給されたから臨時的な給与には該当しない旨主張するが、あらかじめ定められた基準に基づく給与であつても臨時的なものはその損金算入は認められないと解すべきであるし、二か月間同額の給与を支給したからといつて直ちに定期的な給与になると解することはできないから、原告の右主張は失当である。 また、原告は前記二か月分の役員に対する給与の臨時性を判断するに際し新事業年度のそれと比較することは妥当でない旨主張するが、役員に対する給与が臨時的であるか否かを判断するに際し異なる事業年度分の給与と比較することは当然許容されるべきであるから、原告の右主張も失当である。 7 被告の主張(四)(3)について(一) 原告が役員四名に対して借上社宅を貸与していたとして昭和四八年六月から同四九年四月までの家賃として別表四記載の金額を右役員に対する未払金として地代家賃勘定に計上して損金経理していたこと、原告代表取締役を除く各役員に対して原告主張の家賃とは別途に月額二万円の住宅手当が支給されていたこと、原告が昭和四八年四月一八日付で五〇〇万円の増資をし、これに関して別表五記載のとおり帳簿上の経理をなし未払金のうち一〇〇万四〇〇〇円は社内預り金として処理していたことは当事者間に争いがなく、右未払金計上前の原告の帳簿には何ら右家賃の支払いの意思を明らかにする記録が 五記載のとおり帳簿上の経理をなし未払金のうち一〇〇万四〇〇〇円は社内預り金として処理していたことは当事者間に争いがなく、右未払金計上前の原告の帳簿には何ら右家賃の支払いの意思を明らかにする記録がないとの点は原告において明らかに争わないから自白したものとみなす。 ところで、原告代表取締役Aが居住していた家屋の賃借人が第一事業年度当時原告ではなくA個人であつたと認めるべきことは、前記2(二)において認定したとおりであり、第二事業年度においても、特にその点について変更があつたと認めるべき証拠はないから、同様に解するのが相当である。そうして、Cを除く三名の取締役の居住する家屋についても、同様に解すべきである。すなわち、前記Dの証言によつて真正に成立したと認める甲第三、第四号証の各一によれば、次の事実が認められる。取締役D居住の家屋についての昭和四八年五月三一目付貸室賃貸借契約書(甲第三号証の一)には、賃借人として一応原告が表示され、原告代表取締役の署名押印があるけれども、B居住家屋についての昭和四八年九月作成の契約書(甲第四号証の一)の記載からはこの点が必ずしも明確ではないのみならず、右契約は、原告設立前の昭和四六年九月一六日に締結された基本契約に基づくものであるが、借主の変更について言及するところがない。また、弁論の全趣旨により原本の存在及び成立を認める乙第三号証によれば、E居住家屋についての昭和四九年六月二〇日付貸室賃貸借契約書(乙第三号証)には依然として同人が借主として表示されていることが認められる。そうして、これら認定の事実に、前記2(二)において認定した諸事実を併せれば、Dら取締役三名の居住家屋についても、賃借人は原告ではなくて取締役個人であると認めるのが相当である。 そして、成立に争いのない乙第五二号証、証人Dの証言(第一回)によ おいて認定した諸事実を併せれば、Dら取締役三名の居住家屋についても、賃借人は原告ではなくて取締役個人であると認めるのが相当である。 そして、成立に争いのない乙第五二号証、証人Dの証言(第一回)によつて真正に成立したと認められる甲第二号証の一並びに同証人(後記採用しない部分を除く。)及び証人Fの各証言を合わせると、原告代表取締役Aは室積農協から五〇〇万円を借り受け、昭和四八年四月一八日付でなされた原告の増資に際し右借入金をもつて増資全額の払込みをしたこと、その後同人は原告から五〇〇万円を借り受け右室積農協からの借入金の返済にあてたこと、右原告からの借入金のうち二〇〇万円は従来同人が原告に対して有していたとされる債権と相殺され、残りの三〇〇万円については地代家賃の未払金として計上された四〇〇万四〇〇〇円のうちの三〇〇万円と相殺されたこと、同人に対する未払金として計上された金額と同人の居住した家屋の昭和四八年六月から同四九年四月までの家賃額とが一致しないこと及び原告は昭和四八年六月から同四九年四月まで毎月定時定額の家賃相当額の未払金の計上をすることなく、昭和四九年四月二四日付で、一挙に未払金を計上し、しかも各役員について右家賃分の源泉徴収をしていないことが認められる。 右認定の事実、前記当事者間に争いのない事実及び前記6(一)で認定した昭和四九年六月以降は各役員が入居していた家屋の家賃を原告が負担し、右家賃分を含んだ給与額が給与台帳に記載されていた事実を総合すれば、原告は前記増資資金の調達に関する債権債務関係を処理することを主たる目的として前記未払金の計上をしたというべきであり、右未払金の計上によつて右役員に対して未払金と同額の債務の負担という臨時的な経済的利益を供与したと認めるのが相当であつて、原告主張のように昭和四八年六月から同四九年四 の計上をしたというべきであり、右未払金の計上によつて右役員に対して未払金と同額の債務の負担という臨時的な経済的利益を供与したと認めるのが相当であつて、原告主張のように昭和四八年六月から同四九年四月まで各月毎に発生していた原告の各役員に対する家賃債務を期末に一括処理したものと認めることは到底できず、右期間の家賃は各入居者が負担していたというべきである。証人Dの証言(第一回)中右認定に反する部分は採用できないし、甲第五号証も後記(二)のとおり採用できず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。 従つて、原告が未払金として計上した四〇〇万四〇〇〇円は役員賞与に該当するというべきであつて、その損金算入は認められない。 (二) なお、原告は昭和四八年三月一二日開催の取締役会で原告の役員が居住する家屋の同年六月以降の家賃は原告が負担する旨決議されたと主張して、右主張を立証するために同日付の取締役会議事録(甲第五号証)を提出し、また、証人D(第一回、第二回)も原告の右主張に副う供述をする。 しかしながら、右取締役会議事録にはDも取締役の一員として出席したものとして同人の記名捺印がなされているところ、前掲乙第五二号証、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認められるから真正な公文書と推定すべき乙第五三号証の一、弁論の全趣旨により原本の存在及び成立が認めれる乙第五三号証の二、五、八及び九並びに証人Fの証言を合わせると、Dは右取締役会が開催されたとされる昭和四八年三月一二日には原告の取締役に就任しておらず、福岡県北九州市所在の株式会社山本工作所に勤務し右同日には同社に出社していたこと及び五〇〇万円の増資と新株発行に伴う変更の登記は同年四月一八日付でなされているが、Dは同日においても原告の取締役に就任しておらず、してみると、右変更登記申請書に添付を 日には同社に出社していたこと及び五〇〇万円の増資と新株発行に伴う変更の登記は同年四月一八日付でなされているが、Dは同日においても原告の取締役に就任しておらず、してみると、右変更登記申請書に添付を要求される議事録(商業登記法第七九条)としては矛盾があるといわざるを得ないところ、右取締役会議事録は審査請求の段階になつて初めて提出されたことが認められるのであつて、右事実及び弁論の全趣旨に照らすと右取締役会議事録を採用することはできないし、右証人Dの供述も弁論の全趣旨に照らして採用できない。そして、他に右取締役会決議の存在を認めるに足りる証拠がない以上、右取締役会決議はなかつたと認めるのが相当である。 8 被告の主張(四)(4)について(一) 被告の主張(四)(4)の冒頭の主張のうち、原告が第二事業年度における交際費等の額を八九七万五九九二円、交際費等の損金不算入額を四六五万一九〇一円と計算して確定申告をしたことについては、原告において明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。 (二) 別表六2、同六3、同六5の各費用について(1) 原告が別表六2の各金額を諸会費として、同六3の各金額を会議費として、同六5の各金額を福利厚生費としてそれぞれ損金経理していたこと、右各表の支払年月日、支払金額及び支出内容並びに別表六2の番号(3)、(4)及び別表六5の番号(15)の各費用が交際費等に該当することについては当事者間に争いがなく、右各表の費用のうち別表六2の番号(3)、(4)を除くその余のものが原告の役員又は一部従業員が社外において酒類を伴う飲食をした費用であることについては原告において明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。 (2) そこで、右各費用が前記3(二)で述べた基準(第二事業年度については昭和四八年法律第一六号による改正 た費用であることについては原告において明らかに争わないから、これを自白したものとみなす。 (2) そこで、右各費用が前記3(二)で述べた基準(第二事業年度については昭和四八年法律第一六号による改正後の租税特別措置法第六二条第四項が適用されるが、右条項は右法律による改正前の租税特別措置法第六三条第四項と同一であるから、前記3(二)で述べた基準は第二事業年度についても妥当する。)に照らして交際費等に該当するか否か検討する(法人の役員、従業員が交際費等の支出の対象となること前記3(二)で述べたとおりである。)。 (1) 別表六2について成立に争いのない乙第一二号証によれば番号(1)の飲食には料理飲食等消費税が課せられていた(昭和五〇年法律第四七号による改正前の地方税法第一一四条の四第一項により一人あたりの料金が一二〇〇円を超える場合には料理飲食等消費税が課せられる。)ことが認められ、また番号(2)の飲食はサパークラブにおいてなされたものである (このことは前記(1)のとおり当事者間に争いがない。)から、右はいずれも法人が諸会費等の名目で費用を負担すべき通常の食事の程度を超えていると認めるのが相当であつて交際費等に該当するというべきである。 (2) 別表六3について成立に争いのない乙第一四号証ないし第一六号証、第一九号証ないし第二三号証及び第二六号証並びに証人F及び同D(第一回)の各証言によれば、番号(1)は原告代表取締役Aと他一名の者が<地名略>のレストラン・キヤンテイにおいて飲食をした費用であつて一人あたりの費用が六四二〇円となること、番号(2)は従業員の慰労のために赤坂のパブレストラン・ダンケにおいてなされた飲食の費用で、料理の大半はいわゆるつまみであり一人あたりの費用が二六六二円となること、番号(4)は昭和四九年三月二三日と同年四月九 従業員の慰労のために赤坂のパブレストラン・ダンケにおいてなされた飲食の費用で、料理の大半はいわゆるつまみであり一人あたりの費用が二六六二円となること、番号(4)は昭和四九年三月二三日と同年四月九日の飲食に要した費用である(このことは前記(1)のとおり当事者間に争いがない。)が、右両日ともウイスキーをボトルで注文しており一人あたりの費用が三月二三日が二八一三円(飲食した人数四名)、四月九日が四五三〇円(同五名)となること、番号(5)は新入社員の入社歓迎会を<地名略>の東カン大飯店で行なつた際の費用で、出席者は一八名で一人あたりの費用が三八三三円となること、番号(6)の飲食をした人数は明確でないが、右飲食には料理飲食等消費税が課せられていることが認められる。 右認定の事実によれば、別表六3番号(1)、(2)、(4)、(6)は法人が費用を負担すべき通常の食事の程度を超えた飲食に要した費用と認めるのが相当であり、同番号(5)は同じく法人が会議費等として費用を負担するのを相当とする程度を超えたものに対する費用と認めるのが相当であるから、いずれも交際費等に該当するというべきである。 ところで、番号(3)については成立に争いのない乙第一七号証及び第一八号証によれば五人が前記パブレストラン・ダンケでした飲食の費用であるが、食事代が四〇〇〇円、ビール代が六〇〇円で一人あたりの費用が九二〇円にすぎないことが認められるが、右認定の事実によれば、飲食の場所がパブレストランであること、量はともかくとして飲酒を伴なつていること等からすると、会議に関連して生じた費用であるとは認められないのみならず、その他当該飲食がどのような趣旨のものであるのか明確に認定するに足りる証拠はないから、けつきよく右費用は役員ないし一部従業員の慰安ないし接待のために支出された交際費等であ とは認められないのみならず、その他当該飲食がどのような趣旨のものであるのか明確に認定するに足りる証拠はないから、けつきよく右費用は役員ないし一部従業員の慰安ないし接待のために支出された交際費等であると認めるのが相当である。 (3) 別表六5について成立に争いのない乙第三四号証、第三六号証、第三九号証ないし第四一号証、第四四号証及び第四六号証ないし第四八号証並びに証人Fの証言を合わせると、番号(2)は四人が前記パブレストランでした飲食の費用で、ウイスキーをボトルで注文しており一人あたりの費用が二六四〇円となること、番号(3)は五人が<地名略>のレストラン・あおしまでした飲食の費用で一人あたりの費用が一八二六円となること、番号(6)は三人が世界貿易会館のレストラン・プルニエでした飲食の費用で一人あたりの費用が二六八〇円となること、番号(7)及び(8)の飲食をした人数は明確でないが、右飲食には料理飲食等消費税が課せられていること、番号(11)は二人が前記パブレストランでした飲食の費用で、ウイスキーをボトルで注文しており、食事よりは飲酒に重点がおかれ一人あたりの費用が五七七七円となること、番号(13)は二人が高輪プリンスホテルでした飲食の費用で、食事に重点がおかれてはいるものの一人あたりの費用は二七九〇円となること、番号(14)は二人が南青山のレストランでした飲食の費用で、酒代が半額を占め一人あたりの費用が一六五〇円となることが認められる。右認定の事実によれば、右各飲食はいずれも残業或いは休日出勤に際してとられたものであることは当事者間に争いないものの、そのような際の法人が費用を負担すべき通常の食事の程度をいささか超えていると認めるのが相当である。従つて、右各飲食に要した費用は交際費等に該当するというべきである。 次に、番号(1)は昭和四八 のの、そのような際の法人が費用を負担すべき通常の食事の程度をいささか超えていると認めるのが相当である。従つて、右各飲食に要した費用は交際費等に該当するというべきである。 次に、番号(1)は昭和四八年七月二三日に行なわれた退職社員の送別会の費用である(このことは当事者間に争いがない。)が、前掲甲第八号証の二によれば、右同月当時の原告の役員・従業員数は一八名であつたことが認められるところ、仮に全役員・従業員が右送別会に出席していたとしても一人あたりの費用は二七〇〇円弱となるのであつて、法人が福利厚生費等としてその費用を負担するのを相当とする程度を超えていると認めるのが相当であり、従つて、番号(1)は交際費等に該当するというべきである。 また、番号(4)、(5)については、飲食をした人数、飲食の内容、料理飲食等消費税の賦課の有無等を認定するに足る証拠はないが、その金額はいずれも残業に際しての食事代としては極めて高額であつて、前掲甲第八号証の二によつて認められる昭和四八年一一月当時の原告の役員、従業員数を考えれば、右はいずれも通常の食事の程度を超えたものと推認することができる。従つて、番号(4)、(5)はいずれも交際費等に該当するというべきである。 更に、成立に争いのない乙第四三号証及び証人Fの証言によれば、番号(9)は忘年会の二次会の費用であると認められるから、前記3(三)(1)で述べたとおり交際費等に該当するというべきである。 更にまた、番号(10)、(12)はいずれも忘年会の費用である(このことは当事者間に争いがない。)が、成立に争いのない乙第四二号証及び第四五号証によれば番号(10)は昭和四八年一二月一九日支払分の費用であること、番号(12)は同月一一日分の費用一万六五〇〇円と同月一九日分の費用六万八九一五円の合計であることが認められる 号証及び第四五号証によれば番号(10)は昭和四八年一二月一九日支払分の費用であること、番号(12)は同月一一日分の費用一万六五〇〇円と同月一九日分の費用六万八九一五円の合計であることが認められる。そうして、番号(10)及び番号(12)のうち昭和四八年一二月一一日分の費用一万六五〇〇円については出席人員を認め得る証拠がないが、その支払先、金額等からすれば、忘年会とはいつても役員、従業員の一部の者のみが参加したにとどまるものないしは二次会に関するものと推認するのが相当であり、法人が費用を負担するのを相当とする範囲を超えるものと解するから、いずれも交際費等に該当するというべきである。また、前掲甲第八号証の二によれば、昭和四八年一二月当時の原告の役員、従業員数は一九名であつたことが認められるが、仮にその全員が番号(12)の昭和四八年一二月一九日開催の忘年会に出席したとしても一人あたりの費用は三六〇〇円余となるのであり、右は通常の忘年会の程度を超えたものと認めるのが相当であるから、番号(10)及び(12)は交際費等に該当するというべきである。 (三) 別表六4の各費用について(1) 原告が別表六4の各金額を交通費として損金経理していたこと、同表の乗車年月日、乗車時間、支払金額及び乗車経由、番号(1)ないし(10)が原告の役員或いは従業員の帰宅費用であること、番号(11)が原告の関与税理士の帰宅費用であること並びに番号(12)が得意先を接待した後の原告の従業員の帰宅費用であることについては当事者間に争いがない。 (2) 番号(1)ないし(10)について当事者間に争いのないその乗車時間及び乗車場所並びに成立に争いのない乙第五一号証及び証人Dの証言(第一回)によつて認められる昭和四九年当時原告の事務所が赤坂にあつた事実を合わせれば、番号(1)ないし 当事者間に争いのないその乗車時間及び乗車場所並びに成立に争いのない乙第五一号証及び証人Dの証言(第一回)によつて認められる昭和四九年当時原告の事務所が赤坂にあつた事実を合わせれば、番号(1)ないし(10)は原告の役員或いは従業員が深夜まで銀座で飲食した後の帰宅費用である(原告の役員或いは従業員の帰宅費用であること自体については前記のとおり当事者間に争いがない。)と推認することができる。ところで、原告はこの点について右は役員或いは従業員の残業後の帰宅費用であると主張するので、右認定を覆して原告の主張を認めるに足りる証拠の有無について検討するに、証人D(第一回)は業務に関係のある可能性の認められるものだけが交通費に計上されている旨供述するが、右供述は抽象的であつて前記認定を覆すに足りないし、また前掲乙第五一号証によれば原告の業種は広告宣伝の取扱代理業であることが認められるところ、一般に右業種は他業種に比較して他社との折衝も多く勤務時間も不規則になる特殊性を有していると認めることはできるが、番号(1)ないし(10)が役員或いは従業員の残業後の帰宅費用であることにつき具体的な立証がなされない以上右原告の業種の特殊性のみによつて前記認定を覆すことはできず、他に右認定を覆して原告の主張を認めるに足りる証拠はない。 従つて、番号(1)ないし(10)は原告の役員或いは従業員が深夜まで銀座で飲食した後の帰宅費用であると認めるのが相当であるところ、右飲食が交際費等の支出の対象となる行為にあたるか或いは原告の役員、従業員が自己の遊興のためにしたものであるかを認定する証拠はない。しかしながら、仮に前者であるとすれば番号(1)ないし(10)は交際費等の支出に伴う費用として交際費等に該当するというべきであるし、また仮に後者だとしても、交通費とは役員、従業員の会社 る証拠はない。しかしながら、仮に前者であるとすれば番号(1)ないし(10)は交際費等の支出に伴う費用として交際費等に該当するというべきであるし、また仮に後者だとしても、交通費とは役員、従業員の会社負担とされた通勤交通費或いは業務遂行の際に要した交通実費等をいうものと解せられるから、役員或いは従業員が深夜まで銀座で飲食した後の帰宅費用を交通費として認めることは到底できないのであつて、番号(1)ないし(10)は役員或いは従業員に対する慰安ないし接待に要する費用として交際費等に該当するというべきであり、結局いずれにしろ番号(1)ないし(10)は交際費等に該当するというべきである。 (3) 番号(11)について当事者間に争いがない乗車時間及び乗車場所、前記(2)認定の昭和四九年当時の原告の事務所の所在地並びに原本の存在及び成立に争いのない甲第一号証によつて認められる第一事業年度の更正及び第二事業年度の第一次更正に係る審査請求の際番号(11)が交際費等に該当することを原告において争つていなかつたことを合わせると、番号(11)は原告の関与税理士が原告の役員或いは従業員から接待を受けた後の同人の帰宅費用である(番号(11)が原告の関与税理士の帰宅費用であること自体については当事者間に争いがない。)と推認することができる。原告はこの点について原告の関与税理士の事務打合せ後の帰宅費用である旨主張するが、前記認定を覆して原告の右主張を認めるに足りる証拠はない。右認定の事実によれば、番号(11)は原告の事業に関係のある者に対する接待の費用であると認めるのが相当であつて、交際費等に該当するというべきである。 (4) 番号(12)について前記(1)のとおり、番号(12)が得意先を接待した後の原告の従業員の帰宅費用であることについては当事者間に争いがなく、右争 あつて、交際費等に該当するというべきである。 (4) 番号(12)について前記(1)のとおり、番号(12)が得意先を接待した後の原告の従業員の帰宅費用であることについては当事者間に争いがなく、右争いのない事実によれば、番号(12)は原告の得意先の接待に要した費用と認めることができるから、番号(12)は交際費等に該当するというべきである。 (四) 以上述べたとおり、原告が諸会費としていたもののうち三万四五四五円、会議費としていたもののうち一五万一七九三円、交通費としていたもののうち一〇万八六九〇円及び福利厚生費としていたもののうち二七万一四七〇円は交際費等に該当するものであるから、原告の交際費等の額は右金額と前記(一)で認定した原告の申告に係る交際費等の額八九七万五九九二円との合計である九五四万二四九〇円となる。右金額について、昭和四九年法律第一七号による改正前の租税特別措置法第六二条第一項ないし第三項の規定によりその損金不算入額を算出すると、別紙計算書第二事業年度欄記載のとおり五一六万七八二〇円(円未満切捨て)となる(第二事業年度終了の日における資本金の額については当事者間に争いがない。)。従つて、右金額と前記(一)で認定した原告の申告に係る損金不算入額四六五万一九〇一円との差額である五一万五九一九円を申告所得金額に加算すべきである。 9 被告の主張(四)(5)について前記4で認定したとおり原告の第一事業年度の欠損金額は一万九六七三円であるから、第二事業年度において損金の額に算入することができる金額は右一万九六七三円である(法人税法第五七条)ところ、弁論の全趣旨によれば原告が繰越欠損金を四九万二一四八円として確定申告していたことが認められるから、その差額四七万二四七五円を申告所得金額に加算すべきである。 10 以上述べたところから原告 ところ、弁論の全趣旨によれば原告が繰越欠損金を四九万二一四八円として確定申告していたことが認められるから、その差額四七万二四七五円を申告所得金額に加算すべきである。 10 以上述べたところから原告の第二事業年度の所得金額を算出すると二三〇〇万六六二七円となる。従つて、第二事業年度分の第三次更正には、原告主張の違法はない。 三次に、本件決定の適法性について検討する。 前記二10判示のとおり第二事業年度分の第三次更正は適法であるから、これを前提としてされた本件決定には原告主張の違法はない。 四結論よつて、原告の本訴請求は、いずれも理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官藤田耕三原健三郎北澤晶)
▼ クリックして全文を表示